ねんきん特別便

 昨今巷で物議を醸している「ねんきん特別便」なるものが昨日私宛にも届きました。昨日はちらっと目を通してさして気にも留めなかったのですが、今日霧雨の中を自転車で走りながら思い出してきてだんだん腹が立ってきました。

 冒頭の慇懃無礼な文章とでかでかと印刷された現厚生労働大臣の直筆署名の”印刷”が何とも空々しい。せいぜい事態収拾に奔走していることをアピールしたいのだろうが、逆効果だな。
 そもそも私くらい素性の分かり易い(新卒採用、転職経験全くなし)サラリーマンに何故届くのか理解不能である。給与所得者には、税金やら各種保険料やらを取りっぱぐれることのないように源泉徴収というシステムを導入しておきながら徴収記録に今更間違いがないかどうか取られた本人に確認してくれなんて極めて間抜けな話である。
 私なんぞは記憶を辿るまでもなく確認可能だが、立場や身分が何度も変化した人々も数多く存在しその過程で直接・間接的に徴収されたであろう年金の記録なんぞをいちいち記憶している人はそう多くはあるまい。それでも個人に確認してもらうという体裁を取っただけの強制同意でリセットをかける手法なんぞ、これ以上の責任転嫁があるものか。
 こんな郵便物を対象者全員に配布するだけでも数十億の費用がかかるわけでそれだって我々の税金が無駄に使われているわけだ。
 一方で、これだけの不祥事が開いた口が塞がらないくらいガンガン発覚し全く必要のない支出がどんどん積み上げられているのに、その悪行に手を染めた輩が刑事罰を受けたなんて話はさっぱり聞こえてこず、責任の所在もまるで明らかにならない。
 これだけぞんざいな扱いを受けてもせっせと税金やら保険料やらを黙って納め続ける俺達サラリーマンは、鵜飼に飼われた鵜以下だな。

 「そろそろ怒れよ、サラリーマン達!」

 なんてことを考えながら走っていたらあっという間に多摩湖CRを4周回していました。まだ全然走り足りませんでしたが、だんだん雨粒も大きくなってきて路面に水が浮き出したので大事を取って撤収しました。

 天気も気分もすっきりしない土曜日の午前でした。