PBP2019/Report 3:スタート前日

 8/17(土)、2時間ちょっと気を失って目が覚めた。現,在時刻は3時、日本だと10時。安定の時差ぼけ。ちょっと目が冴えたのでPCを開いてツイッターなど眺める。とある情報筋から「今日と明日、モンパルナスからランブイエ方面の列車について、駅の工事の関係(?)で、途中駅でバスへ振替輸送 となる模様とのこと」という情報が飛び込んできた。今日明日ということは受付とスタートで両日とも見事に引っ掛かる。鉄道移動ができなくなるとモンパルナスのベースキャンプ作戦が失敗ということになる。これが事実ならばかなり困ったことになる。

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 また2時間半程眠って目が覚めた。そろそろ8時。ホテルの窓から外を眺めると、どんよりと曇ってはいるが雨は降っていない。気温も思ったよりは高めで部屋の中だと気持ち蒸し暑い感じ。パリの真ん中で目覚めるというのはなかなかに新鮮。たまに聴こえてくるパトカーのサイレンの音が映画っぽくてパリにいることを実感する。 小間切れでも5時間近く眠るとかなり頭もすっきりして目のショボショボ感も解消された。時差ぼけも積算睡眠時間で考えればそれ程怖くはないか。むしろ少々時差ぼけを引き摺っている位の方がPBP夜スタートを走るには都合が良い気がする。それにしても二度寝の夢は変な夢だった。見知らぬサイボーグの上司が襲い掛かって来て、仲間と一緒に戦う夢だった。眠りが浅く全編総天然色でかなりリアリティーのある映像で、もう少しでやっつけられそうなところで目が覚めてしまったので残念。

 再びツイッターを見ていたら例の鉄道工事について、再びとある情報筋から画像付きで新たな追加情報が来た。

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 この情報を路線図と照らし合わせると、U路線のSt. CLOUD駅とVERSAILLES CHANTIERS駅の間が運休で、モンパルナス駅-ランブイエ駅間のN路線には影響はないものと思われる。実際には乗ってみないと分からないが。

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 昨日買っておいたサンドイッチを食べる。かなり大きいサイズなのでこれ一つで結構御腹一杯になる。フランスのスーパーのサンドイッチはバリエーションが多くボリュームもあって美味しいのでこれらを食べるのも楽しみの一つ。

 今日のミッションはスタート地点に行ってチェックインすることとドロップバッグをツアー会社の人に預けること。ドロップバッグの受付時間はランブイエ駅前で13時から15時の間なのでその時間に合わせてチェックインの時間を14:30と事前申告していた。

 そう言えば、PBPのスタート前日には恒例の日本人参加者の集合写真撮影があるのだが、事前アナウンスがあったのは聞いていたが時間を失念していたのでツイッターで調べ直す。過去2回は2回とも時間に間に合わず参加できなかったので今回は参加したいと思うのだが、17時か。私の受付は14:30、これに参加するためには受付終了して2時間待って、撮影が終わって乗れる電車は恐らく18:16、となるとホテル戻りが19時になる。受付を終わらせて速攻で帰ると15:20の電車に乗って16時過ぎにはホテルに戻れる。その差3時間弱は休息を考えると大きい。今回も見送りかな。

 12時になり、そろそろ出掛けようかと思って持って行くべき手荷物をチェックしたらパスポートが無い!一瞬頭が真っ白になったが、冷静に考えたら昨日チェックインした時カウンターの女性がパスポートのコピーを取ったところまでは憶えていたのでダッシュでカウンターに行ったらあった!かなり焦った。

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 12時半にバイクと共にホテルを出た。さあ出掛けようかという段になって雨が降り出した。そこそこ降っているので駅までの1.5kmで結構濡れるかも知れない。

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 街中をうねうねと走ってモンパルナスの駅前に出た。

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 駅のロビーのあちこちある自動券売機で切符を買おうと思ったら、ランブイエ行きの列車はないと弾かれる。何度やっても上手く行かず時間には余裕を持って来たはずなのにどんどん時間が無くなって来て焦る。困って駅の人に聞いたら違う券売機だという。10番乗り場の前にある券売機を使えというので急いで行ってみた。

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 行って見ると確かに違う形の券売機があったので急いでトライ。乗るべき列車の発車まで5分を切ってかなり焦っていたら、横からPBP参加者と思しき青年がちゃちゃっとボタンを押してくれて目的地ランブイエ駅を表示させてくれたのでチケットを買うことができた。彼も同じトラップに引っ掛かったらしい。チケットを持って慌てて改札を通ろうとしたが誤って人間だけが通過できる改札に入ってしまい遮断バーにバイクが引っ掛かってしまい更に大慌て。力付くでバイクを押し込み、ホームにダッシュして列車に飛び乗った途端にドアが閉まり発車した。

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 いやあ焦った。際どかった。前回来た時にモンパルナスで自動券売機を使って切符を買った経験があるので楽勝と思い込んでいたら重要な記憶が欠落していた。まだまだ脇が甘い。 

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 社内のバイクスペースのある車両のバイクラックにバイクを掛ける。同じ車両に参加者が既に乗っていた。

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 車両は2階建てで座席数が多いのでゆったり座れる。

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 あれ、おかしいな。この電車は各駅停車だな。急行だとヴェルサイユしか止まらないはずなのに。何か勘違いしているのか?グーグルマップで調べ直すとやはりモンパルナス13:05発は急行と出る。正しい情報は現地の時刻表を見ないと駄目ということか。

 途中駅で参加者がどんどん乗り込んでくる。その中にベイさんがいた。こんなところで出会うとは奇遇。

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 外人の皆さんは賑やか。御互いのバイクをチェックし合ってあれやこれやで盛り上がっている。言葉ができずに内気な日本人親父にはこの輪の中に加わる勇気はない。

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 14:10にランブイエ着。ホームは自転車を持った参加者でごった返している。ベイさんと一緒に流れに乗って進む。

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 地下通路をバイクを抱えて進む。エレベーターがあるにはあるが誰も使わない。

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 駅の改札は常にオープン状態で皆流れで通過していく。切符を回収されるわけでもなく何のチェックも受けずに通過。

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 ランブイエに到着。モンパルナスで降っていた雨はここでは上がっていた。

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 駅前にはこれから受付に向かおうとする人達で賑わっている。スタート地点に行く前にまずはドロップバッグの預け入れ。駅前の駐車場に止まっているトラックがどうやらそれらしい。そこに向かうと数人の日本人が集まっていて、タカトリ&つかぽん御夫妻やひであさんの姿もあった。しばし歓談。

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 無事にドロップバッグの預け入れ完了。これで今日のミッションの半分が終わった。ベイさんと共にスタート地点に向かう。スタート地点は駅から2km程の距離、取り敢えずナビにルートを入れてはいるが心配なので何となく人の流れに付いて行ってみる。

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 ランブイエの街中を進むと、石畳が出てきた。大きな石が敷かれて隙間の幅が大きく、おまけに濡れているのでかなり怖い。恐る恐る進む。

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 ようやく受付場所に到着。まずはバイクチェックを受けてその後にブルベカードやナンバープレートを受け取るという順序らしい。取り敢えず人の流れに乗って列に並ぶ。

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 列が長くてなかなか進まない。再び雨が降り始めた。雨が降っても自転車に乗って走る区間は短いので大して濡れないだろうとタカを括って半袖ジャージにレーパンできたが雨の降る中を外で濡れながら立っているとだんだん寒くなってきた。

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 30分近く並んでやっと自分の番が来たと思ったら係の人がどこかに行ってしまった。何とものんびりな対応。

 係の人が戻ってきてバイクチェックを受ける。「ライトは全部点くか?」「予備のバッテリーは持っているか?」などと聞かれつつ無事にパス、ライダーズナンバーが書かれた申込書を見せてバイクチェックパス証明の紙片と記念の大会ボトルを受け取る。

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 バイクチェックが終わって一旦バイクを駐車スペースに置く。土の地面でドロドロにぬかるんでいるのでクリートに泥が詰まるのが心配。

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 バイクチェック待ちの列が更に長くなっていた。この列の後ろの方の人は1時間位かかるのではないかと思われる。

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 念のためテントの中も覗いてみたがテントの中でもバイクチェックを行っている様だ。これだけのチェック場所があっても参加者をさばき切れないのを見て、改めて7000人という参加者の人数の多さを思い知る。

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 この区画でライダーズアイテムを受領する様だ。

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 長い列ができた建物はフランス人専用だった。

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 隣のインターナショナルチェックインは比較的空いていた。中に入ってカウンターでライダーズナンバーを告げると、自分のライダーズナンバーのシールが貼られたサコッシュを手渡された。これでチェックインの手続きは全て終了。終わってみれば意外にあっけない。

 何だかんだで結構時間がかかってしまった。当初は15時には終わると思っていたが全然見積もりが甘かった。今から直ぐに駅に戻れば16:16発の列車に乗れそうだったので、物販コーナーの見学などを断念して直ぐに戻り始める。駐車スペースからバイクを持ち出すには自分のライダーズナンバーを証明するものが必要、先程パイクチェックの時にもらった紙片を見せてバイクを持ち出し、ベイさんと一緒に駅に向かう。

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 街中の教会の前を通りかかったら丁度結婚式をやっているところに出くわし、目の前をウェディングドレスを着た花嫁さんが歩いていてびっくり。

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 ランブイエ駅に戻って来たらオダ埼のメンバーが集まっていた。記念写真を1枚。

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 速攻で切符を買いホームに入ると丁度急行が来た。ジャストタイミング。サンカンタンにホテルのあるベイさんとは駅で御別れ。

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バタバタと非常に慌ただしかったけれど、何とかチェックインを完了して16:16発の急行に乗車。

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 左手首に巻いた参加者証明のリストバンド。ライダーズナンバーが入っている。各PCでバイクを持ち出す時の持ち主確認証としても使われる。これを見るといよいよ始まるという気がしてきた。武者震いがする。武者ではないが。

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 懐かしのヴェルサイユ駅を通過。時間があれば立ち寄ってヴェルサイユ宮殿の入口辺りを観たいがその時間的余裕はないかも知れない。

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 40分程でモンパルナス駅に戻って来た。やはり急行は速い。

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 モンパルナス駅のロビーは相変わらずの人混み。国際色豊かな雑踏にサイクリングウェアでバイクを押し歩く人間が違和感なく溶け込むのがパリの文化なのか。何となくその中に混じっているだけで国際人になれた様な妙な錯覚に陥る。

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 忘れない様に再度券売機を確認しておく。ヴェルサイユ・ランブイエ方面の切符は10番ホーム横のボロい3台の券売機で買うこと。

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 駅の外に出ると雨は上がっていた。

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 ホテルへの帰り道は一方通行があちこちにあるので往路とは違う道になる。取り敢えず路面の自転車マークを頼りに走る。

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 車道と同じ幅で自転車対面走行の道もある。

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 車は一方通行だが自転車通行可の道はちゃんと自転車マークが書いてある。パリの街中は最初は良く分からなくて走り辛い感じがしたが慣れて来ると案外走り易い。

 17時過ぎに無事にホテルに帰着。これにて今日のミッションは終了。

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 サコッシュの中に入っていたライダーズアイテムを確認。ブルベカードやバイクに付けるナンバープレート、反射ベストも入っている。オプションで買ったジャージもちゃんと2着入っていた。ブルベカードの確認やナンバープレートの取り付けは後回しにして、御腹が空いたのでスーパーに食料の買い出しに行く。

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 取り敢えず節約で外食せずにスーパーで買ったあり合わせで夕食。安上がりとは言え、これでも1000円は軽く超える。パンは1個で充分なボリュームだし、色んなものがごちゃっと入ったサラダはとても美味しい。フランスは勿論去年のスペインでも思ったが野菜が美味しい。特にキュウリが美味しいのには感激する。

 夕食を食べてベッドに横になったら気を失って爆睡、目が覚めたら23時だった。過去2回のPBPのスタート前日はホテルから受付会場まで片道20km近く自走したが、今回が一番疲れた気がする。4年毎の開催なので4歳歳を取った分の衰えがそのまま体感に表れたということなのか。

 オフィシャルのホームページで最終ステージのルートが変更されていたのでRWGPSのデータを変更して2台のナビにルートデータを上書き完了。こんなこともあろうかとナビ用のUSBケーブルを持って来ておいて良かった。

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 夜中2時過ぎのパリの街中は、流石に人気は無くなったが、それでも時折近くの路上から人の話し声が聞こえる。時差ぼけの真っただ中だが少しでも身体を休めるために消灯する。明日はいよいよスタート、21時スタートなので19時にはランブイエに着くようにホテルを17時過ぎに出る予定だ。まだ時間はそこそこあるのでとにかく身体を休めて睡眠時間を稼ぐことに集中する。