2007佐渡ロングライドレポート

 記憶が薄れないうちに佐渡ロングライドのレポートを書きました。長文乱筆ですが、お時間が許せば読んでみて下さい。

5/19(土)
 16時過ぎにカーフェリーにて小木港に到着、初の佐渡上陸。雨風はだいぶ弱まったものの、雲は低くどんよりとして明日の天気が思いやられる。とりあえず前日受付を済ませるべく会場の河原田小学校へ。途中明日のコースの一部(国道350号)を走ったがかなりアップダウンの激しい道程で更にナーバスに。会場に着いた時には既に17時を過ぎて前夜祭も終わりかけだったが、受付は行われていたので風雨の中受付を済ませる。宿に入って軽く内輪の前夜祭と近くの居酒屋へ繰り出した。明日のレースに備え「リミット21時、大ジョッキ2杯まで」と心に決めて臨んだものの、席を隣り合わせた地元の粋なおじさんと盛り上がり、振舞って頂いた酒をガンガン呑んで結局深酒となってしまった・・・。
 
5/20(日)
 朝4時前に窓を叩く激しい風雨の音で目が覚めた。はっきり言ってこれは台風のノリである。寝不足・二日酔いも相まってかなりテンション下がったまま会場へ。しかしスタートラインに立つ頃には雨も上がり雲の切れ目に明るさが見え始めた。

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 これから天気は回復に向かうと判断した俺は、半袖ジャージとノーマルのレーパンにアームカバー・レッグカバー、指切りグローブをチョイス。レインジャケットとシューズカバーは必要なしと判断した。(後でこれが災いする)
 6時過ぎにスタート。いきなりビンディングがうまくはまらない。両側のクリートに砂がしっかりと詰まってなかなか取れずいきなり立ち往生。何とか気を取り直して再び走り始める。しばらくして雲が厚くなり雨風が吹き付けてきた。ジャージもシューズもあっという間にずぶ濡れで、レインジャケットを持ってこなかったことを激しく後悔する。コースもしばらくは平坦だったものの細かいアップダウンを繰り返す道になる。コースマップを見てイメージしていたものとは全然違った。
 向かい風と強い雨でスピードが上がらない、のっけからこの調子では目標の7時間完走なんて到底不可能とさっさと諦め、ペースを落として走る。
 8時前に40km入崎ASに着いたが、今日は2ストップと決めていたので止まらずに次の72kmはじき野ASを目指す。しばらく走るとコースの先に最初の難関Z坂が見えてきた。雨に霞んだその坂をえっちらおっちら上っていくたくさんのライダー達が小さく見える。想像より標高差ありそう。登り始めて1つ目のカーブを超えた所で横っ腹の痛みに耐えられなくなり息ができなくなる。ほとんど止まりそうなスピードで何とかこの坂を上り切ると、その先も更にアップダウンが続く。
 9時に72kmはじき野ASに到着。最初の休憩ということで自転車を降り、まずはバナナとおにぎりでエネルギーチャージ。10分ほど休憩して再び走り始める。休憩で身体が冷えてしまったので走り始めが滅茶苦茶寒い!
 ちょっと走ったところでちょうど良いスピードの列車がやってきたので乗せてもらう。ここで初めて30km/hを超える巡航スピードで走ることができ、やっぱ集団走行は楽だと改めて思う。途中雨風も止み何と日差しが出てきた!ようやく本番かと快適に走行できたのもほんの20分ほどで、再び空は曇り向かい風が吹き付けてくる。それでも列車のおかげでかなり楽をさせてもらった。100km平沢ASで列車の皆さんが休憩ということでここでお別れ。俺は1人で次のASを目指す。ASを超えたすぐのところで別の列車が来たので乗せてもらった。これが急行列車で結構早い!平地では何とかついていけるが、上り坂で直ぐに離されてしまう。いくつかのアップダウンではこらえたものの途中でついに千切れてしまい、ここから再び一人旅が始まる。
 レース前半はあれだけ人がいたのに今は前後を走っている人は見えず、雨風の中を淡々と進む。時々速い人に抜かれ、それについていこうと一瞬考えるがマイペースを崩しちゃいけないと身の丈で走る。寒さで指がうまく動かず両腕が重い。
 12時前に137km松ヶ崎ASに到着。再びバナナとおにぎりでエネルギーチャージ(海苔巻きが美味しかった!)。10分ほど休憩して再スタート(相変わらず走り始めは寒い)。

 

 相変わらずの雨と風の中、赤泊から小木のあたりを淡々と進む。この頃になると悪天候もさして気にならなくなり、自虐的に楽しくなってきた(危)。170kmを越えたあたりで厳しい坂がいくつかあると聞いていたので、162km小木ASで休憩しようとも思ったが2ストップにこだわり通り過ぎる。幹線道路から外れ海縁の細い道を一人旅。前後を見ても出場者は全然見えない。堤防脇の漁村を通る人気のない生活道路を走っていると幸せな孤独というか不思議な旅情に浸ってしまった。途中で1人のおばさんが手を叩いて応援してくれた。気力も体力もなくなりかけの状況で沿道の声援が何とありがたいことか!
 170km過ぎの井坪という道標が立っている近くに噂の激坂はあった。距離は大したことないが、畑のあぜ道のような狭いところを急勾配で曲がりくねり、なかなか頂上に辿り着かない。スピードも10km/hを切り腕に力が入らないのでダンシングもままならない。ほとんど気力だけで登り切り、気を取り直して淡々とペダルを踏む(この坂が一番きつかった!)。
 180km素浜ASの直前で足が攣りそうな気配があり、仕方なくASでストップ。ここで時計を見ると14時前。ストレッチの間サポーターの人が「もう一つ坂がありますから」と言っているのが聞こえた。2,3分で直ぐに出発。走り始めて直ぐに素浜坂がやってきた。評判通りだらだらとした勾配が延々と続き、足を休めるところがない。前を1人の参加者が走っていたので彼を目標に何とか登り切る。ここから先もアップダウンは続くがもう激坂はないと安堵していたら大間違い、目の前に真っ直ぐに左上に上っていくいわゆる国道坂が出現。前の2つの坂に比べればそれほどのものではないが気持ち的に終わっていた分堪えた。
 この坂を何とかやり過ごしたところでようやく完走できそうな気がしてきた。この時には雨もほとんど上がり向かい風もさほどきつくない。ゴールまで200kmの標識を過ぎ、街中に入ると今までの一人旅が嘘のように人や車が行き来し、何人もの参加者が前を走っている。最後の右カーブを曲がったところでスタート地点のバナーが見え、思わずゴールスプリント(といってもちっとも速くなかったが)。レースアナウンサーにフルネームをコールされゴール(ガッツポーズも決まらず、クリートを外し損ねてこけそうになった)!
 会場に入りとりあえず自転車を置こうとうろうろしていたら、ゴール時間を確認するのを忘れていたことに気づき慌てて時計を見ると15時を回ったところ、逆算すれば15時をちょっと過ぎたあたりでゴールしたことになり、大体9時間での完走となった。
 ゴール直後は気力も体力も使い切って思考停止状態。自転車を置き、会場で振舞われていたイカタコ飯とすりみ汁を食べながらようやく何とか完走できた満足感がこみ上げてきた。天気もすっかり良くなり傾きかけた日差しを浴びながらしばし会場で休憩、同僚のゴールを待つ。
 
 宿に入り日本海に沈む夕日を眺めながら露天温泉に浸かる(極楽!!)。打ち上げの宴会で目の前の海の幸舟盛に圧倒されつつ「ガンガン呑むぞ!」と意気込んだものの瓶ビール2本と焼酎4杯であっけなく沈む。
 
5/21(月)
 目が覚めると快晴(昨日の天気は一体何だったんだ!)。宿を発ってフェリーの出航時間まで軽く観光、両津から赤泊の酒蔵を目指す。昨日走った道を再び車でトレースし、アップダウンの多さを改めて認識する。しかしかえすがえすも天気の良い日にこの道を走りたかったと残念に思う。13時前に両津よりフェリー出航、佐渡ともお別れ。
 
総評
 想像を超えたアップダウンの多さにガツンとやられましたが、振り返ってみればバライティーに富んだ挑戦し甲斐のあるコースでした。一周コースという、スタート地点に戻ってくるというのは達成感もひとしおです。天気が良ければ最高のサイクリングが楽しめたと思います。
 ASでは食べ物や飲み物が切れることなく供され、レースサポーターの皆さんにフレンドリーで行き届いた対応をして頂きました。また、沿道のあちこちで手や太鼓を叩きながら応援して頂いた地元の皆さんに気分的に盛り上げて頂きました。
 全体としてはレース参加費や旅費を考えても、非常にコストパフォーマンスの高い満足できるイベントでした。
 不満な点を挙げるとすれば、せっかく計測チップを使用しているのだからスタート時間とゴール時間を取り込んで完走証に記録して欲しかったですね。

 来年も是非参加したいと思います!