2013BRM316埼玉300

 今朝は6時にすんなり起床。足の裏の痛みを除けばこれと言った痛みはないが、ハンガーノックのダメージか何となく怠く動作が緩慢だ。取り敢えずリカバリーランに行こうと自転車に跨る。一旦走り始めると先程の身体の怠さを感じなくなり、割と普通に自転車に乗ることができる。多摩湖を2周回って1時間程で切り上げて、猛烈な空腹感を満たしに古都に昼食を取りに行く。帰宅後昼寝していたら、強い風の音で目が覚めた。ベランダに出てみたら干していた布団が文字通り”吹っ飛んで”いた。
 そんなわけで昨日のブルベの走行レポートを書く。

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 朝4:30起床。寒くなくなったので布団から出るのが苦にならなくなった。それでも微妙に寒いので今日のウェアの選択に悩む。今日の気温はスタート時点は5℃前後だが日中は18℃位まで上がる。思い切って上は半袖ジャージにアームウォーマー、下はレーパンにニーウォーマーにした。バイクを車に積み、今日のスタート地点の入間豊水橋に向かう。
 5時過ぎに現地着。寒い。やはりこのウェアのチョイスは失敗だったか。取り敢えず折り畳みのウインドブレーカーをポケットに入れてあるので、走り始めても寒ければ着ることにする。

 ブリーフィング。周りを見回しても皆冬装備、アームウォーマーを着けているとは言え半袖ジャージはやはり早過ぎたか。車検時にもスタッフさんから「薄着ですねえ!」と冷やかされる。もうここまできたら意地でこの格好で走ってやる。

 今日のコースは入間から北東方向に真っ直ぐ進み栃木県の那珂川で折り返しても戻って来るというもの。
往路

復路

 総標高差が600mしかないほぼ平坦なコース、埼玉ブルベでは珍しい。

 定刻の6時よりちょっと前にスタート。寒いのでまずは身体を温めなければならない。ちょっと上げ目で脚を回していく。今日は当然GOKISOホイールを使っている。前回のブルベの後、一旦普段使いのホイールに戻していたので改めてその差が体感できる。
 更に今日はリアホイールのウェイトバランスを取ってからの初走行だ。組み上がったばかりのホイールは、普及価格帯の中級リムということもあり結構偏重心があって、作業スタンドにバイクを固定した状態でリヤホイールをブン回すと盛大にバイクが振動する。取り敢えず500km程慣らし走行をして、幸い初期振れは全く出なかったので数日前に最終チューニングでウェイトバランス調整を行った。フロントはサイコンのマグネットで丁度いい具合にバランスが既に取れていたので無調整、リアは約3gの鉛の板をリムに貼り付けた。ウェイトバランスが取れたリアホイールはブン回してもフレームは殆ど振動しない。これで更に乗り心地は改善されるはずだ。
 実際、面白い程に良く走る。ウェイトバランスの効果が本当に体感できているのか定かではないが前回のブルベの時よりも更にスピードに乗せた後、脚を止めてからのスピードの減衰が更に低減された気がする。
 体調もまずまずでバイクの調子良さに乗せられて、余り後のことは考えずにその場のノリでグイグイ行くことにした。
 途中の信号待ちで後から来たブルべライダーさんに声をかけられた。「ブログ読んでます。速いですねえ。やっぱりGOKISOは良いですか?」と聞かれ即座に「御勧めです!」と答えた。気持ちのどこかではこの快適な乗り心地を独り占めしたく人には余り教えたくないのだが、でもやっぱり多くのサイクリスト、特にブルべライダーさんには是非体感して欲しいと思う。
 御褒めの言葉を頂戴して、更に調子に乗ってどんどん走る。スピードは普段よりかなり速め、心拍も高めではっきり言ってオーバーペースだが今日は御構い無し。身体も温まって気分良く走る。

 鴻巣市街の自転車レーン。結構広い幅が確保されている。

 予報ではそこそこの北風が吹く見込みだったが、実際には殆ど気にならない。

 あっという間に90km地点のPC1に到着。チェックタイムは9:20。想定タイムよりも相当速い到着に我ながら驚く。

 そこに一人のブルべライダーさんが見送りに来ていた。白と黄緑に綺麗にコーディネイトされたデダチャイのバイクは何度か御見掛けしたことのあるライダーさんだ。チョコと塩キャラメルを頂戴する。「一番乗りですよ」と声をかけられ、更に調子に乗ってしまう。

 15分程休憩の後スタート。どうせ7時スタートのファストブルベライダーさん達にどこかでキャッチされるのは分かり切っているのだが、こうなったらどこまで逃げられるか調子に任せてどんどん走ってみるか。相変わらずバイクは踏んだら踏んだだけグイグイと進んでくれる。今まで色々とチューニングしてきたがここまで走るバイクに仕上がったかと思うととても嬉しく誇らしい。

 どんどん走る。相変わらずオーバーペース状態だが構うもんか。

 100km地点を9:52通過。PCでの休憩や市街地での度重なる信号待ちを差し引けば平均速度は28km/h近い。速過ぎる。

 真岡市街を抜け、芳賀町を抜ける辺りからちょっと山がちになってきた。でも峠というよりは丘程度の緩い登りなのでさして苦にはならない。と言いつつとある上り坂の途中で左の太腿の内側が攣ってしまった。オーバーペースだし水分補給が足りなかったのだろう。取り敢えず攣りは一度で収まったが、慌ててボトルの水を飲んだ。

 山岳部を抜け再び人里へ降りてきた。

 道路標識に那珂川町の案内が。折り返し地点のPC2はもうすぐだ。

 興野大橋を渡りつつ那珂川を眺める。太公望が長い竿を振っている。

 川沿いの道を走りながら那珂川を眺める。昼前の暖かな日差しに穏やかな田園風景に、本格的な春の訪れを確信する。

 151kmのPC2に到着。チェックタイムは11:45。

 ここまでの平均巡航速度は25km/hを超えている。今日の目標完走タイムは14時間を切れれば御の字と思っていたが、中間地点で予想を遥かに上回る6時間で来ている。このペースならば目標クリアは確実な情勢だ。なんか自分が自分じゃないみたいだ。
 スポーツドリンクでボトルを満たし、コーラとおにぎり2個を補給して、15分程休憩の後スタート。ここから折り返して来た道を戻る。次のPC3までの区間距離は100km、ちょっと長いが今日の調子ならばノンストップでも全く問題ないはずだ。

 風向きはいつの間にか南風で気持ち向かい風だが苦にはならない。前半同様ペース配分を考えずにどんどん進む。すれ違うブルべライダーさん達と手を上げて挨拶を交わす。PC2から6km程手前の所でクロサワさんを含む7時スタートと思しき健脚組とすれ違う。時間差にして30分程、やはり300kmでは逃げ切りは難しい。とりあえず200km地点までは逃げ切れれば満足だ。
 すれ違うブルべライダーさんの中にママチャリで走る人を見つけてぶっ飛んだ。幾らフラットなコースとは言え300kmでママチャリは有り得ない。


 今日の最大の登りのピーク。全長4km、平均勾配2%。

 信号待ちの1枚。祖母井神社、180km地点。

 200km地点を13:46通過。平均巡航速度は25km/hをキープできている。もしかしたら12時間切りが行けるかも、と新たなる野望が頭をもたげてきた。

 210kmを過ぎた辺りから向かい風がきつくなって来て、疲労を感じ始めた。流石にここまでオーバーペースで走ってきたからタレ始めたようだ。まあ当然の結果なので観念するしかない。脚が止まり速度もガクンと落ちた。ここまでは大幅に貯金をしてきているので後の90kmを平均速度20km/hで走れれば14時間切りは行けそうなので、完走ペースでたらたらと走る。そのうちちょっと向かい風が冷たく感じられるようになってきた。昼下がりの日差しはしっかりとしていて気温も15℃は超えているはずなのに寒いとは、これはもしかして…ハンガーノックだったorz。
 またしても同じミスをやらかしてしまった。単純な話、PC2で区間距離を考えればもっと食べておかなければいけなかったはずなのに、いつもの無補給練習のせいかつい行けそうな気がして少なく見積もってしまった。毎回ハンガーノックをやらかすたびに次はちゃんとやると思うのだが、さくっと忘れてしまっている。次こそPCでの補給を忘れた時のための携帯補給食をポケットに入れておこう。

 PC3まで後30km弱、何とかそこまで持たせようと走るが、急な落ち込みはないもののだらだらとエネルギーが切れて身体の力が抜けていくのは分かる。このまま我慢してPC3を目指してダメージを大きくするよりは早めに手当てした方が賢明と、道端のジュースの販売機を探し、230km辺りで見つけて止まりコーラをがぶ飲みする。

 缶コーラを買ったら2本出てきた!と思ったら妙なアタリカンが出てきた。結構重くてはっきり言って荷物だが折角なので持ち帰ることに。
 休憩中にクロサワさんを含む3名にパスされた。長距離逃げも230kmで終了。逃げ続けている間は結構スリリングだったりするのだが、これで妙なプレッシャーからも解放されて残りの距離を本来のペースで走る。

 休憩後ちょっと走ったら再び力が出るようになって来てペースが上がってきた。毎度のことだがハンガーノックにはコーラが一番だ。速攻で効く。再び力が出てくるとまたガシガシ行きたくなってくる。このGOKISOホイールはついつい楽しい速度領域まで”踏まされて”しまう。

 250km地点のPC3に到着、チェックタイムは16:03。到着した時、ちょうどクロサワさん達が出発していくところだった。

 コーヒー牛乳とサンドイッチで補給し、エナジーバーをポケットに入れる。15分程休憩して再スタート。残り50kmを3時間で戻っても14時間切りは確実、気分的にかなり楽だ。

 向かい風基調だが、ハンガーノックのダメージは少なく再び30km/hのペースで走ることができる。慌てる必要はないがとりあえずノーコントロールで行けるペースでどんどん走る。
 加須を抜ける辺りから市街地の混雑が激しくなり、信号待ちや渋滞に頻繁に巻き込まれペースは上がらない。

 東松山や鴻巣の文字が。ゴールも近い。
 鴻巣市街では例の自転車レーンを走る。傍目で渋滞の車列を見ながら流していたら、目の前に左折の車が出てきてパニックブレーキ!間一髪で避けて大事は免れたが、この自転車レーンのリスクの部分を身を持って体験することとなった。
 鴻巣を抜け川越までの幹線道路は追い風基調でガンガン走れる。300km終盤でもこの速度域でガシガシ走れるのは楽しい。

 川越を抜ける辺りで日が沈んだ。明るいうちに戻るのはやはり無理だった。

 ライト点灯で入間川沿いを走る。夕刻のラッシュが激しくなってストップ&ゴーが多くなる。ここまで戻って来たらもう慌ていることはない。最後はのんびり流して走る。

 見慣れた入間の街並みが見えてきた。豊水橋を渡り河川敷へ下る。
 夕日の残照が微かに残る18:22ゴール、完走タイムは12時間22分だった。認定手続きを済ませ、コーラを頂きながらAJ埼玉のスタッフさん達と歓談し、その場を後にした。

 携帯のバッテリー切れでフラッシュが光らずゴール風景の撮影に失敗。

 19時半過ぎに帰宅。この時間に家にいるとは予想だにしなかった。それにしても12時間22分は我ながら驚きの結果である。去年の北海道パラダイスウィークの300kmでマークした300kmの最速タイム13時間29分を大幅更新は全く想定していなかった。全篇フラットなコースで風の影響も殆どなかったとは言え、全行程で風除けなしの単独走行でこのタイムはぶっちゃけ”素の私”では有り得ない。正にGOKISO様々である。GOKISO関係者の談では人によっては10%近くパフォーマンスがアップすると言うが、信じざるを得ない。これはもう”機材ドーピング”である。

 次週のBRM323埼玉300は再びフラットなコース、ここでどんな結果が出るか楽しみだ。