4/29、5時起床。ちと眠い。動きが緩慢だが身支度を始める。外を見ると小雨がぱらついている。レインウェアを着るかどうか迷ったが、とりあえず着ないでアーム&レッグウォーマーだけ着けることにする。
今日は出雲から東舞鶴までの323.4kmを走る。
高い山はないがアップダウンが続くなかなかタフなコースだ。
6時前に出発。次のPCまで115kmでクローズ時間まで6時間半だからマージンは殆どない。急がなければ。
出雲の街を出る。松江まで29km。
海ではなく宍道湖畔。相変わらず小雨と緩い向かい風。でも20km/h以上は確実にキープできているので焦りはない。慌てず淡々と走る。
松江市街地を通過。
遠くの空に青空が見えてきた!ようやく雨降りから解放されるらしい。
安来市に入る。確かここには大学のサークルの同期が住んでいたと記憶していたがどうだろうか。
米子市街通過。速くはないが取り敢えずオンタイムで距離を消化していく。
遠くの山に低い雲が覆い被さっている不思議な風景。
風力発電。進行方向を向いているってことはやっぱり向かい風。
何となく青森や北海道で見た風景に似ている。この後彼の地で目にすることはあるのだろうか。
倉吉市に入る。PCまでもう直ぐ。
鳥取ってマンガ王国らしい。
414km地点のPC4に到着、チェックタイムは11:50。
クローズ時間まで1時間を切っていたが兎に角間に合った。
御腹が空いていたので、大盛りパスタとピルクルでしっかり補給。シューズを脱ぎ濡れた靴下を乾かす。次のPCまでは155kmと長い。ここで大休止、ゆっくり休む。
先着メンバーものんびり休憩。
日が照って来て気温がぐっと上がって来た。アーム&レッグウォーマーを取って夏の出で立ちになる。
1時間近く休憩して出発。
鳥取市に入る。砂丘までもう直ぐ。
鳥取砂丘に到着。中まで入って観たかったがバイクシューズに砂が詰まると大変なことになるので断念して先へ進む。
勾配がきつい登りが出てき始めた。
兵庫県に入る。日本海に面した兵庫県って何かピンと来ない。
海を見ると結構高い所まで登らされていることが分かる。
桃観峠。今までの峠より標高は高いし勾配もきついものが増えてきた。脚が削られる。
この辺りから海辺の山岳地帯に突入、岬をショートカットして入り江を結ぶ急勾配のアップダウンを延々と繰り返す。はっきり言ってキツイ。こんな山奥の入り江に小さな集落がいくつも点在している。日も暮れかけて暗くなって来た。登っては下り登っては下り、同じ様な風景が繰り返されるのでまるで坂の無間地獄だ。これは心身共に堪える。そのうち雨が落ちてきた。何かもう拷問の様だ。自然に楯突いてもどうにもならないのだが、悪態をつきながらえっちらおっちら登る。
この区間だけ走るのならこういう景色も楽しめるのだろうが、1000kmの途中でこれはきついのみだ。県道11号線、しっかりと覚えた。この道は2度と走ることはないだろう。
2時間位経っただろうか、ようやく海沿いを抜けて平坦基調になった。これで終わりかな、と思ったら甘かった。再び急勾配の登りが現れた。
比治山トンネルを何とか越えた。距離的にはPCはもう直ぐなのだが、一向にそういう気配にならない。
569km地点の京丹後のPC5に到達、チェックタイムは21:17。
いや、この155kmは非常に苦しかった。恐らくこの日本縦断中で最も苦しい区間になるのではないかと思われる。それにしても魔の県道11号線を私は辛うじて明るいうちにやり過ごせたが、暗くなってからあそこを通過するのは相当にきついのではないかと後続が心配になる。
数名の参加者が先着していたが皆異口同音にこの区間のきつさを語っている。そうこうするうちに目の前には大粒の雨が降り始め、これから出発しなければならない参加者達のモチベーションを容赦なく奪い取っていく。気温もぐっと低くなってきたので上下ともレインウェアを着込む。
予定よりかなり遅れているので休憩もそこそこに出発する。
山がちな道が終わったと思ったら今度は向かい風が強くなって来た。もう踏んだり蹴ったりだ。今日の後半は山、雨、風に次々に責め立てられる。「日本縦断が目的なのできつくないルートを選んだ」とはコース作者の弁だがどこがだよ!
もう殆ど思考停止して走り続ける。
向かい風でスピードが上がらずどんどん予定より遅れていく。取り敢えず予定チェックインの時刻に間に合いそうにないのでホテルに電話入れる。止まったついでに、雨も小降りになって来たので空気抵抗を少しでも減らすためにレインウェアを脱ぐ。そこそこ走って身体も暖まっているので問題はない。兎に角一刻でも早くホテルに着きたい一心でひたすらペダルを漕ぎ続ける。
ようやく道路標識に舞鶴の文字が見えてきた。もうすぐだ!
市街地に入りふと右を見たら海上自衛隊の官舎の看板があった。左を見たら護衛艦が直ぐ近くに停泊しているのが見えた。
なかなかの迫力に急いでいるのを忘れて見とれた。
1時前にようやく620km地点のホテル着。予定より2時間遅れだが取り敢えず3時間弱は寝られる。
ホテルの人と話していたらもう一人2時半頃に到着の自転車の人がいると言う。恐らく参加者だろうが、次のPCのクローズタイムを考えたら殆どで寝られないだろう。やはり明日は4時半起き。この区間はきつかった。この320kmの見積もりは正直甘かった。
急いでシャワーを浴びて、携帯・電池の充電など最低限のことだけやってベッドに入る。1時半過ぎに消灯。