MGM2018/Report 12:Stage 9,Day 3/Cistierna-Fromista(115km/918km)

 8/22(水)、5時前に目が覚めた。二度寝するには微妙な時間なのでそのまま起き上がってもそもそと身支度を始める。睡眠時間は4時間弱、正直足りないが身体はそこそこ動くし眠気もそんなにないので良く眠れたと思い込むことにする。体育館の中を見回すとマットで寝ている人は殆どいない。元々参加者が少ないというのもあるが、ここまで人がいないと寝坊して取り残された気分になって妙に焦る。ウェアを着替えていないので身支度は速い。10分で準備して立ち上がる。身体で特に痛いところはない。強いて言えば尻の皮が擦れて多少痛むくらいか。そう言えば右膝の痛みは全くない。初日から痛んでどうなることかと思ったが、治まっているのは非常に助かる。このままゴールまで持って欲しいところだ。

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 ドロップバッグを元に戻して、受付でスタッフに出走番号を言って出発を申告する。

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 外は肌寒い。10℃位か。アームウォーマーとニーウォーマーは寝た時のまま着けっ放し。

 3日目はC12/Ayllonまでの270km。300kmないというのは精神衛生上非常に良い。獲得標高差は1800mと昨日に比べれば楽勝な感じだが、中盤からゴールまでアップダウンが混んでくるので暑さと絡むと相応に苦労するのではないかと思われる。

 まずはC10/Fromistaまでの115km。100km越えの区間はこれが最後だ。朝方の涼しいうちに一気に走り切ってしまうつもりだ。まずは往路で死ぬ思いをしたスタート直後の登りをやっつける。

 5:20、リスタート。ここのクローズタイムが5:30なので丁度マージンが0になった格好だが、予定よりは1時間早いスタートなので気分的には楽だ。

 早朝の静かな街中を緩々と通り抜けていく。

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 Cistiernaの街を出る。もう二度と戻ることはないと思うとちょっと名残惜しい。

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 いきなりの登り開始。結構な急勾配だが、脚も動くしそれ程苦にならない。4時間寝ただけでそこそこ回復するし、精神的にもリセットされてフレッシュな気分で走り出すと坂の難易度が体感で全然違う。

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 8%の急勾配をぼちぼち登って行く。気温もいい感じで低く、楽しめて登っている。

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 小集団が結構なスピードで抜いて行ったがマイペースを維持。遠ざかる赤いテールランプを見送る。

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 3km程を登って一旦下り、再び登って序盤8kmの峠越え区間を終了。幹線道路から支線に入る。まずは序盤の関門を突破、そのまま長い下りに入る。

 下りを終えて平坦基調に入った。往路では残暑でかなり苦しめられたが、夜走る分には快調そのもの。今日も満天の星空を眺めながら順調に距離を消化していく。

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 6時半を過ぎてようやく東の空が白んできた。満天の星空が少しずつ消えていく。

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 周囲が明るくなってきた。睡魔に襲われることはなかったが、やはり明るくなると眠気の心配がなくなるのでホッとする。

 後ろから快調なスピードの集団が来たので動画撮影を兼ねてちょっとだけ付いて行く。風景に変化のない一直線な道を集団に混ざって走るのはなかなか楽しい。

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 ひとしきり集団走行を楽しんで、集団から離れる。小さくなっていくテールランプを眺めながら再び落ち着いて単独走行に戻る。

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 日の出直前の紺色からオレンジ色の空のグラデーションがとても美しい。ブルベを走っている時しか見られない特典映像の一つ。

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 Cistiernaから45km、Ceaの街を通過。一昨日、機能停止ぎりぎりのところで救われたバルの前を通過。心の中で店主に御礼を言いながら通り過ぎる。

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 8時に日の出。MGMを走り始めて3度目の朝を迎えた。今日も暑くなりそうだ。

 色彩を取り戻した広大な風景の中の一本道を、凛として爽やかな風を切りながら走るのはブルベ走行中で数少ない至福の時間。この解放感と爽快感はちょっと筆舌にし難い。

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 気が付いたらこの区間の半分を消化していた。進路も南から東に変わり朝日を正面から浴びながら走る。

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 早朝から結構な数の人達が道脇のあぜ道を歩いている。早朝ウォーキングといった風情だが、確かにこの爽やかな時間帯に歩くのは理にかなっている。

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 緩やかなアップダウンを淡々とこなしていく。往路では暑さでかなり苦しめられたがこの時間だとどうということはない。

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 高速道路と並走しているがこちらも高速道路みたいなものだ。車通りは殆どなくて快適に走ることができる。

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 微妙な向かい風基調だが、脚は回るしバイクもそこそこ進むので殆ど気にならない。

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 早朝ウォーキングの人達は人数はそれ程多くはないが途切れることはない。この区間には何もないので隣街まで歩いているという感じだろうが10km以上の結構な距離だ。

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 道脇の数少ない木陰もこの時間だと有難味は薄い。往路では正にオアシスに見えたのに。

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 この牧歌的な草原の風景もとても美しい。とにかく暑くなければ何でも楽しんで眺めることができる。要するにスペインは暑さ次第ということだな。

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 道端に落ちている松ぼっくりがデカい。大人の拳位はある。

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 それにしても真っ平らで真っ直ぐな道が延々と続く。日が高くなってきて徐々に気温が上がって来ると少しずつ爽やかさがなくなっていく。そろそろモーニングサービスは終わりか。

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 広大なひまわり畑。皆、朝日の方を向いている。

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 Cistiernaから96km地点、Carrion de los Condesの街に入った。往路でも見た古い教会の前を通過。

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 街中のキュッと登った短い急坂が脚に来る。100kmをノンストップで走って来て流石に疲労感がある。取り敢えずPCまではあと20km、もう一頑張りだ。

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 街を出ると再び真っ直ぐな道が延々と続く。心理的にもちょっと疲れて来た。

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 太陽が高くなり日差しがきつくなってきた。向かい風基調もだんだん苦痛に感じられる様になって来て、バイクが思った程に進んでくれず辛い。

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 ようやく道路標識にFromistaの文字が出て来た。PCまであと7km。

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 Revenga de Camposの街を通過。ここを過ぎるともう直ぐにFromistaの街だ。

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 と思ったら、最後の数kmが遠い。流石にへばって来て巡航速度が落ちてしまった。真っ直ぐな道が苦痛になって来た。

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 Fromistaの街の入口の高速道路のインターチェンジが見えて来た。このちょっとした登りがキツイ。

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 高速道路入口の標識。ここに書かれているもの全てが進入禁止という意味。自転車も進入禁止。逆に言えばこの標識の無い高速道路は自転車走行可ということになる。

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 やっとFromistaの街に入った。やっぱり115kmは遠かった。

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 PCの案内板を見つけてほっと一息。敷地内に入って行く。

 918km地点のC10/Fromistaに到着。

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 コントロールに入る。右側の女性は、コントロールでちょくちょく見かける。確か往路のここでも一緒だった。同じ様なペースで走っている様だ。

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 気さくなスタッフにチェックを受ける。

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 チェックタイムは8/22の10:41。予定より1時間半早い到着でちょっと気持ち的に余裕ができた。

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 ここにはスイカが丸ごとドンと置かれていて、参加者が好きなだけ切って食べていたので頂く。日本でも私的にはスイカはあまり食べないのだが、暑くて喉が渇いていたので滅茶苦茶旨い!コーラとりんごも頂戴して喉を潤す。シンプルだけど御腹も満たされて満足。これなら往路の様に街中のスーパーで補給をしなくても良さそうだ。30分程ゆっくり休憩する。