8/21(水)、12:40にリスタート。出発時間基準で予定より20分早い。まあ、でも今日のリスタート時にあった1時間のマージンを食い潰している状況なので多分直ぐになくなるものと思われる。
出口はパリ方面への左折一択のみ。もうブレスト方面に行く人はいないだろう。
第12ステージはヴィレンヌ=ラ=ジュエルまでの89km。基本的に往路を遡るルート。アップダウンはそこそこ読めているが、私的に苦手とする昼下がりの暑い時間帯の走行がどの程度影響してくるかが不安材料。
フジェールの街中を緩々と抜けていく。やはりちょっと暑い。このステージは結構しんどいことになりそうだ。
927.1km、ナビのルートではラウンドアバウトを左折だが数人の先行者は直進していく。確か直進は往路だがオフィシャルのGPSデータでは左折だし、なによりルート案内の矢印看板が左折を指示しているのでそれを信じてナビデータ通りに左折する。
街を抜けると長い登り基調の道になった。道脇には街路樹もなく日陰が全くない。真っ直ぐな登りの先は遠く見えて視覚的破壊力も大きい。若干へばり気味によろよろと登っていく。
930.6km、3.5km程を登ってラウンドアバウトに入った。右側の車線から合流してくる参加者が多数、どうやらここが往路と復路の分岐点の様だ。ここからが本来の往路の遡りということになる。
932.5km、レーニュレの街を通過。
小さな花が咲き乱れる草原が広がっている。それともこれは何かの作物の花なのか?
939km、ル・ロルーの街に入る。大きな自転車のディスプレイが出迎える。
ル・ロルーの街の広場も西から侵入してきた方が見栄えが良い。
もう1000km近く走って来ていると、道端で寝ている参加者の姿をちょくちょく見かける。眠くなったら寝る。草むらで寝ることを厭わなければ寝る場所は幾らでもある。むしろ混み合って煩い仮眠所よりは快適に寝られるかも。
頑張れジルベルトとルイス!
942.1km、こんな所に唐突に十字架の石碑が。墓の様に見える。
私設エイドに寄っていこうかなあと一瞬思ったものの、今乗っている列車がまずまずだったのでそのまま素通り。
946km、ラ・タニエールの街を通過。
とうもろこし畑の前の私設エイドの皆さんにカメラを向けたら家族総出で物凄く喜んでくれた。写真を撮られると喜ぶ人が結構多い。
日本人の骨っぽいAJベストは本当に良く目立つ。
956km、エルセの街に入る。
エルセは小さな街で人影も少なく静か。
エルセ在住のアラインさんはまだ頑張って走っているかな?
微妙な向かい風は相変わらずで、暑さと相俟って我慢の走りが続く。ぼちぼち尻の皮が痛くなって来てサドルに座り続けているのが辛くなってきた。私的には600kmを超えてくると大抵尻が痛くなる。擦過傷的な痛みなので一旦痛くなり始めるともうゴールまでは治らない。仮眠をすれば多少は回復するので取り敢えずモルターニュ=オー=ペルシュまでの辛抱だ。こうなることを予測してオロナインH軟膏を携帯しているので仮眠所に着いたら塗って寝よう。
ゴロンの街の入口のラウンドアバウトで地元のサイクリスト達とスライド。手を振って応援してくれる。
959.3km、ゴロンの街中を通過。
この街中もたくさんの人が沿道に出ている。マイヨジョーヌがスプリント中のディスプレイはとても良くできている。
恐らく子供さんの手書きのプラカードではないだろうか。参加者の親御さんはきっと元気百倍だろう。
973.7km、長い坂を下ってアンブリエール=レ=ヴァレーの街に入った。
思い出の街でもあり、ちょっとバテ気味でもあるのでこの街で休憩を入れる。
先ずはカフェで一服。参加者達で賑わっている。
冷たいコーラが無茶苦茶旨い。生き返る。
一息入れたら、橋を渡って懐かしの場所を見に行く。
橋を渡る間にも参加者達がどんどん通り過ぎて行く。
2011年のPBPの復路で夜中にこの花壇に頭を突っ込んで20分程寝た。この記憶は今でも鮮明に覚えている。初めてのPBPでの夢の様な出来事の鮮明な記憶というこの特異体験は人生の中でもそうそうできることではない。恐らく死ぬまで忘れることはないだろう。この場所に8年後の今、立っていることはとても感慨深い。
ピーターさん向けの応援だが、走りながらではちょっと文字が小さ過ぎて読めないかな?
アンブリエールの街で15分程休憩してリスタート。モルターニュ=オー=ペルシュまではあと38km、もう一頑張りだ。
街中から登りが始まる。この先もしばらく登り。
ゴールまで"ONLY 257km"。ここまで970km走って来ていることを考えると、確かにあと257kmしかないと思える。
さらばアンブリエール=レ=ヴァレー。4年後にまた来るよ、多分。
青い空の下に広がる薄緑と薄紫のグラデーションがとても美しい。自然の色合いの妙をしっかりと堪能する。
979km、シャントリニエの街中を通過。
時刻は15:40、気温は25℃を超えているのではと思われるが、体感は30℃位ある感じがする。暑さでちょっとぼーっとする。
ゴールまであと250km、このまま一気に行けそうな距離だと一瞬思ったが直ぐにその考えは捨てた。無理して辛い思いをして走る必要は全くない。
通過する街中の花の植え込みのさりげなさにはいつも感心する。日本だと如何にも花壇という取って付けた感があるのだが、こっちの植え込みは周囲に溶け込んでいる。恐らくその街々の住民がやっているのだろうが、どこの街でも良い感じなので最早これは国民的なセンスの問題なのだと思う。
985km、ラセ=レ=シャトーの街中で右折。
街の出口のラウンドアバウトの真ん中で何やっているんだろうと思ったら人形だった。ちょっとびっくり。
暑さでぼーっとする感じは何となく去年のMGMの時を思い出した。まあ酷暑のスペインの途方に暮れる平原の風景に比べればここフランスはまだまだ穏やかだ。
私設エイド本当にちょくちょく出て来る。前回に比べると多い気がする。
992.3km、シャルシニエの街を通過。
点在する木陰を通り過ぎるととても涼しい。湿度が低いので日向と日陰の気温差が結構ある。
996.7km、ル=リベの街を通過。往路では朝方通ったがこの自転車のタワーは憶えている。
この御年寄りの方々は日がな一日通り過ぎるサイクリスト達をのんびり眺めて過ごしているのだろう。
ここの牛は痩せ気味なのは気のせいか。
アレ、ベンジャミンというのは分かるがそれ以外は分からない。もう少しフランス語が理解できるとこういう看板がもっと楽しめるのになあ。
999km、長めの坂を上る。勾配は5%に満たないが暑い中なかなかにしんどい。えっちらおっちら登っていく。
2km弱を登ってピークを通過。ピークだと恐らく分かっていて私設エイドを設置した皆さんから声援が飛ぶ。ここは山岳ルートの観戦ポイントということか。この地点を通過して1000kmを超えた。ゴールまであと200kmちょっと。
1003.2km、アルダンジュの街に入る。
こんな所にブラジル人参加者への応援プレートが。
この街を抜けるとヴィレンヌ=ラ=ジュエルまであと10km。
1004.5kmの分岐を左折。道標にヴィレンヌ=ラ=ジュエルの文字が出てきた。もうちょっとで休憩できる。
微妙な登り坂がしんどい。やはり80km以上を一息に走るのは遠い。ステージゴールがなかなか遠い。
1009km、ルーフジェールの街に入った。
この街の中の飾り付けは往路でも印象に残っている。
この街中で間違いなく1000kmはクリア。
観客の愛犬は余り自転車には興味がなさそう。
ルーフジェールノ街を出るとヴィレンヌ=ラ=ジュエルまでは数kmを残すのみ。
道の向う先にヴィレンヌ=ラ=ジュエルの街が見えてきた。でもまだ遠く見える。
やっと街に入った。PCはもう目前。
PCへの直線に入ると沿道の両脇には物凄い数の観客!前回よりも凄い気がする。まるでツール・ド・フランスのゴールを駆け抜けている様だ。沿道の右側にはたくさんの人達がハイタッチをしようと手を挙げて待ち構えている。右手にはアクションカムを持って撮影しているのだが、この凄い熱気に包まれてついカメラを持ったまま観客とバシバシハイタッチをしてしまった。(案の定、後で確認したら動画ファイルは壊れていて再生不能だった。かなり落胆、往路序盤でアタッチメントバーを壊してしまったことが返す返すも悔やまれる)
辺りを見回す限り、人、人、人。物凄い数の観客でごった返している。ここのPCの熱気は本当に凄い。この辺りは自転車レースの盛んな地域だと昔誰かに聞いた覚えがあるがこれを見ると納得できる。バイクスペースをやっと見つけて駐車し、まずはコントロールに向かう。
ブルベカードと一緒にステッカーと何かのパンフレットを貰った。後でゆっくり見よう。
チェックタイムは8/21の17:28。ほぼ予定通りの到着で、この区間で更に30分ロスしている。流石に1000km走って来て色々と身体にガタが出て来たのがペースダウンに繋がっているか。でもまあ気持ち的にはまだ余裕があるのでそれ程切羽詰まった状況ではない。だんだん空欄が少なくなって来て気が付いたらあと3つになっていた。PC1に着いた時は先は途方もなく長い気がしたけれど、着実に終わりが近付いている。
フードコートに寄ってコーラを2本とデニッシュを1つ食べて15分程休憩。
フードコートを出た。外の芝生ではやはり寝ている人が多数。こんな賑やかな中でも眠気には勝てないということか。
この観客の皆さんにとってはプロもアマチュアも関係なく、この1200kmという冒険へのチャレンジャー達をリスペクトの念を持って見守ってくれているのがそこはかとなく伝わってきて本当に嬉しくなる。この空気の中にいて、一人前のサイクリストとして扱ってもらえるこのフランスでの体験は本当に貴重で忘れ難い。
通路でハイタッチをしていた可愛らしい女の子の写真をゲット。これを日本の某有名ランドヌールへの御土産にすることを真っ先に思い付いた。
自分のバイクをどこに停めたか分からなくなってちょっとの間探し回った。