Paris-Brest-Paris 2015/レポート21:総括

 PBPを走り終えてからもう直ぐ4週間が過ぎる。

 4年前に一度完走を果たしている手前、今回も当然完走しなければという気持ちがどことなくプレッシャーとなり、完走できた瞬間は嬉しいと思うと同時にほっとしたという思いもかなり強かった。

 記憶はかすれ始めてはいるが、ゴールして間もなくの時と同様にきつかったという印象は殆どなく、思っていた以上にすんなりと走り切ってしまったと感じている。ゴールして直ぐの身体の状態は、右膝の痛みを除けば肩や腰に若干のこわばりはあるものの、故障個所もなく疲労感も薄かった。特に尻の痛みについては、4年前には復路中盤から酷くなり走行にかなり支障が出たが、今回は殆ど痛みがないままにゴールすることができた。結局帰国後後遺症として残ったのは右膝の痛みのみ。約10日間で完治した。

PBP2015

PBP2011

 データをまとめてみてちょっと驚いた。実走時間は2011年と比較して3時間40分も短縮されている。しかもゴール後の身体的ダメージは雲泥の差だ。天候的に4年前とは大きな差はない。4年前の自分と比較して、加齢による衰えを練習でカバーしたと考えて能力的にイーブンだと考えるとこの差は物凄く大きい。睡眠をしっかり取って規則正しく走ることがどれだけ重要かということを改めて思い知らされた。

 コースの印象も前回と今回とではかなり異なる。前回は結構な山岳コースという印象があったが、今回はそれ程山がちな印象はない。信号もなく緩やかで非常に走り易いという印象だ。これも長時間の睡眠・休息によって心身共に余裕があったことによるところが大きいものと思う。

 今回の走行プランはPBPの走り方のひとつの解答だと思う。

 4年前は無我夢中で走ったので夢の中の様な国で冒険の様な体験だったが、今回のPBPを走る中で現実世界の拡張という形でフランスという国がリアルに身近に捉えられるようになった。4年後も恐らく参加するものと思うが、どのように走るかはまだ白紙だ。その時が来たら改めて考えることにする。

 今回のPBP参加ツアーの要点をまとめてみる。(独断と偏見、思いつくまま記述するので随時加筆・訂正あり)

*持ち物リスト
○スペアパーツ
 ・チューブ6本
 ・シフトワイヤー1本
 ・スペアタイヤ1本
 ・スポーク3種類各1本ずつ
 ・タイヤブート
 ・レスキューパッチ
○工具・ケミカル
 ・チェーンオイル
 ・ヘキサレンチセット
 ・ポンプ(ロードモーフ)
 ・タイヤレバー2本
 ・携帯用集合工具
○車載用グッズ
 ・ナビ2個(メイン&バックアップ)
 ・CS500
 ・ライト2本
 ・リアライト2個
 ・サドルバッグ&バッグサポーター
 ・ボトル2本
○電池
 ・単3 20本
 ・アクションカム用バッテリー2個
○ウェア
 ・ジャージ/レーパン3セット
 ・アームウォーマー
 ・レッグウォーマー
 ・ニーウォーマー
 ・ヘルメット
 ・指切りグローブ
 ・指付きグローブ
 ・ソックス3セット
 ・シューズ
 ・反射ベスト
 ・アイウェア2本(サングラス&クリアレンズ)
 ・ノースリーブインナー
 ・ハートレートセンサー
 ・シャーミークリーム
 ・ウインドブレーカー
○薬
 ・胃薬
 ・下痢止め
 ・湿布塗り薬
 ・オロナインH軟膏
 ・ティッシュ
 ・絆創膏
○補給食
 ・カロリーメイト10袋
 ・グリコCCDパウダー6袋
○ドロップバッグ
 ・テント
 ・マット
 ・ピロー
 ・寝袋
○PC・通信関連
 ・ノートPC(無線LANカード付)
 ・タブレットPC
 ・携帯用ケーブル
 ・ipod用ケーブル
 ・ナビ用ケーブル
 ・USBケーブル3本
 ・ノートPC用ACアダプタ
 ・ipod touch
 ・Wi-Fiルータ
 ・携帯電話
○書類
 ・Dossier日本語訳
 ・PBP登録確認書
 ・旅程表等一式
○パスポート関連
 ・パスポート
 ・モンベル首掛けパスポートケース
○衣類
 ・パンツ
 ・Tシャツ
 ・ソックス
 ・タオル4枚(電装品の緩衝材を兼ねる)
 ・ロングTシャツ
 ・髭剃り

*発着空港を間違えるな!その他旅程を徹底的に確認すること。(今回は自分で旅程票を作らなかったのが拙かったので次回は作ろう)

*時差は7時間。時差ボケは発生するが睡眠不足を気にしないこと。

*予め予約してスタート前に食べるウェルカムディナーだが、クローズ時間が早い上に今回は食べ物切れで食べられないというアクシデントを経験したので、次回からはウェルカムディナーを食べずにその分ホテル等で休息を取るというのが結論。

*スタート前の待機場所に入るのは今回はおよそ1時間前だった。

*今回も大半が単独走行となった。常にマイペースで集団走行の煩わしさに囚われることなく旅情を満喫できたという意味でも単独走行は良かったと思う。

*前回の印象とは異なり最初の140kmの区間は短く感じた。前回の様にスタート直後に暑さにやられるようなことはなかったし、集団のペースも前回ほど速くなかったので余裕を持って走れたからだと思う。

*補給は各コントロールポイントがメインになると思うが、過去の参加者の経験談にあったようなコントロールポイント以外の街のスーパーや店が私の場合あまり見つけられなかった(夜間走行が多かったせいもあるのかもしれないが)。結局私はコントロールポイントのみでの補給となった。

*コントロールポイントでの食事は4年前とほぼ同じ。それぞれのPCでのメニューの濃淡もほぼ同じ。

*フランスでは所謂スポーツ飲料の類を全く見かけなかった。走行中の水分は水かジュースということになるのだが、塩分を含むミネラルの補給はやはりスポーツ飲料がベストと思った。袋入りの粉末を携帯するのは有効だと思う。

*気温は事前の想定通り低かった。アームカバー&ニーウォーマーが必要になった。

*尻痛が最後まで出なかったのは非常に嬉しい。パールイズミの最新モデルのレーパン(新型3Dパッド)1枚だけで全行程走り切った。アソスのシャーミークリームは往路・復路のLoudeacで使用した。後は走行中に適度な間隔で意識的にダンシングを入れたのが奏功したものと考えている。1200kmの尻痛対策に目処が立ったのは画期的。

*今回も仮眠所に持ち込んだテントはかなり有効だった。やはり周囲の雑音に悩まされずに短時間でもゆっくり寝られるのは非常に良かった。

*仮眠所は思った以上に使える。但し耳栓は必携。今回はインナーイヤーのヘッドフォンを耳栓代わりに使った。

*オフィシャルのホームページに掲載されているルートマップ(このレポートでもリンクを貼っている所)からナビ用のGPXデータをダウンロードしたのだが、実際のルートと違っている所が数か所あった。やはり本番ではルートの辻々に付けられている矢印のボートをきちんと確認した方が良い。

輪行ケースはACORのバイクポータープロを使用したが往復とも飛行機での超過料金は発生しなかった。

*空港からMontparnasseまではエアーフランスのバスでMontparnasseからVersailles ChantiersまではSNCFを使ったが一度要領を得てしまえば非常に便利で交通費も安上がりだ。(片道21ユーロ)

*レース中も含む現地での経費は1週間で300ユーロ位だった。

*今回の費用総額は、航空運賃、ホテル代、交通費、現地経費等込々で約25万円位だった。