Paris-Brest-Paris 2015/レポート2:スタート前日

 8/15(土)、朝4時前に目が覚めた。二度寝しようかと思ったが全く眠れる気配がない。日本時間だと11時、時差ボケということだな。仕方がないのでネットチェックをしながら過ごす。
 航空券の予約メールを改めて見てみると、件名は勿論本文のあちこちに羽田発と書いてある。これをビジュアル的に見落とすとは自分でも全く理解不能、思い込みは恐ろしい。ツイッターのタイムライン上ではPBP参加者のツイートが多数飛び交っている。やはり眠れない人が多い様だ。

 6時を過ぎたがVersaillesはまだ暗い。外は雨で気温15℃。かなり肌寒い。再び二度寝にチャレンジする。
 1時間程うつらうつらして時刻は8時過ぎ、起床。まずはドロップバッグを近くのホテルまで行って預けるのが今日最初のミッション。

 外に出ると雨は上がっていた。受け渡しのホテルまで500m位なので徒歩で向かう。


 ホテルの通りの日本食レストラン。子の通りだけで2軒もある。

 ヴェルサイユ宮殿。
 受け渡し時刻の8時半前に現地着。このホテルに泊まっている日本人参加者が数名ロビーにいたので話をしてみると、ドロップバッグの受け渡しは明日だということが判明。持っていた申し込みの紙を見たら確かに8/16と書いてある。またしても前日預けと思い込んでろくに紙を読んでなかった。全く自分自身の莫迦さ加減がほとほと嫌になった。重いドロップバックを再びホテルに持ち帰った。

 気を取り直して次のミッション、PBPの会場に行って受付を行うことだ。事前のオンラインレジストレーションで受付時間は9:30を選択しているので直ぐに向かわなければいけない。そそくさと着替えて申し込みの紙をよーく見直して受付時間を再確認してバイクを持って外に出た。

 Versaillesの街中を緩々と走り出した。


 VersaillesからSt Quentin-en-Yvelinesまでは8kmちょっと、道は分かり易くて良く覚えている。右側通行にも直ぐに順応できた。バイクの状態を確かめながら走るが、すこぶる調子が良い。バイクに乗ってちょっと走っただけで楽しくなって、今朝までの失態続きのナーバスな気分が一気に吹き飛んでしまった。色々あったけどやはり来て良かったと気分が高揚してきた。

 途中で近畿方面から参加の人達に遭遇。その中にinagakiさんと2年前の岡山1000で知り合った人がいた。

 ヴェロドロームに到着。既に凄い人で賑わっている。
 人の流れに何となくついていくと受付経路の列にいつの間にか並んでいた。まずは車検。

 黄色い背中の人とちょこっと会話。ブラジルから来たそうだ。

 車検場の手前でボトルを配っていたので1つもらった。

 ボトル配り係の子供達。

 車検を受ける。係員から「Excellent」の御言葉を頂戴し無事にパス。
 次はフレームバッジや計測タグ等の受け取り。適当な場所にバイクを止めてヴェロドロームの中に入る。

 ヴェロドロームの中は凄い人でごった返している。案内経路に従って進む。まずはブルベカードとそれを入れるクリアケースを受け取り、次はフレームタグ。フレームタグの受け取りは前回はずらっと横に長い受付スペースに各国の国旗が貼ってあって日本国旗のところに行って受付をしたのだが、今回は日本国旗が見当たらない。仕方がないので適当に並んでみたら係の人が応対してくれて無事にフレームバッジと足首に付ける計測タグを受け取ることができた。それと事前のレジストレーション時に注文していたジャージやベスト、スタート当日の食事、モバイルバッテリーの引き換えチケットを受け取った。ただモバイルバッテリーについては今はないので別の人に聞いてみてくれと言われた。


 その次はジャージ・ベストの受け取り。長蛇の列に20分近く並んでようやく受け取り完了。とりあえず必要なものは全て受け取ったので少しだけ辺りを見て回ってドームを出た。

 ヴェロドローム正面玄関。

 スタートのゲート。明日はここからスタートする。

 ホテルに戻る。

 ジャージとベスト。ベストは本番走行では着ないが、日本に帰ってオダ埼ブルベのスタッフの時に着ることが多くなると思われる。
 昼になって御腹が空いたので近くのスーパーに買い物に行く。

 サンドイッチとヨーグルト飲料とビスケットを買ってきた。このヨーグルト飲料は前回飲んでかなり気に入っていたので今回また飲もうと思っていたもの。ビスケットはチョコとマーマレードがコーティングされたもので、昔は日本でも売っていて好きでしょっちゅう食べていたのだが最近では全く見なくなった。
 空腹が満たされて昼寝しようかとも思ったが、前回はゴール後にパリ市街に行こうと思っていてゴール後は身体ボロボロで動けずに結局パリに行くことはできなかったので今回は前日に行っておこうと事前に考えていたので、予定通り出掛けることにした。
 観光なので重いサドルバッグを付けていくこともなかろうとバイクからサドルバッグを外してホテルを出た。パリ市街までは約20km、事前にナビにルートを入れておいたのでそれに従って走る。

 パリ市街の手前までは順調に進んだが、セーヌ川を渡ろうと思った橋に上手く乗ることができずに川を渡れずにはたと困った。前回もそうだが普通の道と自動車専用道路の区別が良く分からなくてどうも上手く走れなくなる。結局セーヌ川沿いにかなり迂回して別の橋を渡ってようやくパリ市街に入った。

 車通りが格段に増えた真っ直ぐな道を進んでいくと通りの正面に凱旋門が見えてきた。

 4年越しで遂にパリ中心部に到達。私的には余り観光には興味はないのだが、ツール・ド・フランスの最終ステージで必ず走るシャンゼリゼ大通りを一度自転車で走ってみたかった。


 凱旋門からシャンゼリゼ大通りは車通りが非常に多く、ツール中継で見るイメージとかなり違う。石畳はかなり荒く想像以上に走り辛い。こんな道を50km/h以上で集団走行するなんてプロはやはり凄い。

 コンコルド広場まではテレビで観るよりかなり遠く感じるし、高低差はかなりある。総じて思っていたよりスケールは大きい。やはり自分で走って見なければわからない。
 シャンゼリゼ大通りを一気に走ってコンコルド広場の入り口に入った所で後輪がでかい音を立ててパンクした。

 見るとタイヤが見事にカットされていてチューブが見えている。新品のタイヤなのになんてこったと思いつつさてチューブ交換・・・と思ったらサドルバッグがない。あっ!っと思ったが時既に遅し。普段ならチューブの入った小さなサドルバッグを付けて走っているのだが、今回はPBPの大きなサドルバッグを用意していてそれをホテルに置いてきてしまっていた。ホテルでサドルバッグを外す時に、それが替えチューブを持たずに走ることになるということに全く思いが至っていなかった。
 また大ボケをやらかした。昨日の空港間違いに匹敵するレベル。自分の莫迦さ加減にいい加減愛想が尽きそうだが、とにかく何とかしなければならない。観光客でごった返すコンコルド広場で、まずはipod touchで近くに自転車屋がないか検索してみるが、直ぐには見つからない。そう言えば日本人参加者がヴェロドロームに集まって集合写真を撮るのが確か18時だった。自転車屋を探してパリ市街を彷徨って時間を浪費するよりこのままホテルに帰って修理する方が得策と判断しパンクのまま帰投することにした。


 気を取り直してコンコルド広場を撮影。
 こんな有様なので残念ながらルーブル美術館のガラスピラミッドもエッフェル塔も観ることはできなかったが、まあ次回の宿題ができたということにしておこう。

 大勢の観光客の衆人環視の中で、完全に空気が抜けてしまった後輪をボコボコ言わせながらのろのろと走るバイクなんてそうそういるものじゃないな。今年のツールの最終ステージでは結構な人数がパンクしていたから、それも含めて現場を実体験できたと前向きに考える。


 今年のツール中継でも紹介されていたLouis Vuittonのミュージアム。

 セーヌ川。思ったより小さい川だ。

 のろのろと走ってホテルに帰り着いたのが17時半前、部屋に一旦戻って大慌てでチューブを交換しタイヤブートでタイヤの穴を塞ぎ、再びヴェロドロームに向かう。結構飛ばしてヴェロドロームの正面玄関前に到着したのがちょうど18時、10m程先に日本人の集団が見えたのでぎりぎり間に合ったかと思われたが、目の前で写真撮影は終了してしまった。前回も全く同じシチュエーションでタッチの差で集合写真に間に合わなかったのだが今年も同じことになるとは。これも次回の宿題になってしまった。

 オダ埼ジャージの面々。

 PBPには2003年から参加している日本ブルベの草分け的な皆さん。

 ヴェロドローム全景。
 取り敢えず集まっていた日本人の知り合いとひとしきり会話を交わしてホテルに戻った。

 部屋に戻ってシャワーを浴びて人心地。

 このクッキーほんと旨い。なんで日本で売ってないんだろう。
 昼に買ったサンドイッチの残りを食べてネットチェックをしていたら20時半過ぎには眠くなりそのまま消灯。