最近ヒルクライムの面白さが分かり始めてきて、記憶にあるあちこちの峠を思い浮かべる中でいつかは登ってみたいと夢に描く坂道があります。と思っていたら何とその登りのヒルクライムイベントがあるんですね(見つけた時はかなりびっくりしました)。
その名も”Cycle to the Sun”。
数年前にハワイのマウイ島に旅行した時、天文少年な私はハレアカラ山にどうしても登ってみたくてレンタカーを借りて行ってみました。
天気の良い午後にふもとから登り始めたのですが、牧草地の中を通るガードレールもない緩やかな上り坂を”とにかくただひたすらに”登り続けます。途中でたまに牛にすれ違ったりする以外、対向車も全くなくずーっと同じ風景が延々と続き、一体どのくらいの時間を走り続けているのか時間感覚がなくなってしまうほどです。確か2時間以上かかってようやく山頂に辿り着くともう夕暮れ。標高3000メートルの山頂は夏でも防寒具が必要なくらい冷たい風が吹いていました。
日没直前の夕焼けは、呼吸するのを忘れてしまうくらい美しく今でも記憶に強く残っています(あれ以上の夕焼けを見たことは後にも先にもありません)。
ずっと眺めていたかったけれど、あっという間に周囲は暗くなり帰り道のことを考えるとぼやぼやしている暇もなく再び車を運転して下山開始です。
下りの途中ですっかり夜になってしまい、街灯などの明かりらしい明かりは何一つない真っ暗な道を車のヘッドライトだけをたよりにゆっくりと下っていきます。道もそんなに太くなくガードレールも何もないのでかなり神経を使い、さすがにちょっと疲れたので車を脇に寄せて休憩しました。真っ暗闇の中、ヘッドライトを消して車を降りて空を見上げると、まさに”降り注ぐような”満天の星空がそこに広がっていました。ちょっと筆舌し難いその圧倒的な大パノラマに感動を通り越してただ呆然と空を見上げていたことを覚えています(何故ハワイに天文台がたくさんあるのかを本能的に理解しましたね)。
なんかちょっと話がずれてしまいましたが、その60km近い上り坂をただひたすら自分の足で登って山頂の大パノラマをもう一度眺めてみたいと考えると、今すぐにでも飛んで行きたい衝動に駆られる感じです。
近い将来の実現可能な目標と見定めて、そこに向かって日々坂道に挑みたいと思ってます。