9/22(火)、朝4:20に目が覚めた。5時までもう少し時間があるが眠気はないのでそのまま起きて身支度を開始。残りは90kmだし、尻の痛みは殆ど感じないので尻の表皮には特に何の処置もせずにそのままレーパンを穿く。疲労感も殆ど感じず、身体的にはどうやらこのまますんなり終われそうだ。
4:40ホテル発。雨は降っていなかった。
最終日のコースは青森市街から八戸までの89km。
最終日に今回の1000kmブルベの最高標高地点725mの八甲田山を登るがコース全長が短いのでそれ程のプレッシャーはない。
最後の通過チェックまではホテルから6km。まだ暗い青森市街をぼちぼち走る。
926km地点の通過チェック3に到着、チェックタイムは9/22の5:00。
ここが最後の立ち寄りポイントで後はゴールのみだ。パンとコーヒー牛乳を食べて15分程で出発。
通過チェックを出て直ぐに登りが始まる。脚は良く回るが調子に乗って疲労を溜めない様に抑え気味に緩々と登っていく。
標高が上がっていくにつれて雲が暑くなってきた。路面も濡れていて降ってきてもおかしくない天気だ。
気温15.6℃。登っている身体にはちょうどよい冷却具合で気持ちがいい。
展望台を通過。
萱野高原に出た。木立の中にテントが一張りだけあったがそこでキャンプをしている子供がこちらに向かって「頑張れー」と声をかけてくれたので手を振って応えた。
この辺りは十和田湖八幡平国立公園なのか。晴れていればなかなかに清々しい高原だが、どんよりとした曇り空の下ではちょっと物寂しい。
ここを左折する。あの死の行軍が行われた場所に向かうのか。
朝でも薄暗く静かな林道を淡々と登る。雪中行軍の話を思い出しながら登ると何となく重苦しくやるせない気持ちになる。
樹海の真ん中を真っ直ぐ登る。冬になってこの緑豊かな森に雪が積もったらどんな風になるのか俄かには想像かつかない。
八甲田温泉というのがあるのか。
広い駐車場に出た。数人の先着参加者の姿が見える。この場所に雪中行軍の像があるらしいが立ち寄らずにそのまま進む。
駐車場を過ぎると下り始めたのでどうやらここがピークだった様だ。
眼前になだらかな山々が連なる。
緩やかに下っていくうちに徐々に青空が広がって来た。
道端に生え茂るススキをかすかに吹き抜ける風が揺らして葉音を立てる以外に聞こえる音はない。これから日が昇って朝を迎えるというのにまるで日暮れの様な錯覚に陥る。寂寥感が漂うこの道を淡々と走っていると、いつまでもこの空気の中を走り続けていたいという不思議な気分になる。漂泊の思いとはこういうことを言うのだろうか。この道も今回のコースの中で印象に残る道となった。
緩やかな下りが次第にはっきりとした勾配の下りとなって軽快に下っていく。日差しもはっきりとした朝日に変わり先程までの物寂しい雰囲気が霧散してしまった。長い下りがいつまでも続くので、さっきこんなに登った感覚がないので頭の中では計算が合わない。でも下りが長い分には文句はないので重力に任せて下っていく。
下りが終わると広大な田んぼの真ん中を真っ直ぐに抜けていく道が続く。
快調なペースで残り距離がどんどん少なくなっていく。後2時間かからずにこの旅も終わりだ。
道路標識に八戸の文字が出てきた。
ゴールまであと10kmちょっとの所でアップダウンが出て来た。やや勾配はきつめだが1000kmの最後のおまけ的な登りを楽しんで走る。
五戸町に入った。
八戸市に入った。ゴールまで7km。
長い下り。恐らくこれで最後の登りが終わった。
八戸駅が見えてきた。
八戸市街に入った。
ゴール直前の踏切で足止め。
ゴール。チェックタイムは9/22の8:52。完走タイムは71時間52分。
ゴール地点に居合わせた参加者の皆さんとしばし完走を讃え合い感想を語り合う。コーラが旨い。
結構早い時間にゴールできたので、早く帰宅できれば今日はまだ色々と時間を使えるのでそそくさと帰途に就く。
八戸駅まで3km程の道程をゆったり流す。
八戸駅到着。2年前に泊まった駅前のホテルも見える。
手早く輪行袋にバイクを詰めて、切符を買いに行く。9:55発のはやてに席を確保。
シルバーウィーク中はもっと混雑しているかと思ったがそうでもなさそう。
新幹線が来た。
輪行袋を車両最後尾の席の裏に置くために最後尾の席を指定したが、目論見通りその場所に輪行袋を置くことができて一安心。
大宮までは2時間半、10時半に着いた。そこから京浜東北線、武蔵野線と乗り継いで新秋津で降りた。
バイクを組立て自走で自宅を目指す。自宅までは約5km。
途中ラーメン屋によって油麺特盛を食す。正直足りなかった。
自宅着は14時過ぎ、八戸から4時間ちょっとで戻って来た。これにて東北遠征は終了した。
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帰宅後翌日は若干の疲労感はあるものの身体各所に特段のダメージはなく、1000km走行をそれなりの余裕を持って走り終えることができた。これでPBPに続いて2か月連続の1000kmを走り終えたが超長距離ブルベの走行メソッドを会得できた様な気がする。また、尻の痛みに関してはPBPに引き続いて痛みが出ることなく終えられたことは嬉しい限りだ。これについても超長距離での尻の温存の仕方をマスターできたように思う。
今回のコースは設計者の意図もあって仮眠ポイントの設定には悩むことは少なかったが、事前の走行プラン通りに3回の仮眠で毎回5時間以上の睡眠時間を確保でき規則正しく走ることができたことが、1000kmにもかかわらず余力を残しての感想につながったものと考える。
コース自体は東北の穏やかな道と時々思い出した様に入る山岳が適度なアクセントになって、天候にも恵まれ楽しく走ることができた。1000kmブルベとしては攻略し易い好コースだと思う。
これで今年の超長距離ブルベはPBPに続き無事に完走を果たすことができた。今年のブルベは残すところ単距離4本となった。明日のBRM926西東京200は200kmながら中級山岳コースで天気がちょっと心配だが確実に完走したいところだ。