3日前の水曜日、会社から帰宅したらメーカーに修理に出していたフレームが届いていた。
1月の中旬にフレームメーカーのティグにクラック部分の溶接修理を依頼して2週間が過ぎても何の音沙汰もなく、納期は2〜3週間と聞いていたが今週末のブルベにも間に合いそうにないかと思っていた頃、メーカーから修理完了の連絡などなく唐突に送り返されてきてちょっと面喰った。メーカーにしてはいささかぶっきらぼうな対応かとも思ったが、とりあえず納期通りに修理完了したので細かいことは気にしない。
早速修理箇所を見てみる。
クラック部分がどこだったのか全く分からない(クラックの写真はこちらを参照)。指でなぞるとクラックのあった辺りが緩やかに盛り上がっているのが分かるので溶接の肉盛りがされていることが分かる。溶接痕は綺麗にヤスリ掛けされている。
もっと生々しい修理痕が残るのではないかと覚悟していたが拍子抜けする様な綺麗な仕上がり。実はメーカー以外にチタンフレームを製作している個人工房のビルダーさんに修理を問い合わせてみたのだが、そこではクラック部に肉盛り溶接をして溶接部はヤスリ掛けしないという方法にするということだったのでそんな風になるのだろうと思っていた。見た目には綺麗でも肉盛りをヤスリ掛けで落としてしまうと強度的に大丈夫なのだろうかとちょっと不安に思ったりする。まあ、少なくともティグはチタン専門のメーカーで素材の扱いには精通しているはず、そんなプロの仕事に素人が闇雲に疑いや不安を持っても仕方ないのでとにかくバイクを組んで乗ってみることにする。
翌々日の金曜日は有休消化で休み。一気にバイクを組み上げる。フレームを修理に出す際にシートポストを無理矢理外そうとして壊してしまったヤグラは、幸いスペアの同型シートポストをストックしていたことを思い出して部品調達できたし、シートポスト本体もメーカーが破壊することなく外してくれたので元通りに付け直すことができた。
深夜に完成。やっとTitaniaが戻って来た。出来上がったバイクを眺めてしばし安堵の心境に浸る。
そして今日の午前中、多摩湖CRで試走。
乗り始めはポジションの違いや随分と柔らかい乗り心地にかなりな違和感を覚えて戸惑う。ここのところずっと通勤用のVIGOREばかり乗っていて身体はそっちに慣れてしまっていた。VIGOREはかなり前傾のきついポジションで、がちがちに硬いアルミフレームは路面の振動がそのまま伝わってくるような荒っぽい挙動だが踏んだら踏んだだけ進むようなレーシーな感覚、それに比べるとTitaniaは何とも物腰の弱いに思えて、こんなに柔いバイクだったっけ?と思ってしまう。
しばらく走っていて徐々に身体がこのバイクのポジションを思い出して来ると、物腰の弱さが快適さに変化してきた。自分の身体とのフィット感が戻って来て取り回しがスムーズになりしっくり馴染んで走れる様になって来た。
この感じ、戻って来た。
やはり乗り込んでフィットしたバイクは良い。修理することができて本当に良かったと改めて安堵した。
一方で、今回クラックを自らが体験し、またネットで調べたり色んな人から知識を授かったりして、チタンフレームに対する”一生物”的イメージは残念ながらなくなってしまったのは否めない。少なくともこのフレームの一部がいかなる要因にせよクラックを起こしたということで、いずれ他の部位でも発生するのではという不安は当分の間はそう簡単に払拭できないだろう。
ブルベ用のスペアバイクというアイディアを具体化させることは、この先安心してブルベを走り続けるために必要なことなのだと思う。
まずは明日のBRM207青葉200をTitaniaで走って、完全復活を確認する。