12/26に1日早い仕事納めをして10日間の年末年始休暇に入って早3日目。気が付いたら12月ももう終わりで3日後はもう新年だ。ブログネタはたくさんあるのだがブルベシーズンが終了してブログもオフになった感じがあってさっぱり書く気がしなかったが、いよいよ年末も押し迫ってちょっと書く気になってきたので取り敢えず書き始めてみる。
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ブルベに本格参戦する様になってからシクロパビリオンに行く機会がめっきり減ってしまっていたが、以前から「ダンシングレクチャー」は受講してみたいとずっと思っていて機会を伺っていたものの、タイミングが合わずになかなか参加できずにいた。ブルベの2019年シーズンが終わったところで上手い具合にこのイベントが開催されることを知り、一念発起して2回に分かれたレクチャーに去る11/10と12/1に参加してきた。
両日とも朝8時に東松山のシクロパビリオンに集合し、途中昼食休憩を挟んで16時位まで正味6時間位、インストラクターの香立さんから越生の登り坂を使ってみっちりダンシングのノウハウを仕込んでもらった。有料レクチャーなので詳細は伏せておくが、ブルベは勿論もう何年も相当な距離を走り込んでさんざん坂を上ってきたが、たかがダンシングと思っていた乗り方にこれ程までにノウハウがあるとは正直予想していなかった。
レクチャーの途中でハンドル幅の狭さを指摘され、更にハンドルが高過ぎるといきなり1.5cmも下げられた。で、実際に下げてみて教わった一連の動きを実践してみると驚く程に動きがスムーズになった。たかがダンシングと今までは我流でやってきたが、専門家に指導を受けるとまだまだ改善点が沢山あり練習が必要だということが良く分かった。この2日間は予想以上に得るものが多く非常に有意義だった。これで来年の1001Migliaへのチャレンジが現実味を帯びてきた様に思う。
こういうレクチャーを受けていつも思うのは、何気ない動作にはコツがありそれをきちんと押さえることで体力を温存し効率的な動作ができるようになるということだ。自転車や楽器(特にドラム)をやっていていつも思うのは、手足を速く強く動かすためにはコツというかノウハウがあってそこをきちんと習得して練習を積まないとあるレベルから更に上達しないということだ。自転車も楽器も動作を分解していくと単純動作を繋ぎ合わせて連続して長時間行うもの。自転車は足でペダルを踏みクランクを回して推進力を得るし、ドラムは手でスティックを握りタムやシンバルを叩き、フットペダルを踏んでベードラを叩く。この動作を連続して行い自転車なら何時間も、ドラムなら何分も持続させなければならない。スピードと強さが要求され、それを長時間に渡って持続させるには自ずと体力が必要となる。スピード・強さの向上と体力の温存という相反する目的を両立させるのにノウハウが必要となってくる。一つの動作を行うのに、局部的な筋肉だけを使い常に力を使っているとあっという間に疲労し長時間の持続はできない。また、反復運動は簡単に言えば”押して引いて”を連続して行う単純動作だから押す時間が長かったり引く時間が長かったりすると次の動作に移るタイミングが遅くなりスピードを上げることができない。私的に考えるノウハウとは、
・局部的な筋肉だけを使わず動作を全身に分散させる。
・各部位の筋肉に力を入れている時間を極力短くする。
ことだと思う。例えばスティックでシンバルを叩く動作だが、スティックを5本の指でしっかり握り手頸と肘を固定して肩の動きだけで叩くとあっという間に肩が疲れるしアップテンポの連打など到底できない。この動作を、
・親指と人差し指の2本でスティックを軽く握り、残り3本の指でスティックを握ったり開いたりするアクション。
・手首を動かすアクション。
・肘を動かすアクション。
・肩を動かすアクション。
・腰を回すアクション。
に分解し、それぞれの動きと力の入れ具合、特にそれぞれの筋肉に力を入れている時間を極力短くする方向で、更に、
・重力(腕の重さ)を利用。
・シンバルを叩いた直後の反動を利用。
を加えてその動作に最も効率的な各部位の連携を整えるのがノウハウだと思う。
自転車も同じ様な考え方で、脚全体は勿論のこと上半身や腕に動きを分散させ、脚の自重やクランク回転の慣性を上手く使い、それぞれの筋肉に力を入れている時間を極力短くして次の動作の妨げにならないことを念頭にペダルを踏むという動作を整えていくと、特にブルベなどの長時間持続走行に相応しいペダリング動作になると思う。
これらの動作を整えることができたら、次はそれが意識しなくても繰り出せる様に身体に覚えさせるのが練習だ。
自転車も楽器も練習するというのは”如何にヒットポイントの力を大きく時間を短くして、それ以外の力を抜いていくか”ということだと思う。
もう一つ。単純動作の反復練習というのは地味で面白くない。でも練習しないと身に付かない。面白くない練習を継続できるかどうかが上達の分かれ目だ。練習するというのは動作を練習するということは勿論だが”練習することを練習する”ということでもある。練習することを厭わなくなればこれは相当な武器になる。
私的には50歳をとうに過ぎてしまったが楽器も自転車もまだまだ上手くなりたいと思っている。気持ち的にはまだまだ伸びシロはあるものと勝手に思い込み、来年もせっせと練習に励みたいと思う。