MGM2018/Report 14:Stage 11,Day 3/Tortoles of Esgueva-Ayllon(82km/1073km)

 8/22(水)、16:10にC11/Tortoles of Esguevaを出発。

 次のPCのC12/Ayllonまで辿り着けば今日の仕事は終わりだ。上手く行けば明るいうちに辿り着けるはずなのでプレッシャーは少ない。もう一頑張りだ。

f:id:gearmasher:20180822231654j:plain

 街を出ると直ぐに荒野の真っ直ぐな道、ちょっと食べ過ぎで御腹が重くてペースはダレ気味。

 C12/Ayllonまでは83km、獲得標高差は660mと数字的には大したことはないが後半が登り基調のアップダウンとなっているのがちょっとエグイ。往路はAyllonを出た直後が快調に走れた分、正反対の道になるもの思われる。あとは夕刻の残暑との戦い。でもこれが恐らく午後の暑さとの最後の戦いとなるはずだ。この4時間を頑張れば仮眠できる。

f:id:gearmasher:20180822234437j:plain

 微妙なアップダウンが続く。夕方の残暑がきつく、休憩の効果が早くも薄れ始めてしんどさを感じ始める。疲労が蓄積してるのが良く分かる。

f:id:gearmasher:20180822234710j:plain

 空には雲が点在し、時たま太陽を隠してくれる。多少でも日差しが弱まるとぐっと楽になるので非常に有り難い。もっとどんどん雲が出て来て欲しいところ。

f:id:gearmasher:20180822234717j:plain

 緩いけど真っ直ぐな登りが視覚的に堪える。だらだらと登って行く。

f:id:gearmasher:20180823000123j:plain

 だだっ広いフラットな風景は殆ど動きがないので集中力を欠く。暑さでぼーっとしながら走る。

f:id:gearmasher:20180823003305j:plain

 Tortoles of Esguevaから31km地点、幹線道路との交差点に差し掛かる。ここを右折するとマドリッドに行くらしい。スタートしてから1000kmを超え、ゴールまではあと200kmちょっとの所まで来た。あと200kmブルベ一本で終わりだと考えるとゴールが見えてきた気がするが、まだ確信までには至っていない。

f:id:gearmasher:20180823003833j:plain

 幹線道路との交差点から1km程進んだところで日陰を見つけて、道端で小休止。休憩してからバテが来るインターバルがどんどん短くなってきている。往路のCistierna手前の状況に近くなってきた。バテてきたら直ぐ休む。あと3時間足らずで仮眠できるし、もう無理をする局面でもない。

f:id:gearmasher:20180823004537j:plain

 道端に座り込んでボトルの水を飲みつつ、頻繁に行き来する車を眺めながら休憩。15分程でリスタートする。

f:id:gearmasher:20180823005659j:plain

 高速道路N-1に乗った。進路は南、このまま真っ直ぐ行くとマドリッドだが、数km走った所で途中で左折する。Tortoles of Esguevaから36km地点を通過。

f:id:gearmasher:20180823010558j:plain

 Fuentespinaという街でN-1を離れて支線に入った。

f:id:gearmasher:20180823012301j:plain

 暑さが厳しい。ボトルの水を身体が受け付けてくれない。さっきの付け焼刃的な休憩では余り回復が見られずかなりグロッキーになって来た。ペースもがっくり落ちて、ちゃんと休憩したいとバルか店を探しながらふらふらと走り続ける。

f:id:gearmasher:20180823012435j:plain

 45km地点、登り基調でFuentelcespedという街に入った。この坂を登り切ったら力尽きそうだ。この街でとにかく休もう。よろよろと坂を登って行く。

f:id:gearmasher:20180823014514j:plain

 街の中心辺りの広場に差し掛かったら上手い具合にバルがあった。地元のサイクリストも数人休憩している。助かった!よろよろとバイクを停めて店の中に入ってアクエリアスを2本注文。

f:id:gearmasher:20180823013316j:plain

 氷入りのグラスに注がれたアクエリアスを一気飲みして息を吹き返す。20分程休憩してリスタート。

 残りは40kmを切った。あと2時間、何とか持ってくれれば仮眠できる。MGMで夕方の残暑を走るのはこれが最後だと自分に言い聞かせながらペダルを踏む。

f:id:gearmasher:20180823014817j:plain

 荒野のアップダウンを無心に淡々と走り続ける。PCのあるAyllonまではあと29km。

f:id:gearmasher:20180823015020j:plain

 雲がかなり多くなってきて日が隠される時間が長くなってきた。ペースは遅いままだが日差しが弱まってちょっと楽になった。

f:id:gearmasher:20180823023328j:plain

 木々の多いアップダウン区間に入った。2日前の夜明け前にここを通過した時は絶好調だったが復路はそういうわけにはいかない。59kmを消化。

f:id:gearmasher:20180823023515j:plain

 長めの登りをえっちらおっちら登って行く。丘の頂上が遠い。

f:id:gearmasher:20180823023602j:plain

 雲が日差しを弱め薄暗くなると、厳しい夏の砂漠的な風景から荒涼とした寂寥感漂う眺望に変わり、何となく途方に暮れる。この寂寥感が異国を独りで走っているという孤独感と混ざり合って旅情が醸し出される。しんどい中にもふっと気持ちが和らぐ瞬間。

f:id:gearmasher:20180823024212j:plain

 64km地点、湖が見えて来た。今日のゴールまであと10kmを切った。

f:id:gearmasher:20180823024341j:plain

 日がすっかり陰り体感気温も下がって楽になりちょっとだけ巡航速度が上がった。往路の爆走というわけにはいかないが、湖畔の平坦基調を順調に走る。往路では全く見えなかったがこんな風景だったのか。

f:id:gearmasher:20180823024617j:plain

 湖の向こうに古そうな街並みとこちら側と対岸を繋ぐ石の橋が見える。

f:id:gearmasher:20180823024816j:plain

 あと30分もしないうちに今日の仕事も終わりかと思うと少しだけ元気が出てきて踏みに力が入る。

f:id:gearmasher:20180823025125j:plain

 右側は川というよりは湿地帯の様に見える。スペインは荒涼とした中にも水のある風景はちょくちょく出てくる感じ。

f:id:gearmasher:20180823025841j:plain

 湿地帯から離れて再び牧草地の中の一本道になった。

f:id:gearmasher:20180823031722j:plain

 羊の群れが砂煙を上げながら移動している。

f:id:gearmasher:20180823031745j:plain

 残り5kmになったところで再び登り基調、長い丘越えの坂道をえっちらおっちら登って行く。すんなりゴールできるかと思ったがなかなか楽はさせてくれない。

f:id:gearmasher:20180823032044j:plain

 1km弱を登ってようやく丘の頂上に調達。

f:id:gearmasher:20180823032355j:plain

 頂上から下り始めると街が見えて来た。多分あれがAyllonの街だ。

f:id:gearmasher:20180823032412j:plain

 丘の上には古い教会の遺跡の様な建物が見えた。

f:id:gearmasher:20180823032632j:plain

 Ayllonの街に入った。コントロールを示す手書きの看板を見つけてほっとする。今日も無事に終えられそうだ。

f:id:gearmasher:20180823032813j:plain

 ここを曲がればあと300mで今日のゴール。

f:id:gearmasher:20180823032900j:plain

 1073km地点のC12/Ayllonに到着。

f:id:gearmasher:20180823033020j:plain

 狭い運動場はたくさんの人達で賑わっている。2日前の夜半過ぎとは大違いだ。

f:id:gearmasher:20180823033041j:plain

 コントロールで学生ボランティアスタッフのチェックを受ける。

f:id:gearmasher:20180823035716j:plain

 チェックタイムは8/22の20:18。

f:id:gearmasher:20180823033103j:plain

 御祭りというわけではないが地元の人達がたくさん集まって夕涼みがてらの社交場という感じなのだろうか。今日の仕事が終わった安堵感も手伝ってこの賑やかな雰囲気に和む。まずは寝床の確保ということで、スタッフにベッドブッキングを尋ねたら、ここから200m位離れた所だから自転車で移動しろと言われ、学生ボランティアの独りが自転車で案内してくれた。PCからちょっと離れた体育館に到着した。

f:id:gearmasher:20180823033517j:plain

 Cistierna同様体育館には20枚程度のマットが並べられているだけで勝手に使う方式も同じ。まだ誰も寝ていない。

f:id:gearmasher:20180823041726j:plain

 早速一枚を確保。ここでは毛布があった。これは非常に有り難い。寝床の確保が終了してサイコンなどの電装品の充電をセットし、次はシャワー。体育館内のシャワーを勝手に使う方式だが、ここは御湯が出た。ボディーソープが置いてなかったのは残念だが汗と汚れを洗い流してすっきり、Tシャツ短パンに着替えて身軽になった。そのまま再び自転車に乗ってコントロールに戻ってちょっとだけ何か食べることにする。

f:id:gearmasher:20180823035745j:plain

 運動場の傍の店でジュースを買ったらポテトチップスをタダで付けてくれた。店の横の空いたテーブルを見つけて着席し、しばし寛ぐ。多少脱水症状気味の身体にアクエリアスが染み渡る。スタート後はどうなることかと思ったが何だかんだ言って3日目までのスケジュールを消化することができた。残りは160km、ここまで来ればもう絶対に落とせない。今晩寝ればもう一勝負できるはずだ。ポテトチップスをつまみつつスマホでツイッターなどを眺めていたら、空から雨が落ちて来た。弱弱しいが夕立ちだ。妙に新鮮な気分になりつつ席を立ち、自転車に乗って再び体育館に戻る。

 当初の予定では明日は4時起床4時半出発だったが、1時間前倒しして3時半リスタートとすることにしてアラームを3時にセットする。5時間位は眠れそうだ。マットに横になり毛布に包まる。なんか妙に幸せな気分になる。いつもの様に手足がちょっとの間攣ったりしたが暫くすると治まった。就寝時刻は21時半頃と思われる。