PBP2011参加レポート17:第14ステージ

第14ステージ:MORTAGNE-AU-PERCHE〜DREUX(区間距離:75km、総距離:1165km)

 10時前にスタート。日が昇ってきたのでウインドブレーカーは必要なくなった。この区間の前半はアップダウンが激しい。さすがにちょっと疲れを感じてきてえっちらおっちら登る。
 途中に通過した街では日も高くなったのか人通りが多く賑わっている。地元の人はフランスパンを剥き出して持って歩いている。今まで通過してきた街でもちらほらその姿を目撃していたが、やっぱりフランス人はフランスパンを剥き出して持って歩いていた!という事実に妙に感動した。

 幾つかの峠をこなし30kmを過ぎたあたりから平坦基調になる。大きくワインディングした平坦路が延々と続く。時折同じチームの集団が列車を組んでかっ飛んで抜いて行く。こちらは相変わらず尻の痛みと闘いながらの走りが続く。このままでは折角の平坦路でペースを上げられないので路肩に止まって尻にオロナインを塗りたくる。気持ち痛みが和らいだ。走りながら座り方をいろいろ変えてみると、痛くないポジションがある。ペダリングにちょっと支障があるが尻の痛みには代えられない。
 ここから徐々にペースが上がっていく。時折抜いて行く車のスピードも手伝って、気が付いたら35km/h近いスピードで走っているではないか。これではまるでタイムトライアルの様だ。ツールでも最終ステージ前には勝負を決するTTステージが組まれる。まさにそんな感じだ。このド平坦な区間が延々30km近く続き、1時間ハイペースで漕ぎっ放しだ。まさかPBPで1100kmを走ってこんな走りをするとは想像だにしなかった。やればできるじゃん、俺。

 ようやく住宅街に入りスピードが落ちる。目的地はもう目前だ。後ろから追い付いてきた集団と団子状態でDREUXになだれ込む。無事にDREUXに到着。チェックタイムは13:02。コントロールでは私が日本人と分かるとそこでブルベカードにスタンプを押している御婦人方が色めきたった。何だかやたら嬉しそうに話しかけてくる。周りの他の国のライダー達がちょっと怪訝そう。何でだかさっぱり理由が分からないが。コントロールの建物の外に出てもオフィシャルのおじさん達が寄って来て「ジャポネか」、「チェックは終わったか?」、「身体は大丈夫か?」、「食べ物は食べたか?」とか矢継ぎ早に英語で話しかけてくる。ついでに知っている日本語を幾つか言っていた。何なんだろう、日本人がそんなに珍しいのかな。ここまでくればもう補給はいらないのでフードサービスはスルーする。とりあえずトイレに行って身軽になる。よかった、ここのトイレには便座があった。再度しっかり尻にオロナインを塗る。
 1165km、遂にここまで来た。いよいよ次はゴール、最後の区間だ。休憩もそこそこに気合を入れ直してバイクに跨った。