Bike Across Japan 2400/レポート10:ステージ8(小樽->初山別)

 5/6(金)、朝6時前に目が覚めた。眠気も疲れもなくすんなりベッドから起き上がる。立ち上がってみるが身体も問題なし。窓の外を見るとどんより曇り、雨は降って無さそう。寒さはそれ程でもないので、取り敢えずアームウォーマーとニーウォーマーだけ着けておく。そそくさと準備をして6時半にホテルを出た。

 自転車置き場に行くとパッと見10台くらいのBAJ参加者の自転車が止まっていた。
 チェーンに注油して出発。


 小樽のメインストリートは人もまばら。雨が降っていないのはありがたい。緩々と走り始める。まずは20km弱先のPC21を目指す。
 今日のコースは小樽を出発して初山別まで海沿いのオロロンラインをひたすら北上する222km。

 峠越えは100mが3つ程、あとはアップダウン程度の獲得標高差1600m。信号も殆どないし、数字程きつくないと思われる。

 小樽港沿いを走る。フェリーが停泊中。


 再び国道5号に合流、小樽市街を離れる。
 小樽を出た辺りで走行距離が2000kmを超えた。あと、300kmブルベ1本とちょっとの所まで来た。今日の体調ならゴールまで一気に行けそうな感じだが、確実にプラン通りに進む。

 小樽市街からちょっと離れた所にあるサイクルショップ朝里さん。2年前、ここには650Cのチューブもタイヤも置いてあって九死に一生を得た場所。あの時は本当に助かった。寄りたかったけど早朝だったのでスルーする。

 今日最初の峠越えでトンネル遭遇。昨日のことがちょっとトラウマ気味でおっかなびっくり通り抜ける。
 一旦国道5号を逸れて銭函駅方面に向かう。

 銭函駅前通過。ちょうど通勤時間帯なのか、多くの通勤通学者が往来している。PCはもう直ぐ。


 2018km地点のPC21に到着、チェックタイムは5/6の7:37。

 莫迦の一つ覚えの豆パンとカツゲン。ゆずレモン味もなかなか旨い。
 30分程の休憩で出発。

 今日の走行中補給物資は白かりんとう。これもなかなか掴み易く食べ易くて良い。

 路面もすっかり乾いてしばらくは雨の心配はなさそう。快調に進む。
 石狩港近くの交差点で止まった時、隣に止まった車の中の、いかにもこれから出勤と思われる地元の御兄さんから「BAJですよね。頑張って下さい」と声をかけられた。びっくりしたけどとても嬉しい気持ちになった。


 石狩川を渡る。

 馬放牧中。

 緩やかに登る農村地帯を緩々と走る。空には雲の切れ間から青空が見え始め北海道らしい清々しさが出てきた。2年前にこの道を通ったので道の感じは何となく覚えているが夜だったので風景は全く見えなかった。こんな風景だったのか。

 長く真っ直ぐな坂を下っていくと石狩湾が見えてきた。

 石狩湾の向こう側の半島の更に向こう側まで今日は走る。

 緩やかに隆起した緑の丘がいかにも北海道らしい風景。

 海沿いに出た。今日はこの風景を飽きる程眺めることになる。

 今日一番の峠を登って長いトンネルに入る。やっぱりちょっと怖い。
 対向車もないのに観光バスがわざわざすれすれを抜いていく。わざとやっているとしか思えないな。
 交通量は少なくなったが、たまに通る車のスピードがいちいち速い。後ろからすれすれをぶち抜いていく車も怖いが、対向車線で車を追い抜く車がセンターラインを大きくオーバーしてこちらの車線を正面から走ってくるのもかなり怖い。80km/hで走る車を100km/hの車が抜いていくのだから当たればほぼ間違いなくあの世往きだ。車とすれ違う度にちょっと身構えてしまう。

 遠くの山々が一望。

 PC21からPC22までの区間距離は126kmと長いので事前に中間地点当たりの浜益地区のコンビニで休憩しようかと思っていたが、辿り着いてみると疲れもなく空腹感もなかったので公園のトイレに寄るだけにした。

 次のPCのある留萌まで55km。

 まだ路面凍結の恐れがあるのか。

 ぼちぼち浜益のトンネル群が始まった。長さがkm単位のトンネルが幾つも続く。

 トンネルの合間の滝。

 本当に長い。5kmのトンネルなんて自転車には長過ぎる。

 今日最後の峠越えの頂上マッカ岬トンネル。ここを越えれば暫くは平坦基調だ。
 トンネルを越え下ると増毛町に入った。

 2年前の縦断の時に止まった宿。あの時は夜中過ぎについて本当に仮眠程度しかできなかった。

 増毛の漁港。増毛は小さな町だ。
 増毛から20km位走って留萌に入る。



 2144km地点のPC22に到着、チェックタイムは5/6の13:42。

 暑いのでガラナを一気飲み。おにぎりを食べると日焼けで荒れた下唇に海苔が貼り付いて出血して痛い。ちゃんとリップクリームなど塗って予防しておけばよかったのだろうが、ここまでになると今更クリームを付けても痛いだけか。暑いのでウォーマー類は外す。30分程休憩の後、出発。
 これで今日のPC終了、あとは75km先のホテルを目指して走る。

 留萌市街を抜ける。道路標識に稚内の文字が出てきた。ゴールまではあと200km。

 再びオロロンラインへ。

 小平町に入る。こだいらじゃないよ。

 海沿いをひた走る。風はないが心拍リカバリーレンジでも30km/h近い巡航速度で走れるので快調そのもの。

 風は凪。街中の鯉のぼりは直立したまま。

 羽幌までは18km。それしても稚内まで153kmとは、今まで走って来た距離からすればもう一気に行けそうなくらい近く感じる。


 風力発電の林が見えてきた。羽根は全く回っていない。

 内陸部に入り、防風フェンスが出てきた。

 苫前町に入る。御約束のとままえだベアー。

 微妙なアップダウンが続く。

 羽幌町に入る。

 オロロン鳥が御出迎え。

 羽幌市街を通過。右側のコンビニは4年前の北海道パラダイスウィーク初日の200kmのゴール地点。私的には200kmブルベ最速の7時間28分でゴールした所。

 羽幌到達時点で今日の200kmを消化した。初山別まであと21km。

 オロロン鳥に見送られて羽幌町を出る。

 真っすぐな道はまだまだ続く。
 初山別のホテルまで20kmを切った。疲労感も薄く身体各所の故障もない。今日の走行はもうこれで終わりかとちょっと物足りなさを覚えるほどになって来た。BAJを走り始めて8日が経ち、200kmを毎日走るというサイクルに身体が順応してきた様だ。この調子なら更に数日増えても問題なく続けられそうな気がしてきた。3000kmを超えるブルベだってやってやれなくはない。まあお金や休暇のことを考えればそう簡単な話ではないが。

 初山別に入る。

 夕暮れ前の穏やかな海。今日は雨に降られずレインウェアを着ずに済んだのは有難い。そういう意味では今日もボーナスステージだったか。

 初山別の街に入った。今日のホテルの看板があった。あと4km。

 稚内まであと113km。どんどんゴールが近くなってくる。あと5時間走れば到達できる距離だ。でも今日は行かない。
 もう少しでホテルというところで前から一人のサイクリストが近付いてきた。よく見たらズッチャさんだった。どうやら稚内にゴールしてから元来た道を戻る途中らしい。もう何とも形容し難いタフさ。どこまで戻るんだろう?札幌まで行っちゃいそうな雰囲気。

 ここを曲がれがもう直ぐホテルだ。

 17時半にホテル着。早速チェックイン。なかなか綺麗な建物だ。
 ホテルの周りには何もなく、予約時に素泊まりにしてしまったので夕食の心配をしていたのだがホテル内にレストランがあって一安心。
 自転車の部屋入れはOKだったがエレベーターが見当たらずに階段で持って上がる。

 部屋はかなり広い。
 荷解きをして電装品の充電をセットしてから早速風呂へ行く。
 大浴場は最高!バブルジェット風呂や露天風呂もあって、湯温も私的には丁度良くもう完璧だ。
 貸し切り状態の露天風呂で夕暮れ時の海辺の風情を堪能、もう言うことなし。明日のホテルは2年前に泊まって素性は分かっているので、今回のBAJ宿泊のホテルの中ではここがベストだ。明日ゴール後のホテルがここだったら良かったのに。

 風呂から上がって夕食、レストランに行く。

 御薦めの海鮮やビールは我慢がまんガマン!

 生姜焼き定食とソーセージの盛り合わせを頂く。鹿児島のホテル以来のまともな食事、凄く美味しかった。

 まだ小腹が空いていたので、ホテルの売店で御菓子を買う。

 風呂と夕食で満ち足りた気分で、ベッドに横になり御菓子を食べながらのんびりとネットチェックと明日のスケジュールの確認する。
 ツイッターをつらつらと眺めていたら、BAJ参加者の一人が轢き逃げに遭ったという書き込みを見つけ驚愕した。今日の午後2時頃に増毛のトンネルの中で被害に遭ったらしい。私が通過した2時間後位じゃないか。御本人の怪我の具合は定かではないが、とにかく命に別条がないことを願うばかりだ。私自身も昨日小樽のトンネルで危うく轢かれそうになったし、とても他人事とは思えない。鹿児島からここまで頑張って走ってきて明日にもゴールできたのに、こんな目に遭うなんて、その無念さは計り知れない。BAJ参加者の一人として強い憤りを感じる。逃走中の犯人が一刻も早く逮捕されることを願う。
 
 いよいよ明日は宗谷岬への最終アプローチ、距離も130kmと7時間あれば到達できる。完走の手応えは充分だが、最後まで気を引き締めて慎重に走るつもりだ。
 明日の起床を6時としアラームをセット、22時に消灯。