北海道パラダイスウィークレポートNo.2 第2ステージ(BRM806北海道400前半)

8月6日
 6時起床。軽い二日酔いではあるが、疲労感も殆どなく体調は問題なし。朝食前に羽幌の港まで散歩に出る。

 羽幌港は小さな漁港で近くの島までのフェリー乗り場もあった。

 この町のシンボル、オロロン鳥
 空はどんよりと曇り気温も低め、ぼやぼや歩いていたら激しい雨が降り出しずぶ濡れで宿に戻った。

 朝食は御櫃を空にしてしっかり食べる。出発準備をするうちに雨も上がり晴れ間も出てきた。ちょうどいいタイミングだ。
 10時に宿を発ち、20kmちょっと先のスタート地点の初山別を目指す。

 ようやく青い空が広がり北海道らしい清々しい天気になった。海風は向かい風気味だがこの爽快感なので腹も立たない。のんびりと北海道の爽やかな夏のサイクリングを楽しんだ。

 またしてもオロロン鳥

 11時にスタート地点の道の駅しょさんべつに到着。

 すぐ傍の小さな天文台

 ブリーフィング開始を待っている間、バイクを点検していたらリアディレーラーの動きが渋くてトップに入らないことに気が付いた。今回のパラダイスウィークで普段は使わないブルべ決戦用ホイールを装着し、ディレーラーの微調整を行っていなかったのが原因だろうとその場で弄ったがどうも芳しくなく、結局ワイヤーを緩めたりしてセッティングしたら何となく動き始めたので良しとした。(実はこれが後に起こる大トラブルの予兆であった)


 車検が始まりいよいよスタート。定刻の12:00ちょっと前に走り始めた。

 今日の予定はBRM806北海道400のうち250kmを走って紋別に宿泊する。コースはちょっとだけ海沿いを北上し内陸方面に左折、軽く峠越えをして浜頓別で再び海沿いに出て後はひたすら紋別まで南下するというルート。

 普段の400kmブルべでは仮眠を取らず一気に走り切ってしまうのだが、今回はスタート時刻が12時で、1500kmを走破するには十分な休息と規則正しい睡眠サイクルを維持するために敢えて仮眠のためのホテルを確保した。到着目標は24時だが250kmを12時間はちょっとハードルが高いか。

 晴れのサイクリングはやはり楽しい。北海道はやはりこうでなくちゃいけない。風は相変わらず向かい風基調で後続のライダーにどんどん抜かれるが、今回の1500kmも普段のブルべと同様に風除けなしで独りで走り切るつもりなので集団には付かずにマイペースで走り続ける。

 AJ北海道のスタッフさんに撮って頂いた写真。

 青い海と青い空とひまわり畑。爽やかー。

 20kmちょっと走った所で左折、内陸部に向かう。風向きが変わり走り易くなったが徐々に雲が厚くなって来て青空が見えなくなった。徐々に登り基調になるが勾配は大したことないのでのんびりとペースを守って登る。

 AJ北海道のスタッフさん撮影。

 そのうちまたしても雨が降り始めたが小雨程度なので構わず走る。北海道の天気がこんなに変わり易いとは想像していなかった。
 峠を一つ越えて下り切ってから天塩川の川沿いの道を走り始めたが多数のダンプカーが結構なスピードでガンガン抜いていくのでちょっと怖い。
 もう少しでPC1というところで、急激に腹が減ってきて身体に力が入らなくなってきた。ハンガーノックの兆候である。朝食をしっかり摂ったので大丈夫だろうとタカを括っていたが、考えてみたら6時間以上も何も食べずに走っていた。慌ててバイクを道端に止めサドルバックの中からエナジーバーを取り出し頬張る。

 程無くして70km地点のPC1に到着、チェックタイムは14:57。

 がっつり補給。北海道限定の乳酸菌飲料カツゲン」を飲む。味は可もなく不可もなくと言ったところ。駐車場で地元のおじさんと話をする。1500km走ると言ったら呆れていた。まあ普通の人の正常な反応だろう。

 30分の長めの休憩後、ゴミを捨ててさあスタート、と思ったらゴミ箱がない。このコンビニではゴミは持ち帰りとなっているとのこと。仕方がないのでサドルバッグにゴミを括りつけて走る羽目に。

 ちょっと休み過ぎて大きくペースダウンしてしまい紋別の今日中の到着が危うくなってきたのでここから少し踏みを入れる。ゴミ袋を付けて爆走である。PC2を出て程無く登り基調になり小さな峠をこなして後は下り基調で快調に進む。

 PC2のある浜頓別まで後40km。小雨が断続的に降っているが走行には全く支障はない。順調に進む。

 131km地点のPC2に到着、チェックタイムは17:39。ここのコンビニにはゴミ箱があった。やっとゴミが捨てられた。バイクから降りて初めて気温が低いことを実感した。休憩中に身体が冷えてはっきり言って寒い!とりあえずレインジャケットを着る。

 短い休憩の後スタート。

 オホーツク海沿いの道を走り始めるが、斜め前からの海風が強くバイクが進まない。巡航速度も25km/hを下回ってしまい、このペースだと120km先の紋別着は日付を越えてしまう。ちょっと走って身体も温まって来たので空気抵抗を少しでも減らすためにレインジャケットを脱ぐことにした。読み通りレインジャケットを脱いだら巡航速度が2km/hくらい上がった。やはりジャケットの空気抵抗は無視できない。雨は相変わらず降っているが身体が温まってしまえばそれ程苦にならない。
 トンネルを一つ抜け、海のすぐ横からちょっと高台になった所を走り始めたところで海風が弱まり更に巡航速度が上がった。ここから再び踏みを入れて遅れを挽回する。

 日もすっかり落ち、夜間走行に突入。道路灯はないが積雪の際の路肩を示す矢印が点滅するので意外に明るく走行に支障ない。車は相変わらず猛スピードでぶち抜いていく。夜間ということもあり台数は少ないが後ろからヘッドライトが近づいてくる度に緊張させられる。
 小雨が降り続いてアイウェアが水滴で視界を悪化させるので外して走る。こういう時に目が悪いことが恨めしく思う。
 しばらく走っていると道の真ん中に黒い物体が幾つか見えた。近づくとそれは鹿の親子だった。写真を撮ろうと更に近づいて行ったら一目散に道端の草むらの中に駆け込んでいった。
 海沿いとは言え意外にアップダウンはある。ただ道が真っ直ぐなので緩やかに長く登ったり下ったりしているとそれが登りなのか下りなのか平坦なのかだんだんわからなくなってくる。

 213km地点のPC3に到着、チェックタイムは20:55。

 到着直後にAJ北海道のスタッフさんに撮って頂いた写真。呆けた表情をして情けない。
 休憩していたら数名のライダーが到着した。聞けば皆さん紋別のホテルに泊まるという。
 紋別まで後40km、何とか今日中には到着できるだろう。

 ここで明日朝の補給食も調達ししっかり休憩を取って再スタート、もうひと頑張りだ。

 この頃になって左膝が痛くなってきた。ちょっと前に痛めた右膝は問題ないのだが、もしかしたら無意識のうちに右膝を庇って走って左膝に負荷をかけて来たのかも知れない。それと尻の痛みも顕在化してきた。今回は尻の表皮の保護のためにボルダースポーツというムース状のスプレーを使っているのだが効果が薄れてきたようだ。両方ともあまり良い状況ではないが、もう少しでホテルなのでそのまま走り続ける。
 更に今度はメカトラ発生、リアディレーラーの動きが渋くなりトップ側の4枚くらいのギアにチェーンが落ちなくなってしまった。最初はディレーラーの油切れかと思ったが、良く考えてみたらこれはワイヤーが切れかかっている症状だと気付いた。幸い今回は出発前にふと思い付いてスペアのワイヤーを持って来ているのだが、どうせ膝が痛くて重いギアは踏めないしこのままホテルまで行ってしまおうと走り続けた。
 このペースならば23時にはホテルに着けるだろう。結果的に目標より早くなりそうなので気持ちに余裕がある。膝に負担をかけ過ぎないようにペースを落として走る。
 紋別の市街地に入り、風景が賑やかになってきた。本来の設定ルートを逸れホテルに向かう道は結構な勾配の下り坂、明日の朝コース復帰する時にこれを登り返さなければならないと考えると憂鬱になる。
 程無くしてホテルが見え、駐車場に入ってギアを軽くしようとシフトレバーを動かした途端、ガクッと手応えがなくなりギアがトップに入った。ワイヤーが完全に切れてしまった。到着と同時に切れるなんて何ともドラマチックな展開だが、それにしても変な場所で切れていたら雨の中の交換作業はかなり難儀したことを思えば運が良かったと思う他はない。

 23時に紋別プリンスホテルに無事チェックイン、ワイヤーの交換は明日にすることにしてバイクを倉庫に保管してもらう。部屋に入って濡れたウェア脱ぎ捨ててようやく人心地ついた。室内LANに接続するがインターネットに繋がらない。まあ直ぐに寝るだけなので速攻で諦めて、大浴場へ向かう。大きな風呂に浸かって疲れを癒せるのはかなり贅沢で有難い話だがとりあえずここまではプランニングの勝利と言ったところか。
 次の334km地点のPC4まではここから約80kmちょっと、PC4のクローズ時間が10:16なので6:00にホテルを出発すれば間に合う計算である。とりあえず4時間以上は眠れる。
 両脚にコンプレッションタイツを履き、尻にオロナインH軟膏を塗り込み、24時過ぎに就寝。