新年2日目、連休5日目も穏やかに晴れ。今年の初ブルベとなるBRM101たまがわ200の翌日は乗らないつもりだったが昨日の疲れは全くなく徹夜の睡眠不足も一晩で取り戻し、何より乗りたい気持ちが勝っていたので多摩湖CRを軽く2周回だけ流してきた。昨日の走行レポートは下記の通り。
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12/31(土)、21時半にセットしたアラームが鳴った。ぎりぎりまで布団の中で横になっていたが結局眠れないまま起き上がる。身支度をして犬のトイレ散歩に行ってから22時過ぎに自宅を出発、二子玉川に向かう。これからこの寒空の中徹夜で走るのかと思うと、ナーバスだ。今年の元旦には数年かけでチャレンジしていた”宇都宮ジャパンカップのコースを走る”の最終年となるプロレースと同じ11周回をコンプリートして、さて来年の元旦はどうするかなあと考えていた矢先にAJたまがわの元旦ブルベの存在を知り、新たなチャレンジとしてはうってつけだとエントリー解禁日にエントリーしてみたものの、元々夜スタートのブルベは嫌いだし更に冬の最中とあって何でエントリーしてしまったんだろうと大晦日が近付くにつれてナーバスになって来た。年の瀬にメンタル強度を試されるのは全く楽しい話ではないがエントリーした以上は走らなければならない。普段と違って車通りの少ない道で車を走らせる。
とある交差点で赤信号で止まったら、後ろに張り付いていた軽自動車が出し抜けに追い越して赤信号をぶっちぎっていった。大晦日は血の気の多い奴が多そうで面倒だ。と思いつつしばらく走っていたら新青梅街道の交差点の真ん中にさっきの軽が止まっていて、その回りに如何にもな改造バイクは数台転がっていて数名の兄ちゃん達が喧嘩している脇を通り過ぎた。やれやれ、迷惑な奴らってほんととことん迷惑にしかならないな。そのパワーをもっと建設的なことに振り向ければ日本ももう少し良い国になるだろうに。
環八に乗ってもう少しで二子玉川というところでブルベ参加者と思われるサイクリストを抜いた。その姿を見た瞬間、思わず「あっ!」と叫んでしまった。
「反射ベストを積み忘れた」
予想だにしなかった展開に頭が真っ白になった。二子玉川まではあと数km、どうやっても取りに戻る時間はないしこの時間に営業しているホームセンターなどあるわけはない。どうすべきか次のアクションが思いつかないまま、スタート地点近くのコインパーキングに車を停めた。準備は事前に念入りにしたつもりだったが反射ベストの存在は全く頭の中に入っていなかった。あの”成田事件”以来の見事なまでの忘却振りは我ながら感心する。ここはランドヌールとしての致命的なミスを認めて潔くDNSをするのが武士道あるいはジェダイイズムというものだが、往生際の悪い私はもしかしたら誰かが貸してくれるかも…と淡い期待を抱いてバイクを降ろし兵庫島公園に向かう。
スタート地点に着くととても大晦日とは思えない風景、大勢のランドヌール達で賑わっている。顔見知りに声をかけらればつが悪い思いをしつつ、AJたまがわ代表のりんぱぱさんの姿を見つけ恥を忍んで泣きついたら、恐らくは私の様なうっかり者のために予め用意されていたのではないかと思われる反射ベストのストックを売って下さった。
感謝感激、りんぱぱさんありがとうございます!
気を取り直して受付を済ませ、何とかスタート地点に立つことができた。スタートは第5ウェーブの0:30。
新年のカウントダウンが始まった。
2017年が始まった。
第1ウェーブのスタートを見送りつつ、ブリーフィングに参加する。
今日のコースは二子玉川の南下して大磯から江の島を経由して三浦半島の先端を回って横浜市街を通過して戻ってくる200km。
このコースの大半を過去のブルベで走ったことがあるのでそこそこルートは覚えている。雨の心配をする必要は全くないが、夜が明けるまでの寒さと眠気が心配だ。
0:30が近付きりんぱぱ代表から直々に装備チェックを受け、さてスタートとなったらさっきまで動いていたナビの電源が落ちている。電源を入れ直したらルートデータやPCのデータが全く表示されない。またしてもアクシデントかとナビをいじっているうちに周りはみんなスタートしてしまっていて誰もいなくなっていた。走りながら直せばいいやと慌てて走り出す。
兎にも角にも今年最初のブルベが始まった。
新二子橋を渡るまではバイクを降りなければらない区間もあって慌ただしい。ナビの不調は恐らく内部のSDカードの接触不良だと思われるが、止まってSDカードを装着し直してもなかなかちゃんと認識してくれない。橋を降りて3度目止まってやり直したらやっと地図データが表示された。無事に目的地もセットすることができようやく普通に走り始めることができた。
いやあ、スタート前のドタバタでナーバスになっている暇がなかったのは不幸中の幸いか。
246号を左に逸れしばらく走るうちにぽつりぽつりと先行者に追い付き、いつの間にか10名近い車列の後ろになっていた。集団の中にたまがわスタッフのみいさんもいた。同伴のファットバイクの人がタイヤをガーガー鳴らしながらかなりのスピードで走っているのはちょっと凄い。走るうちに如何にもな奴等が乗った車が罵声を浴びせながら抜いていく。新年暴走は毎年の話だが自分がその中を走るということは、そういうリスクに注意しなければならない。深夜の集団走行はリスクが増すのでタイミングを見計らってちょっと踏みを入れてエスケープを試みる。
厚木の手前の立体交差に差し掛かった時、咄嗟に立体直進は自転車走行禁止に見えて側道に降りたら直進不可だった。戻って立体を渡り直した。ここは何度も走っている道だが夜は初めて、風景が全く違って見えた。
国道1号合流の国府新宿交差点につながっている県道63号までは、大抵のブルベが県道605号を使うのだが今日はその先の小田原厚木道路並走の県道63号に乗る。私的にはこっちの方が走り易いと思う。
大磯町に入る。国道1号はもう直ぐ。
国府新宿交差点で1号線に乗る。右折すればPCは目の前。
57km地点のPC1に到着、チェックタイムは3:33。
PCに到着する前から微妙に腹痛がある。ここで出すものは出しておいた方が良いかとも思われたがトイレには列ができていたしそれ程切羽詰まった状況でもないので見送り。
ここでたくさん食べると腹痛が加速しそうだったので取りあえずホットカフェオレだけ飲んで、フロントバックの左右のポケットにピリ辛イカフライと芋けんぴを入れて走りながら少しずつ食べることにした。15分程休憩の後出発。
元来た道を折り返して国道1号を直進する。
走っているうちはそうでもなかったが、休憩して身体が冷えると走り始めがかなり寒い。少し踏みを入れて身体を温める。
イカフライ。冬用グローブだと袋から掴み出すのにちょっと苦労する。これも芋けんぴも歯応えがあるので眠気覚ましにもなりそう。今のところは眠気は全くないので問題はないが。
大磯駅前を右折して国道134号に乗る。
日中に比べて車通り少ないが、イカれた車が追い抜いていく。またしても罵声を浴びせていく車がいた。後ろから追い付いてきたランドヌールが会話している。一人はコンビニに寄りたいと言っているがもう一人はこの区間のコンビニはヤバいからやめとけと言っている。沿道のコンビニの前を通り過ぎると確かにそういう車と輩がたくさん集まっているのが見える。この界隈は更に注意が必要だ。
午前4時の海沿いの気温は4℃。走っている分にはそれ程寒さは感じない。
葉山の御用邸の前を過ぎて、治安の危うい空気も薄れて一安心、落ち着いて走る。ぼちぼちアップダウンが出てきて、PC2手前の今日一番長いと思われる坂を登る。峠を越えればあとはPCまでは下りだ。
111km地点のPC2に到着、チェックタイムは6:04。
腹痛は取り敢えず治まっている様だ。余り食欲もないのでピルクルを飲んで15分程の休憩の後出発。
三崎の港の先に夜明けが見えた。もう30分もすれば初日が昇る。
朝焼けに風力発電のシルエットが浮かぶ。なかなかに幻想的な風景。
夜明けを迎えて今までの夜間走行の緊張が解け、何とも幸せな気分になる。朝日に向かって淡々と走る。
三浦海岸に出ると、初日の出を待つ人波が凄いことになっている。道路脇には路駐の車が連なり再び緊張しながらの走行となる。
初日の出直前。
野比の交差点を右折した先に初日の出が見えた。
初日の出を見るなんて何時振りだろう?と言うより初日の出を見た記憶がない。もしかしたら生まれて初めてか?
初日の出自体にはそれ程の感動はないが、それより沿道の見物客の多さには驚いた。
この先再び初日の出を眺めることはないかも知れないから、取り敢えずこの風景は良く憶えておこう。
海岸沿いを過ぎると、今度は初日の出を見終えて帰途に就く車の大渋滞に巻き込まれて先に進めなくなった。
観音崎を過ぎて渋滞も解消し再び落ち着いて走る。
よこすか海岸通りは南国の雰囲気。日が昇って気温が上がった様で快適に走る。
順調に距離を消化し残りも50kmを切った。モノレールの軌道の向こうに八景島シーパラダイスが見える。
日が高くなると今までの夜間走行がまるでなかったかの様に気分良く走ることができる。新型デュラの調子もばっちりでのんびり淡々とサイクリングを楽しむ。
国道357号をひたすら北上して横浜市街へと入っていく。残りは30kmを切った。
山下公園の辺りで4人組の参加者に追い付かれた。このタイミングで追い付かれるということはそこそこ脚のある人達で直ぐに見えなくなるだろうと思っていたが、抜かれて直ぐに落ち着いてしまい集団走行になってしまった。できれば最後まで一人で走りたかったがここまで来てエスケープして脚を使うのも億劫だしこのままゴールに向かうことにする。
赤レンガ倉庫も人はまばら。横浜市街は車は少なくて走り易い。
雲一つない快晴の空に観覧車もランドマークタワーも映える。
丸子橋を渡って多摩川沿いを北上、ゴールまで数km。
無事ゴール。ゴールタイムは10:48だった。
完走時間は10時間18分、必要事項をブルベカードに記入して受付で渡された封筒に入れた。(注:後で暫定リザルトが発表されW5のスタート時間を勘違いしていたことが判明。0:25スタートで認定完走時間は10:23だった)
ゴールの直ぐ傍の郵便局のポストに投函、これで元旦ブルベの認定手続きは終了。
駐車場に戻ってバイクを積み込み帰途に就く。丘の上の住宅街の中にあるコインパーキングだったが、不便な場所の分駐車料金が安くて済んだのは良かった。
環八に乗った途端、結構な渋滞に嵌まり結構な時間がかかってしまったが13時半に帰宅、これにて今年初ブルベは結果的に無事に終了した。
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新年最初のブルベが元旦0時スタートというのは、エントリー当初はプレッシャーでナーバスにならざるを得なかったが、幸い天気にも恵まれ心配だった徹夜での睡魔との戦いも全くないまま終わってみれば楽しく走ることができた。冬の深夜スタートなんて有り得ないと思っていたが今回の経験でハードルがかなり下がった。もし来年も行われるならば恐らくエントリーするだろうと思う。
一方、反射ベストを忘れたというのは頂けなかった。と言うより全く頭になかったというのがちょっと理解不能。2か月ブルベから離れていただけでこんな基本中の基本が頭の中から抜け落ちているなんて我ながら心配になる。今回現地で入手したベストは車の中に積みっ放しにしておくことにする。
コースとしては走り易いと思うが、元日深夜と言う条件下ではイカれた奴等の常識外れの行為や初日の出客の人混みなどのリスクが発生するのでその分の注意は必要だ。
次回のブルベは今週末の2日連続の東京200。去年も同じ時期に同じコースを走っているので内容は把握しているが、今回の様なへまを犯さない様にしなければ。