SR600Kii Mountains World Heritage/レポート4:Day 3/宿泊2・野迫川->ゴール・泉佐野(135.5km/607.2km)

[目次]

宿泊1/ホテルのせ川->PC14/熊野参詣道小辺路(2.8km/2.8km/474.5km)

 5/3(金)、6時前に目が覚めた。正味5時間半位は眠れたのではないかと思う。眠気はなくすんなりと布団から起き上がる。

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 部屋の窓から外を眺めると眼下に川が流れていて裏山には小さな滝があった。水の音が心地良い。空は曇りで気温は10℃を超えた位か、ひんやりした空気が気持ち良い。昨日買ったビスケットを食べつつ身支度をし、出立準備をする。

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 支配人さんとちょっと立ち話をしてホテルを出た。今日も一人SR600KW走行中と思われる宿泊客がいる様だ。

 ルート上で距離配分としても仮眠ポイントとしては設置し易く、深夜着での食料調達の心配もいらず、おまけに温泉で居心地が非常に良いホテルだった。ここを仮眠ポイントにして大正解だった。

 今日はいよいよゴールする。1000m級のピークが16.4km地点にあるが既に700m地点にいるので高低差は大したことはない。29km地点の高野山を超えれば後は下り基調、ゴールまでは峠越えはない。距離も135kmと200kmブルベに満たない程度、タイムリミットは18:00なので余裕は充分だ。大きなトラブルさえなければ完走は確実だろう。

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 6:30にリスタート、緩々と走り始める。まず目指すは2.8km先のPC14だ。

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 川沿いの道をのんびりと走る。身体各所をチェックするが疲労感も薄く痛い所も特にない。コンディションはまずますだ。今日も問題なく走れるだろう。

 鼻歌交じりで走っていたら、後輪が石に乗り上げて破裂音、あっという間に空気が抜けた。

 1kmも走らないうちにパンクをするとは、しかも路面を良く見ていなくて石に乗り上げるとは不注意のそしりは免れない。

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 早速修理、チューブを見たら見事なまでのリム打ちパンクでパンクの原因を探さなくても良いのは不幸中の幸い。手早くチューブを交換して、10分程のタイムロスで済んだ。つまらないミスでトラブルを招かない様にゴールまで気を引き締めて走らなければ。

 PCまでは下り基調でスイスイ進む。

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 2.8km(474.5km)地点のPC14に到着、チェックタイムは6:55。

 まずは通過証明用の写真を撮影する。

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 ここの世界遺産的価値が如何程のものか私的には見当つかないが森林の朝の清々しさは間違いない。写真を撮って直ぐに出発する。

PC14/熊野参詣道小辺路->PC15/高野山金剛峯寺(24.7km/27.5km/499.2km)

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 PCを出てちょっと走ったらいきなりの急勾配。

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 5.3km(477.0km)地点、平家維盛が誰だか全く知らない。

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 15%位の激坂をえっちらおっちら登って行く。まだ脚はフレッシュだし距離的にはそんなに長くないだろうからまだ余裕。

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 600m程の激坂区間をやり過ごし一旦下って再び登り基調。勾配は5%を超えているがさっきの激坂に比べれば普通の坂だ。

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 小さな水門が森の中にひっそりとあった。

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 災害の後だろうか、斜面には倒木が多数散乱している。

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 車通りもなく静かな山道をのんびり走る。朝の森林の空気が凛として冷たく気持ち良い。早朝サイクリングの素晴らしいシチュエーション、贅沢な時間帯だ。

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 10km(481.7km)辺りで一旦勾配が緩んだ。

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 登りは更に続く。ピークまでの標高差はせいぜい300m位だからちんたら登っていればそのうち終わるだろう。

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 14.2km(485.9km)地点、野迫川村の中心部で高野・龍神方面に左折。

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 更に登りは続く。距離的にはあと2km位か。これは桜か?標高が高いと今頃満開なのか。

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 終盤に向けて勾配がぐっときつくなった。空が開けて頂上が近いのが分かる。もうひと踏ん張り。

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 勾配が緩んだ。どうやらこの辺りがピークの様だ。野迫川村の出口だ。

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 16.7km(488.4km)地点、国道371号に合流して右折、高野方面に向かう。

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 24.5km(496.2km)地点、6km程を快調に下って高野方面に右折。

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 25.3km(497.0km)地点、市街地の中に入って来た。左折報告に進む。ちょうど交差点の所で昨日護摩壇山山頂で会ったサイクリストさんがいたので挨拶をして通り過ぎる。

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 早速参道が出て来た。時刻は8時半過ぎだが結構な人出で賑わっている。

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 車通りも多くそこそこ大きな観光地の風情。

 高野山と言えば、私的は関西のフュージョンバンド”ナニワエキスプレス”の昔の曲の”高野サンバ”が真っ先に思い浮かぶ。頭の中ではその曲がずっとループしている。あとは空海、真言宗、金剛峯寺という受験の刷り込みが出て来るだけ、実際に来るのは初めてだ。

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 道の両脇には寺が幾つも立ち並んでいる。

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 こんなに多くの寺があるとは全く知らなかった。神社仏閣には全く興味はないが、この界隈がちょっと普通じゃないというのは分かる。

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 観光地だけあって出店もたくさん建ち並んでいる。

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 27.3km(499km)地点、PCはもう目前。

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 27.5km(499.2km)地点のPC15に到着、チェックタイムは8:40。

 まずは通過証明写真を撮る。

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 ここが金剛峯寺か。ちょっとした到達感がある。学生の時の宿題がやっと片付いた感覚。

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 ここが高野山の中心なのだろう、一際観光客が多い。自転車を持った人間がうろうろするのは邪魔だろうから早々に立ち去る。

PC15/高野山金剛峯寺->休憩7/ローソン紀美野町小畑店(42.8km/70.3km/542.0km)

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 ちょっとした修学旅行気分を思い出した。懐かしい。

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 道脇の寺はまだまだ続く。

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 微妙に登り基調、緩々と進む。それにしてもこの寺の密集度は半端ない。昔、修学旅行で京都を訪れた時は京都は寺だらけの街だという印象だったがここはその比ではない。

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  坂の向こうの視界が開けて来た。そろそろ高野山エリアも終わりか。

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 28.7km(500.4km)地点、高野山エリアから出て国道480号に合流、和歌山・橋本方面に右折。

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 29.1km(500.8km)地点、Y字分岐がピークの様だ。道なり左に進んで下りに入る。

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 長い下りを快調に進む。これでもう山が全て終わってしまったのかと考えるとちょっと名残惜しい。

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 36km(507.7km)地点、7km程の下りを終えて左折方向に進む。

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 37.6km(509.3km)地点、お、直進方向12kmで1日目のPCだった丹生都比売神社なのか。でも復路進行方向は海南・紀美野方面に左折。

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 緩やかな下り基調を順調に進む。PC16のある海南市までは42km。

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 38.6km(510.3km)地点、かつらぎ町に入る。ゴールまで100kmを切った。現在時刻は9:17、残りのコースレイアウトを考えれば15時にはゴールできるだろう。ホテルのチェックインの時間にぴったり間に合う計算だ。

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 里山の長閑な風景が心地良い。この風景ももうそろそろ見納めかと思うと名残惜しい。

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 42.5km(514.2km)地点、紀美野町に入る。

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 道も綺麗で車通りも殆どなく周囲の緑も美しいこの道は最高のサイクリングコース。こういう道ばかりだったらブルベはもっと楽しくなる。

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 この緑深い山々の風景ももう少しで終わりかと思うと名残惜しい。

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 61.8km(533.5km)地点を左折して橋を渡る。

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 橋を渡り終えたら海南方向へ右折、今度は川を右手に見ながら進む。

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 下り基調はまだまだ続く。順調に距離を消化していく。

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 海南まで14km、登りが無いと進行が本当に早い。

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 69.3km(541.0km)地点、道も太くなり周囲の民家が多くなり車通りも多くなった。都会が徐々に近付いているのが分かる。休憩ポイントまであと1km。

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 70.3km(542.0km)地点の休憩7に到着、チェックタイムは10:30。

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 残り距離は65km、4時間でゴールだ。補給ポイントはこれが最後、ゴールまで一気に行く。いつものブルベの終盤と同じ様にモンスターエナジーで気合を入れる。ピンク色の缶は初めて飲むが味はまあまあ。15分程休憩の後リスタート。

休憩7/ローソン紀美野町小畑店->PC16/マリーナシティホテル(11.4km/81.7km/553.4km)

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 国道370号を西に向かって進む。微妙に向かい風だが大して支障にはならず順調に距離を消化していく。

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 70.7km(542.4km)地点、海南市に入る。

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 74.2km(545.9km)地点、もう海沿いに出たのかと思ったら池だった。

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 幹線道路の車通りは途切れることはなく、道の両脇の商業施設もずっと続いている。もう自然の中の静かな山道に戻ることは無さそうだ。少しずつ現実世界に引き戻されていく。

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 海南市街まで2.5km。

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 78.5km(550.2km)地点、海南市街に入った。右折して和歌山・国道42号方面に進む。

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 ずぼら焼って何だろう?高校生がたむろしている感じからするときっと美味しいものに違いない。食べてみたいが素通り。

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 79.3km(550.7km)地点、車通りが格段に多くなった幹線道路を離れ左折する。

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 入り江っぽいところにプレジャーボートが並んでいる。どうやら海辺に着いた様だ。

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 前方に高層マンション群が見えて来た。PCはあの辺りか。

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 ちょっとしたヒルクライム張りの橋を超えるとリゾート施設が見えて来た。PCは目前。

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 ちょっとした南国の雰囲気が漂うリゾート区画といった街並み。

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 81.7km(553.4km)地点のPC16に到着、チェックタイムは11:18。

 通過証明用写真を撮って直ぐに出発。

PC16/マリーナシティホテル->PC17/休暇村紀州加太(25.2km/106.9km/578.6km)

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 マリーナシティーと銘打つだけあってプレジャーボートがたくさん置いてある。関東で言う所の葉山の様な所だな。

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 82.4km(554.1km)地点、大きな橋を渡る。山がなくなった平野部ではこういう大きな橋がちょっとしたヒルクラム。

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 左手に見えるのが川なのか海なのか良く分からない。相変わらず向かい風基調だが風は強くなるわけではないのでまだ問題ない。

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 85.9km(557.6km)地点、橋を渡って直ぐの左折ポイント。ぼさっと走っていて危うく見落とすところだった。街中に入って来るとキューシートが混み合ってくる。山の中のひたすら真っ直ぐと言う道が懐かしい。

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 干潟の中に神社仏閣が見える。

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 86.7km(558.4km)、堆積岩の様な巨大な岩肌が目に入った。

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 87.7km(559.4km)地点、大阪・橋本方面に左折。道路標識に大阪の文字が出て来た。ゴールが近付いていることを実感する。

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 左折するとトンネルまでの登り坂、久し振りの登りがちょっと楽しい。

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 89.3km(561.0km)、もう完全に市街地走行になった。渋滞がそこそこ出てきてペースダウン。ゴールまでこの調子だと結構時間がかかりそうだ。この先の交差点を和歌山南港方面に左折。

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 港近くの道は空いていて走り易くなった。ペースを戻して順調に進む。

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 91.8km(563.5km)、目の前にループ橋が出て来た。あれを渡る。

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 これもまた都会のヒルクライム。何だかんだ言って都会も登りはあるね。

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 95km(566.7km)、この先県道752号まで行かずに橋の手前で左折する。

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 左折するとサイクリングロードの様な道になった。車がいないとやはり走り易い。川沿いの道から裏通り的な道を進む。

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 97.4km(569.1km)、踏切を渡ってその先を左折、再び車通りの多い幹線道路に出た。

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 渋滞に嵌まる回数が増えて来た。都会に戻りつつあるのだから止むを得ないが、今までの田舎の道を散々走って来た身としてはやはりちょっとストレスに感じる。加太まであと7km。

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 県道7号は緩やかなアップダウンがある。2車線道路になって走り易くなったのは有難い。

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 向かう先にたくさんのパトカーが赤色灯を点滅させながら停まっていて何やら物々しい雰囲気。何事かと思いつつ通り過ぎるとどうやら速度違反の取り締まりの様だ。

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 104.4km(576.1km)、加太港付近を通過。この手前で結構な数の人が歩いているのを見かけたが皆港に向かっていたのだろうか。

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 海沿いの道に出た。

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 山をさんざん見た後に今度は海沿いを走るとはなかなかに贅沢なサイクリングだ。

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 海沿いらしくちょっとしたアップダウンがあるのがなかなか楽しい。気温21℃、日が陰ってそれ程暑くないので走り易い。

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 106.1km(577.8km)ここを左折するとPCだが左は山しかない。もしかしてこの山の山頂がPCなのか!?

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 曲がった途端いきなりの激坂!10%超の急勾配をえっちらおっちら登って行く。

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 曲がり角から山頂までは900m位。全て激坂だったら最終盤でのこの区間は相当キツイ。最後のPCでこんな仕込みがしてあるとは全然予測していなかった。

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 勾配は恐らく15%を超えているものと思われる。見上げる様なカーブの先を目指して必死に坂に食らいつく。

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 106.9km(578.6km)地点のPC17に到着、チェックタイムは12:40。

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 やっと最後のPCに辿り着いた。最後の最後でこの演出は、酷いと思いつつもニヤリとしてしまう。高野山からゴールまでの100kmが下りから平坦でですんなり終わってしまうのはSR600のコースとしては物足りないのでもうひとひねりしたいと思うのはコース設計者の心理としては順当だと思う。通過証明写真を撮りつつ呼吸を整えて出発、今登って来た道を戻る。

PC17/休暇村紀州加太->ゴール/セブンイレブンりんくう松原店(28.6km/135.5km/607.2km)

 急勾配の坂をブレーキ掛けっ放しで下る。急過ぎて下りの恩恵を全く享受できない。

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 府道65号に再合流して北上する。

 さあ、あとはゴールを目指すのみ。ゴールまでは30km、2時間でこの旅も終わりだ。最後まで安全走行、気を引き締め直して走る。

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 海沿いの道を淡々と走る。海は穏やか。

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 海辺の桟橋にはたくさんの釣り人が並んでいる。釣り好きだった幼少の頃の血がちょっとだけ騒ぐ。

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 110.7km(582.4km)地点、大阪府に入った。ゴールまであと25km。

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 海沿いから内陸部に入る時のちょっとした急坂を登りながら、今まで散々登って来た登り坂の数々を何となく思い出して名残惜しくなる。

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 112.6km(584.3km)地点、関西空港まであと30km?ゴールまでは23kmなのに計算が合わないな。空港への連絡橋が7kmもあるということか?

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 物凄い渋滞。この先のみさき公園という所への駐車待ちの車の列らしい。止む無く車列の右側をせり上がって行く。

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 119.2km(590.9km)、大阪に向かっていくに従ってどんどん街らしくなって来て車の往来が増え、信号だらけになって行く。心理的にいつものブルベの市街地走行モードに切り替わり、SR600モードが薄れていく。大阪、阪南方面に左折。

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 120.8km(592.5km)地点、阪南市に入った。相変わらず向かい風基調だが、市街地走行の交通事情にペースが支配されているので殆ど影響はない。

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 127.7km(599.4km)地点、泉南市に入った。泉南とか阪南とか海南とかちょっと紛らわしい市名が多い。渋滞がどんどん酷くなってきた。もうゴールまではずっとこんな状態なのかなと覚悟を決める。ゴールまで残り10km。

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 128.4km(600.1km)、りんくうタウン方面に左折。市街中心部から離れて渋滞が緩和されることを期待。

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 左折したら2車線になって車通りがぐっと少なくなって一安心。

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 129km(600.7km)地点、陸橋直進は自転車走行禁止なので、左側道へ進む。

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 側道から再び府道63号に合流。

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 車通りが少なくなって走り易くなったと思ったら、今度は向かい風がはっきりして来た。でもまあ残り5km位だし、時間もたっぷり余っているし全く急ぐ必要はない。たらたらのんびり走る。

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 前方に陸橋が見えて来た。

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 この高架道路も本線は自転車走行禁止なので側道で渡る。これが本当に最後のヒルクライムか。

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 関空への連絡橋が見える。確かに長いが7kmもある様には見えない。。

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 前方にりんくうタウンの高層ビルが見えて来た。あそこでこの旅も終わってしまう。もう終わってしまうのかという名残惜しさと、早くゴールして解放感を味わいたいという気持ちが入り混じった複雑な心境。

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 もう一つ陸橋があった。今度こそ最後のヒルクライムか。

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 最後のヒルクライムを感慨深く踏んでいく。これで本当に終わり。

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 りんくうタウンが大きくなってきた。ああ、本当に終わってしまう。

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 134.1km(605.8km)、泉佐野市に入った。

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 ここを直進して1回左折すればゴールだ。あと1km。

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 135.5km(607.2km)地点のゴールに到着。SR600紀伊山地を無事完走した。ゴールタイムは14:12、完走時間は56時間12分。

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 まずはコーラで完走を祝う。疲労感をそれ程でもなく意外にあっさりすんなり終わったというのがゴールに辿り着いてみての最初の感想。勿論無事に走り終えられた安堵感も同居して気分爽快。一仕事きっちり終えられて本当に良かった。

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 600kmの山岳をパンク1回だけで大きなトラブルに見舞われることなく走り切った我がバイク、頼もしい限り。この後に控えるPBPも勿論こいつで行くつもりだ。

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 水没したサイクルコンピューターは最後まで復活することはなかった。帰宅したら分解して復旧を試みる。

 コーラを飲み終えて小休止してホテルに戻る。

ゴール後

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 14:40にホテル着。チェックイン時間は15時だが、早めに部屋に入れてくれるとフロントの人が配慮してくれたのだが、休む前に面倒なことは片付けてしまおうと間髪入れずにバイク収納を始める。

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 ホテルの水道を御借りして雨で汚れたバイクを洗いつつ30分程でバイク収納完了。ふう、これで気分的に相当軽くなった。

 改めてチェックインする。

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 部屋に入ってウェアを脱ぎ捨てると、いつものブルベ以上の解放感。SR600は1000km以上のブルベと同等の重みがあることが改めて分かる。シャワーを浴びつつ身体各所をチェック、昨日ちょっと痛かった両膝は今日はそれ程でもなく今も痛みは殆どない。疲労系の痛みと思われるので大事はないと思うが、数日は休んだ方が無難と思われる。尻の痛みはいつもの通り表層部の擦れ的外傷だが1週間も経てば治るレベルだ。それ以外は痛い所はない。疲労感も今のところ薄いが今は走り終えたばかりで心身共にまだアクティブな状態だが、一旦クールダウンして時間が経つにつれてどっと出てくるのではないかと思われる。

 風呂に入ってさっぱりして荷物を整理してちょっとベッドに横になって休憩する。

 休憩しながらスマートフォンで今日の打ち上げ会場を探す。何となく目星が付いて、明日の出立時間は早いので打ち上げは早めにスタートしようと17時半に部屋を出た。

 目星を付けた泉佐野駅傍の串揚げ屋さんは残念ながら休業だったので、その直ぐ近くの居酒屋に入った。まだ18時前だというのにほぼ満席で入り口近くのカウンターの橋に着席。

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 独り打ち上げスタート。ビールが全身に染み渡る。ブルベを走り終えてのプレッシャーからの解放感と無事完走できた達成感に裏打ちされた充足感に浸りながらのビールは本当に旨い。恐らくビールを最も旨く飲めるシチュエーションがこれだと思われる。SR600だとそれもさらに増幅される。振り返ってみれば昨日はそれなりにきつかったし、やはりSR600ならではの厳しさ・苦労はあった。それを何とか乗り越えて無事完走できたのは本当に良かった。

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 まずはチャンジャ、この御店は盛りが豪気。こんなにたくさん持ってくれる店は殆どない。

 ここの御店はBGMがずっと矢沢永吉、店長と思しき人も矢沢江吉のTシャツを着ている。熱狂的なファンだということが一目で分かる。

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 活きタコブツ。

 店の中に飛び交う関西弁が妙に心地良い。私的に大阪に来ると何故が強いアウェイ感を感じるのだが、その原因の一つが関西弁だと思われる。素面だとアウェイ感が凄いが酔うとそうでもない。

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 辛チョリソ。これもなかなかの盛り。

 ビールがどんどん進む。疲れた手足に酔いが回ってじわっと痺れる感じが実に良い。ブルベは酷使してスカスカになった筋肉の隙間にビールを流し込んでラリる合法的トランス系イベントだと思う。

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 シシャモもたくさん。

 ビールをジョッキ4杯飲み干して1時間半程で1次会終了、大変美味しゅうございました。

 店を出て、結構な空腹感があったのでラーメンでも食べるかなあと駅近くをプラプラと歩いていたら肉系飲み屋を見つけたのでステーキを食べようと思い立って入ってみた。

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 立ち飲みの肉バルで2次会開始。ビールは相変わらず旨い。SR600を走り終えた直後でまだまだ飲める感じは、体調的にかなり好調な様だ。

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 200g超のステーキを注文。肉も旨いがオニオンフライも旨い。ビールがどんどん進む。

 隣に居合わせたチョイ悪初老の人と何となく会話、こちらが自転車で山道を走って来たと話すと、その人も昔は自転車で走り回っていたと言い「若い頃はスピード狂やったから、玉置山をノーブレーキで下ってた」とのたまった。吹いてるなーと思いつつも関西人だから許す。そのオヤジの周囲の人との会話を聴きつつ、関西にはめんどくせーオヤジが多いなと思いつつ楽しませてもらった。

 ステーキをあっという間に平らげてしまい、まだ食べられるのでもう一皿と思ったが経済的にブレーキがかかって2次会終了。

 ホテルまでの帰路、ラーメン屋台の傍を通ったがここで寄ると明日早朝に起きられなくなると思いぐっと我慢して素通り、ホテルの部屋に戻った。

 そのままベッドに横になったらいい感じに睡魔が襲って来て夢の中へ退場。就寝時刻は22時過ぎと思われる。