8/16(水)、5時半に目が覚めた。4時間弱の睡眠で若干眠い気がするが二度寝はできそうにないので起き上がる。窓の外は雨、今日もしっかり降っている。一応アラームは7時にセットしてはあるが、起きてしまった以上は出発することにする。生乾きのウェアを着て準備を整える。
6時過ぎにホテルを出発。非常に親切に応対して頂いて料金も安いので良いホテルだった。また機会があればここに泊まろう。
渋川駅前。早朝は人気がない。
雨の中、渋川市街を緩々と走る。
最終日は渋川から宇都宮までの120km。山越えは横根高原一つだが標高1300mまで登るのでそんなに楽ではない。でも7時間走ればこの苦行も終わるはずだ。先ずは36km先のPC16を目指す。
大正橋を渡って渋川市街から出る。
大正橋交差点を右折するとしばらくの間アップダウンが続く。この区間は結構脚を削られるはずだ。
疲労感はあるが3日目にしては意外に脚は回る。
雨は降り続いているが昨日の様に寒い思いをすることはなく、ずぶ濡れになってしまえばもうそれほど気にならずに走ることができる。
延々と続くアップダウン。高い山越えではないがやはりこの区間は脚を使わされる。
国道353号から県道333号に入る。アップダウンは相変わらずだが車通りがなくなって落ち着いた感じが良い。
県道333号のアップダウンの締め括りの長い下りの後、国道122号に合流。PCはもう目前。
521.8km地点のPC16桐生市黒保根に到着、チェックタイムは8:09。
土砂降りの雨を眺めながらカレーパンを頬張る。20分程休憩して出発。
多少雨脚が緩んだ中、淡々と国道122号を登って行く。草木ダム通過。
足尾トンネル通過。
こういう水墨画的な風景も悪くない。
足尾まであと3km。そこまで行ったら国道122号から逸れる。
足尾駅近くを通過、県道15号を鹿沼方面に逸れる。道路標識に鹿沼の文字が出てきて、いよいよゴールが近付いてきた気がする。ゴールまでは60kmを切った。
県道15号に乗った途端に勾配がきつくなった。鹿沼まで53km。
10%程の急勾配が出てきて息が上がる。
九十九折の林道が始まった。路面状態はかなり悪くなかなかハードな道だが、私的には好きなタイプの林道なのでなかなk走り応えがある。
PCには大きく迂回しながら近付いていく感じなので直線距離は近くても全然近付いていかない。このコース最後の山越えはかなり手強いぞ。
若干勾配は緩くなったがまだまだ登りは続く。
粕尾峠を通過、小峰ヶ原方面に向かう。
粕尾峠で鹿沼市に入る。左折方向は更に登る。しかも急勾配。PCまであと4km弱。
最後の最後で10%超の急坂はかなり堪える。何とか踏ん張って登る。
2km程登って何とか山頂をクリア。PCまでは下りの様だ。
11:09、561.1km地点のPC17に到着。最後の山越えとPCをクリアした。これで後は下ってゴールを目指すのみだ。ゴールまではあと40km。証明写真を撮って直ぐに出発する。
ちょっと下ったと思ったらまたしても急勾配の登り。でもこれは1km弱で直ぐに終わり再び下りが始まった。
雨がしとしと降る中、落下物が散乱する下り坂をそろりそろりと下る。ここまで来て落車したら目も当てられない。リスクを取らずに確実な完走を目指す。
古峯神社の鳥居をくぐる。
下りが終わって平坦基調になった。ゴールまで30kmを切った。
平坦基調をひた走る。雨は殆ど止んだ。現在時刻は12:20、残り距離を考えれば旧レギュレーションの制限時間55時間のゴールクローズタイム14:00には余裕で間に合いそうだ。
見覚えのある妙な山が見えて来た。ゴールまであと15km。
ここを左折すればゴールまでは一直線。残り6kmちょっと。ここまで戻って来れば歩いてでもゴールできそうだ。もう完走は間違いない。
見慣れた田野交差点を渡る。
さあここからはジャパンカップのコースに乗った。最後のゴールスプリントに備えて脚を溜める。
残り1km、ゴールスプリント開始は残り200mと決める。
何とかもがき倒して森林公園の駐車場に滑り込んだ。
12:59、無事ゴール。まずは証明写真を撮ってAJ宇都宮のスタッフさんにフィニッシュメールを送る。
何とかかんとかゴールまで辿り着けてまずは安堵する。暫定の完走時間は53時間59分、何とか旧レギュレーションの制限時間55時間内にゴールできてよかった。
バイクはドロドロのボロボロ、帰ってメンテナンスするのが大変だ。(この時も”ある物”がなくなっていることに気付いていなかった)
ウェアを着替えて身軽になって帰途に就く。宇都宮餃子を手土産に16時半に帰宅、これにて宇都宮遠征のSR600KNは無事終了した。
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LELから10日後の出走となったSR600Kanto Nordだが、ダメージが残った状態にしては我ながら良く走り切ったと思う。全行程の大半を雨に降られてそれなりに大変だったが、一方で2日目の関田峠の登りが晴れて暑さにやられてバテたことを考えれば、雨の方が結果として良かったという見方もできる。今回のヤマ場は関田峠の登りからヤセオネ峠まで、特に渋峠の日が落ちて土砂降りの中を寒さに震えながら下らなければならなかったのは文字通り命懸けだった。最低でも防寒具としてのレインウェアを持っておくべき状況だった。
そして初日終盤の大落車のダメージをはじめ、今回のブルベではかなりバイクがあちこち痛んでしまった。加えて帰宅後に驚くべき事実が判明し驚愕した。次のブルベのためにバイク整備をしている最中にサドルバックが無くなっていることに気付いたのだ。まさかと思って写真をチェックしたら初日夜に落車した時に脱落していたことが判明。サドルバッグの中身はチューブ2本とタイヤレバーと集合工具とタイヤブートが入っていた。チューブの予備はフロントバッグにも入っていたが、タイヤレバーがないと当然交換できないので変な場所でパンクしたら1発DNFのリスクを背負っていたのだ。結果的にパンクしなかったこともラッキーだがその事実に気付かいまま走り終えたこともラッキーだ。もしその事実に途中で気付いていたらその心理的プレッシャーは計り知れない。今から振り返っても寒気がする。右側ペダル軸の緩み、フロント泥除け紛失、ボトル1本の蓋紛失、サドルバッグ紛失等々、1回のブルベでここまでダメージを食らったことは過去にないが、一方で大落車にもかかわらず走行不能になるようなバイクの壊れ方はなく、身体の方もかすり傷で済んで走り続けられたことはラッキーだった。
コース全体を振り返ってみれば、トリッキーな激坂などはなく本格山岳を連ねた正統派ストロングスタイルのSR600のコースだったと思う。レギュレーション変更で制限時間が60時間に緩和されたことで、2泊3日の走行プランを立てることができる様になり、かなりの峠を明るいうちに越えることができたので、風景も楽しめたしリスクも回避できたと思う。そして2泊3日でも結果的に旧レギュレーションの55時間をクリアできたことは嬉しい誤算だった。体力的にも心理的にも余裕を持って走ることができるので次にSR600を走る時も2泊3日の走行プランで臨むつもりだ。
このSR600KNの完走をもって2度目のR10000の取得条件が全て揃った。今年中の申請には残念ながら認定番号が間に合わなかったが、来年は抜かりなく申請する。
次のブルベは3日後のBRM819千葉200。SR600のダメージがまだ残っている中で、灼熱ブルベの悪名高い8月の千葉200を走ることが果たしてできたのか、次回詳報の予定。