2020Fleche1018日本橋/Report2:ブルベ当日

[目次]

スタートまで

 10/17(土)、7時前に目が覚めた。睡眠時間は十分、すんなりとベッドから起き上がる。まずは窓の外を見てみるとどんよりと曇り空だが雨は降っていない。お、これは有難い。ぼちぼち身支度を始める。

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 昨日買ったパンを食べながらウェアに着替えてまた窓の外を見たら、既に雨が降り出していて路面が既に濡れているではないか。落胆しつつ気温も低めなので止む無くレインウェアを上下とも着る。

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 8:15にホテルをチェックアウトして集合場所のじょいさんの泊っているホテルに向かう。このホテルから100m程離れたところにある。

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 8:20に集合。ぼちぼち出走準備をする。皆、雨天走行用の完全装備で固めている。

 8:30過ぎに出発、3.8km離れたスタート地点のファミリーマートに向かう。

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 朝の郡山市街は交通量も多い。輸送してきたバイクは取り敢えず問題はなく走っているので一安心。左膝は予想外に痛みはない。まあこのまま最後まで行けるとは思っていないが取り敢えずスタート時だけでも楽に走れるのは有難い。

 8:40過ぎにスタート地点に到着。スタート時間の9時になるまでしばし待機する。

 今日のルートは郡山をスタートして猪苗代湖に上がり北側から半周、そのまま白河に下って馬頭、筑西、加須、鴻巣、入間を経由し西から東京都内に入って日本橋にゴールする360.1km。

 前半は山がちで標高500m程の猪苗代湖に上がるが元々郡山が250mの高さにあるので実質250mの登り。ここをこなしてしまえば最高標高地点の勢至堂トンネルもその後の白河の関も登り的にはそれ程な額はない。獲得標高差は2800m程度だが数字程の難易度ではないはず。那須烏山を過ぎると基本ゴールまで平坦なので後半は楽ができるはずだ。問題は雨。取り敢えず日中はずっと降り続けて夜半過ぎに止むという予報だが果たして予報通りに止んでくれるのか。天気次第で難易度は大きく変わって来る。目論見としては326km付近の所沢市街まで19時間前後で走って所沢駅前のインターネットカフェで2~3時間位の仮眠休憩を入れたいところだが果たして上手く走れるだろうか。

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 スタート時刻の9:00になった。時刻ぴったりの証明用レシートをゲット。

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 スタート直前の記念撮影。皆さん24時間頑張りましょう!

スタート/ファミリーマート郡山金屋店->PC1/セブンイレブン会津湊店(55.6km)

 10/17の9時過ぎに雨がパラパラと降る中、緩々と走り始める。最初の目的地は55.6km先のPC1。

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 郡山市街はかなりの交通量。でも10kmも走れば郊外に出るので少しの間の辛抱だ。

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 1.5km、郡山警察署前交差点を通過。ここは1週間前アタック二本松で通過した場所。

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 左を向けばその時に泊まったルートインが見える。あの時のきつかった思い出が頭の中をよぎる。

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 7.4km、国道49号を北上しつつアタック磐梯山の定宿であるルートイン郡山インターを通過。

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 10.1km、卸団地入口交差点を通過。アタック磐梯山の時はここを左折するが今日は直進。アタック磐梯山のルートを遡る。

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 猪苗代湖までは27km。じわじわと登り基調になって来た。

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 気温11℃、雨が降っているので体感的にはもう少し低い。取り敢えずレインウェアを上下とも着ているので寒さは感じない。

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 12kmを過ぎて市街地を完全に抜けてはっきりとした登りになって来た。

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 17.3km、皆さんまだまだ余裕綽々。

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 早くも左膝が痛み始めた。負荷をかけまいとすると皆とどんどん離れていく。まあ、まだ序盤だし慌てる必要はない。マイペースでぼちぼち登って行く。

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 標高が上がるにつれて気温が下がって来た。8℃はかなり寒い。やはりレインウェアを着込んだのは正解だった。

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 26.8km、中山トンネルに到達。このトンネルを抜ければ登りは終わりだ。先ずは位置エネルギーをしっかり溜めることができた。

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 猪苗代湖畔に出た。相変わらず雨はパラパラと降り続いている。平坦基調になってほっと一息。

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 雨の猪苗代湖は荒涼とした風景。眺めているとちょっと気が滅入る。

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 磐梯山は雲に隠されて見えず。国道49号はそこそこ車通りがあって神経を使う。普段余りやらない集団走行だと猶更。

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 48.0km、国道49号を逸れて左折、猪苗代湖の北側を半周する。

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 南の空は少し雲がまばらになっている様に見える。南下して行けば雨は止むのか?過度の期待を持つのは止めておこう。

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 湖畔の道路は車通りもなく落ち着いて走ることができる。PCまでもう直ぐ。

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 55.6km地点のPC1に到着、チェックタイムは10/17の11:57。

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 バイクを降りると身体が直ぐに冷えて急に寒くなって来た。汗冷えをしたということもあるが標高が上がって更に気温が低くなっている様だ。レインウェアの下は半袖ジャージだけなので取り敢えずアームカバーを装着する。

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 この焼き芋飲料がなかな美味しい。メンバーで協議の結果、この先でちゃんと食事をしようということになりここでは軽く休憩のみ20分程で出発。

PC1->PC2/セブンイレブン結城店(57.6km/113.2km)

 次の目的地は57.6km先のPC2。この区間にこのコースの最高標高地点の勢至堂トンネルがある。

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 食事ができる場所を探しながらぼちぼち走る。

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 68.5km、カワダさんの嗅覚で1軒の食堂の前で止まる。どうやらラーメン屋さんらしい。

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 結構賑わっていたが直ぐに座れた。熱々のラーメンで冷えた身体を温める。

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 味噌ラーメンを頼んだら野菜の量が凄かった。いつもの癖でうっかり大盛りを頼みそうになったが止めておいて正解だった。

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 アタック磐梯山の時にはいつもここは夜に通過するのでこういう店があることは全く気付かなかった。満腹になって温まって13時半にリスタート。

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 72.0km、国道294号をトレースして白河・長沼方面に右折。ここから先はぼちぼち勢至堂トンネルへの登りが始まる。

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 勢至堂トンネルまでは約5km、後半に5%超になるがそれ程きつい坂ではない。しかし膝が痛いので負荷をかけない様に登るのがなかなか大変、先行するじょいさんやカワダさんにみるみる離されていく。

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 78.0km、勢至堂トンネルに到達。トンネルを抜けると直ぐに下りが始まる。

 下り始めてふと後ろを振り返るとモリタさんが来ない。一旦停まって待つがなかなか来ないので戻ってみたらトンネルの入り口付近で停まっていた。チェーンが外れたとのことだが既に復旧していたのでそのまま一緒に下る。。

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 85.5km、長い下りを終えて国道118号に合流、南会津・白河方面に右折。

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 微妙な下り基調はまだ続く。快調に距離を消化していく。

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 雨は小降りになったがまだ路面はしっかり濡れている。下界に降りて来て気温がちょっと上がった気がする。

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 95.4km、天栄村のアップダウンの途中の道の駅でトイレ休憩を入れる。15分程でリスタート。

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 98.5km、白河市に入る。アップダウン区間で登りで離され下りで追い付くというのを繰り返す。足を引っ張ってしまい申し訳ない。

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 109.7km、国道4号に一瞬だけ乗って白河市街方面に進む。

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112.1km、白河市街に入って来た。棚倉・石川方面に左折するとPCはもう目前。

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 113.2km地点のPC2に到着、チェックタイムは10/17の16:04。

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 曇り空ということもありそこそこ暗くなってきた。白河の関を明るいうちに越えるのはちょっと難しいか。途中で昼食休憩を入れたこともあるがここまで7時間というのはちょっと遅れ気味。仮眠休憩を入れることを考えれば多少ペースアップは必要な感じだ。20分程の休憩の後出発。

PC2->PC3/ローソン那珂川馬頭店(51.8km/165.0km)

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 次の目的地は51.8km先のPC3、この区間に白河の関越えがある。ここをクリアしてしまえば今回のコースの殆どの登りを消化することになる。この区間も頑張りどころだ。

 白河市街を抜けて、アップダウンを繰り返しながら徐々に白河の関に近付いていく。

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 125.2km、2km程の緩い登りは割とあっさり終わって辛うじて薄暮の残る中白河の関を通過。通過時刻は17:05。

 席を超えて直ぐに工事中ダート区間があるので慎重に下る。

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 132.1km、白河の関からの下りを終えて県道60号に合流、伊王野方面に右折。

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 県道60号に乗った途端、カワダさんが猛然と引き始める。ダッシュの効かない私は3人にみるみる中に引き離される。下り基調ということもあってなかなか集団に追い付けず、これ以上間隔を空けられない様に堪えるのが精一杯。必死で付いていく。

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 146.5km、信号待ちでようやく追い付いた。なかなかしんどい。左膝の痛みはそこそこあるが痛みが増してきていないのは幸い。

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 こうやって集団で走ってみると、自分は他の人と比べてスタートダッシュが遅いということが改めて良く分かる。ストップ&ゴーで加速が鈍いと直ぐに差がついてしまう。やはり集団走行は自分の走り方と違うことが多々あるので難しい。取り敢えず引き離されない様に意識して加速する様に心掛ける。

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 161.9km、馬頭温泉郷の小さな峠を越えて小口交差点まで下りてきた。左折方向に進む。

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 162.7km、北向田交差点を左折すればPCはもう目前。

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 165.0km地点のPC3に到着、チェックタイムは10/17の18:53。

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 ここまで約10時間はそこそこ遅れが明確になって来た。このペースだと所沢での仮眠休憩は2時間取れるか取れないかといったところ。何だかんだでやはり集団走行は時間がかかる。夜間走行なので先ずは安全第一でペースを守って走ることを心掛ける。20分程の休憩の後出発。

PC3->PC4/ローソン筑西直井店(56.8km/221.8km)

 次の目的地は56.8km地点のPC4、到着は22時を過ぎるか。

 那珂川沿いの県道27号をぼちぼち南下する。

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 173.3km、右折して興野大橋で那珂川を渡る。暗くて川は見えない。

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 県道27号の微妙なアップダウンが地味にキツイ。左膝はまだ何とか持ち堪えている。取り敢えずもう長い登りは無いのがせめてもの救いかな。取り敢えず雨は止んで落ち着いて走れる様になってきた。

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 180.5km、茂木町に入った。やっと中間地点を過ぎた。時刻は20時、ここまで11時間ということは同じペースで行くと所沢まで後9時間、10/18の5時到着ということになる。そうなると仮眠休憩は1時間位か。結構厳しい状況になって来た。

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 190.4km、市貝町の街中に入って来た。メンバーはまだ元気な様子で、眠気を訴える人はいない。取り敢えずこのまま走り続ける。

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 196.8km、県道1号に合流して宇都宮方面に右折、真岡鉄道の踏切を越える。

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 夜になって車通りの少なくなった平坦路を淡々と走る。信号も少ないので巡航速度はそれ程高くなくても順調に距離を消化していく。メンバー相互に入れ替わりながら世間話をしつつ進む。こういう時間がFlecheの楽しいところ。

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 221.8km地点のPC4に到着、チェックタイムは10/17の22:04。

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 スタートから13時間が経過、メンバーの表情にも少しずつ疲労の色が見え始めている。カワダさんが眠気が来ているという申告もあり、この後の行動を協議する。取り敢えず筑西から古河の街中で食事休憩か仮眠休憩を入れようということになり、走りながら適当な場所を見つけて止まろうということになった。そろそろFlecheの過酷さが現れてきたか?20分程の休憩の後出発。

PC4->PC5/ローソン大利根砂原店(40.1km/261.9km)

 次の目的地は40.1km先のPC5。距離的には大したことはないが恐らくこの区間のどこかで大休止が入ることになるだろう。

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 何となく街明かりのある場所を通過していく。取り敢えずカワダさんとじょいさんに休憩ポイントの選定は御任せしているが、なかなか適当な見つからない様だ。

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 時刻は23時を回った。もう少しで日付が変わる。私的には眠気は全くないので取り敢えずは問題ない。

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 244.5km、国道4号を横切る。ぼちぼち古河市街に入っていく。

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 古河市街に入ったところでカワダさんの眠気がマックスになり、コインランドリーを見つけてストップ。カワダさんやじょいさんは濡れた衣類を乾燥機に放り込んで乾く間に仮眠を取る。私は特にやることもないし眠気もないので外で待機。30分程の休憩の後出発する。休憩している間に日付が変わった。

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 カワダさんは取り敢えずすっきりしたということで一安心。例え15分程の睡眠でも効果はそれなりにある。

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 253.5km、古河駅前を通過、右折して渡良瀬川方面に向かう。

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 255.0km、三国橋で渡良瀬川を渡る。時刻は0:40、ようやく埼玉県に入った。

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 渡良瀬遊水地から県道46号に乗って再び南下開始。

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 昼間なら危険な埼玉大橋もこの時間なら車も殆ど通らずに落ち着いて走れるのは有難い。PCはもう目前。

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 261.9km地点のPC5に到着、チェックタイムは10/18の1:11。

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 徐々に疲労の色か濃くなっている。ここから夜明けまでの時間が正念場だ。所沢までは後65km、4時間近くかかるはずだ。まとまった仮眠休憩を確保するのがかなり難しくなった。狭山市のインターネットカフェで仮眠休憩を入れるとい案も出たが、22Hポイントから距離がある場所でギリギリまで寝るのはリスキーと判断して見送り。再度協議の結果、できるだけ入間に近付いてから食事休憩を入れようということになった。20分程の休憩の後出発。

PC5->PC6/セブンイレブン狭山下広瀬店(50.9km/312.8km)

 次の目的地は50.9km先のPC6、取り敢えずはノンストップで向かうことにする。

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 272.6km、騎西の街中を通過、左折して鴻巣方面に向かう。この辺りまで来るとかなり戻って来たという感じがする。

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 276.0km、鴻巣市に入った。ゴールまで残り100kmを切った。22Hポイントまでは残り60kmを切った。現在時刻は2:10、大休止を入れなければ取り敢えず22Hポイントまでは行ける目途が立った。

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 この時間になってモリタさんが淡々と先頭を引く。もうどこから見てもベテランランドヌールの風格が漂う姿はとても頼もしい。

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 281.0km、鴻巣市街を通過、本町交差点を北本方面に左折。確実に地元に近付きつつある。少しずつ安心感が増してくる。

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 メンバーの眠気の具合は小康状態の様で、そこそこ会話が飛び交っている。状況的には良い状態が保たれている。

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 302.0km、上戸交差点を通過、左折して狭山方面に向かう。取り敢えずPCまでは一本道だ。

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 305km辺りからいよいよ柏原交差点までの4km緩斜面ヒルクライムが始まった。アタック二本松のラストと同様、左膝が痛いのでかなり辛い。ひたすら無心に脚を回すがいつまで経っても終わらない。たかだが1~2%の坂がこんなにきついとは、正に坂の無間地獄の様だ。

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 309.1km、やっとの思いで柏原交差点に到達。これでまた一つ試練をクリアした。左折方向に進めばPCはもう直ぐ。

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 312.8km地点のPC6に到着、チェックタイムは10/18の4:22。やはりPC4から4時間近くかかっている。これ位が今の我々のペースだ。これ以上上げることは難しいだろう。ここから14km先の所沢に着くのは6時前と見積もるともうどうやってもインターネットカフェでの仮眠は無理だ。食事休憩も時間的に厳しい。協議の結果、食事休憩も諦めてできるだけ22Hポイントに近付いて仮眠できる場所があればそこで短時間仮眠を取るということで落ち着いた。私的には空腹感は全くなく、眠気もないが念のためカフェインチャージでコーヒーを飲む。20分程休憩の後出発。

PC6->PC7/セブンイレブン東久留米八幡町2丁目店(19.5km/332.3km)

 次の目的地は19.5km先のPC7。取り敢えずできるだけ近くまで行くことにする。

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 313.7km、入間豊水橋を渡る。オダ埼清水班のブルベならばこれでゴールだが。まだ50km弱残っている。でも距離で言えばあと50km弱を走れば終わる距離まで来ているということだ。少しだけ余裕が出てきた。

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 324.3km、大六天交差点を左折して所沢市街に向かう。この辺りはもう完全に私の生活県内、真っすぐ直進すれば数100mで我が家だ。幸いここで家に帰りたくなる程の悲壮感はない。

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 331.0km、東久留米市に入った。PCはもう目前。ここまでに仮眠できそうな場所は見当たらないので取り敢えずPCまで行くことにする。

 PC7に辿り着いたと思ったら、何ということだ!閉店しているではないか。去年の年末にコースを作った時にはあったのに、まだ閉店したばかりの様だ。ここまで来てこんなトラブルに巻き込まれるとは予想だにしなかった。一瞬頭が真っ白になったが、気を取り直して善後策を考える。モリタさんがこの近くのコンビニを調べてくれてここから700m南に行ったところにセブンイレブンがあることが判明した。どうやらそこに移転したらしい。700mのずれならば22Hポイントからゴールまでの最低25kmは確保される。とりあえずそこを新たな22Hポイントと定めて申請時にオフィシャルに申告すれば何とかなると割り切った。取り合えずそこに向かう。

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 333.0km地点の新PC7に到着、チェックタイムは10/18の6:30。

 何だかんだで結構きわどかった。取り敢えず7時のレシートをゲットするまでしばし休憩する。

 待っている間にどんどん朝になって朝日が差してきた。今日は快晴、流石にもう雨の心配をする必要はないだろう。

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 結局この付近で仮眠できそうな場所はなかったのでカワダさんとじょいさんはここで仮眠。

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 残念ながらモリタさんは業務命令で東京23区内に入れないためここでDNF。予め判っていたことではあるが、ここまでの苦難の道程を考えると御本人も他のメンバーも無念の一言だろう。しかし相手はこのコロナ禍、こればかりはどうしようもない。

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 ここでもう一度メンバーの記念撮影。ここまでのモリタさんの頑張りに報いるためにも改めて完走への決意を新たにする。モリタさん、ここまで本当にありがとう!

 ゴールまでは27.1kmだがここから先は首都圏の市街地走行、俗にいう”信号峠”が一気に厳しくなる。果たして13.6km/hでゴールまで走れるのか不安になって来た。7:00ジャストのレシートをゲットしたら1秒も無駄にせず直ぐに走り出せるようにしなければならない。気合を入れるためにレインウェアを脱いで半袖ジャージにレーパンになる。朝の冷たい空気がピリピリと肌に刺さる。ついでに左膝の湿布薬を貼り替える。気休め程度だがやれることは全てやっておく。

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 じょいさんに7:00ジャストのレシートを纏めて取得してもらった。速攻でバイクに跨り出発する。

PC7->Goal/ローソン内幸町1丁目店

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 モリタさんに見送られつつPC7を後にする。泣いても笑っても後2時間で勝敗は決する。左膝は痛いがここまで来たら気遣っている場合ではない。Flecheを走る機会はそうそうないし、ここまで来ているのだからもうどうやっても落とせない。とにかく必死で走る。

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 336.6km、田無一丁目交差点を通過。思った程車は多くない。残り時間は1時間46分で残り距離は23.5km。

 取り敢えず踏めるだけ踏み倒す。じょいさんもカワダさんもしっかりと付いて来てくれる。最後の最後でこの余力は本当に有り難い。

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 347.5km、環七を横切る。そこそこ車通りが増えてきた。残り時間1時間16分で残り距離は12.6km。

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 新青梅街道の信号は2個に1個の割合で引っ掛かる感じ。都心に入っていくに従って更に信号が増えていくから全く予断を許さない。

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 352.9km、中央線ガード下を潜って新宿一丁目に到達。残り時間56分で残り距離は7.2km。行けるか?

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 353.1km、富久町西交差点を右折、明治神宮方面に進む。

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 354.4km、慶應義塾大学病院脇を通過、残り49分で5.7km。まだ安全圏とは言えない。もしここでパンクが発生したらパンク修理をしている時間はなく、潰れたタイヤでは間に合わない。

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 356.7km、乃木坂交差点を右折。乃木坂ってあのアイドルグループのあれか?乃木坂4?が何だったか分からないと話しをしたら46だとじょいさんが教えてくれた。あれ系のアイドルグループの数字には法則があるとじょいさんに教わったが何だったか直ぐに忘れてしまった。残り時間は41分で3.4km。何とか行けるか?

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 都心の街中をうねうねと進んでいく。何でこんなところをルートにしたのか全く理解できていなかった。やはりある程度土地勘がないととんでもないルートになってしまう。今後は気を付けなければならない。

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 358.4km、溜池交差点を左折。残り35分で1.7km、流石に安全圏に入って来たか。いや、最後の最後まで気を抜いてはいけない。

 国会通りの登り坂が無茶苦茶キツイ。膝が痛い上にほぼ脚は売り切れ、出し尽くした感じだ。

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 359.3km、霞が関二丁目交差点で正面からFlecheの参加者と思われる集団がやってきた。恐らくゴールしたのだろう。手を振ってエールを送る。残り30分で0.8km。もう流石に大丈夫だろう。

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 もうゴールは目前、この角を曲がればゴールのコンビニだ。

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 10/18の8:35、無事ゴール地点に辿り着いた。長い長い試練の旅が終わった。

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 御二人とも多少の疲労は見えるが至って元気そう。爽やかな笑顔でここまでの健闘を称え合い労をねぎらい合う。変更後のナイスプレイスはここから8km程戻った代々木にあるがもう流石にここから再び都心の交通渋滞の中を走る気力も体力もない。協議の結果、郵送手続きとすることになった。ナイスプレイスに行けばその場で認定が確認できるがそこはもう我慢するしかない。

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 10/18の9:00ジャストのレシートをゲット。これで全ての通過証明用のレシートが揃った。ブルベカードに必要事項を記入しこれで申請準備はできた。

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 メンバー3人分のブルベカードとレシートを封筒に入れてコンビニ内のポストに投函。取り敢えずやるべきことは全て終了、これで我々のFlecheは無事に終了した。

ゴール後

 ここでチームは解散。じょいさんはこれから日本橋に行くとのことで、ここで御別れ。2日間の強行軍でしたが本当に御疲れ様でした!仙台まで御気を付けて。カワダさんと私はここから400m程のJR新橋駅に向かう。

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 新橋駅前でバイクパッキングをして輪行態勢を整える。JR山手線に乗って池袋に向かう。途中東京駅でカワダさんとは御別れ。御疲れ様でした!

 独りになって気が抜けてどっと疲れが出てきた。集中力が切れて今どこを走っているのか、次の駅がどこなのか一瞬分からなくなってしまう。家までが途方もなく遠く感じる。

 池袋で西武戦に乗り換えて西所沢に向かう。ふっと気を抜くと時間間隔が無くなって長い時間電車に乗っているような錯覚に陥る。

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 ようやく西所沢に到着、よろよろと輪行解除して自宅に向かう。左膝はビリビリ痛いがもうどうでも良い感じ。

 12時に帰宅。そのまま布団に倒れ込んだ。

 1時間半程気を失って覚醒。ボケた頭で今回のFlecheを振り返る。私自身は持てる全てを出し尽くしたし多分これ以上の最善はなかったのではないかと思える。身体はボロボロ、精神的にも燃え尽きて抜け殻状態。Flecheはきつい。本当にきつかった。これをもう一度やれといっても再チャレンジできる気力はない。認定はともかく完走まで持ってこれたのはひとえにチームメンバーの御蔭、本当に感謝しかない。

 とにもかくにも1週間間隔のアタック八戸1000km、SR600奥入瀬、アタック二本松600km、Fleche日本橋が終わった。とてつもない開放感でしばし放心状態。これにて今回のFlecheは終了、と言うより怒涛の1か月が無事に終わった。

 

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 Flecheを走り終えてちょうど1か月経過した。身体的なダメージは完治したが、当時の辛い記憶はまだしっかりと残っている。コース自体は我ながらそれ程出来の悪いものだとは思わないが如何せん天候が悪かった。いきなり気温が下がり冷たい雨に10時間以上打たれて走り続けたのはやはり辛かった。結構な本数のブルベを走っている私が他のブルベと比較してあそこまでの辛さを感じていたのだから当然他のメンバーも辛い思いをしていたのではと思う。でもチームの雰囲気を保つために皆で気遣い協力して走り続けそしてゴールを目指すという作業は、正にFlecheはランドヌール(ズ)の基本精神が試されているのだと思う。今回のメンバーは皆走りのポテンシャルはしっかりしている上にキャラクター的にも常に安定しているので、正にFlecheでチームを組むには最適なメンバーではなかったかと思う。土壇場で飛び入り参加のじょいさんとの数奇な巡り合い、中盤での鬼引きでペースをキープしてくれたカワダさんの頑張り、業務上の制約でゴールまで辿り着けないことが分かっていながらギリギリまで走ってくれたモリタさんの献身など、私的には唯々メンバーに感謝しかない。去る11/3にオフィシャルから暫定リザルトが公開され無事に認定を確認した時はほっとして全てが報われた気がした。無事に完結して本当に良かった。

 このFlecheの完走認定をもって3度目のR5000、R10000のアワードの条件が全て揃った。今年はコロナ禍の自粛期間によって幾つかの目標が潰えてしまったが、これだけはクリアできて良かった。申請は来年に持ち越しなので実際にアワードを手にするのは再来年の春になるだろう。

 Flecheは大変だという認識は今回も変わらなかった。やはり再びR5000やR10000のアワードが絡んでこないと多分走らないだろう。でも走り終えた時の達成感と開放感は他のブルベとは比較できない程に格別なものであることもまた実感することができた。非常に貴重な経験だったと思う。もしまた4年後にFlecheにチャレンジする機会が巡って来たならばまたこのメンバーで走りたいと思うし、今度こそ全員揃ってゴールしたいと思う。メンバーの皆さん、本当にありがとうございました!

 

 さて、次のブルベはBRM1031埼玉200㎞アタック筑波紫陽花、2020年シーズンの締めくくりとなるブルベだが、次回詳報の予定。