PBP2019/Report 6:Stage 2,Day 1/Mortagne-au-Perche -> Villaines-la-Juhel(99km/217km)

 8/19(月)、時刻は2時。休憩で身体が冷えたこともあるが外は結構寒い。多分15℃前後ではないか。ここを出ると直ぐに長い下りで更に身体が冷えるのでアームウォーマーとニーウォーマーを着ける。そう言えば周囲の参加者は殆どが長袖にロングパンツで半袖ジャージにレーパンという人は余りいない。寒さに強い欧州人というイメージがあるが今回は皆そこそこ寒いと感じている様だ。

 2時過ぎにリスタート。記憶通りに直ぐに長い下りとなってどんどん下っていく。確かに体感温度がどんどん下がってきた。ウォーマー類を着けて正解だった。

 第2ステージ、PC1/ヴィレンヌ=ラ=ジュエルまでは99km。アップダウンは相変わらず続くが疲労を感じていなければそれ程苦にはならないはず。トラブルが無い限りノンストップで行く予定。

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 空は良く晴れて星空が出ている。しかし満月に近い月が煌々と夜空に輝いていて星空の撮影には条件が良くない。星空撮影用のカメラと三脚を携帯しているが、まだスタートして間が無く余り時間的マージンを稼げていないということもあり、取り敢えず今は撮影は見送り。寒いのはこの好天で放射冷却が働いているということか。渡仏前はフランスの異常高気温が喧伝されていたがその名残も見えない。

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 そこそこ脚の合うトレインに上手く乗ることができて順調に進む。緩やかなアップダウンが続く。

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 130km、ラ・グラヴェルという小さな村を通過。赤い斜線の入ったカントリーサインは村や町の出口を示している。

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 真新しいアスファルトが敷かれたばかりの綺麗な道が続く。路面が綺麗だと振動が少なくて本当に走り易い。ずっとこんな感じだと非常に有難いのだがそんなに都合の良いことは長くは続かないだろう。

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 139km、シュレという村を通過。こんな小さな村で夜中でも街灯が点いているのは有難い。

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 142.5km、ラウンドアバウトの標識。ラウンドアバウトの手前にこういう大きな標識が大抵あるが字が小さくて字数が多いので瞬時に地名や道路名を判別するのはかなり難しい。オフィシャルが提供するキューシートも日本のものとは全く違うので慣れないと使いこなせない。私的にはキューシートで走るのはそもそも無理だし、ナビのデータでさえオフィシャルのルートマップから転写したのでキューシート自体を全然使っていない(そう言えば日本の様にキューシートをハンドルバーに付けるなどして見ながら走っている人を全然見かけない)。また、こういう分岐点にはオフィシャルが設置した小さな矢印の看板がどこかにあるはずだが、暗くて全く見えない。PBPだと路上に常に誰かが走っているが、その誰かが間違った道を先導してしまうと後続がそれに付いて行ってしまい盛大な集団ミスコースがしょっちゅう発生するので、参加者も余りあてにならない。ナビだけが頼りだ。

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 143.5km、こういう5差路のラウンドアバウトもある。分岐が多ければ多い程ラウンドアバウトの便利さが分かる感じ。A11方面に進む。

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 乗っている集団は秩序が保たれトレインを崩さずに整然と進んでいく。速度も適度で極めて順調に進む。

 トレインが安定巡航となって余裕で走っていたら、突然大きな落下音と共に目の前が真っ暗になった。一瞬何が起こったのか分からなかったが、手元のナビやライトが無くなっていて真っ暗になっていることに気が付いた。事態が呑み込めずに取り敢えず慌てて路肩にバイクを寄せて停止して見ると、ハンドルバーに取り付けていた、ライトとナビとアクションカムとベルを搭載しているアタッチメントバーが丸ごとなくなっているではないか!ネジ止めが甘かったのか?いやいつもの通りしっかり取り付けたはずだと頭の中で反芻しながら元来た道をちょっと戻ると、確かにアタッチメントバーが丸ごと落ちていたので急いで拾った。

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 ライトに照らして良く見てみると、何とアタッチメントバーとハンドルバーを繋ぐ2本の支柱が2本とも折れていた。

 大トラブル発生!なんということだ!休みなく続く路面からの振動に耐え切れず、また、搭載重量オーバーで支柱に負荷がかかり過ぎ金属疲労を起こして折れたか。PBP直前になって支柱を常用の短い物から余り出番のなかった長い物に変えたのが裏目に出た格好だ。でも長いこの支柱だって初めて使うわけではなく、数度のブルベでは問題なく使えていたのにこの大一番でこんなことになるとは…。こんなことはまるっきり予想していなかったので気が動転してどうしてよいかぱっと思い付かない。ちょっと間を置いて「そうだケーブルタイを持っているからアタッチメントバーを丸ごとハンドルバーに括り付けよう」と思い立った。暗闇の中でライトの明かりを頼りにサドルバッグの中からケーブルタイを見つけ出し、ハンドルバーに括ろうとしたが長さが足りなくて括れないことが判明。これは拙い、こんなことでDNFしてしまうのかと絶望感が出てきたが、またちょっと間を置いて冷静さを取り戻してきて「取り敢えずライトだけハンドルバーに移動させよう」と、妥当な結論にやっと辿り着いた。ライトのマウントは元々31.8mm用でシムを介して22.2mmのアタッチメントバーに取り付けていた。マウントをアタッチメントバーから外してシムを取り除き、ちょっと狭いが何とかハンドルバーにマウントを取り付けることができた。

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 ステムに取り付けたサイクルコンピュータをちょっと横にずらしてライトを無事に取り付けることができた。取り敢えずヘッドライトを復旧させることができたので走ることはできる様になった。よし!これで取り敢えず続行可能になった。取り敢えず走り出して、この後の対処はPCに行くまでに考えよう。

 20分程のタイムロスの後、再び走り出した。トレインもとうに行ってしまい独り走行の中、事態発生時のパニック状態からは脱したもののまだ若干の動揺が残っているので走りながら自分を落ち着かせる。ナビは使えないが、今の状況なら前走者はたくさんいるのでPCに辿り着くのは問題ない。次のPCでハンドルバーにナビのマウントを付け直すことができれば走行自体の問題は解消される。アクションカムのマウントは22.2mm専用なので移動はどうやっても不可能、折角のPBPでこの後動画が録れなくなるのは非常に残念だがこれはスパッと諦めるしかない。そうやって考えているうちにだんだん落ち着いてきて、トラブル自体もそんなに大事ではない気がしてきた。トラブル発生時のメンタルコントロールは大事だと改めて思った。

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 167.5km、ヴィヴォワンという街を通過。街の中心には大抵協会があるがこの街も例外ではない。ライトアップされた古い教会が幻想的。

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 170km、ボーモン=シュル=サルトという街中の信号に引っ掛かった。モルターニュ=オー=ペルシュを出て50km走って初めての信号だと思う。

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 189km、フレネイ=シュル=サルトという街を通過。この街の中はちょっと暗い。

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 195.8km、スジェ=ル=ガヌロンという街を通過。

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 村や街の入口には時々速度警告灯が設置してあって自転車にも反応する。ちなみに単位はkm/h。

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 時刻は6時、ようやく東の空が明るくなってきた。眠気はないがやはり夜が明けるとほっとする。もう少しの辛抱。

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 207.7km、真っ暗な小さな集落は廃墟の様でちょっと不気味。PCまであと10km。

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 212km、アヴェルトンという街に入った。この街は毎回PBPのための自転車の電飾が凄いので良く憶えている。

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 乾草の束で作られた大きなモニュメント。見ているだけで住民の歓待振りが伝わってきて嬉しくなる。

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 この街の中心の小さめの教会。

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 今回もたくさんの電飾でとても楽しませてもらった!Merci, Averton!

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 PCが近くなって来て集団ができた。ちょっと隊形が崩れ気味だが丁度良いスピードで進む。

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 向かう先にヴィレンヌ=ラ=ジュエルの街の明かりが見えてきてちょっとホッとする。

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 ヴィレンヌ=ラ=ジュエルの街の中に入った。PCは目前。

 アクションカムが落下して動画が全く撮れなくなるのは悔しいので、多分手振れで酷いことになるのを覚悟で駄目元で手持ちで撮ってみる。

 217km地点のPC1/ヴィレンヌ=ラ=ジュエルに無事到着。

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 バイクを停め、コントロールに行く前に敷地の入口付近に設営されていたバイクメンテナンスサービスのブースに、落下したアタッチメントバーを持って向かう。ブースでメカニックの男性にアタッチメントバーに取り付けていたナビマウントとナンバープレートのケーブルタイを切って欲しいと御願いすると「壊れたのか?」と聞かれつつ手早く切ってくれた。更にケーブルタイを数本欲しいと御願いすると快く分けてくれた。助かった、これで何とかなりそうだ。何度も御礼を言ってブースを離れ、改めてコントロールに向かう。

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 ここの大賑わい。人混みを掻き分けながらコントロールに向かう。

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 コントロールのカウンターでブルベカードを渡して、スタンプを捺してもらい通過時刻を記入してもらう。

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 チェックタイムは8/19の6:46。予定より1時間45分速い到着、あのトラブルが無かったら2時間位マージンが稼げたかと思うとちょっと悔しいがこればかりは仕方がない。

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 フードコートでコーラとカスタードクリームのケーキみたいなもので補給。ここのフードコートのコーラは前回も瓶だった。

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 日本人の集まるテーブルに座ることができた。シロキさんはPBPを走る前にフランスのSR600を走ってフランスの名だたる峠をやっつけてきたツワモノ。私的にはそんなスケジュールはどうやっても組めない。

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 マヤさんはいつも通りテンション高めでPBPをとても楽しんでいらっしゃる御様子。「途中のスーパーで買ったブドウが美味しいのよー!」と分けて下さった。確かに美味しい。

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  フードコートの片隅ではぼちぼち雑魚寝の人が出始めている。でもまだ序盤なので人数はそれ程でもない。これが工程が進むにつれてどんどん増えていくことになる。

 フードコートで25分程休憩してぼちぼち出発準備をする。