衆院選終わる

 昨夜は選挙速報もそこそこに寝てしまったが、目覚めても昨夜の大勢は変わらず自民党の圧勝に終わった。

 どうも私の周囲で感じていた雰囲気とはかけ離れた結果に正直一体誰が自民党に投票したのかいぶかしさを感じる。

 結局今回の選挙の争点はなんだったのか?原発?消費税?TPP?改憲景気対策?外交?社会保障?私の感覚では民意に具体的な政策選択はあまり感じられなかった。
 福島で直接被害を受けた以外の人達は原発問題はそれ程重要ではなかったし(むしろサイレントマジョリティーは原発稼働容認だったのでは)、消費税増税はやむなしと”既にしっかりと刷り込まれて”いたし、TPPは何の事だかよくわかってないし、改憲は反対すれば旧来思考と思われるのが嫌で”あり”と答えるだろうし、景気対策はとりあえず担当者を変えて期待してみようと思うだろうし、外交は強気で行けと思っているだろうし、社会保障はとりあえず増税と引き換えに何とかしてもらえるだろうと思うだろうし、とりあえず今回の民意を真っ当に推し測ってみるとこんな感じなのかも知れないが、それでも具体的政策選択の末の投票行動には思えない。

 もし民主党のマニュフェストに書いてなかった消費税増税に怒ったのであれば、消費税容認の自民党に勝たせるのは筋が通らない。結局のところ、”約束を守らない”とか”未熟”な民主党では駄目だという情緒が強く働いて、少なくとも経験豊富で政権交代しても直ぐに走り出せそうな”安定した”自民党を選んだということになるのかも知れない。

 本質的な政策選択は面倒だがとりあえずそこそこの暮らしができれば、と潜在的に思っている”中流志向ノンポリ温厚勤勉優良納税者”が多数を占める有権者の判断の結果がこれなのだろう。まあこれも民意ならば致し方のないところである。

 しかし、再び自民党政権に戻ることで再び税金の無駄遣いにメスが入る可能性は低くなった。我々の目の届かないところで余計な仕事を勝手に作って税金を横流しして”税の還流”を受ける輩がのうのうと生きているのはどうにも我慢できない。(民主党政権下でも財政投融資は増え始めていたし特殊法人も減ってない、復興予算もとんでもないところに使われていたのが一部明らかになったことを見れば、どうなるかは容易に想像がつく)

 更にこれが恣意的な情報操作で流れを作られた上での結果だというところがどうにも納得いかない。小沢氏に推論の域を出ない架空の罪を擦り付け悪玉のレッテルを貼り、政治の分岐点の要所要所で彼の政治活動が封殺され、それがこの選挙にも多大に影響した。

 個人的には小沢氏の主張は確かに一般国民の目線に合致するところが多いと思うし、彼自身のキャリアを考えれば見識・経験・力量は並み居る政治家を超えた存在だと思う(私的には彼はアメリカや中国その他諸外国とも堂々と渡り合えると思っている)。果たして彼の言うことが実行できるかどうか一度国の舵取りを託してみたいと心底思うのだが、そのチャンスの芽が摘まれてしまったことは至極残念という他はない。

 自公の安定多数の上に、維新の一部や場合によっては民主党も迎合する雰囲気があり、小沢氏の言う”大政翼賛会”的な国会になるやも知れず、”それが民意だ”と我々への”痛み”を更に増そうとするだろう。この選挙結果の怖いところは、野党側が少数バラバラでとても受けて立てる状況ではないことだ。

 個人的には小沢氏がモチベーションを切らしてしまうのが怖い。小沢氏が再び自らを奮い立たせ健全野党勢力を立ち上げてくれることを切に希望する。

 ここまではうまく情報をコントロールして誘導した大手マスコミとその背後の既得権益を守ろうとする力の目論み通りと言ったところか。
 しかし長くても4年後には間違いなく選挙は来る。僅かずつではあるが確実に有権者情報リテラシー能力は上がって来ており大手マスコミの影響力は低下傾向にある。疑問を持ち行動する人も徐々に増えてきている。ポジティブシンキングを自らに強いて疑問と怒りを必要以上に封殺することなく、次の機会に向けて考え行動し準備することが重要だ。

 その時まで、まずは気分を切り替えてしっかりと働き遊びながら、自分の身は自分で守るとしよう。