インターネットラジオ

 今日は折角の土曜日だというのに体調不良で床に臥せっている。数日前から喉がいがらっぽくて咳が出ていたのだがそれ以外は何ともなかったので気にせず過ごしていた。しかし昨日から本格的に身体がだるくなって会社を早退してから、大した回復もみられずに今に至っている。先日のノロウイルスの件もそうだが、健康が売りの私にとって風邪を引くなんざ結構な敗北感である。今日のバンドの練習にも行けず、この分だとどうやら明日のツール・ド・八ヶ岳も出走は難しそうだ。明日は年間唯一のヒルクライムタイムアタックのレースなのだが、たとえ回復したとしても病み上がりで体力とモチベーションが著しく減退した中では出走してもあまり意味はなさそうで、ここは潔く体調管理に失敗した敗北を認めDNSとすべきか。(でも年にたった一回のヒルクラ決戦用の超軽量ホイールZIP303を装着したスペシャルバイクで走る機会が失われるのは何とも残念…)

 床に臥せっている間は音楽を聴きながらPCを眺めている位しかやることがない。腰やら身体のあちこちが痛く動きが緩慢なのでCDを入れ替えるのもかなり面倒臭い。こういう時に絶大な威力を発揮しているのがこの程導入した”インターネットラジオ”である。
 ちょっと前にサブのオーディオセットのCDレシーバー(OnkyoのCR-D1ltd)の調子がちょっと悪くなって、今度で2度目の修理になることからこれを機会に新しいのに買い替えようかなといろいろ物色するうちに行き当たったのが”インターネットラジオ”なるものだった。一言で表すと”インターネット経由で配信されるラジオ”ということなのだが、日本ではradikoというインターネットラジオがぼちぼち普及し始めていることくらいは情報として知っていたものの実際に聴いてみたことはなかった。今回調べてみて、世界レベルでは物凄い数のチャンネルが既に存在しているし、様々な音楽のジャンルそれぞれに特化したチャンネルも多数あるのにはかなり驚いた。イメージで言うと日本の”USEN”みたいなものである。
 でも所詮PC上で聴くということであれば私の興味もそこまででその先に進むことはなかったのだが、更に調べてみるとPCではなくオーディオセットにインターネットラジオがコンバートされている製品が存在していることが分かって、俄然興味がそそられた。個人的には自宅でPCのしょぼいスピーカーやヘッドフォンで音楽を聴く気には更々ならないし、やはりきちんとしたオーディオセットで聴きたい。ここまで来るともうインターネットラジオ付きコンポを導入したくなって機種の絞り込みに入ったのだが、まだ日本ではそれ程の種類が発売されているわけではなく、選択の余地もない中で最終的にDENONのRCD-N7に決定、早速安値で買えるところを探して最終的にネットオークションでゲットした。

 見た目はちょっと大きめのワンユニットのCDレシーバーなのだが天板にはiPodのポートが付いていたり背面には無線LAN用のアンテナが付いていたりする。まずは我が家の無線LANに接続するのだが、これは割と簡単にできた。そうすれば後は画面表示を見ながらリモコンを使ってインターネットラジオの選局をするだけなのだが、予めPC上で目を付けておいたチャンネルを選曲して聴いてみると、心配だった音質については全く問題なかった。私の歳相応に性能の低下した耳ではCDの音質と聴き分けはつかないレベルである。ビットレートの低いチャンネルでも問題なしである。

 チャンネルは音楽のジャンルで選ぶのだが、JAZZという大括りなものにとどまらず”Smooth Jazz”、”Piano Jazz”、”Bobop Jazz”、”Vocal Jazz”といった細かいジャンル分けでも選べるのはかなり嬉しい。
 音楽のソースが基本的にCDがメインになって、時々何を聴きたいのかぱっと思いつかないことがあって手持ちの少ないストックの中から繰り返し同じCDを聴くこともしばしばだった。また最近は自転車に熱が入っている反動か、新しい音源を探すアンテナが低くなってしまって、CDも増えなくなっていた。
 そんな状況での”インターネットラジオ”の導入は画期的だった。聴きたいジャンルのチャンネルを選んで後は垂れ流し的に聴いていればよい。聴いている最中にびびっと来た曲があればディスプレイには曲目とアーティスト名が表示されているしPCのサイトでもNow Playingで直ぐにチェックできる。ネット検索でCDが見つかれば直ぐに購入可能、何とも凄まじく便利な時代になったものだ。

 最近Fusion系の音楽の新しいソース開拓を殆どやっていなかったが、インターネットラジオで再び火が付いた。お、これは!という曲が聴こえてきてそれが新譜かと思いきや過去にジャケットやアーティスト名だけで判断して流してしまっていたCDがどんどん出てくる。現在はともかく過去に聴き逃していたCDが山の様にあることを改めて思い知ることとなった。

 この状態は、若い頃にFMラジオからFMラジオ雑誌を片手にがむしゃらに音楽を吸収していた頃に近いものがある。あの頃はエアチェックと称してカセットテープに録音していたのだが、今はCDを買うという違いだけである。ただ、気に入った曲が入ったCDを片っ端から買っていたら経済的に破たんするし、いやむしろCDを買うという必然性はもう無いのかも知れない。我が家にもCD、LP合わせて1000枚を超えるストックがあるのだがそれを全て何度も聴き返すことなんて死ぬまでに恐らくありえないし、仮に気に入った曲を手元に置いておけなくても、また違う良い曲が流れてくるのは確実なのだから。

 そんなわけで、どうにも馴染めそうになくて敬遠していたネットワークオーディオが我が家にあっさりと入ってきた。

 最後に私の気に入っているラジオ局を紹介。

SKY.FM Radio
http://www.sky.fm/

181.FM
http://www.181.fm/

Inside Jazz
http://www.insidejazz.com/

JazzRadio.com
http://www.jazzradio.com/