2018BRM107鹿児島200/レポート2:ブルベ当日

 1/7(土)、朝4時30分起床。昨夜は早く寝入れたので眠気はそれ程でもない。外はまだ真っ暗で空模様はいまいち分からないが取り敢えず雨は降ってなさそうだ。半袖ジャージにレーパンで走れることを期待していたが残念ながらそれ程気温は高くない。微妙に寒いので最初からアームウォーマーとニーウォーマーは装着しておく。グローブは指切りのまま(と言うより元々指付グローブは持ってきていないので選択の余地はない)
 5時にホテルを出発、1km程先のスタート地点に向かって走り始める。途中タカトリ・つかぽん夫妻に遭遇、一緒にスタート地点に到着。

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 まずは受付。参加者・スタッフを併せて40人位か。年明け間もない奄美大島という開催条件の割には集まったという印象がある。

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 ブリーフィングが始まった。
 今日のコースは名瀬港をスタートし東半島をぐるっと回って西半島に移り途中、宇検の辺りから山越えショートカットをして再び海沿いに出て名瀬に戻って来る200km

 過去2回奄美大島チャレンジサイクリングを走ったが、その時はほぼ島1周を240km走ったが今回は200kmと短いのでショートカットが入るのは止むを得ないところから。ショートカットは山間部を通過するため、距離が短くなった分、山岳がきつくなった印象で獲得標高差は3300m超と中級山岳コースと言えるのではないか。キューシートにはシークレットが3か所明記されているが、これだとシークレットじゃないねという意見はさておいて、まあ通過チェックということなのでしょう。

 定刻6時にスタート、と同時に雨粒がぱらぱらと落ちてきた。雨と呼ぶには大袈裟な程のかすかな雨量ではあるが、この先強くなって来るかも知れないという不安感を煽るには十分な威力がある。短い距離の名瀬の市街地をあっという間に抜けると直ぐにアップダウンが始まった。

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 何となく固まっていた集団のペースが上がる。後続から数名の速い人達に抜かれ、更に加速していく。何かいきなりのハイペースな展開にこっちもちょっとテンション上がり気味で集団に付いていく。

 7時になってようやく明るくなってきた。奄美の朝は遅い。シークレット1が近くなって来て集団が大きくなってきた。

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 24.7km地点のシークレットポイント1に到着、チェックタイムは7:11。
 ここは有人チェック、ブルベカードに通過サインをしてもらって直ぐに出発する。

 集団がばらけてここからは一人になった。多少落ち着いて走ることができる。雨が気持ち強くなったがそれでも本降りというほどではない。でも路面にはしっかり水が浮いているので、既にシューズの中まで浸水している。気温は10℃をちょっと超えた位だと思われるが、指切りグローブで寒くはないもののアームウォーマーを脱がなければならないという程でもない。

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 昨日空港から走った道を逆走する。微妙なアップダウンが続く。

 シークレットポイントに行くための行き止まりの支線に入る。距離にして2km弱。

 48.6地点のシークレット2に到着、チェックタイムは8:02。

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 ここは写真チェックなので”夢をかなえるカメさん”の写真を撮って直ぐに出発する。

 Qシート上はこの先の道の行き止まりまで行ってから折り返しだが、ここで折り返すこともできてしまう。現に後から来た人はここで折り返してしまうのだが、Qシート通りに折り返しポイントまで行く。距離にして100m。

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 念のため折り返し地点の写真を撮って折り返す。

 本線に戻ってちょっと走ったら登りが始まった。この登りはちょっと長そうだ。

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 峠を越えて下ると再び海沿い。さっきまでは太平洋側だったが今度は東シナ海側に出た。

 雨粒は大きめだがぱらぱらと降る程度で一向に強くならない。妙な飼い殺し状態がずっと続いている。

 この道は9年前のチャレンジサイクリングの時に走ったはずだが、今回は逆走しているせいかいまいち覚えていない。どちらかというと去年の佐渡ブルベで走った感じに良く似ている。

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 奄美の東の半島部を回って再び国道58号に合流、今日の全行程の1/3を消化。

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 このまま走ると名瀬に戻ってしまうがこの先を右に逸れてPC1に向かう。

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 右折すると更に勾配が上がって登りらしくなってきた。

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 この辺りからグラベル区間らしい。直前までは全面通行止めだったとのことだが、AR鹿児島のスタッフさんが行政に掛け合って今日だけ通行許可をもらったとのこと。

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 粗い砂利が浮いた道を進むうちにどんどん路面状態は悪くなり、轍が深くなり大小の石がごろごろ転がった泥の道に変わってしまった。とてもロードバイクで走れる状態ではない。登り基調になって何とか無理して乗っていたが落車しそうになって足を付いてしまってからはもう走り出せないので止む無く押し歩く。後ろから来た1人のブルベライダーが「酷い道ですよねー」と言いながらそのままするっと乗っていってしまった。良くこんな道を走っていけるなあと感心することしきり。
 2、300m押し歩いてようやく少しマシな道になったので再び乗車したらどうも前輪の感触がおかしい。見るとパンクしているではないか。もう目の前がPCなのでそのまま乗って進む。

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 74.1km地点のPC1に到着、チェックタイムは9:15。ここは有人チェック、まずはブルベカードにサインを貰う。

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 とりあえずこの場所は”二つの海が見える場所”という捻りの全くないビューポイントなので眺めておく。太平洋と東シナ海が両方とも見られる。

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 ひとしきり景色を眺めてからパンク修理を開始。まずはチューブの穴を探すのだがなかなか見つからない。ようやく見つけた空気漏れの場所は以前パンク修理したパッチの脇だった。どうやらパッチの隙間から以前のパンク穴の空気が漏れているらしい。修理してからずっと問題なく走れてきていたのにこのタイミングでパッチが剥がれかけるとは余程急激な圧力変化がかかったと見える。まあこのグラベルで尖った石を幾つも乗り越えたのでリム打ちパンク寸前のタイヤの潰れが発生したに違いない。取り敢えずタイヤ側にはパンクの原因がなさそうなので、チューブを交換して空気をしっかり入れて修理完了、と空気入れのノズルをバルブから外した途端にぶしゅーっと空気が抜けてしまった。一瞬何が起こったか理解できなかったがバルブの先端にあるはずの捻じ込み式の空気栓がなくなっている。あ、そうか!このチューブはコンチネンタル、バルブコアが外れてしまうやつだった。携帯用ポンプのノズルはチューブのバルブに捻じ込んで使うタイプだが、この捻じ込みを外す時にバルブコアが外れてノズルに付いてきてしまうのだ。過去に何回か経験していたのだがすっかり忘れていた。バルブコアを外してチューブに戻してしっかり捻じ込んでから改めて空気を入れ直すが、またしても外れてしまい空気が抜けてしまう。そんなことを何度も繰り返し、空気を入れ直すうちに腕が痛くなって来てだんだんイライラしてきた。5回目くらいでようやくバルブコアが抜けずにノズルが外れて一安心、30分近くを費やしてようやく修理完了、リスタートする。
 そう言えば鹿児島の代表が「この後のグラベルの方が酷い」って言っていたのを思い出し、さっきの道より酷いってどんな道だよと思いつつグラベル区間に差し掛かった。

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 確かにさっきよりも酷く、しかも結構きつい下り基調でこれはどうやっても乗って下るのは不可能だ。単刀直入に言ってこんな道をブルベに組み入れるのは意地悪以外の何物でもない。”カゴシマヒドイ”!
 押し歩いて何とかやり過し再び舗装路に戻った。またパンクするかと冷や冷やしたが今度は大丈夫だった。気を取り直して先に進む。

 グラベルが終わったと思ったら今度は上り坂だ。結構勾配があって距離が長い。心なしか雨がちょっと強くなった気がする。

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 森の風景がいつも眺めている本州のものと様相が違う。生えている樹木の感じが南国だ。

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 登っていくうちに何となく見覚えのある道に思えてきた。道の両側に茂る植物が南国風情なのも手伝って、何となく9年前の記憶が蘇ってきた。確か道端に小さな蛇の死骸があって良く見たらハブでびっくりした憶えがある。

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 何となく勾配は緩くなったがまだ登りは続いている。7km位は登って来たのでそろそろ終わるはずだ。

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 ピークを過ぎて下ると唐突に団地の中に出て急勾配の先でT字路にぶつかった。この道はチャレンジサイクリングの時に間違いなく走ったことがある。ブリーフィングの時のこのポイントを注意する様にとの説明を聞いて多分あそこのことなんじゃないかとうっすら思い出したがやっぱりここだった。更に下ると確かループ協があったはず…と思っていたらやっぱりあった。下り終えると市街地に出た。左折するとPCは目前。

 98.6km地点のPC2に到着、チェックタイムは10:59。

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 今回のブルベで唯一補給可能なPCなので、それ程の空腹感はないが少しでも食べておいて、ミニ羊羹とカロリーメイトを1袋買ってバックポケットに入れておく。20分程休憩の後出発。

 身体が冷えて走り出しは微妙に寒い。スタート時点からそれ程気温は上がっていない様だ。折角南の島に来たのだから半袖レーパンで走りたかったがどうやら今日はアームウォーマーとニーウォーマーは外せそうにない。

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 トンネルが続く区間に入った。車通りがそこそこあって皆スピードが速いのでブリーフィングの指示通り歩道を走行する。

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 この道は見覚えがある。前回はもっと天気が良かったけど。

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 マングローブの原生林が眼下に見渡せるが天気が悪いといまいちピンと来ない。

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 国道58号から県道85号にいつの間にか変わっていた。アップダウンは続く。

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 動物注意の標識はアマミノクロウサギ。

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 1kmを超えるトンネルがまた出て来た。長いトンネルが多い。

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 この辺りはアマミノクロウサギの生息地らしい。

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 山間部を抜けて海沿いに出た。右折して久慈方向へ。133kmを消化。

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 入り江のこの造船ドッグは良く憶えている。

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 風景が目まぐるしく変わるので飽きずに走り続けられる。くどい様だが天気が良ければもっと楽しめるのになあ。

 140.6km地点のPC3に到着、チェックタイムは12:57。

 廃校となった小学校の時計と一緒にバイクを写すという写真チェックポイントだが、肝心の時計が見当たらない。草が生えた運動場を自転車を押して歩いてみると校舎の2階の壁に小さな時計が付いているのを見つけた。

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 これと一緒に写して通過時間が後でちゃんと判別できるかどうか心配だが、取り敢えず写真を撮って直ぐに出発する。

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 PCを出てちょっと走ると直ぐに登りが始まった。

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 峠のピークで宇検村に入る。

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 峠が終わると再び湾岸に出た。内海沿いをうねうねと進む。

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 宇検村の交差点。10年前の第1回チャレンジサイクリングの時、この交差点でミスコースをして結果DNFとなってしまったいわく付きの場所。翌年きっちりリベンジしたがあの時の悔しい思いが何となくまだ残っている。

 後ろから大集団にパスされた。進行方向は直進。

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  右折すると直ぐに登りが始まった。登り始めが結構な急勾配、恐らくここが今日の最大の峠越えとなるはずだ。事前の地図読みでは票合500m位まで平均勾配10%弱で登る結構キツイ坂だ。先程の集団に付いていける程の脚はないのでマイペースで登る。スタッフカーも抜いていった。

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 しばらく走っていると前方にバイクを降りて押し歩いている人がいた。どうやらさっきの集団の中の人らしい。そんな急勾配なのかと視覚的なプレッシャーが増大するも何とか堪えて登り続ける。そのうち勾配が若干緩んできたので楽になった。

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 道の脇の大きなシダがジャングルな感じ。

 4km程登ってピークを通過、下りに入る。下りもそこそこの急勾配だが路面が荒れて落下物も多いのでそろりそろりと下る。下るうちにどうも後輪の感触がおかしい。パンクをしている嫌な感じが伝わってきて、停まってタイヤを触ってみたらやっぱりパンクしていた。今日は2度目かとがっかりして、取り敢えずあと1kmも行かずにシークレットポイントだからそこまで下ってしまおうかとも思ったが、どうせチューブ交換しなければならないのでその場で止まってパンク修理をすることにする。

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 パンクの原因を探ったらタイヤに小さなガラス片が刺さっているのを見つけた。そいつを除去してチューブ交換。さっき前輪を修理した時のチューブのバルブコア外れに注意しながらポンプのノズルを外したのにやっぱりコアが付いてきてしまって空気が全部抜けてしまった。こっちの身体も脱力しながらやり直すが何度やっても上手くいかない。その内雨がちょっと本降りっぽくなって身体も冷えて、悲壮感が漂ってきた。7、8回同じことを繰り返してようやくコアを外すことなくノズルを取り外すことができた。ちょっと空気圧が足りないのが心配だが、もう一度ポンプを付けると台無しになりそうなのでこのまま走り出すことにする。結局パンク修理に30分以上かかってしまった。これで替えのチューブは全て使い切った。一応応急処置用のパッチは持っているが、もうパンクすることはできない。路面の窪みに注意しながらそろりそろりと下る。

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 170.1km地点のシークレット3に到着、チェックタイムは15:19。ここは観光案内の看板の写真チェック、写真を撮って直ぐに出発する。

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 下りを終えて海沿いに出た。ゴールまではあと20kmちょっと。

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 この辺りの海岸線の道は良く覚えている。天気の良い午後で小さい入り江の海が青くて綺麗だった様に記憶しているが、今日はグレーで荒涼とした風景だ。まあこういう天気だから仕方がない。終盤に来てアップダウンが続く。ちょっと疲労感が出てきてしんどい感じ。それにしても2回のパンクで1時間以上をロスしたのは痛かった。ゴールして飲みに出るまで一眠りできるかと思っていたのに、その時間が削られたのはかなりがっかりだ。ともかくもうトラブルなく無難にゴールしたいところだ。

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 ゴールまで10kmを切ったところで再び登り。距離的に恐らく最後の登りだと思われるがこれが結構きつい。えっちらおっちら登って何とかクリア。あとはゴールまで平坦のはずだ。

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 チャレンジサイクリングの時に泊まっていたホテルの角を右折すればゴールまで一直線。

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 スタート地点に無事ゴール。その場に待機のスタッフさんに認定手続きをしてもらう。ゴールタイムは16:54、認定完走時間は10時間54分だった。AR鹿児島のスタッフの皆さん、どうもありがとうございました!

 ドロドロになったバイクを直ぐ傍の公衆トイレの水道の水を使って簡単に洗い流してその場を後にする。

 ホテルに戻ってきて濡れたウェアを脱ぎ捨ててせいせいした感じ、まずは風呂に向かう。汚れた身体を洗い流して湯船に浸かってようやく人心地着いた。

 風呂から上がってそそくさと身支度をして、打ち上げ会場はここと決めていた喜多八に向かう。
 開店直後の6時過ぎに店に着いたが、既に1階のカウンターは満席、優しい常連さんがわざわざ2階に移動して席を開けてくれた。感謝感謝。ここは9年前のチャレンジサイクリングの後に来て物凄く印象が良かったのでまた来たいと思っていた。AR鹿児島さんのアフターパーティーに断りを入れたのは後ろ髪を引かれる思いだったが、アルコール許容量がそれ程大きくない身としてはこれを有効に使わなければならない。この店は料理は全て御任せで酒も飲み放題、言ってみれば一人コースといったシステムだ。

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 早速独り打ち上げ開始、まずは瓶ビールで乾杯。毎度のことではあるがブルベを走り終えた後の1杯目のビールの味は筆舌にし難く旨い。

 良いタイミングで次々と出される奄美の郷土料理はどれも美味しい。ビール3本と黒糖焼酎をロックで3杯頂いて、ゆっくりと宴席を楽しんだ。やはりこの店は最高だ。酒を飲み始めて三十余年、今まで行った中では最高の部類に入る店であることは間違いない。また奄美に来ることがあったら絶対に来たい。
 さて2次会だが事前に見定めてある。9年前同じ様に喜多八を出て近くを歩いている時に店の看板を見かけて、その時は何となく素通りしてしまったのだが後になって気になってきたので調べたら奄美で多分唯一のミュージックバーだったのでいつか是非行きたいと思っていた所に行く。行ってみると残念ながら店休日だった。落胆しつつ近くのコンビニで缶ビールとつまみを買ってホテルに帰投、軽く2次会をして夢の中へ退場した。就寝時刻は0時前と思われる。