Paris-Brest-Paris 2015/レポート3:スタート直前まで

 8/16(日)、7時半に目が覚めた。時差ボケで夜中何度も目を覚ましたが、10時間近く眠れたと思う。実質的な睡眠時間は勿論だが、それだけ長い時間寝たという事実が非常に心強い。いよいよ今日スタートだが、スタート時間までは12時間あるのでまだ余裕。まずは今日こそドロップバッグを預けるのが最初のミッション。8時過ぎにドロップバッグを持ってホテルを出た。

 抜群の快晴。気温も涼しく最高のサイクリング日和だ。

 受け渡し場所のホテル着。既に多くの日本人参加者が集まっていた。
 ドロップバッグの受け渡しは直ぐに終了し、ホテルに戻った。

 緩々とバイク及び装備の最終チェックをする。
 昨日受け取ったゼッケンプレートの取り付け位置にまだ悩んでいる。フレームが小さいので正規の位置(フレームの前三角のヘッドチューブの角)に取り付けてしまうとダウンチューブのボトルが取り出し難くなるので駄目。

 あれこれ思案したが結局シートステイ上部に取り付けることにした。
 昨日コンコルド広場前でタイヤカットした部分は微妙な大きさ。1cmはないと思うが空気圧を7気圧にするとタイヤブート表面の白色が見えてしまう。但しタイヤは新品なので路面が直接タイヤブートに当たることは当分はないと思われる。ただタイヤブートのエッジがチューブに擦れてパンクの原因になることがあるので、できればタイヤブートの上から布ガムテープを貼って覆ってしまえば安心だったのだがスーパーが休みで調達できなかった。まあスペアタイヤは持って走るし交換チューブも6本あるのでこのままで行けるところまで行こうと決断した。
 最新の天気予報をチェックするとパリ、フジュール、ルディアック、ブレストは16〜20日は全て晴れ予報、とりあえず全行程で晴天が期待できる。レインジャケット&パンツは携帯するとして思い切って泥除け外して行こうかと一瞬考えたが、局部的なスコールのことを考えれば付けておいた方が無難なので最終的な判断としては付けることにした。
 スタート前の食事のクローズ時間を調べてみると17:00。20:00スタートだしホテルは今日も取ってあるのでぎりぎりまでホテルで寝ているのもありだがさてどっちを取るか。4年前の自分のブログを見ると食べるよりホテルで長く休んだ方がいいと書いてあったが、やはりイベントとして押さえておきたい気持ちが強くてクローズ時間ぎりぎりに食べに行くことにした。
 ブルべカードに既往症や常用の薬、緊急連絡先などの必要事項を記入する。

 PBP特製ブルベカードケース。大きさ的に非常に使い易くて気に入った。これを予備として10個位買い溜めしたい。

 ヘルメットに日の丸ステッカーを貼る。気持ち的には日本代表のつもり。

 あらかた最終準備完了。現在時刻は12時過ぎ、ホテルチェックアウトは16:00としてあと3時間位は寝られそうだ。とりあえずベッドに横になって身体を休める。
 横になっているが眠くはならない。ゆっくりだが確実にスタート時刻が近付いてきている。結局眠れずにチェックアウト時間を迎えそうだ。
 15時過ぎにベッドから起き上がり、ジャージに着替える。

 16時前にホテルをチェックアウト。手荷物を全てバイクケースに入れて4日後の再チェックインまでフロントで預かってもらう。
 まだ日が高い中、スタート地点に向かう。

 ヴェロドロームは凄い人で溢れている。

 80Hクラスのスタートも始まっておりスタートゲートの周りは盛り上がっている。

 スタートゲートに並ぶ前の一時待機の駐車場。
 まずはフードコートを探すが案内は全く出ていない。適当な場所にバイクを停め、ヴェロドロームの裏手に回ってみると何やら人の列ができている。そこに行ってみるとどうやらそこがフードコートの入口らしい。

 とりあえず列に並ぶ。10分程並んでいるが列は全く動かない。入口からはぱらぱらと人が出てくるが列の先頭が中に入っていかない。入口の係員が中に人を誘導しないのだ。そうこうするうちにクローズの17時が近づいてきた。並んでいる人達もぶつぶつと文句を言っている。と突然、入口で係員と参加者達が揉めている。何事かと思ったら参加者の一人が「No Food!」と叫んでいる。どうやら食べ物がなくなったらしい。
 一体どういうことだ?4年前は列も無くて滞りなく食べ物も飲み物も支給されてゆっくりと食事ができたのに、そのイメージでいたら今回は全く違う展開に戸惑った。前回は80Hクラスでスタート時間が早くその分早めにフードコートに入ったから込んでいなかったのかも知れない。いずれにしてもチケットは事前購入で発行枚数は把握できているはずだし、食事は取り放題ではなく支給される量は決まっているのだからなくなるとはどういうことだ。

 このチケットはどうなる?他の人の会話では払い戻しとかもないらしい。ちょっと酷い話だな。
 いずれにしてもここでの食事を当てにして昼食はまともに摂っていなかったのでこれは困ったことになった。スタートまで後1時間半。

 やむなくヴェロドロームの正面玄関前に戻ると、90Hのスタートが始まっていた。補給食は持っているが空腹ではとても140kmは走れないので、スタート脇の空き地で移動販売車が食べ物を販売していたのでその行列に並んだ。

 やっとのことで手に入れた食べ物。パリブレストとガトーショコラとフライドポテトとコーラ。4年前に比べたらずいぶん貧相なディナーになったがとりあえず出走前にパリブレストを食べられただけでもましか。

 スタートゲート近くの池のほとりの芝生の上に横になり、スタートの歓声を聞きながら休息。

 空を眺めていると何やら怪しい雲が近付いてきて日差しも陰って来た。急に気温が下がって寒く感じたのでアームウォーマーとニーウォーマーを着ける。

 19時になってそろそろ並ぶ時間かなと思って起き上り行動開始。

 スタート前の控えの駐車場に向かうとちょうど20時スタートの招集が始まったところだった。

 駐車場に入ると数名の日本人参加者に遭遇。AJ岡山代表の澤田さんや去年の日本縦断で御見かけしたトミオカさんの姿もあった。

 澤田さんのバイクのライトには御仲間の応援メッセージが貼り付けてある。

 北海道のタナカさんのいつも通りの元気な姿が。

 20:00スタートの集団があっという間に大きくなった。

 スタート10分程前になって控え場所のゲートが開きスタート地点に向かう。何故か皆ダッシュで向かう。いきなりそんなに飛ばしてどうするのって感じだが自然と気持ちが高揚してきた。

 スタートゲートに並ぶ。日本人の集団はほぼ先頭付近に固まって並んだ。

 スタートゲート横のステージではMCの男性がアップテンポで喋りまくり、これからスタートするランドヌールは勿論のこと周りの観客のテンションも上がっていく。いやあ、正直さっきまでそれ程盛り上がっていなかったが、スタート地点に立って急にテンションが上がって来た。何だかんだ言いながらここまで来るまでに多少なりとも苦労はあったし、事故や病気やトラブルもなくスタート地点に立てることの有難味が湧いてくると同時に、ここまで来た以上絶対に完走してやるという意欲がぐぐっと湧いてきた。

 スタートまであと数分。いよいよだ。