日本縦断2700km:出走前夜

 稚内から戻って来てもう4日が経つ。左膝の痛みはかなり治まって来たがまだ自転車に乗ってはいけないレベル、疲労感はそれ程でもないが身体の芯に染み付いた様な重さを感じる。今週末は完全OFFと決めた。
 まずはバイクのオーバーホールと走行レポートを書き始める。レポートの方は、鹿児島スタートが4/26だったからもう2週間も経ってしまいかなり記憶が薄れてきているので、欠損分を適当に補完すると事実が前後したり妄想が入り込んだりと必ずしもノンフクションにはならなさそうだが、最終的に帳尻が合えば良しとする。ブログを書き終えればこのプロジェクトは完結するので何日かかるか分からないが兎に角書き始めよう。

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 それにしてもとんでもない企画が出てきたものだ。
 事の起こりは去年11月のオダックス埼玉の忘年会だった。宴会の途中で2014年のコース紹介があったのだが、その中で出てきたのが6本のブルベを繋いで日本縦断をしてしまおうというもの、聞いた瞬間はその意味がよく理解できずにぽかんとしてしまったが、何日か経ってぼちぼち考え始めるとようやくそのスケールの大きさに気付いて腰が引けてしまった。
 年が明けて2月になって漸く要綱が発表された。

http://randonnee.audax-saitama.org/

 実際に内容を見てみるとやはり凄い。4/26に鹿児島をスタートし5/6に宗谷岬にゴールするという2700kmを一度に走るなんて途方もない話だ。しかし、こんな企画が実際に設定された以上必ず誰かがチャレンジして完走を果たすだろう。俺はそれを黙って見過ごすのか?その渦中に居なくていいのか?この千載一遇のチャンスを逃すのか?と自問自答を繰り返し、最終的には思考停止して6本全てのブルベにエントリーしてしまった。

 それから準備開始。出走までには様々なハードルがありそれをクリアしていかなければならない。走行プラン、装備の検討、宿泊・フライトの予約、勿論走り込んでエンジンを鍛える必要もある。まずは頭の中で様々思慮を巡らせ一つ一つを具現化していった。
 一番大きなハードルは休暇の確保だ。走行期間は4/26〜5/6だが、移動日を含めれば4/25〜5/7ということになり、会社のカレンダーに照らせば、4/25、4/28、4/30、5/7を休暇にしなければならない。ここ数年、季節性の繁忙期がゴールデンウィークまでかかることがしばしばなので、今年も同じことになる可能性を否定できないが、エントリーした以上出走を前提に事を進める。
 4月に入っていよいよ雲行きが怪しくなり、案の定、季節性繁忙期がゴールデンウィークに引っ掛かりそうな様相を呈してきた。鹿児島への前日入りを諦め当日入りを決断しフライトを予約、飛行機チケットの予約をギリギリまで待っていたため随分と値段が上がってしまった。
 4月も半ばを過ぎたところで繁忙期がゴールデンウィークに被さることが不可避な情勢が見えてきた。立場上持ち場を離れるわけにはいかないというのが社会的責任として常識的な判断であり、暗澹たる気持ちで一時は断念を考えた。しかし、恐らくは2度とこの様な企画はないだろうし仮に数年後にあったとしても年齢的に更にきつくなっていることは明らかだし、要するにこの機を逃せば日本縦断のチャンスは巡って来ないかも知れない。これもワークライフバランスの重要な発露だと自分に言い聞かせながら最終判断としては出走を決断、我儘を通させてもらうことにした。4/28・30に一時戦線離脱、5/7中に稚内から直接戦線復帰の線で最終調整とした。黙って送り出してくれた組織の面々には本当に感謝している。

 一時は気持ちが切れておろそかになった準備を慌てて巻き直し。
 基本的にドロップバッグはないので、装備を全て持って走るかそれともどこかのホテルに事前発送しておくか考えてはいたものの、スケジュール睨みで対応が後手に回ってしまい事前発送の余裕がなくなってしまった。
 取り敢えず持って走ることを前提に組み立てるが、一番かさばるのがウェアだ。北海道は最低気温が1桁台らしいので基本的に冬装備を考えねばならないが、レインウェアを防寒着兼用と考えて重複を減らす。最終的には下記の様になった。

・半袖ジャージ
・ノースリーブインナー
・レーサーパンツ
・ソックス
・アームウォーマー
・レッグウォーマーショート
・レッグウォーマーロング
ヒートテックインナー
・ライトシェルサイクルジャケット
・レインジャケット
・レインパンツ
・レインシューズカバー
・爪先シューズカバー
・指切りグローブ
・レイングローブ

 全て1枚ずつ、宿泊先での洗濯で凌ぐつもり。

 スペアパーツ・工具は下記の通り。

・タイヤ1本
・チューブ3本
・タイヤブート2枚
・エマージェンシーパッチ
・シフトケーブル1本
・チェーンオイル
・集合工具

 タイヤは前後とも新品に交換したので、スペアの御世話になることは多分ないと思われるが念のため入れておく。

 電装品関連は下記の通り。

エネループ単3 6本
エネループ単4 2本
エネループ充電器4本用
・サブのガーミンナビ
・アクションカム用予備バッテリー2個
・携帯電話用予備バッテリー1個
・携帯電話用充電器
・各種充電用ケーブル
タブレットPC
ipod touch
・携帯用LANケーブル
無線LANアダプタ

 宿は全てLAN接続可能な所を選んだが、有線LANのみの所用に無線LANアダプタを持参する。

 その他携行品は下記の通り。
・チールメタシン
・サロンシップ
・キネシオテープ
・胃薬
・止瀉薬
・絆創膏
・Tシャツ
・トランクス
・スポーツハーフパンツ
・医療用コンプレッションタイツ

 休息時の両脚の疲労回復に医療用コンプレッションタイツは必須。

 これらの荷物はいつも使っているキャラダイスのサドルバッグに全く治まらなかったので、別の袋に入れて100円ショップで手に入れた自転車前かご用ネットでサドルバッグの上に括り付けることにした。

 これらの荷物とバイクをパッキングして鹿児島に向けて発送した。その後、泥除けを入れ忘れていたことに気付いてハンドキャリーしなければならなくなった。

 最終的な走行プランはこの様になった。

 11日間を通して2700kmを走破するためには、とにかく通常の生活サイクルを崩さずに走ること、即ち「日中走って夜は寝る」を念頭にプランを考えた。
 最初の400は240km地点で宿を取って仮眠を設定。次の1000は3泊4日で組み立てた。3日連続300kmはかなりきついがこれをクリアできれば、次の200でワンクッション置けるのでちょっと楽になるはずだ。5本目の200の青森ゴール後は直ぐに青森駅に移動し鉄道で函館に移動する。
 最後の600は仮眠ポイントの設定が難しかったが最終的には380kmに決定、今回の日程の中で最長の走行距離となり且つここまで2100kmを走って来て疲労も相当溜まっているだろうから恐らくこの区間が最大のヤマ場になるだろう。
 事前の天気予報では、九州は問題なさそうだが1000の山陰走行中の天気は悪そうだ。それ以降は問題なさそうだ。

 出走前夜の4/25、会社から帰宅して改めて準備状況のチェック。取り敢えずやれることは全てやった。明日は4時起き、とりあえず出走まで漕ぎ着けられた安堵感と微妙な気疲れを感じつつ早めの就寝。