2/13(金)、朝4時半にアラームの音で目が覚めた。昨夜は消灯してから直ぐに寝付けずうつらうつらとしていたらいきなりアラームが鳴ったという感じ。余り寝た気がしないが取り敢えず起きることはできたので良しとする。まずは窓を開けて外を確認するが雨は降っていないので一安心。PCで天気予報を確認し、手早く身支度をして部屋を出た。
予定通り5時にホテルを出発。まだ真っ暗な中、那覇市街を緩々と走り始める。
市街地も微妙にアップダウンがあって序盤から結構脚を使わされる。
今日のルートは島の西側を北端まで行って戻ってくるのだが、昨日の東側と違ってアップダウンは少ないと聞いている。問題は風向きだが日中は北風予報なので往きは向かい風になりそうだ。
市街地を走るうちに2,3人の参加者をパスした。同じ様な走行スケジュールで動いている様だ。
国道58号線を緩やかに登り始めたら基地の横を走っていた。基地のフェンスも上り坂も延々と続く。ここが嘉手納基地か。
6時半を過ぎてようやく東の空が明るくなってきた。今日は天気は良さそうだ。
恩納村通過中。朝日が昇って来た。
沖縄らしい浜辺。
名護の市街地を過ぎた辺りで日ハムのキャンプ地に遭遇。ちょうど選手が早朝練習に出てきた様だ。
市街地を抜けて海沿いを走る。向かい風はそこそこだが体調も悪くなく脚もそこそこ回るので天気良く暖かい沖縄の道を楽しみつつのんびり走る。
内陸部には石切場かセメント採取場があってダンプが行き交い土埃が凄い。
荷物をたくさん積んだサイクリスト2人を挨拶しつつパスする。通過チェックはもう直ぐ。
420km地点の通過チェックに到着、チェックタイムは8:57。
ここには数名の参加者が先着していた。
ちょっと御腹が空いていたのでハンバーガーと沖縄乳酸菌飲料で補給。20分程休憩して出発。
再び国道58号線に乗って海沿いを走る。日も高くなってかなり暖かくなったのでアームウォーマーを外す。両腕に感じる風の清々しさ、やっぱり沖縄に来てよかった。
大宜味村に入る。
向かい風がきつくなりペースががっくりと落ちるが、沖縄らしい海沿いを走る分には気分はそれ程悪くない。このまま風が吹き続けてくれれば復路は追い風なのでそれを楽しみに淡々と走る。
エメラルドグリーンの海。
国頭村に入る。ヤンバルクイナが出迎えてくれた。
少しずつ様相を変えながらも海沿いの道が延々と続く。
シーズンオフの静かな浜辺。暖かいので今すぐでも泳げそう。
宜名真トンネル。山の樹木が南国っぽい。このトンネルを超えた先が辺戸で沖縄の北端になる。折り返しのPC5はもう直ぐだ。
折り返し直前の登りが始まる。
静かな山道を淡々と登る。穏やかで静かな人気のない上り坂をのんびりと走るのはサイクリングの醍醐味の一つ。この感じを楽しみたくてサイクリングをやっていると言っても過言ではない。坂は意外に長いが勾配が緩やかなので楽しい。
のんびりと峠を越えて一気に下ったら昨日来た集落が見えてきた。
488km地点のPC5に到着、チェックタイムは12:08。
店のおばさんに「遠くから昨日も今日も来てくれてありがとう。また来てね」と声をかけられた。次に来ることはあるのだろうか。でも機会があったらまたここまで走って来たい気がする。
楽しみにしていたおにぎりとシークァーサージュースで補給。のんびりと過ごす。
ぼちぼち後続が到着してここも賑わってきたので出発する。
何となく名残惜しいが今来た道を戻る。名護まで57km。
再び峠越え。静かな山道をゆっくりと楽しむ。
峠を越えたら予測通り追い風。午前中より若干風が弱まっているみたいだがそれでも30km/hを超えるスピードで楽々走行。
快調に進んでどんどん距離を消化して行く。この調子なら明るいうちにゴールできそうだ。
折り返しPCが最終のPCでゴールまでは区間120km弱、当初の予定では中間地点に休憩ポイントを設定しているが、このペースを維持できるなら休憩しなくても一気にゴールまで行けそうだ。休憩するかどうかはその場に差し掛かってから考えることにする。
愛三工業と思しきジャージの集団に抜かれた。合宿トレーニング中だろうか。
国頭村を出る。ゴールまで残り90km。
復路は往路で通った本部町方面には行かずに半島をショートカットする。那覇まで72km。
名護の街中。
名護市街に設定した休憩ポイントに到達した。名護に入って交通量が増えて走り辛くなったこともあり、気分転換も兼ねて予定通り休憩することにした。
ちょっと御腹が空いていたのだが、残りは60km弱だしゴール後に美味しいビールと食べ物を堪能したいので補給は軽めにする。
時刻は15時半、3時間あればゴールできるだろう。那覇を目指して緩々と出発。
静岡から来たというサイクリストさんが追い付いてきて言葉を交わす。双方とも初めての沖縄走行と言うことでエールを交わしつつ背中を見送る。
ゴールまで50kmを切り、完走もほぼ見えたので夜に備えて心拍をLSD前半からリカバリーペースまで落として体力温存モードで走る。
一人の参加者さんが追いついて来た。ラボバンクカラーのジャイアントは確か去年の秋のたまがわ200で御見掛けした人だ。二言三言言葉を交わしながらゴールを目指す。彼は37時間切り目指すとのことで、先を急ぐ背中を見送る。こちらはマイペースで淡々と進む。
嘉手納への緩く長い登りをのんびり登る。前に来た時に残波岬に行ったのだが、夏の残波岬の草原に吹き渡る風の音しか聞こえない、寂寥感が漂う静かな風情がとても印象に残っていて言って見たいと思っていたのだが、夕暮れ時でちょっと雰囲気が違いそうだし気持ちは既に夜の呑み屋街に向いていたので今回は残波岬行きは見送り。
再び嘉手納基地前を通過。交通量が凄い。基地関係者の車もたくさん走っている。
那覇市街に入って渋滞はピークになった。ゴールは目前だが全然前に進めなくなり立ち往生状態。無理にすり抜けをしてつまらない事故に遭っては元も子もないので、リスクは取らずに最後まで安全に走る。
ゴール直前、日が沈む。
やっとゴールに辿り着いた。ゴールタイムは18:05。
最後の渋滞にはちょっと参ったが600kmを無事に走り終えてほっとした。
とりあえずコーラで乾杯して、ゴール受付をしているスタート地点のホテルに向かう。
スタート地点までの5kmちょっとがまた大変、那覇市街の夕暮れ時は物凄い渋滞、まるでここは新宿歌舞伎町前かと錯覚する。
無事にスタート地点に戻って来た。ゴール受付を完了し、これにて沖縄600kmブルベの完走が確定した。
ゴール地点には井出マヤさんの姿も。ランドヌ東京のスタッフの皆さん、参加者の皆さん御疲れ様でした!
その場を後にしてホテルへ向かう。走り始めて後輪に違和感、見るとまたパンクしている。もしかしたら昨日のパンクの原因がまだ残っていたのか。でもホテルまでは2kmもないのでそのまま行けそうだ。
ホテルに戻って来てほっとした。まずはバイクを分解収納し面倒なことを先に片付けておく。それから風呂に入る。ここのホテルは洗い場と浴槽がセパレートなのでとても使い易い。浴槽に御湯を張ってのんびりと浸かり、満ち足りたひとときを楽しむ。
風呂から上がってすっきりしたら早速打ち上げ、一昨日のうちに何となく目星を付けておいた店に向かう。
ホテルから程近いその店は評判通り混んでいたが一人席は空いていたので座る。
まずはビール。ジョッキは一番搾りだが中身はオリオン生ビール。まさに五臓六腑に沁み渡る旨さ!これがあるから遠征ブルベは止められない。
島タコの刺身と島野菜と納豆の和え物。旨い旨い。
石垣牛の握り。普段は寿司とビールは組み合わせないが、店のオネエサンが薦めてくれたので注文。旨い!
ビールジョッキ3杯飲んで良い感じになって、締めの小さな器の沖縄そばを食べて店を出た。もうちょっと何か食べたくてもう一軒行こうかと思って歩いていたら、ふとステーキハウスに行こうと思い立った。前に来た時にステーキハウスでどでかいステーキを食べたのが印象に残っていて、それが今出てきた。手持ちのタブレットPCで調べたらちょっと歩いたところに店を見つけて早速向かう。
閉店間際の店に入って酔った勢いで1パウンドステーキを注文。
あっさりと完食。恐るべしブルベ腹といったところか。
満腹で大満足でホテルに戻り、そのまま夢の中へ退場。就寝時刻は23時半過ぎだと思われる。
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2/14(土)、朝7時前に目が覚めた。疲れもそれ程ではなく二日酔いもほとんどない。取り敢えずチェックアウトまでのんびりと過ごす。
朝食は質素だったが宿代を考えればまあこんなものかな。
10時にチェックアウト。このホテルは安かったし風呂も良かったし自転車も部屋入れOKだったしゆいレールの駅から近いので次回来ることがあったらまた使ってもいいかな。
美栄橋駅から那覇空港に向かう。
那覇の街は大きい。
モノレールは混んでいて肩身の狭い思いをしつつ空港に着くのを待つ。
空港では相変わらず手荷物カウンターには長蛇の列。
荷物を預けて土産を買い、小腹が空いていたので沖縄そばを食べることにした。
ソーキソバセット。関東にいる時はそんなに旨いと思わなかったのだが、昨日の呑み屋で出されたソバが思いの外旨かったので今日も食べたらそこそこ旨いと思った。やはり地場の物はその地で食べてこそということか。
帰りのフライトは定刻通り12:45、機上の人となる。
バイクケースを受け取り、往きにコインロッカーに預けたグリス缶を回収に出発ロビーに向かう。コインロッカーの料金が何と合計1200円。痛い出費だ。
モノレール、JR、西武線と乗り継いで18時前に無事帰宅、これにて沖縄遠征は無事終了した。
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数日後、バイクをメンテナンスした。まずシフトワイヤーは問題なかった。単純に利やディレーラーのトップ側のストッパーの調整ミスだったことが判明。後輪のパンクはブルベ前半のパンクと全く同じ場所だったのでタイヤを調べたら、5mm位の針金が見つかって驚いた。何故こんなものを見つけられなかったのか、更にそのまま400km以上も走り続けられたのかと考えるとちょっと怖くなった。
念願の沖縄ブルベを無事に走り終えることができ、密かに目標としているブルベ走行全県制覇に向けて大きなハードルの一つをクリアできたことは嬉しい限りだ。
次の遠征の目標は四国、できれば1本のブルベで4県を一度に回れるものがあれば機を逃さずにエントリーしたいと思っている。
それにしても沖縄はなかなか面白い場所だった。機会があれば今度は夏に走ってみたい。