8/2(水)、4時過ぎに目が覚めた。正味5時間弱の睡眠で微妙に眠いが二度寝はできそうにないので起き上がって身支度する。
ベッドブッキングのスタッフに自力で起きたことを伝える。ベッド待ちの列ができていた。廊下はかなり賑わっている。
フードコートを覗いたらベーコンにソーセージがあったので急いで食べる。塩っ辛いベーコンがとても美味しい。
LELも4日目に入って疲労の色が色濃く浮き出ている参加者も多い。超長距離ブルベ後半のPCのこの雰囲気の中に自分も入り込んで、その臨場感を楽しむことがブルベの醍醐味の一つだ。
5時前にPC12 Bramptonを出発。
4日目が始まった。今日はLouthまでの313.8kmを走る。22時前にLouthに着く予定だが、登りが沢山出てくるのでかなりきつい1日になるはずだ。LELは今日が正念場、今日を乗り切ることができれば完走が見えてくる。
次のPC13 Barnard Castleまでは83kmだが、何と言ってもLELの最高標高地点を登り返さなければならないので距離以上にハードな区間だ。
今朝は良い天気。朝焼けに街が映える。
朝焼けに見とれてぼさっと走っていたら後ろから叫び声が聞こえたので、何事かと思ったらコースアウトしていた。声をかけてくれた後続の人達に御礼を言いながらコース復帰する。
気温は15℃に満たないが、アームウォーマーとニーウォーマーがあれば全く寒さを感じない。茜色の朝焼けを眺めながら凛とした朝の冷たい空気の中を走る爽快感は他に代え難い幸福感がある。
そこそこしっかり睡眠が取れたので、昨日走り終えた時の疲労感や身体各所の痛みは大方薄らいでいる。今日も問題なく走れそうだ。
往路では夕暮れ時にここを下ったが、今日は朝焼けの中で登る。往復とも同じ様な光加減の風景の中を走る。
この解放感は写真では伝わらない。地平線を眺めながらしばし途方に暮れる。
往路で足止めを食った工事用信号、今日はちゃんと青信号に変わった。
緩やかながら徐々に登り基調になっていく。
1台のVelomobileに追い付いた。ここからの長い坂はきついだろうな。
序盤から急勾配が出てきて脚が削られる。
いつの間にか空は雲で覆われて、さっきまでの朝焼けの清々しい雰囲気がどこかに行ってしまった。
Bramptonを出て30km、Alstonという街に入った。往路で下った石畳の激坂を登り返す。
20%は超えているんじゃないかと思う程の石畳の急勾配は、下るのも怖かったが登るのもかなり難儀。石の目が粗く凹凸が激しいのでしっかりバランスを取らないとこけそうになる。
街を抜けていよいよ最高標高地点の登り返しが始まった。ここから頂上までは10km以上あるはずだ。
登っても登っても遥か先の山の稜線は近付いてこない。往路は夕方で身体的にも精神的にもかなり疲労が溜まっていたのでとてもきつく感じたが、今日は朝方で心身共にフレッシュな状態なので一昨日の様な悲壮感はない。
往路では気付かなかったが、道行く途中に自転車のマークが入った道路標識が幾つもある。多分サイクリングコースを示すものではないかと思われる。車通りが全くない緩やかな登りはサイクリングシチュエーションとしては最高だ。
5km位は登って来た。半分は終わったか。時折ぱらぱらと雨が落ちてくるが本降りにはならない。降ったり止んだりの繰り返し。
1時間かけて10km登って来た。平坦になり山の稜線が視線の下に来た。恐らくここが山頂だ。時刻は8:10、Bramptonから45km地点の最高標高地点をクリア。心身共に余裕があるのであっさり終わった感じだ。
さてここから長い長い下りが始まる。
緩やかな下りはスピードが出過ぎないのでブレーキレバーを握らずに済むのが良い。峠越えはこの山の様に滑り台方式(登りは少々勾配がきつくても距離は短く、下りは緩斜面でできるだけ距離が長く)が良いと思う。
遥かに続く草原にポツンと佇む人気のない納屋。この寂寥感が旅情を醸し出す。
広大な牧草地に雲の切れ目から差し込む光の帯がちょっと幻想的。
どんどん下る。
20km程下って街を通過。Barnard Castleまで20kmを切った。
Barnard Castleの街の入り口に到達。この古城跡がBarnard城ということなのだろう。
古城の城壁を観察しながら街の中へ入っていく。
街中の登りがなかなかの急勾配、PCは目前なのに最後で脚を削られる。
往路では余り気付かなかったがこの街の中には見応えのある建物が多い。
これは美術館。
945.8km地点のPC13 Barnard Castleに到着。まずはコントロールに向かう。
London-Edinburgh-London 2017/Control in Barnard Castle, PC13
チェックタイムは9:45。御腹が空いているのでフードコートに向かう。
フードコートはそれ程混雑していないのでゆっくり休めそうだ。
パンケーキとベーコンとスクランブルエッグにビーンズをたっぷりかけてもらった。がっつり食べる。ブルーベリーとグレープフルーツのフルーツポンチにプレーンヨーグルトをかけて食べるのも美味。
ここの到着時間は予定時刻ぴったりだった。しかしBramptonの出発時間は予定より1時間早かったのでこの区間は予定より1時間余計にかかっていることになる。事前予測ではこの登りを考慮していなかったので止むを得ないところだが、事実上昨日までの3日間で溜めておいた時間的余裕をここで全て使い果たしたことになる。体感ではそれ程感じているわけではないが疲労もそこそこ溜まって往路のペースに比べれはかなりダウンしていると思われるので、この先の遅れをどの程度までで抑えられるかがポイント、とにかく今日Louthに何時に辿り着けるかが重要だ。Louthまであと230kmを踏ん張って走らなければならない。取り敢えずここで30分程休憩する。