5/4(水)、朝5時過ぎに目が覚めた。身体の異常は特になし、眠気もない。今日も問題なく走れそうだ。窓の外はどんよりと曇っている。ちょっと寒いのでアームウォーマーとニーウォーマーを着ける。チェックアウトの時、フロントの人が「今日は雨ですけど風向きは南西だからいいですよ」と教えてくれた。
親切に対応してくれて、値段はちょっと高かったけどなかなか居心地の良いホテルだった。
さて出発しようと外に出たら既に雨が降り始めていて、駐車場にはしっかり水が浮いていた。ここまで一度も使用することが無かったレインウェアとレインパンツを身に付ける。まあ、昨日までの5日間はずっと好天に恵まれていたので、そろそろ雨でも降らないと超長距離ブルベのサバイバル感が出てこないだろうから展開としては面白くなったかな、と変な割り切り方をする。
6:15、雨の中を出発。そんなに強い雨ではないのでそれ程走行には支障はない。
今日のコースはにかほを出発して男鹿半島の手前から内陸部に入り大舘を経由して青森に到達する233km。
標高200m程度の峠が幾つかあって獲得標高差は1500m程度。
今日から一日の走行距離が200kmちょっとになるので気分的にはかなり楽だ。取り敢えず30km先のPCを目指す。
朝の国道7号は車通りも少なく走り易い。今日も運動強度はリカバリーレンジをキープ、追い風なので雨はそれ程苦にならず順調に進む。
橋を渡って由利本荘市街を通過。BAJ参加者でここに宿を取っている人は結構いた。
今日のフロントバッグの中はイカ豆。これも結構美味しいくて食べ易い。
アップダウンが続くが追い風なので余り苦にならない。膝も全く問題なく、尻の痛みもほぼ解消しているので走行に支障はない。問題点を強いて言えばシューズの中がぐしょ濡れになったこと位か。事前の荷物選択の際に、シューズカバーが微妙にかさばったので切り捨てたのだがやはりあった方が良かった。モンベルのやつじゃなくてパールイズミの薄いビニール製のやつだったらかさばらずに入ったかも。でもまあ一度濡れてしまえば特段気にならなくなるので構わず走る。
今朝の日本海は波も高くなくて比較的穏やか。
1576km地点のPC16に到着、チェックタイムは5/4の7:33。
豆パン発見!北海道に上陸する前に食べられるとはちょっと嬉しい。摂取カロリーも495kcalと十分な量。30分程休憩して出発。
走り始めは寒く感じたがちょっと走って身体が温まって直ぐに解消。
追い風で快調に進む。勝平はまなすトンネル上の風力発電が勢い良く回っているのが視覚的に心強い。追い風効果が雨を打ち消してかなり快適に感じる。
秋田市街を通過。ルートは市街地中心部を迂回しているので混雑に遭わずに済んだ。
本日最初の峠越えが始まる。標高は200m程度だが結構勾配があって距離も長く、しっかりとした山越えだ。
山頂の秋田峠トンネル通過。
北秋田市に入る。
桜を見つけた。遂に桜前線の尻尾を捕まえた。
国道285号を順調に北上。大館まで27km。
雨はほぼ上がった。
再び国道7号に乗り大館方面に向かう。
道路標識に青森の文字が見えてきた。今日はあと100kmちょっとで終わりかと思うとかなり気分的に楽だ。
小さな峠を越えて大館市に入った。大館まであと15km。
大館市街に入った。PCは目前。
1694km地点のPC17に到着、チェックタイムは5/4の13:16。
バイクはドロドロ。どこかで洗いたい。
ここでBAJ走行中のキムケンさんと遭遇。しばし歓談。ネットでBAJのトラッキング情報をチェックしたらなんとトップがゴールしているではないか。オチアイさんが5/4の11:00に宗谷岬に到達している。驚愕の速さ。
雨も完全に上がり、寒くないのでレインウェアとウォーマー類を脱ぐ。30分程休憩して出発。
再び国道7号を北上。青森まで86km、あと4時間ちょっとか。予定の新青森駅着18:30着は行けそうだ。
気温16℃、しばらく走っても寒いので結局外したアームウォーマーを着ける。
チェーンが乾いてキュルキュル音を立て始めたので止まって注油。音が消えるとすっきりする。
本日の最高標高地点の矢立峠への登りがぼちぼち始まった。
道端には桜がちらほら咲いている。どうやら本格的に桜前線を捕まえた様だ。
登りの距離はかなり長い。直線的に登って行くのでそこそこきつく感じる。オーバーペースにならない様にゆっくり上る。
山頂通過、青森県に入る。
山頂ではキムケンさんが待ち構えていた。
桜が満開、この辺りは今が見頃。
長い下りを爽快に下る。
下り終わって大鰐温泉付近を通過。西向きに走っていると向かい風基調になる。結構風が強く一気にペースが落ちる。交通量も多くなって走り辛くなった。
弘前市に入る。
国道7号を支線に逸れて車通りがなくなりいきなり走り易くなった。進行方向も北向きになり再び追い風で順調に走る。
道の両脇には林檎畑が広がり青森らしい風景。今は林檎の花が満開。
強力な追い風でどんどん進む。ボーナスステージが来た。
青森市に入った。
再び国道7号。ちょっとだけ7号を走って直ぐに支線に逸れる。この道は2年前に通ってよく覚えている。青森まであと10km。
青函フェリー乗り場の案内が見えてきた。PCはもう目前。
1775km地点のPC18に到着、チェックタイムは17:18。
ここではらぽんさんゆりかさん御夫妻とBAJ走行中のたけさんに遭遇。御夫妻は残念ながらBAJを途中でDNFされたが、一旦家に戻って再び青森にやってきたとのこと。御二人とも御元気そうで何より。
御土産の御饅頭を頂いた。
一方たけさんはバイクをメンテ中、ただならぬ状況。聞けばここで休憩中にバイクが風にあおられて倒れ、ディレーラーハンガーが曲がってしまいちょっと走ってリアディレーラーをホイールに巻き込んで、ハンガーが折れてしまったとのこと。これは一大事、御夫妻も協力して何とかディレーラーハンガーを入手できないか策を巡らすが直ぐには何ともならない状況だ。フェリーの時間が迫っていたので、たけさんはリアディレーラーを外してチェーンはそのままの長さのシングルギアという荒業で自転車を漕いでフェリー乗り場に向かって行った。これだけの大トラブルをものともせずそのままフェリーに乗り込むたけさんの切り替えの早さと言うか瞬発力はちょっと凄い。流石ブルベ150本完走はダテじゃない。
このまま北海道に渡って稚内まで行くという御夫妻に見送られつつPCを出発、新青森駅に向かう。
新青森駅までの3km程は向かい風なのでかなりきつい。
17:40、新青森駅に到着。
もしかしたら予定より早い新幹線に乗れるかも知れないと思い、急いでバイクをパッキングし切符を買いに行くが残念ながら早いのはなく結局予定通りの18:45発の新幹線になった。
ちょっと早めにホームに上がると、かなり寒く感じる。この感じだと北海道は更に寒そうだ。
初めての北海道新幹線はガラガラで指定席を取るまでもなかったかも。
座席傍のスペースが狭かったので通路に自転車を置く。
新函館北斗駅まで1時間ちょっと新幹線に乗り、特急電車に乗り換える。
20時半前に函館駅着。やはり北海道は寒い。
自転車を輪行袋に入れたまま徒歩で駅前のホテルに向かう。
ホテルに無事にチェックインしてそそくさと着替え外出、今日は2年前の縦断の時に行ったラーメン屋でラーメンを食べようと決めていたので早速向かう。
ホテル近くのそのラーメン屋はちょこっと行列が出来ていた。まさか函館まで来てラーメン屋で並ぶとは思わなかったが、今更後には引けない。寒空の下、待つこと10分、店の中に入ることができた。
席の傍のビールサーバーがモーションをかけてくるが無視する。
2年前と同じ辛味噌ラーメン大盛と餃子。久し振りのラーメンはうまい!が唇の日焼けに強烈に浸みて痛い。ラーメンを食べて改めて唇の日焼けの酷さを思い知った。腹を満たしてコンビニに寄っておやつを買ってホテルに戻る。残念ながらホテルの大浴場は男湯時間が終わってしまったので入れなかったが、ユニットバスに御湯を張っていつもの様に腕の日焼けの痛みを我慢しながらのんびり浸かる。やっぱり極楽極楽!
BAJも6日を終了し、無事に北海道に上陸した。ここまで予定通りに進行している。身体の故障やバイクトラブルもなく極めて順調だ。ここまで来たら是が非でも完走しなければならない。あと3日、570kmを確実に走り切るために今まで以上に慎重に走りたいところだ。
風呂から上がってネットチェックと明日のスケジュールの確認、明日の起床は6時としてアラームをセットし23時前に消灯。