2013BRM224埼玉200

 今日も寒い。昨日のブルベの疲労は殆どないが走行中に攣った両太腿の内側が微妙に痛む。でも自転車に乗るには全く支障にならないのでいつも通り自転車通勤。今日で月間走行距離の昨年同月比100%を超えた。先月に引き続き前年同月を上回ることができ今年の滑り出しは上々だ。
 昨日のBRM224埼玉200のレポートを書く。

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 朝5:00に目を覚ます。寒い。気合で布団から出て身支度。バイクを車のキャリアに積む際、フレームが氷のように冷たくて握る手が痛い。6時前に出発、越生へ向かう。

 今日もばっちり朝焼けを堪能する。ここまで来れば頭もすっかり覚醒してまともに行動できるようになる。
 6時過ぎにニューサンピア越生に到着。駐車場に車を停め、バイクを下して500mほど離れたスタート地点に向かう。スタート地点の駐車場はそこそこの数のブルべライダー達で賑わっている。

 ブリーフィング。日が当たらないのでじっとしているだけで寒くて震えがくる。
 先週に続いての埼玉ブルベである。今年の埼玉ブルベは妻神班と清水班の開催日がずれているので両方参加することができる。所沢在住の私にとっては非常にありがたい。
 今日のコースは去年開催のものとスタート地点と折り返し地点が変わったこと以外ほぼ同じ。
往路

復路

 峠を幾つか越えなければならないが、獲得標高差は2400m程と山岳の難易度はそれ程でもない。それよりも気掛かりは風である。事前の予報では日中は強い北風、前半はひたすら向かい風に耐えなければならないが、折り返せば追い風で楽に走れるはずである。今日の勝負は前半だ。

 定刻7時前にスタート。私のすぐ前をイーチョさんが元気に飛び出していった。今年に入って1月の千葉200と先週の埼玉200と3回連続で御会いしている。いつも通りの速さなので、無暗について行くと前半で脚を使い切ってしまいそうなのでマイペースで走る。しばらくすると姿が見えなくなってしまった。
 風は予報通り向かい風だがまだそれ程強くはない。まずは最初の登りの松郷峠を目指して都幾川を淡々と走る。
 
 松郷峠への登坂開始。何度も登っているのでペース配分はよく判っている。

 難なく山頂をクリア。ゴール直前に再びこの峠を登り返すことになる。
 次は今日のメインの峠越えとなる定峰峠を目指す。定峰は距離はそこそこだが勾配は緩やかなのでプレッシャーはない。前半にメインの登りを終わらせてしまえば後は気が楽だ。
 定峰の峠越え開始。登っていくにつれてどんどん気温が低くなっていく。いつの間にか空も曇って日差しがなくなってしまった。

 道の両脇には雪がしっかり残っていて、路面も所々凍結している。奥武蔵はまだシーズンオフだ。

 定峰の頂上を無難に越え下りに入る。寒い寒い寒い!手足が凍てついて痛い。年が明けて4本目のブルベだが今回が一番寒さが辛い。これなら登っている方がましだ。
 寒さにひたすら耐えて何とか下り切り、一気にPC1に到着。

 40km地点のPC1に到着、チェックタイムは8:44。寒いのでホット缶コーヒーに手を伸ばす。日差しが少ないのは予想外だ。今日は風に加えて寒さとの戦いになりそうだ。次のPC2は折り返し地点、区間距離は70kmと長い。覚悟を決めて出発する。
 走り初めはとにかく寒い。ちょっと走って直ぐに出てきたちょっとした上り坂は再び身体を温めるのは好都合だ。ひと山越えると長瀞まで下り基調、向かい風もまだ大人しいので快調に走る。ぼちぼち日差しも戻ってきて寒さもちょっとだけ緩んだ気がする。
 長瀞の中野上交差点を越えると再び登り基調、杉ノ峠へのアプローチ開始。無難に越えて九十九折りの下りを一気に下る。下り切って鬼石の街中を走り始めた頃から向かい風が本格的に吹き始めた。折り返し地点までは40km、いよいよ忍耐の時間帯に入ってきた。とにかく無暗に風に逆らわず一定ペースを保って淡々と走る。
 70kmを過ぎ県道41号線を走り始めたあたりからかなり向かい風がきつくなってきた。忍の一字である。
 富岡市街地に入って風の影響は幾分か緩和されたが今度は信号に頻繁に引っ掛かる様になってやはりペースは上がらない。

 富岡諏訪神社の鳥居。たまたま止まった交差点の傍にあったので撮ってみた。

 上信電鉄。これまた踏切に引っ掛かったので撮ってみただけ。
 富岡市街を越えると再び強い向かい風に迎撃される。更に登り基調になりペースが一段と落ちる。12時前にPC2に着きたいと思っていたが無理そうだ。

 妙義山の山並み。手前の畑の土埃が風に舞っている。
 松井田妙義IC手前の峠のピークに到達、後は下ればPC2だ。一気に下って到着…、と思ったら去年のPC2よりも更に先に今年のPC2があってそこまでは登り基調だ。気持ち的にがっくり来て仕方なくえっちらおっちら走る。坂の先にようやくおぎのやドライブインらしい建物が見えて一安心。

 110km地点のPC2に到着、チェックタイムは12:08。オダックス埼玉のスタッフさんに「トップ到着ですよ」と声をかけられかなりびっくり。確か私よりも先に何人もスタートして行ったのにどこで抜いたのだろうか。
 観光スポットのここはスタート前のブリーフィングで説明のあった通り観光客でごった返していた。最初から釜めしを食べるつもりはなく、補給食になりそうなものを探してみたが広い売店も殆どが観光物産・御土産でパンとか軽食は見当たらない。店内をぐるぐる回ってようやくおにぎりを見つけた。
 おにぎりを食べ終えそそくさと出発。さあ復路は追い風だ。元来た道を快調に走っていく。松井田妙義ICの峠のピーク辺りで8時スタートのクロサワさんとすれ違う。時間にして30分の差か。後半でキャッチされるのは間違いない。トップで折り返したのでもしかしたらトップでゴールできるかと思ったが、まあ無理だろうと諦めてオーバーペースにならないように走る。
 峠を越えて下り基調で南下し始めたがどうも風向きがおかしい。追い風基調ではあるのだが風向きが安定せず、時々予期せぬ方向から突風が吹き付ける。往きに妙義山の写真を撮った辺りは凄まじい砂嵐になっていて前が見えない。無理に突き抜けたら口の中が砂でじゃりじゃりして、目にゴミが入って痛い。
 砂嵐区間をやり過ごしてちょっと落ち着きを取り戻し、追い風に乗りつつそこそこのスピードで走る。これからPC2に向かっている8時スタートのブルべライダー達とすれ違いながら挨拶を交わす。折り返しコースならではの風情だ。
 再び富岡市街地に入る。交差点に入ると突如の横風に煽られてバイクが交差点の中程に流されかけて肝を冷やした。富岡市街を抜けたあたりで右太腿の内側が久し振りに攣った。激痛を無理やり押さえ込んで何とか走り続けていたら今度は左太腿の内側が攣った。原因は簡単、水分補給を殆ど行っていなかったからだ。気が付いたらバイクのボトルに一度も口を付けておらず、PC1で缶コーヒーを飲んだ以外は水分を補給していなかった。そこそこ汗を掻いていたし、そりゃあ脚も攣る。慌ててボトルの水をがぶ飲みする。ボトルの水はギンギンに冷えて歯に沁みる。

 天狗のモニュメント。信号待ちでふと横を見たらあったので撮ってみた。
 再び鬼石の市街地を通り抜け、杉ノ峠を登り返す。ここを越えるとPC3の中野上交差点まで直ぐだ。まだ脚は十分に残っている。今日もスプロケットは11-23tのままだが全く問題ない。25tの様に普通に登って行ける。杉ノ峠を無事に越え、中野上まで一気に下る。

 166km地点のPC3に到着、チェックタイムは14:04。ボトルの水が空になっていたのでアクエリアスを1L購入、ボトルを満タンにして残りを一気に飲み干す。冷たい液体が胃に落ちていくのがはっきり自覚できる。寒い中の一気飲みはちと辛かった。残りは34km、補給はエナジージェルのみでちょっと休憩してスタート。
 相変わらず風向きは安定しない。北風というより西風という感じだ。取り敢えず中野上から国道140号線を東に向かって走るので追い風だ。ここまで戻って来たらもう無理する必要はない。交通量も多いので風向きの変化に気を付けて安全第一で走る。
 終盤の2つの峠越えの1番目に差し掛かった。去年はこの峠が行程中一番きつかったと記憶している。今年も同じ様にきつい。疲労感も出てきて流石に23tではきついか。何とか登り切って最後の登り、松郷峠を目指す。
 残り20kmを切り、ふと、まだクロサワさんにキャッチされていないことに気が付いた。というより折り返してからまだ誰にも抜かれた覚えがない。もしかしたらこれはトップでゴールできるかも知れない。そう思ったらちょっと欲が出た。今のペースで行けば9時間切りは何とかぎりぎり行けそうなので、先頭ゴールのおまけがつけば尚良い。人と競うわけではないが結果として1番になれるのは悪い気はしない。
 そんなことを考えているうちに松郷峠に到着、さっきの坂に比べれば難易度は低いので気持ち的にも余裕が出る。

 無難に峠を越えて後は下って数km走ればゴールだ。あらら、本当に誰も来ない。逃げ切れちゃった。自分でもこの出来過ぎな状況に少々驚いている。

 無事にニューサンピア越生の駐車場に戻って来た。15:45ゴール。認定完走時間は8時間45分だった。

 認定手続きを終え、スタッフさん達と話しをしながら私の”最終兵器”の紹介をする。

 私のバイクを覗き込むスタッフさん達。今日のこの出来過ぎな走りはこのホイールの御蔭と話したが、よく考えてみればこの方々は相当な健脚の持ち主ばかり、こんな飛び道具は必要としないだろう。
 コーラを頂いてその場を後にした。

 そんなわけでGOKISOハブのセカンド・インプレッション。
 今日は向かい風の走りだったが、そこそこ速度が維持出来と思っている。往路の途中で一人のブルべライダーさんに信号待ちで追いつかれたのだが、その人とは過去に何度か一緒に走ったことがあって、特に平坦では私はいつも抜かれてついて行くことができず、かなりの健脚の持ち主であることはよく知っている。その人が後ろについていて、向かい風とは言えいつ抜かれるかと思いながら走っていたのだが、抜かれるどころかしばらく走って後ろを振り返ってみたらいつの間にか付き切れして姿が見えなくなっていた。(特に振り切ろうと思って走っていたつもりは全くない)
 また、今日は短いながらも峠越えらしいはっきりとした勾配の登りが幾つもあったが23tで十分にこなし切った。というより25tの感覚で23tを使えた。人によってはGOKISOはギア2枚違うと言うが、私的には1枚は間違いなく違うと言い切ってしまいたい。
 そしてとどめは健脚揃いの埼玉ブルベで自分でも考えもしなかったトップでのゴール。かのクロサワさんとの差も1時間以内に収めることができたとはちょっと驚きだ。かと言って走り終えて精も魂も尽き果てるような追い込んだ走りはしていない。
 勿論本人・他者のコンディションはそれぞれだから一概には比較できないのは承知しているが、ここまでの結果が出てしまうとその要因を明確にしないではいられない。
 私の実力が短期間のうちにアップしたなどということは、断じてない。とすればやはりこれはGOKISOハブの実力ではないだろうか。
 もしかしたら私はとんでもない”最終兵器”を手に入れてしまったのかも知れない。