SR600Kii Mountains World Heritage/レポート3:Day 2/宿泊1・勝浦->宿泊2・野迫川(225.4km/471.7km)

[目次]

宿泊1/パルスイン勝浦->PC9/熊野那智大社(8.8km/255.1km)

 5/2(木)、4時半に目が覚めた。正味6時間位は眠れたと思う。眠気はなく疲労感も薄くすんなりとベッドから起き上がる。ぼちぼち身支度をしつつ昨日買っておいたパンを頬張る。身体各所に痛いところはなく食欲もある。今日も問題なく走れそうだ。昨日仕掛けた電装品の充電ケーブルを外そうと思ったらサイクルコンピューターの中に水が浸入しているのに気が付いた。ヤバいと思いつつ電源を入れてみたが案の定起動しない。昨夜は雨の中でも問題なく動作していたのでどうやら夜のうちに水が入り込んでいたらしい。冷静に考えてみると、本体に水滴が付いたままで充電のために裏面を上にして置いていたため裏面にあるネジ止めの部分から水が浸入した様だ。気付いてしまえば何のことはない簡単に対処可能なことだけに落胆は大きい。サイコンが無いと色々不便ではあるが実走には支障はないので、これで経験値が一つ上がったと割り切ることにする。

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 なかなか居心地の良いホテルでコースアウトも500mと最低限、走行プラン上でも絶好のロケーションなのでこのホテルはSR600KWでは絶好の仮眠ポイントになるのではと思う。予定では6:00だったが、若干繰り上がって5:20にリスタート。

 2日目は那智勝浦から奈良県の野迫川村まで行く225.4km。距離は昨日よりも若干短めだが山岳はキツイ。恐らく6000m位は登るのではないか。今日のポイントはPC10とP13の1000m級の山越え2つ。特にPC13は終盤200kmを超えて最高標高地点となる1300m級の山越えをして実質登りゴールとなるがここまでしっかりと脚を残しておかなければならないのでペース配分が大事。夜間走行必至となるが、日付が変わらないうちにホテルに辿り着くのが目論見だ。

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 ホテルの向かいが直ぐに海。丁度日の出で素晴らしい朝焼けの風景を立ち止まってしばし眺める。昨日とは打って変わって今日は文句無しの快晴になりそうだ。凛とした冷たい空気の中、心身共に爽快感を存分に味わって、この後に待ち構える幾つもの山越えへのモチベーションを十分にアップさせて緩々と走り始める。

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 昨日の雨で油が完全に流れ落ちてしまったチェーンがキュルキュルと不快な音を立てている。今回はコンビニでサラダ油を買って試してみようと考えていたので、ホテルを出て1kmも行かないうちにコンビニがあったので早速実行に移す。

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 130円位の食用油をゲット。早速チェーンに注油してみるが、いざ使ってみるとこれが普通のチェーンオイルと遜色無い程に使える。粘度も標準的なチェーンオイルと大差ないし潤滑性も見た目に差が分からない。何より入手性は高いし値段は安い。これでもう出先でうろたえる必要はなくなった。これは今後のブルベにおいて画期的なテスト案件となった。また一つ経験値が上がった。

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 静かになったチェーン音に気分良く那智山を目指して進む。PC9までは8km。

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 登り序盤は5%未満の緩やかな登り。

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 朝日が眩しい。今のところ気温は低く快適だが更に日が高くなると日中は暑くなるかも知れない。

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 標高が上がるにつれて勾配が増していく。8%位のしっかりした登りが続く。

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 大きな滝が見える。これが那智の滝か。PCまであと500m位。

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 8.8km(255.1km)地点のPC9に到着、チェックタイムは6:15。参道入口で通過証明写真を撮る。

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 早朝なので周囲の出店も閉まっていて、観光客も殆どいなくてひっそりとしている。清々しい朝の風景を独り占めにできた様で、早起きは三文の徳ってやつか。

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 水没したサイコンは全く復活の兆しはない。ここでちょうどナビの電池が切れたので交換してから出発する。

PC9/熊野那智大社->休憩4/Aコープくまの川店(53.8km/62.6km/308.9km)

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 PCを出て更に登る。山頂はまだ先の様だ。

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 満願成就と書いてあるが私的には神仏には頼らない。

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 5%を超える坂が続くがこういう山道は登っていて楽しい。

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 車通りも殆どなく非常に走り易い。

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 海がもうあんなに遠くに見える。結構登って来たんだな。

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 勝浦から14.8km(スタートから261.1km)、登りが終わりここから下りに入る。

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 結構な急勾配で九十九折をそろりそろりと下って行く。

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 24.9km(271.2km)、下りが終わって再び登り基調。集落に入った。

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 田植え直前の棚田がある。昨日の丸山千枚田では暗くて良く見えなかったが、今日はしっかり見ることができた。

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 山道の途中のちょっとした人里の雰囲気がとても良い。旅情を感じるひと時。

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 細い山道の右手は急斜面。ガードレールはないので夜に落ちたら発見されないかも知れない。

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 前方に左から右へまだ若い鹿が横切って行った。右手は山の壁なのに無理矢理登って行ったが、途中で立ち往生しているのが通り過ぎる間際に見えた。やはり人間が怖いのだな。怖がらせてすまぬ。

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 29.7km(276km)地点の分岐を右方向へ。熊野川方面に進む。

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 サイコンの上に無賃乗車の虫が。サイコンの電源が突然入ったりするが直ぐに切れるので相変わらず全く機能していない。

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 31km(277.3km)を過ぎた辺りから道が細くなりどんどん荒れて来た。悪路をじわじわと登って行く。

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 何か随分ワイルドな林道になって来たぞ。

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 アスファルトがぼこぼこ穴だらけの路面を進んでいたら後輪に違和感を感じたので止まってチェックしたら空気圧がかなり下がっていた。もしかしたらスローパンクかも知れないが、取り敢えず空気を入れ直して様子を見ることにした。

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 ちょっと前に車に抜かれたと思ったらその先で離合に苦労していた。この道なら仕方ない。こちらに向かってくる車を誘導して何とか離合成功、道が開けて先に進む。

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 道の途中で廃屋が朽ち果てている。ここを夜通ったら怖いだろうなあ。

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 それにしてもこの林道は長い。悪路でペースが全く上がらない分余計に長く感じる。

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 35.8km(282.1km)、やっと悪路の林道が終わって新宮市に入った。この難区間は大体5kmといったところか。悪路終了と同時に登りのピークも過ぎた様でそのまま下りに入る。

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 悪路が終わってほっと一息。この辺りも路面はそれ程良くはないがさっきのあれに比べれば相当走り易い。

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39.6km(285.9km)、下りが終わって小さな集落を抜けると再び登り基調。

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 あれよあれよといううちに急勾配になってかなりきつい。

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 10%を超える勾配でダンシングで凌ぎつつじわじわと登って行く。

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 43.5km(289.8km)、勾配が緩んで、どうやらこの辺りで登りは終わった様だ。

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 細い林道が下りに転じる。快調に下る。

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 川沿いの下り基調は気持ち良い。多少路面が荒れているが、先程の林道に比べれはどうということはない。

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 林道が終了して道幅が広くなった。下り基調も一段落し平坦基調となった。どうやらこれで序盤の山岳地帯は終わったらしい。しばらくは平坦基調の見込み。

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 53.9km(300.2km)地点、事前の走行プラン検討時にこの辺りに休憩ポイントを設定しようとしてgoogle mapで見るとここがY字になっているのだがストリートビューで見ると道はない。結局この集落での休憩ポイントの設定は見送ったのだが、頭の片隅に引っ掛かっていて、実際に通りかかったらこの白い家の右側に小道があってしかも通行止めの看板が出ていた。実地検分で状況が判明し妙に嬉しい。

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 平坦基調を快調に進む。

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 山肌に見える黄緑色の樹木は何だろう?花の様に見えるのだが桜の季節の色合いとはまた違って綺麗だ。

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 緩やかな山並みを眺めながら車通りの殆どない綺麗な道を走るのは気持ちが良い。この道も最高のサイクリングロード。

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 写真ではなかなか伝わらないがこの解放感は素晴らしい。

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 ここを走っているだけで来て良かったと思える程に気持ちの良い道だ。

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 61.4km(307.7km)地点、五条・本宮方面に左折すれば休憩ポイントはもう直ぐ。うっかりして1本手前を曲がってしまいミスコース、慌てて戻る。

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 62.6km(308.9km)地点の休憩4に到着、チェックタイムは9:50。

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 着いた場所は農協の建物。店の場所が分からず辺りをちょっとうろうろして探していたら、先着して来た欧米人と思しきカップルが建物の中を指差して教えてくれた。建物の中に入ってみると入口を発見。

 店の中はコンビニ程の品揃えだが、サイクリストの補給には十分な品揃え、支払いは現金のみ。

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 この後は1000m級のヒルクライムなのでここでしっかりと補給しつつ長めの休憩を取る。携帯食にと買った羊羹がかなり大きい。これで1個100円はかなり御買い得。

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 バイクは今のところノートラブル。チェーンの油もしっかりと乗ったままで快調。後輪の空気の抜けは無さそうなのでスローパンクの心配はしなくてもよいかな。念のため空気を継ぎ足しておく。30分程の休憩の後リスタート。

休憩4/Aコープくまの川店->PC10/玉置山(28.4km/91.0km/337.3km)

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 休憩ポイントを出て直ぐに国道168号に合流、左折方向に進む。

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 国道168号は車通りが多いが道幅は狭くないので走り辛くはない。

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 熊野川を右手に見ながら進む。若干のアップダウンがあるが殆ど気にならない。

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 66.6km(312.9km)地点、北山・紀和方面に右折、橋を渡って熊野川を横切る。

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 国道169号を進む。まだ平坦基調が続く。

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 気温21℃、暑くなってきた。

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 アップダウンが出てきて、徐々に登り基調になって来た。

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 74.1km(320.4km)地点、竹筒トンネル。この区間はトンネルが多い。車通りは少ないが結構なスピードで追い抜かれるので若干緊張する。

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 視覚的にもインパクト大なトンネルへの道。でも解放感は素晴らしい。

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 橋の上から見下ろすと集落が下の方に見える。熊野川を渡ってそれ程走っていないがそこそこ登って来ている感じ。

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 75.9km(322.2km)地点、トンネルの手前を左折していよいよ玉置山への登り開始。

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 と、思いきや通行止めの看板。こんなしっかりとした看板が出ているくらいだから当面の間は復旧し無さそうないな。止む無く案内板に従って直進、トンネルに突入する。

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 全長2kmと長い海峡トンネルを抜けると玉置神社の案内板があったのでそれに従って左折。

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 道を進むと工事中だったのでここも通行できないのかと思ったら走行可能だったのでトンネルを進む。

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 トンネルを抜けると先程通行止めだった区間との合流ポイントに出た。ここから直進方向にルートに復帰する。気を取り直して改めて玉置山へのヒルクライム開始。

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 序盤の勾配は5%前後と緩め。若干路面は荒れ気味だが車通りの殆どない九十九折の林道をぼちぼち登って行く。

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 道脇には湧き水の出口が祀られている。山全体が聖地といった雰囲気。

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 79km(325.3km)、奈良県十津川村に入る。

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 向かうべき山はどの山なのかな?雄大という表現が相応しい眺めにちょっと押され気味。

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 急斜面の山肌には湧水の滝があちこちにある。

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 道幅は狭くガードレールはない。路面も余り良くなくなかなかの難所だが、車が時々通って行く。この道は一方通行ではなさそうなので離合が大変そうだ。

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 玉置山まで11kmか。結構長いな。

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 まだまだ先は長い。ぼちぼちと登る。向かうべき山は多分まだ見えていないはず。

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 中盤に差し掛かり勾配がぐっときつくなってきた。10%近い勾配が続く。ダンシングとシッティングを交互に繰り返しつつ強度を上げ過ぎない様に淡々と登る。こういう局面ではサイコンの心拍表示で強度を把握しながら走るのだが、サイコンが壊れたのが地味に痛い。

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 あと9km。まだ2kmしか消化していないのか。まだまだ先は長いぞ。

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 時々10%を超える斜面が出てくる。これはなかなかの難所だ。イメージ的に越生方面の猿岩線を想起させる。しばらく忘れていた闘争心がちょっと目覚めた気がする。頂上まで絶対に足は付きたくない。

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 道の両脇には立派な樹が何本も生えている。こういうものを見ながら気を紛らわせつつ登って行く。

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 86,5km(332.8km)地点、登坂開始から9km位、徐々に青空が広がって来た。頂上が近付いている証拠だ。

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 10%超の急勾配がまだまだ出てくる。忍の一字で登る。

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 88.7km(335km)地点、ここを右折すればあと2kmちょっとで山頂だ。ようやく終わりが見えて来た。

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 曲がった途端に激坂!15%はあるんじゃないか?最終局面でこれはキツイ!ここまでかなり脚を使っているので非常に厳しい。

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 ここまで登って来て絶対に足は付きたくない。大汗を掻きながらダンシングで必死に踏んでいく。

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 90.5km(336.8km)地点、どうやらここがピークの様だ。おいおい、ここから下るのかよ。PCはここでいいじゃないかと思わず文句を言いたくなる。PCまではあと500m。

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 91km(337.3km)地点のPC10に到着、チェックタイムは12:50。登坂開始から1時間半で何とか玉置山を攻略、足付き無しで凌ぎ切った。

 通過証明写真を撮っている最中から飛んでいる虫が沢山集まって来て非常にうざい。休憩もそこそこにリスタートする。

PC10/玉置山->PC11/熊野本宮大社(28.1km/119.1km/365.4km)

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 元来た道を戻らなければならないが、再びこの500mを登り返さないと下りに入れない。

 下りが急勾配過ぎてブレーキ掛けっ放しなので有難味が全くない。むしろ辛い。

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 分岐まで降りて来た。右折方向でここから下り本番だ。

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 下りながら見下ろす風景はなかなかの絶景。

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 下りは九十九折で時折急勾配が出てくるのでブレーキ掛けっ放しで今一つスピードが出せない。登りでロスした分を下りで取り返せないのがちょっと辛い。車通りもそこそこあるので、長い長い下りを慎重に下って行く。

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 101.8km(348.1km)地点、10kmの長い下りが終わって右折方向、十津川を渡る。

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 十津川の水量たっぷりで青々とした川面が両サイドの森林に映えて非常に綺麗。

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 橋を渡り終えて左折、世界遺産小辺路方面に進む。

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 103.6km(349.9km)地点、国道168号に乗って新宮・本宮方面に進む。

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 十津川沿いの道は適度にうねっていて風景も見応えがあり非常に楽しい。

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 ”自然豊かな”という表現がぴったりな素晴らしい風景。この広大さは写真では上手く切り取れない。

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 国道168号は微妙に登り基調。アップダウンを繰り返しながらじわじわと登って行く。

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 109.2km(355.5km)地点、お、あれはもしかして七色ダムか?と一瞬思ったが、よく考えたら場所が全然違うな。

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 何となく下り基調になった。道幅も広くなり快調に下る。

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 112.9km(359.2km)地点、トンネルの入口で和歌山県田辺市に入る。

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 川沿いの風景がだいぶ変わって来た。

 下り基調をガンガン下る。久し振りに時間を取り戻せている感じ。

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 トンネル内の自転車の轍はSR600KW先達者のものだろうか。PCはもう目前。

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 神社の入口が見えた。あれが熊野本宮大社か。

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 119.1km(365.4km)地点のPC11に到着、チェックタイムは14:15。

 取り敢えず通過証明写真を撮る。

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 ここはかなり賑わっている。事前にGoogleストリートビューで見た時は閑散としていたので、そういう静かな状況を想像して来ただけにちょっと面食らった。

 ここから100m程先に進んだコンビニを休憩ポイントに設定していたので行ってみると、凄く混んでいる上にトイレがない。止む無く戻ってまずトイレを探したところ、神社の正面辺りの和歌山県世界遺産センターにあった。

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 なかなか綺麗な建物でバイクラックも置いてある。

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 トイレを済ませて補給食を調達しようと思ったら目の前に屋台が。

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 たい焼きを買って近くの自販機でジュースを買って休憩。たい焼きなんて食べるのは何時振りだろう?PC11には30分程の滞在の後リスタート。

PC11/熊野本宮大社->PC12/近露王子跡(22.8km/141.9km/388.2km)

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 120.9km(367.2km)、PCを出てちょっと走ると田辺・白浜方面に右折、熊野川沿いから離れる。

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 トンネルを抜けると登り基調、再び山に向かって登り始める。

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 勾配は緩めで玉置山を登った後だとほぼ平坦な感覚。

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 と、言いつつも日差しがきつくて気温も高く、ちょっとぼーっとする。この歳になってかなり暑さに弱くなったという自覚があって、ちょっと気温が高いと直ぐにバテ気味になる。

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 真っ直ぐな登りは視覚的に結構プレッシャーになる。体力を無駄に消耗しない様に淡々と緩々と走ることを心掛ける。

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 進むうちに勾配が5%を越え本格的な登りになっていた。この区間は結構キツイ。事前の地図読みではここを峠と認識していなかっただけに不意を突かれた格好、心理的ダメージが結構大きい。

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 135.2km(381.5km)地点、小広トンネルに入る。このトンネルを抜けると下りになったのでどうやらここが峠のピークだったらしい。

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 141.2km(387.5km)地点、下りが終わってあっという間に近露交差点に到達、ここを右折すればPCはもう直ぐ。

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 141.9km(388.2km)地点のPC12に到着、チェックタイムは16:00。

 取り敢えず通過証明写真を撮る。

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 ここまでの区間は想定外の峠と西日の暑さでちょっと堪えた。何となく直ぐに出発できる感じではなかったので辺りを見て回るふりをしつつ10分程休憩してリスタート。折り返して元来た道を戻る。

PC12/近露王子跡->休憩6/ふれあいマートあだち(31.3km/173.2km/419.5km)

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 国道311号に再合流して再び登り。相変わらずバテ気味なのでちんたら登って行く。

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 またしても無賃乗車する奴が。虫も留まる位に遅いということか。

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 意外にこの登りも長い。

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 144.3km(390.6km)地点、逢坂トンネルに入る。事前の地図読みで145km付近にあった小さな突起はこいつか。トンネルで良かった。

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 152.1km(398.4km)地点、下りを終えて国道371号方向に右折。

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 再び登り基調。PC13までのつなぎ区間は平坦基調かと勝手に思い込んでいたが結構アップダウンがある。まあ1000m級の山を含む高低図だと小さなアップダウンは見えなくなるというところか。

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 153.9km(400.2km)地点の右折ポイント、ぼさっと走っていてうっかり見逃すところだった。

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 細い林道に入っていく。

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 ぼーっとした意識で静かな林道をぼちぼち走るのも悪くない。緩い登りをたらたらと登って行く。

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 160.9km(407.2km)地点、7km弱の林道を登って下って再び幹線道路に合流。右折方向に進む。

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 緩やかな登りがずっと先まで続いてる。バテ気味は相変わらず、休憩ポイントまでは12km位だがちょっと休みたい。自販機を見つけたらそこで止まろうと自販機を探しながら進む。

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 162.4km(408.7km)地点でようやく自動販売機を見つけて止まる。時刻は17:20。

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 冷たいジュースで一息入れる。ふう、生き返る。10分程休憩してリスタート。

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 ちょっと持ち直して登り基調を進むとトンネルが見えた。事前の地図読みでの166km付近の突起はこいつらしい。トンネルで一安心。

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 165.5km(411.8km)地点、水上栃谷トンネルに入る。全長2.3kmと長いトンネルで路肩が狭い。背後からの車に冷や冷やしながら通り抜ける。

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 168.6km(414.9km)地点、下りを終えて国道425号に合流、橋本・高野方面に右折。ここを曲がれば休憩ポイントまではあと5km程。

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 173.2km(419.5km)地点の休憩6/ふれあいマートあだちに到着、チェックタイムは18:00。

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 ここでPC13アタック前に大休止を取る。炒飯が美味しそうだったので買ってみたら実際とても美味しかった。大盛りで食べたかった。モンスターエナジーを飲んでおきたかったが売っていなかったのでドデカミンとオロナミンCで代用。

 山の向こうに日が陰ると気温がぐっと下がって来て休憩するうちに寒く感じて来たのでアームウォーマーとニーウォーマーを着用する。30分程休憩してリスタート。

休憩6/ふれあいマートあだち->PC13/ごまさんスカイタワー(34.8km/208.0km/454.3km)

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 休憩ポイントを出て直ぐは川沿いを平坦基調。

 さあ、いよいよ今日の、というよりこのSR600KW最大の難関に挑戦する。これをクリアできれば完走が見えてくる。気合を入れて臨む。

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 177.7km(424.0km)、ぼちぼちはっきりとした登りになってきた。

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 まだ明るいうちに登り始められたのは良かった。気温が下がって身体が動くようになり意識もシャキッとした。私的には気温低めの方が調子が出るタイプなので状況的にはまずまずのコンディション。

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 178.2km(424.5km)地点、宮代トンネルに入る。

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 日は山の向こうに完全に沈んだ。暗くなるのも時間の問題。

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 勾配は相変わらず5%前後、このままの感じで山頂までいけるのではないかとつい楽観視してしまう。

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 183.7km(430.0km)地点、湯ノ又トンネルに入る。

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 勾配は相変わらず緩いまま。もしかしたら本当にこのままで頂上まで行けるかも。

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 187km地点(433.3km)、龍神温泉を通過。現在時刻は19:10、当初は2日目はここに仮眠ポイントを設定するという案も考えていたがもし実行していたらこの時間に到着することになっていたか。

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 薄暮もほぼ消えてナイトラン開始。

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 193.4km(439.7km)地点、直進方向だろうと思い込んで真っ直ぐ進んだらミスコースだった。標識上道なり左折が正解。曲がったら下りになった。これから更に登るのだから下らなくて良いのにな。

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 197.1km地点(443.4km)、ちょっと下って登り始めたら勾配がぐっときつくなった。やはりそんなに甘くはなかったか。しかも護摩壇山まで11kmの標識が出て来て驚いた。後5,6km位のイメージだったのにその倍もあるとは、心理的に先制攻撃を食らってしまった。

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 道路灯も人家の明かりも全く見えず真っ暗闇で自分のバイクのヘッドライトだけが頼り。時たま車が結構なスピードで抜いていくのがちょっと怖い。

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 勾配がどんどんきつくなって10%前後で推移する。ここまできつい登りとは全く想定していなかった。そういう意味では最終決戦にはふさわしい演出と言える。取り敢えずペース配分を間違えることなくここまで脚は残してきたので何とか支障なく登れている。

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 200.5km(446.8km)地点、護摩壇山まであと8km。

 ここまででちょうど200km、朝5:20スタートで現在時刻が20:08だから14時間48分かかったことになるので通常のブルベならタイムアウトだ。それなりに走ったつもりだが、まあこれはSR600だからと割り切るしかないか。

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 10%の勾配は緩む気配がない。このまま8kmはかなりきつい。最後まで足付き無して行けるかどうかかなり危うくなってきた。

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 203.7km(450km)地点、護摩壇山まであと4km。ようやく終わりが見渡せる距離まで来た。もうひと踏ん張り。

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 気温もぐっと下がって来て冷却効果は充分、真っ暗で周りの景色が見えない分視覚的プレッシャーが無いので登ることに集中できる、と前向きに考えて脚を回す。

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 204.5km(450.8km)、標高1100mに到達。でもまだ200m標高を上げなければならない。そう考えるとキツイ。

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 206km地点(452.3km)地点、標高1200mを突破、あと100m。

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 206.3km(452.6km)地点、ごまさんスカイタワーまで1.7kmの標識が出て来た。何とかギリギリ持ちそうだ。

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 登って行くうちに前方に反射ベストを着たサイクリストを見つけて驚いた。まさかSR600走行中なのか!?近付いて行って思わず「ブルベですか?」と声を掛けたら「違います」という御返事、小径車のサイクリストさんももう少しで護摩壇山を征服だ。

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 ごまさんスカイタワーの案内表示が見えた。遂に山頂に到達!

 208.0km(454.3km)地点のPC13に到着、チェックタイムは21:00。

 18:30に休憩ポイントを出発して2時間半で山頂まで到達、振り返ってみればまずまずのスピードではなかろうか。終盤だったが大崩れせずに無難にこなせたのは良かった。

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 周囲が暗くてなかなか通過証明写真の撮影ポイントが見つからなかったがちょっと歩き回って見つかった。無事撮影完了。

 そのうち、先程の小径車のサイクリストさんがやって来たのでしばし歓談。埼玉は蕨から来られているそうで紀伊半島から日本海に抜けるルートでサイクリング中とのこと。今日はこのまま橋本まで向かわれるらしい。道中御気を付けて。

 山頂で20分程休憩してリスタート。後は下ってホテルに向かうのみだ。

PC13/ごまさんスカイタワー->宿泊2/ホテルのせ川(17.4km/225.4km/471.7km)

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 急勾配を一気に下る。休憩して身体が冷えてしまってかなり寒く感じる。暗闇で九十九折なので速度がそれ程出せず下りの恩恵を殆ど享受できない。かなり辛い下りだ。

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 指切りグローブだと指がかじかんでブレーキレバーを握り続けるのが辛くなってきたので、途中で止まって指付きグローブに着け替える。が、昨日の雨でフロントバッグの中に浸水していた様でグローブが濡れていて、下り始めてたら冷たくなってしまったので逆効果になってしまった。止むを得ずそのまま我慢して下り続ける。

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 216.9km(463.2km)地点、暗くて解り辛いが下り途中の右折ポイントを見逃さずに済んだ。

 曲がると更に急勾配の下り坂が続く。道が細くなり路面も荒れて真っ暗でかなり危険な感じだ。本当の勝負は実は護摩壇山への登りではなくホテルまでの下りなのかも知れない。

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 真っ暗闇でうねった路面の悪い林道を手探りの様にして進む。下り基調だが道の素性が全然分からなくて全くスピードが出せない。そのうち平坦基調になったが道は悪いままだ。道の両サイドがどんな風なのか全く見えないが、時折ガサガサっという動物のうごめく音が聴こえて肝を冷やす。ホテルまであと数kmなのに物凄く遠く感じる。暗闇の中を進んでいて、まるで人間の口笛の様な音が、バイクと同じ速度で並走している様な距離感で聴こえてきてぞっとした。急に怖くなって周囲を見渡すことができなくなった。早くホテルに辿り着きたい一心で、妙な緊張感の中で脚を回し続ける。最後の最後でこんなスリリングな展開になろうとは予想だにしなかった。

 暗闇の向こうにぼんやり明かりが見えた時は心底ほっとした。これでやっと今日のゴールが見えた。

 225.4km(471.7km)地点の宿泊ポイントに無事到着、チェックタイムは22:05。

 ホテルの建物に入ると快活な感じの支配人さんに出迎えられた。バイクは入口脇の小部屋に入れさせてもらうことができた。昨日も夜にサイクリング途中の人が泊まったという。恐らくSR600KWの参加者に違いない。

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 部屋に案内してもらってホッと一息。今日無事に走り終えられた安堵感がどっと込み上げて来た。予定では23時前に辿り着ければ御の字と思っていたが1時間近く早く着くことができた。なかなかしんどい1日だったが大崩れせずに無難に走り終えることができて良かった。

 ここは温泉、大浴場も夜遅くまで使えるのが有難い。早速入りに行く。汗と汚れを綺麗さっぱり洗い流して、長い下りで冷えた身体を湯船で温めると極楽極楽!まだゴールしていないが贅沢を先取りして味わってしまった。

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 ホテルの売店はかなり充実していて、カップ麺やパン、菓子類が豊富に置いてある。夜遅く着いても買い物させてもらえるので、事前に何か買っておいた方が良いかなと言う懸念は杞憂に終わった。

 カップ麺を食べながらスマホでツイッターのメッセージを読む。フォロワーさんだけでなく知らないアカウントの人からも多くのメッセージやいいねを貰って非常に有り難い。独りで走っていても励みになるし、これだけ注目度が高ければ簡単にはDNFできないなと良い意味でのプレッシャーになる。食事を終えて、明日のスタートを7:00としてアラームを6:30にセットし、速攻で布団に入る。消灯時刻は24時前。