2014BRM709北海道1200:第2ステージ/弟子屈〜北見(78km)

 7/11、朝5時起床。微妙に疲労感はあるが、前日に24時間走り続けたことを考えれば予想外に疲労は少ない。心配していた3日目の朝の”起床峠”は無事にクリアできた。
 窓の外を見ると、曇りだが雨は降っていない。風もそれ程強くはなさそうだ。これなら問題なく走れそうだ。

 生乾きのウェアを着て、携行品の選別。当初は短距離ブルベ用の小さなサドルバッグのみ(替えチューブ2本と携帯工具のみ)にしようかと思っていたのだが、2年前のパラダイスウィークの時に根室を走った時はかなり寒かった経験もあり今回も天候不順が予想されるので、結局そのまま大きなサドルバッグを付けて必要のないタブレットPCや電装品のみ部屋に置いて行くことにした。

 準備万端整って、出発前に一言呟いておこうとツイッターを見た時、予想だにしなかった言葉がそこに並んでいて愕然とした。

 中止、だと!?

 タイムラインには北海道1200に参加中のフォロワー達の書き込みは、どれを読んでもこのブルベが中止になったことを知らせるものばかりだった。
 一瞬頭の中が真っ白になって途方に暮れたが、とりあえずフォロワーの一人に状況を確認すべく話しかけてみた。すると別の人から「状況確認中なので別海の休憩所に向かって欲しい」とのコメントが付いた。別海までは70kmなので時間がかかるし、中止ならばスタッフさん達は事後対応に追われているだろうからこちらから無暗に連絡するのも躊躇われたが、でも、こちらの安否と所在を知らせておくことも重要と考えて、ブルベカードに記載されている緊急連絡先に電話をかけた。スタッフさんに電話が繋がり昨夜のうちにやはり中止の判断を下したという。昨夜は美幌峠越えをストップして、今は別海から先は通行止めになっているとのことらしい。鉄道も止まっているとのこと。とりあえずこちらの所在と今後の身の振り方についてはこれから考えると告げて電話を切った。

 主催者に直接確認したことで中止であることは確定した。

 さて、どうする。

 せっかく走る準備はしたし、走るには問題ない天気なので取り敢えず別海まで走るかと考えて直近の根室地方の天気をチェックしてみたところ、どうやらこの悪天候は台風の影響でこれから荒れるという予報になっている。別海まで行ってもその先には行けないらしいし、別海までは70kmなので行って戻るのに7時間はかかる。その間に悪天候になったら厄介なので、ブルベが中止となった今となってはそこまで無理をして走ることもなかろうと、先に進むことは早々に諦めた。

 着ていたウェアを脱いで、取り敢えず朝風呂に入りながら今後については思案しようと大浴場に向かう。
 風呂は貸し切り状態でのんびり・・・と思っていたが結構混み合っていて全然落着けなかったのでちょろっと浸かって早々に退散。部屋に戻って今後の検討をする。

 札幌までどうやって戻るかとか、早く札幌に戻れたらフライトを変更して早く帰京しようかとか、いろいろと思案してみるが決まらない。札幌は400kmの彼方だし一気に自走というのもそれなりに覚悟がいる。
 今言えるのは、最寄りの釧路本線は動いておらず輪行袋は北見に置いてあるドロップバッグに入れてあるので、弟子屈からの輪行の選択肢ははない。レンタカーを借りるという手も考えたが一人だとコスト的に合わないので、自走で戻るしかないという結論。今日もここに泊まることはできるが、ここで1日潰すと明日以降の選択肢が狭まるので、いつどういう風に札幌に戻るにせよとりあえず早めに北見のPCまで戻ってそこで次の展開を考えようという結論に至った。

 フロントに行って今日の宿泊をキャンセルしたいと御願いしたら、キャンセル料なしで快く応じてくれた。鉄道はやはり動いていないという。

 再び身支度をして10時にホテルをチェックアウトする。

 ここのホテルは自転車チームの合宿でよく使われるとのことで、ロビーにはスタンドやらポンプやらが置いてあった。次回弟子屈に来ることがあったらまたここに泊まろう。

 出走前チェックで後輪のタイヤにサイドカット発見(ピンボケで見えにくいが)。もう少しでチューブがはみ出そうな状態だが路面に直接当たる部分ではないのでこれ以上広がらないだろうと取り敢えずそのままで走り出す。

 北見までのルート。


 この交差点を右折すれば納沙布岬へ向かうコースになるのだが、直進して北見に戻るコースを取る。
 空は曇っているが風も穏やかでサイクリングにはちょうどいいコンディションだ。中止になったというのがどうもしっくり来ない。

 一路美幌峠を目指す。昨日の土砂降りの道とは様相が一変して、穏やかで走っていてい気持ちがいい。

 美幌峠へのアプローチ開始。適度にワインディングした緩やかな勾配をのんびり登る。こういう坂は上っていて楽しい。

 山の頂が見えてきた。

 前方道端に車が止まっていて人がいたので何をしているのかと思ったら、キタキツネに餌をやっていた。

 こちらが自転車で近付いて行ったら、キツネは怖がったのか草むらに逃げてしまった。せっかくキツネと戯れていた車の人達には申し訳ないことをした。

 山頂までもう直ぐ。


 山頂到達。昨日の嵐とは風景が一変している。山頂に建物があったとは気付かなかった。
 コーラを飲みつつ休憩。展望台に上がってみる。



 屈斜路湖の眺めはなかなかの絶景。

 ひとしきり休憩して峠を下る。

 下ってみるとやはり真っ直ぐで急勾配なきつい坂であることが改めてわかる。美幌峠は美幌側と弟子屈側とでは様相が全く違う。

 坂を一気に下り終えて平坦路を美幌市街へ向かう。

 美幌市街を抜けて田園道路を淡々と走る。ブルベのプレッシャーから解放されて、緩々サイクリングは楽しい。

 もう少しで北見PCというところでパンク。のんびりと修理。

 14時過ぎに無事北見PCに到着。

 ブルベはなくなったけれど仮眠所は予定通り運用されるとのこと。

 ここには結構な人数のライダーが戻って来ていた。スタッフさん達には疲労の色が見え隠れして昨夜の御苦労が忍ばれる。
 ここでタナカさんやちゃりけんさんに遭遇。

 まずは腹ごしらえ。カレーが美味しくて2杯食べた。カレーを食べながら今日をどうするか色々と考えたが、せっかく北海道まで来たのだから走るか輪行するかはともかく予定期間通り北海道にいようということにして、取り敢えず今日はここに泊まることにした。
 スタッフさんに泊まれるかどうか聞いてみたら、空きの布団があればOKということだったので調べてみたら辛うじて見つかったので事無きを得た。

 ブルベ中の雑魚寝を経験するいい機会になりそうだ。

 歓迎のバナーがちょっと寂しい。
 ドロップバッグを受け取って、廊下にWi-fiのアンテナを見つけたのでタブレットPCでサーチしてみたらフリーで使えたので助かった。試しに今日明日の札幌のホテルの空きを調べてみたが高級ホテル以外は全く見つからない。やはり札幌直帰は無理そうだ。ツイッターをチェックしたらリュウさんやアサノさんはレンタカーで一足先に札幌に向かった様だ。

 ブルベの終わったPCはのんびりムード。
 風呂に入ってさっぱりして、ぶらぶらと過ごす。

 バイク置場にはそこそこ数のバイクが置いてある。北見宿泊者は結構いる様だ。

 直ぐ傍にはスキーのゲレンデがある。

 洗濯した。

 何となく過ごしていたら夜になったので再びカレーを食べて、布団に横になる。明日は既に宿を取ってある富良野に向かうことは決めたが、輪行にするか自走にするかは明日起きた状況で考えようというのが今日の結論。タブレットPCでうだうだとネットチェックしていたら眠くなったのでそのまま就寝。時刻は21時前と思われる。