2014BRM709北海道1200/スタートまで

 今朝は5時前に目が覚めた。既に蒸し暑く感じる。北海道の涼しさが懐かしい。北海道遠征の身体的ダメージはもう殆ど残っていないが、気分的にはオフモードだ。今年の二大目標であった日本縦断2700と北海道1200を終え、気が抜けてしまった。記憶が薄れないうちにレポートを書き上げてしまい、今年の後半をどう組み立てるかぼちぼち考えよう。

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 日本縦断2700を完走して、気力と体力の回復を待っていたらあっという間に日にちが経ってしまいBRM709北海道1200が目前に迫って来た。

 日本縦断2700も途轍もないチャレンジだったが、この北海道1200は別の意味で重要なチャレンジなのだ。公認ブルベのアワードでR10000というものがあるのだが、これを手に入れるまでにいよいよこの1200kmブルベ完走を残すのみというところまで漕ぎ着けていて、今年中にどうしても達成したい目標なのだ。

 取り敢えず仕事のスケジュールは無視して早めにフライトチケットは往復とも押さえていたし、仮眠ポイントの宿も何となく決めて予約は入れていたのだが、走行プランの詰めは全然できていなかったしバイクや装備の検討・準備を全く手付かずの状態だった。
 7月に入ってようやく仕事のヤマ場が北海道遠征に影響のないところまで後ろ倒しになることが確定的になったことを見届けて、走行プラン・スケジュールの詰めを行った。

 今回のコースは北海道の内陸部を走る札幌・納沙布岬間の完全往復コースだ。(下記ルートは片道分)

 幾つかの峠越えがあり、そこそこ山岳を走ることになるので一昨年のパラダイスウイークや今年の日本縦断2700の時の様な海沿いの平坦路とは様相がかなり違うと思われる。

 スタートは21時になるので最初の仮眠場所の設定が難しい。いつもの通り昼間走って夜は寝るという睡眠サイクルをできるだけ壊さないように考えるのだが、夜スタートとなると時間的なマージンは全然稼げていないのスタート直後の仮眠はできない。そこで初日は徹夜でやり過ごし2日目の夜にしっかり寝ることを考えた。386km地点の北見のPC4には仮眠所が用意されているのだが、距離的にちょっと早い時間に着いてしまいその分出発が夜中になってしまうので、睡眠サイクル的に上手くない。また、大勢のライダー達と雑魚寝になるので十分な睡眠が確保できない可能性があることから、もう少し先まで進んでホテルを取ることを考えたのだが、ルート上のホテルがあるような街の選択肢は少なく、結果的に464km地点の弟子屈でホテルを予約した。今回のコースの殆どの峠越えを含んでの460kmを一気に走るのはかなり大変だが取り敢えず20km/hで24時間という計算の下、やってやれないことはないだろう。
 3日目は納沙布岬折り返しだが、前日をかなり無理しているのでちょっと緩めの設定とした。弟子屈を出発して納沙布岬で折り返し再び弟子屈の同じホテルに戻ってくるという片道140kmの往復コースとした。次の北見PC6のクローズ時間を考えれば折り返してからもう少しだけ距離を稼いておきたいと考えたのだが、弟子屈から先はホテルが無く一気に北見に行ってしまうには遠過ぎせいぜい洞爺湖畔辺りが良い所だが、洞爺湖のホテルが値段的に高かったことと弟子屈で同じホテルに連泊することで余計な荷物をホテルに置いて通常の300kmブルベの様に身軽で納沙布岬往復ができることはメリットと考え、最終的には弟子屈を2泊目とした。
 4日目は、次のPC6北見のクローズ時間を考えるとちょっと早起きをしなければらない。疲労も積み上がっていることを考慮すれば往路の様に一気に460kmを走れる程の体力は当然残っていないので2分割で考える。距離的に狩勝峠を越えるか越えないかが判断の分かれ目だったが、最終日に無理しなければならない設定ではリスクが高過ぎるので、ここは3日目にちょっと無理をして富良野まで行ってしまおうと考えた。320kmはちょっときついがまあ何とか走れる範囲内だろう。
 最終日は残り130km弱の大きな峠越えのないほぼ平坦基調なので、余裕を持ってゴールできると思われる。
 まあ、過去にPBP1200kmを71時間35分で完走した実績もあるし、何とかなるだろうと自己暗示をかけつつ本番に臨む。
 21時スタートと言うことで前泊なしの当日移動、ゴール後はAJ北海道主催のさよならパーティーを含めしっかり飲むつもりなので宿泊して翌14日の戻りとした。
 最終的なスケジュールはこんな感じになった。

 装備だが、事前予報では初日から中日辺りまでは雨は避けられそうにないが、気温はそれ程低くなさそうだ。それでも北海道なので、防寒を兼ねたレインウェアは上下一式持参する。今回はドロップバッグが使えて北見のPCで受け取り可能なので、レインジャケット以外はドロップバッグに入れておく。持って走る防寒具はアームカバーとレッグカバーのみ。ウェアは半袖ジャージとレーパンだけしか用意しないことにする。
 その他は普段の600kmブルベとほぼ変わらない。スペアタイヤはドロップバッグに1本入れておく。

 バイクは準備がもたついたこともあり結局事前発送はできず、飛行機輪行することになった。パッキングは前日夜に漸く完了。

 7/9、朝9時半過ぎに自宅を出発。バイクケースを引き摺っての最寄り駅まで1kmが一番きつい。あっという間に汗だく。

 いよいよ旅が始まる。
 所沢からはリムジンバス。乗客はがらがらでバイクケースは問題なく積めた。

 羽田空港着。バイクケースを無事に預けてチェックイン完了。腹ごしらえに羽田大勝軒に行く。いまいちと言うよりいまさんな内容。大勝軒はやはり新所沢が圧倒的に旨い。

 羽田は雨。
 定刻通り搭乗、機上の人となる。

 定刻に新千歳着。こちらも雨。


 札幌へは鉄道で向かう。

 札幌駅着。タイムスケジュール通り。ホテルまで徒歩で向かう。

 歩いているうちに大粒の雨が降り出した。札幌は蒸し暑い。
 最終日に泊まるホテルに到着。その場でバイクを組み立てケースや不要にな荷物を預ける。バイクの組み立てに思いの外時間がかかってしまいちょっと焦る。

 ようやく準備万端、ホテルを出発する。
 雨の札幌市街地を緩々と走り始める。受け付けは19時までだがぎりぎり間に合いそうになり。スタートは21時だし、まあ厳格に足切りされることはないと思われるがそれなりに急ぐ。

 気温18℃、ちょっと蒸し暑く感じる。

 30分以上走ってようやくスタート地点のさとらんど交流館に到着。パラダイスウィークのスタート地点の直ぐ近くだ。

 建物に入ると既にセレモニーが始まっていた。結構な人数にちょっと圧倒される。

 急いで受付へ。無事にエントリーを済ませる。20:50のスタートとなった。受付の後、バイク及び装備チェックを受ける。無事にクリア。

 関係者の挨拶を聞きながらフードコーナーで食べ物を物色。ジャガイモ旨い。

 ようやく落ち着いて見回す。海外からの参加者紹介や日本地域別の参加者紹介がされていた。海外からは結構な人数が来ているみたいだ。
 ぼちぼち知り合いの人達に会って話をする。

 外のバイク置場も大賑わい。

 こんな立派なポスターも作られているんだね。

 そうこうするうちにあっという間にスタート時間が来た。20:30から順次スタートして行く。

 スタート地点は凄い熱気!見送る側も気分がどんどん高揚して行く。この雰囲気はPBPの時の感じだ。スタートして行くライダー達に大勢のギャラリーから声援が飛ぶ。ちょっと普段のブルベではこの盛り上がりは味わえない。

 アサノさんもスタート。

 20:50組のスタート開始。私も列に並ぶ。

 ブルベカードに出走チェックを記入してもらい、バイクに跨る。背中にたくさんの声援を受けながら雨の夜道に漕ぎ出していく。

 北海道の大地1200kmを90時間で駆け抜ける壮大な旅が今、始まった。