日本縦断2700km:第1ステージ/BRM426埼玉400(鹿児島スタート->大牟田)

 4/26、朝4時起床。そそくさと支度をして、バックパック1つ背負って5時前に自宅を出発。今度家に帰ってくるのは12日後、プライベートでこんなに長く旅行に出るのは初めてだ。バイクは事前に鹿児島中央駅近くのヤマト運輸の営業所止めで送ってあるので、荷物は少なく移動は楽だ。但し、鹿児島スタート12:00に間に合うためにはトラブルは許されず遅滞なく移動しなければならない。スタートラインに立つまでが最初のハードルだ。

 モノレールの車窓から見る東京湾。旅が始まったことを実感。
 羽田空港より7:55発のスカイマーク鹿児島行に無事搭乗、フライトキャンセルor遅延はなく最初のリスクは回避された。

 10時前に予定通り鹿児島空港着、急いでバス乗り場に移動しリムジンバスに乗った。

 10時半過ぎに鹿児島中央駅着、予定通りだ。駅傍のバスターミナルのトイレでサイクルウェアに着替えて徒歩でヤマト運輸の営業所に向かう。

 輪行バッグは無事届いていた。早速バイクの組み立て開始。思いの外手間取って焦る。流石鹿児島、感覚的には初夏の陽気で汗を掻きながらバイクを組み立てる。最中に、指切りグローブを忘れたことに気がついた。またやっちまった、今更どうしようもないので走行中の調達を考える。
 やっとの思いでバイクの準備を終えて、輪行バッグとバックパックを稚内に向けて発送する。手続きの最中、受付の女性に「この荷物を受け取るために稚内まで走るんですよ」と言ったらぽかーんとしていたので、余計な事を言わなきゃよかったと少し後悔した。
 全ての手続きを終えバイクに跨って時計を見たら11:20、急いで2km先のスタート地点を目指して走り出す。市街地なので信号にちょくちょく引っ掛かる。

 11:30過ぎぎりぎりで何とかスタート地点まで辿り着いた。既にブリーフィングが始まっていた。兎にも角にもこれでスタート地点に立つことができ安堵した。
 顔見知りと挨拶を交わしているうちにスタート時刻となり装備チェックが始まる。

 今回宗谷岬までの全てのブルベにエントリーした人数は30名ちょっと。区間限定で走る人も含めれば50名位の人がいるものと思われる。

 この日本縦断を企画したシロキさんは何と松葉杖をついておられる。直前のブルベで怪我をされたと聞いていたが、結局出走かなわずさぞかし無念ではなかろうか。

 これから11日間苦楽を共にする我がバイク。

 大方の出走者を見送った後、装備チェックを受けていよいよ私もスタート。12時過ぎにいよいよ日本縦断が始まった。

 今日のコースは鹿児島をスタートして宿泊地の大牟田までの240km。

 大きな峠はないがそこそこアップダウンがあり、また、十分な仮眠を取るためには日付が変わる前にはゴールしなければならないのでそれ程楽な行程ではない。


 鹿児島市街地を抜けていく。
 道すがら小さな自転車屋を見つけたので指切りグローブがないか立ち寄ってみる。残念ながら置いてなかった。

 市街地を抜け登りに差し掛かる。先行するのはオダ埼清水班のスガタさんとリュウさん。

 熊本まで164km。

 国道3号線を北上する。
 慌ててスタートしたのでボトルが空なことに気が付いた。スタート前に何も食べていなかったが、PC1まではそれ程距離はないためそのまま走り続ける。

 海が見えた。気持ちのいい風景と気候の中、少しずつ慌しさもほぐれて来てマイペースを取り戻してきた。

 79km地点の阿久根のPC1に到着、チェックタイムは15:29。

 しっかりと補給をし、ボトルを満たす。九州の暑さに身体が慣れていないせいかちょっとバテ気味だったので長めの休憩の後スタート。


 阿久根市街地を抜ける。

 しばらく走っているといきなり左脚が攣った。いつもの太腿内側だ。PC1到着前にも何となく気配があって嫌な感じがあったのだが結局こうなってしまった。やはりPC1までにきちんと補給をしていなかったことが裏目に出た格好だ。あれだけ前回までのブルベでミスしていながら結局同じことを繰り返すとは、自分の馬鹿さ加減に幻滅しつつ一気にテンションを下げてしまった。それから両脚のあちこちを断続的に攣り始め、ペースががっくり落ちた。脹脛が攣った時は激痛が走りペダリングがままならず呻き声を上げながらもがく。
 日本縦断は始まったばかりなのに一体何をやっているのか、何かもう自分が情けなくて素直に負けを認めてこのままDNFしてしまおうかと思ったりもするがその思い切りもなくだらだらと走り続ける。

 熊本県に入った。

 勾配はきつくないが長い登り坂に難儀する。相変わらず脚は攣り続ける。
 どこかの登り坂の途中でボトルが空になり、たまらず自販機を見つけて水分補給しつつ休憩。

 気温21℃。まだこの気温に身体が全然慣れていなくてまともに汗が掻けない。掻く汗が物凄くしょっぱい。

 足掻いているうちに八代に入った。取り敢えずPC2に辿り着かねば。

 164km地点の八代のPC2に到達、チェックタイムは19:36。

 何とかここまで辿り着いた。水をがぶ飲みして休む。

 塩分補給のため干し梅を一気食い。
 長めの休憩の後スタート。

 とりあえず今日のゴールの大牟田までは80kmを切った。後4時間頑張れば休めると思うと少しだけやる気が出てきた。とにかく気持ちを切らさずに走る。夜になって気温も下がってくれば少しは回復するに違いない。


 八代市街を抜けていく。標識には久留米の文字が出てきた。

 ちゃりけんさんに遭遇、ちゃりけんさんもアキレス腱を痛めて難儀している様子。

 標識に玉名市が出てきた。

 玉名は私が中学・高校と過ごした懐かしの場所。残念ながらルートは当時の活動範囲からちょっと離れた場所を通っている。ただ、雰囲気は感じられるのではないかと密かに期待していた。

 玉名市に入った。残念ながら夜なので風景はさっぱりわからない。

 菊池川を渡る。右に数km行くと当時住んでいた家があるし、左に行けば中学の頃によく釣りに来ていた海に出る。

 菊池川の橋の上から見る玉名市街のかすかな光。もう1時間早くここに着ければ寄り道していったのだがその余裕はない。残念ながら今回はここまで。先を急ぐ。

 この頃になってようやく脚の攣りが治まって来た。攣りが来ても筋肉の奥でもごもごするだけで痛みにならず気にならなくなって来た。干し梅の一気食いが効いたか。気温も下がってぐっと走り易くなり、気持ち的にも平静を取り戻して落ち着いて走ることができるようになった。懐かしい場所の雰囲気を微かに感じながら淡々と走る。

 長洲港の明かり。こんな所をこの歳になって自転車で走っているなんて何とも不思議な気分だ。

 荒尾近傍を通過。大牟田はもう目前。

 大牟田市街に入った。この直ぐ近くにちょっとの間だけ下宿していたのだが、記憶があやふやで場所が特定できなかった。

 240km地点の大牟田のPC3に到着、チェックタイムは23:02。

 ここで買った夕食を持って直ぐ近くのホテルに速攻で移動する。

 無事にホテルにチェックイン。本当ならもう少し早く辿り着くつもりだったが、結局当初プラン通りの時刻になった。でも序盤のアクシデントを考慮すれば結果オーライだ。

 和室の布団を見るとホントほっとする。貸し切りで大浴場の湯船に浸かって心身共にリフレッシュ、極楽!部屋に戻って遅い夕食を食べ、明日の準備をして床に入る。明日は4時半起床予定で0時過ぎに消灯。