PBP2019/Report 10:Stage 6,Day 2/Loudeac -> Carhaix-Plouguer(76km/521km)

 8/20(火)、3時前に目が覚めた。眠気はそれ程でもなく割とすんなりベッドから起き上がる。

 昨夜は肌寒さで何度か目を覚ましたが睡眠時間は恐らく5時間弱は取れたのではないか。デッキチェアの様な簡易ベッドは下が布一枚で宙に浮いた様な状態なので下からが寒い。毛布も薄いので寝る時のためにもう少し着込んだ方が良かったかとちょっと反省。ウェアのまま寝たが、まあ当然疲れていたということもあるが意外に束縛感もなくすんなりと寝ることができた。これはなかなか良い経験になった。着替えやシャワーの時間を省けばそれだけで30分位の時間を節約でき、その分睡眠時間に充てられる。人間4日位風呂に入らなくても死なないし、同じ服を着続けて多少悪臭を放っていても、どうせ周りにはそんな奴ばっかりゴロゴロしている状況なので本人が気にしなければ問題なかろう、と勝手に思い込む。

 荷物をまとめてベッドを離れ、仮眠所の入口のベッドブッキングの受付で自分の番号と自発的に起きたことを告げて建物を出た。ドロップバッグを受け渡し場所の元あった場所に戻して、バイク置き場に戻る。

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 駐車スペースにはまだたくさん人がいるが、それでも昨日ここに到着した時よりは少なくなっている。90Hクラスの最後尾スタートのPCクローズ時間が3:19、現時点でほぼPCクローズの時間なのでここにいる大半の参加者は既に時間的にマイナスを背負っている状態だ。まあ、私的には恐らくこの後充分に取り返せると思っているのでそれ程焦りはない。体調に大きな異常はなく、過去2階の経験値と今のところ走行計画通りに推移していることが安心材料だ。

 自分のバイクを見つけて出発準備をする。

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 昨日買っておいたデニッシュとバナナを立ったまま食べる。出発前にフードコートに寄ることはしない。

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 空には月が煌々と輝いていて今日も快晴を予感させる。気温は恐らく1桁台中頃といったところか。半袖ジャージとレーパンでは寒いのでアームウォーマーとニーウォーマー、更にPBPオフィシャルの反射ベストを着用する。今まで3回を比較すると今回が一番寒い気がする。

 2日目はブレストで折り返して再びルディアックに戻って来る339km。今日は山道をそこそこ走って登りが結構あるので距離以上に難易度が上がる。今日がPBP行程中正念場の1日になると思われる。

 第6ステージはカレ=プルゲールまでの76km。序盤でちょっとした山道を通過するのである程度の登りを覚悟しておかなければならない。PCに着くのは夜明けになると思われる。前回はこの区間にシークレットがあったが今回はどうだろうか。

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 3:10にリスタート。PC滞在時間は約8時間。スタート時間ベースで予定より45分早く出られるのはちょっと嬉しい。

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 PC出口でスタッフさんから「Paris?Brest?」と聞かれる。そうか、もう時間的にはブレストを折り返してパリに戻る人達がいるんだな。毎回思うことだが、この時点で既に300km以上の差が付いているなんてちょっと信じられない。ちょっと次元が違い過ぎる。凡人の私はBrest方面に右折する。

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 ルディアックの街中を緩々と抜けて行く。昨日終盤でちょっと踏みを入れたせいかゴール間際で右膝に違和感が出たのだが一晩寝たら取り敢えず治まった。疲労感も薄く眠気も無いので取り敢えずそこそこ走れそうだ。

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 451km、トレヴェの街を通過。

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 455km、グラース=ユゼルの街に入った。ナイトランでは一定間隔で明かりの街に入るのはメリハリがついてかなり走り易い。

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 街を抜けると真っ暗。月明かりがあるのでおぼろげながら見えなくもないが、周囲の風景がどうなっているのか良く分からない。前走者のテールランプを目印に走る。

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 462.8km、ナビの電池が切れたのでT字路の分岐点の横に泊まってバッテリーを交換。ここは左折だが、右に行こうとする人がいるので呼び止めて左折を教える。ナビの電池交換を終えてコースに復帰、登り基調の道を進む。

 ちょっと山道っぽい登りに入って、速度が落ちたこのタイミングでそろそろ星空の写真を撮ろうかと何となく場所を探しながら走る。狭い山道なので路肩がなくやたらに止まると後続の邪魔になって危ないので、枝道があるところ探す。走っているうちにそれっぽいところがあったので停まって準備する。

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 渡仏直前にこのためにメルカリで買った小さな三脚。重量も100gに満たないのでバイクに積んで走ってもそんなに荷物にはならない。カメラは星空撮影モードが付いているCanonのS120。これもこのためだけに持って走っていた。

 南の空には月があるので主に北方向にカメラを向けて数枚撮る。

 カメラのディスプレイではどんな風に撮れたか確認できないので出来上がりを見るのはゴールしてホテルに帰ってからになるだろう。

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 その時に撮れた写真がこれら。

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 PBPの走行風景を入れようかと思ったが上手い具合に入ってくれなかった。

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 プレアデス星団が写っている。飛行機の光跡も写っていた。

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 取り敢えずそれっぽい写真が撮れたという事実が、目的をきちんと果たしたという意味においてまあ満足した。

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 15分程の撮影タイムを終えてコースに復帰、先を急ぐ。

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 真っ暗な山道をぼちぼち登って行く。前方に先行者のテールランプが見えるので全然怖くない。

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 465.7km、メルレアックの街を通過。

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 471.5km、サン=マルタン=デ=プレの街を通過。暗い教会はちょっと不気味。

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 サン=マルタン=デ=プレの街中にコントロールらしきものがあった。一瞬シークレットかと思ったが誰も強制誘導していなかったのでサービスポイントだと判断して素通りする。確か前回のシークレットはもう少し先だったはずだ。

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 475km、T字の交差点をコルレー方面に左折。

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 478.3km、ル・ファウエの街中で私設エイド。こんな朝早くにやっていてくれるのはとても有難い。私的には素通り。

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 往路と復路が重なる区間ではブレストで折り返してルディアックに戻っている人達とちょくちょくスライドする。ホント速いなあ。凄いの一言。

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 480km、コルレーの街を通過。

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 488km、サン=ニコラ=デュ=ペルムの街に入った。前回は確かこの街にシークレットがあった様に思う。街の中をうねうねと走るとスタッフさんの誘導が出て来たのでシークレットがあるものと思われる。

 488.8km地点のシークレットに到着。

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 駐車スペースにバイクを停めてコントロールに向かう。

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 コントロールの列は結構長い。案外この時間にまだここを走っている人は多いみたいだ。

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 チェックタイムは8/20の5:57。

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 フードコートでエマージェンシーブランケットに包まって寝ている人がいた。マグロのホイル焼きというよりはそのまんまミイラという感じ。ちょっと怖い。

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 フードコートには寄らずトイレだけ済ませて直ぐに出発。滞在時間は15分程。

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 敷地を出て左折方向に進む。

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 D790という太い幹線道路に乗って登り基調。霧が深くなって来た。前回は朝方になると必ず霧雨みたいな天気になっていたが、その一歩手前位な感じ。

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 時刻は丁度7時、夜が明けて来た。

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 510.8km、マエル=カルエクスの街を通過。夜が明けて白黒の世界から景色が色を取り戻してきた。眠くはないが明るくなるとやはりホッとする。PCまであと10km。

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 道路にはペインティングが所々にある。参加者向けか。courageって何だろう?(後日調べたらフランス語で勇気という意味らしい)

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 郊外の野原には霧がかかってちょっと幻想的。朝の冷たい空気が凛として清々しい。

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 カレ=プルゲールの街に入った。PCはもう目前。

 521km地点のPC5/カレ=プルゲールに到着。

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 バイクを停めてまずはコントロールに向かう。

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 コントロールの建物の入口には何やら色々な案内表示が張ってある。取り敢えずコントロールを指し示す青い紙の矢印の身に注目。

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 列は短め。直ぐに順番が回って来た。

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 カメラを向けると気さくな笑顔を振りまいてくれる。メルシー!

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 チェックタイムは8/20の7:42。

 コントロールを出た所でチャリケンさんに遭遇。結構時間が際どいとのこと、この後の巻き返しに期待。

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 次はフードコート。結構並んでいるが、御腹が空いているししっかり休憩したいのでそのまま列に加わる。

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 あちこちでちょくちょく見かける取材風景。TVの取材かオフィシャルのDVDの収録か。

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 メインディッシュのコーナー。品数は3種類位。

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 ドリンクコーナーにレッドブルが置いてあった。早速ゲットする。

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 メインディッシュはパスタの下にポークソテーが隠れている。ボウルに入ったスープが非常に美味しい。これで€12。

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 走っていると塩気が全然足りないのでテーブルに塩が置いてあるとガンガンかける。

 フードコートで25分程休憩する。

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  出発前にトイレ。トイレの案内表示がなかなかエグイ。