BRM715北海道1200/レポート5:ステージ4/PC8->ゴール(198km/1204km)

 7/18(月)、朝4時に目が覚めた。部屋の外は賑やか。まだアラームが鳴るまでには時間があるが二度寝をする程の眠気はないので、起きて出発準備をする。昨夜は周囲の物音に何度か目を覚ましたが、取りあえず正味5時間位の睡眠は取れたと思う。そう言えば誰かがずっと部屋の壁を叩いていた音が聞こえていたが、恐らく疲れ切って横になってじっとしているのが無意識でも辛くてもぞもぞ動いていたに違いない。以前自分もそういう覚えがあったので何となく想像がつく。

 身支度をして部屋を出ると、物音の通りそこそこの人数のライダー達が動き回っていてちょっと物々しい雰囲気が如何にもブルべのPCらしくて良い。
 ここでウワンさんに遭遇。余り寝ておられないそうだがいつも通り元気そう。バイクのリアディレーラーが動かなくなったそうだが、叩けば直ると豪語されていた。

 大広間に入るとPCらしい野戦病院的風景が展開している。
 カワダさん、タケさん、カマノさんが出発前の食事中。一緒にカレーを頂こうかと思ったが余り空腹感はなかったのでそのまま建物を出た。

 さて、今日はいよいよゴールする。

 序盤の山岳地帯を抜ければゴールまでは下り基調(この時点ではそう思い込んでいた)、距離も200kmなので気楽に楽しんで走れそうだ。この時間に出発すれば15時にはゴールできるだろう。


 5時過ぎにPC8を出発。
 曇り空だが路面は乾いていて今のところ雨の心配はなさそう。
 ぼちぼち走りながら身体の状態を確かめる。疲労感も殆どなく痛いところもない。1日目、2日目で若干傷みが出た両膝も全く問題なく、余裕を持ってゴールできそうだ。この時点で完走の手応えを十分に感じる。

 登りが始まり、小雨がぱらついてきた。寒さは全く感じず気持ち良く登っていく。

 金山峠への登りなのか。

 5%位の勾配で、脚はよく回るのでそれ程きつく感じない。

 3km程登って金山トンネルに到達、占冠村に入る。

 占冠の街中に入る。札幌は右折だがコースは左折で日高方面へ向かう。

 街を出てしばらく走って日高峠への登り開始。恐らくこれがこの1200km最後の峠越えになるのではないかと思われる。雨もいつの間にか止んで、のんびり登っていく。

 さっきの金山峠よりは若干短めで無難に山頂到達。日高町に入る。これで序盤の山岳地帯は終わった。

 長い下りを快調に進む。

 振内という小さな町を通過。PC8を出てからここまで70kmを消化、ゴールまで130kmと考えると凄く近く感じる。あと6時間半でこの旅も終わりだ。

 川沿いの平坦路を淡々と走る。再び雨が降ってきた。
 今日も心拍リカバリーレンジ後半でペースをキープする。ここまで順調に来ているので、最後まで無理せず走る。
 ゴールも近くなってきて、今日の独り打ち上げの計画を立てる。明日のさよならパーティーには参加できずサッポロビール園には行けないので、ここはやはりジンギスカンを食べなければなるまい。
 国道237号をぼさーっと走っていたら、右折ポイントを見逃してミスコース。幸いすぐに気付いたのでそれ程オーバーランせずに済んだ。

 正しいコースに復帰して右折したらいきなりの急坂。

 鵡川町に入る。PCはもう直ぐ。

 100kmをちょうど4時間で消化。心拍リカバリーレンジでもアベレージ25km/hとはさすが北海道。


 1117km地点のPC9に到着、チェックタイムは9:40。

 ここが最後のPC。このブルべで恐らく最後の豆パンとカツゲンで補給。
 ゴールまで90km、あと4時間半で終わりかと思うとなんか名残惜しい。20分程の休憩の後、出発。
 しばらく走るうちに雨も上がった。ただ雲が晴れる気配はないのでこのまま曇りでゴールを迎えそうだ。

 道脇の風景がだいぶ変わってきた。馬が放牧されている。

 この辺りは馬の牧場が集中しているみたいだ。競走馬なのかな。

 千歳市に入った。カントリーサインは飛行機、空港のある町ということか。

 空には飛行機の姿が。確かに空港は近い。

 車通りもぐっと増えてきた。どうやらもう大自然の中の道を走ることはなさそうだ。

 札幌まで34km。ゴールまではもう少し距離がある。札幌市街から南西部に逸れたところにゴールがある。

 道脇に大型商業施設が並ぶようになってきた。

 北広島市に入った。広い道は車通りも多い。アップダウンがあって結構きつい。昼になって気温も上がり暑くなってきた。今までののんびりムードが一変して、なんかちょっと気忙しくなった。

 国道36号のアップダウンは結構長い。終盤に結構脚を使わされる。終盤でこんなに登ったっけ?事前の地図読みで見落としていたか。
 国道36号を逸れて枝道に入ったが、そっちも道の両脇に商業施設が立ち並ぶ賑やかな通りで、下り基調なのに車通りも多く信号にちょくちょく引っかかる。

 その道も逸れてようやく車通りも少なくなったと思ったら登り始めた。ゴールまで10kmちょっとで登り始めるとはもしかしたら山頂ゴールかも?(いやそんなことはないだろう)、と気楽に考えながら走る。

 ところが残り距離が少なくなってもどんどん登っている。しかも徐々にはっきりとした登坂になってきた。これは冗談抜きで山頂ゴールかも知れない。

 残り1kmまで来て結局登りっ放しだった。山頂ゴールは間違いなし。しかも滝野公園の入り口を越えてから勾配が一気にきつくなった。1200kmを走ってきて最後の最後でこの坂を登らせるとは、やるなAJ北海道のコース設計者さん。なんか妙に嬉しくなってガシガシ踏んで登る。最後はここまで1200kmの道のりを振り返りつつ感慨深くゴールするはずが、この10kmの登りで全て吹っ飛んだ。

 無事ゴール。大勢のスタッフさんの出迎えを受けて嬉しくなる。
 早速ゴール手続き、ゴール時間は13:28、認定完走時間は79時間48分だった。

 ドロップバッグを受け取り、建物奥の広間にて休憩する。

 先着していたひであさんの姿があった。しばし歓談。

 ビュッフェ形式の食事が充実していて嬉しい限り。

 しっかり頂く。御腹が空いていたので御替わりと行きたかったが、夜にはジンギスカンを食べるのでここはぐっと我慢。
 1時間近く休憩の後、ここを出発することに。

 スタッフの皆さん、大変御世話になりました!そして楽しいブルべをありがとうございました!

 外では15時から始まるバーベキューの準備が着々と進んでいる。残念ながら参加は見送り。その場を後にする。札幌市街のホテルまでは約18km。
 滝野自然公園を出て左に進むとまだ登っている。ドロップバッグを背負って上ると結構きつい。

 山頂通過。霊園入り口の様だがよく見るとモアイ像が並んでいる。

 札幌までは下り基調であっという間に市街地に入った。

 テレビ塔を見ると札幌まで戻ってきたことを実感する。あーあ、終わっちゃったよ。

 15時半にホテルに戻ってきた。再チェックインをして、預けておいたバイクケースを受け取って部屋に入る。部屋に入ってジャージを脱いだ時の解放感は、こういう大イベントの時は尚更だ。
 ここで一旦休んでしまうと億劫になるので、帰ったばかりの勢いのままバイクパッキングを開始。一気にバイクをバラシてケースに入れ、装備品やウェア類を分別パッキングしてケースに詰め込んで大方の輪行準備を終わらせた。面倒な仕事を先に終わらせて、解放感は更に増す。ここで満を持して風呂に入る。シャワーで汗と汚れを綺麗さっぱり洗い流し、浴槽に御湯を溜めてのんびり浸かる。ほんとブルべを走り終えた後に風呂に使った時の解放感と満足感は他に代え難い幸せな気分だ。
 風呂から上がってベッドに横になって休憩しながら今日の独り打ち上げの店を物色する。ホテルの直ぐ近くに松尾ジンギスカンを見つけたのでそこに決定。

 18時になったのでホテルを出て店に向かう。店に入ると予約が詰まっていて1時間だけなら今すぐ座れれると言われた。どんな風に注文するのかいまいちわからなかったので、面倒だから飲み放題食べ放題コースにする。

 まずは生ビール。五臓六腑に染み渡る旨さ!我慢した甲斐があったというものだ。

 御待ちかねのジンギスカン松尾ジンギスカンの肉は予めタレ付けになっている。旨いねえ。もう御腹ペコペコなのでどんどん食べられる。
 飲み食べ放題は通常90分なのだが今日は残念ながら40分で終了。あっという間の1次会を終えて店の外へ出た。

 まだ19時過ぎ、全然飲み食べ足りないので当然2次会へ。

 さてどこへいこうか。店を探しつつ賑やかな札幌の街中を歩く。久し振りになんか楽しい。
 取りあえず友人に教えてもらって4年前のパラダイスウィーク完走翌日の独り打ち上げに行った居酒屋に行ってみたらビルごとなくなっていた。(帰京して友人に聞いたらそのビルが焼けて店は近くに移転したとのことだった)
 さてどうするかと思って、やはりパラダイスウィーク完走直後に行ったラーメン屋に行くことに。御目当ては勿論その時そこで初めて飲んだサッポロクラシックの瓶を飲むため。

 さて来ましたよ。やっぱり旨いんだよ、これが。今日は既に一番旨く感じるはずの1杯目は既に入っているし肉も食べてそこそこ満足している状態でも、凄く旨い。サッポロクラシックの瓶は絶対に旨いと思う。缶とは一味違うと思うんだけどこの違いは何だろう?2本3本と行きたかったけど、3次会にも行くつもりだしこの楽しみはまた次の機会まで取っておこう。

 味噌ラーメンも旨かった。

 3次会はこれまた4年前に入れなかったジャズバーに行くことに。

 飲み屋ビルの一角にあるその店の扉を開けると今日は空いていた。

 4年前にここに来た時、扉を開けてさて入ろうかと思ったら常連さんの結婚式の2次会と思われる人達が現れてその場で貸し切りになり入れなかったというエピソードがあった。
 ビールを飲みながらぼさーとジャズを聴き、先客の2名の女性(話を聞いているとどうも御二人ともジャズヴォーカリストらしい)から「御客さんもリクエストして」と言われたので、ヴォーカルならとリンダ・ロンシュタットとリー・ワイリーをかけてもらった。2枚とも久し振りに聴いた。

 先客が帰った後、ふとマスターに「店に入った時にデヴィッド・サンボーンがかかっていたけど」と聞いたら「結構そういうのも置いてある」とのことだった。マスターはフュージョン好きらしい。「こういう店なんでフュージョン聞きに来る御客は殆どいないんだけどたまにリクエストされることもある」らしい。何となくジャズを聴いて緩ーく締めて帰ろうかと思っていたけど、何となく盛り上がってきて他に客のいなくなった店でフュージョンばっかり聴きまくった。まさかここでラリー・カールトンカシオペアのミントジャムスや渡辺香津美のトチカを聴くことになろうとは。
 楽しい宴の締め括りにパット・メセニー・グループの「Farmer's Trust」をリクエストしたらレコードを置いてあった。1200km走行中2日目の、納沙布岬を折り返した後に別海から弟子屈に戻る途中の夕暮れ時の真っ直ぐな道を走りつつ牧場の風景を眺めながら頭の中でこの曲が流れていた。
 走っている時に眺めている風景からその曲を思い出し、走り終えてからその曲を聴きながら走っていた時の風景と雰囲気を思い出す。何とも幸せな自転車と音楽の関係。久し振りに聴くメセニーグループの佳曲にちょっと途方に暮れた。
 その曲のエンディングが流れる中、店を出た。外は雨が降っている。何とも楽しかった札幌の夜を振り返りつつ濡れて帰る。こちとらランドヌール、濡れて走ってなんぼだぜ。

 ホテルに帰り着いて流石にちょっと疲れが出てそのままベッドに入って夢の中へ退場。就寝時刻は24時前後と思われる。