3本目のSG

 2/18から始まった私的10連休は早くも7日目に突入。例年ならばこの5日間の有給連続取得制度は夏頃に権利行使して超長距離ブルベの遠征に充てていたのだが去年はコロナ過で行使する名目を失い業務の繁忙期がずるずると遅延していったことも含めて結局年度末期限ぎりぎりの消化的取得となってしまった。唯一の予定だった600kmブルベの沖縄遠征もコロナ第6波の襲来による蔓延防止等重点措置の延長でキャンセルせざるを得なくなり10日間が文字通りの休暇消化になってしまった。それならそれで気持ちを切り替えてこの10日間を自宅を拠点とした自転車と音楽のミニキャンプに設定することにした。自転車は蔓延防止で遠出はできないので近所の多摩湖CRを10日間で60周する目標を掲げた。音楽はギター、キーボード、ベース、ドラムのそれぞれの課題的フレーズの集中反復練習による克服を目論む。取り敢えず今日まで順調に練習を積み上げて来ているところだ。その流れでさて本題と行きたいところだが、その前にウクライナへのロシア侵攻について一言書いておきたい。

 今日の昼過ぎ、ウクライナへのロシアの軍事侵攻が始まった。同時刻には国連で安保理の緊急会合が開かれてる最中にである。プーチンの世界秩序への重大な挑発である。まず、いかなる理由があろうとも武力による国家主権の侵害は絶対に許されるものではない。プーチンは未だに領土拡張の覇権主義に囚われ、ウクライナ国内に親露勢力を隠然と作り上げてウクライナ国内の政情不安を演出し親露政権の樹立と独立を国連の協議を経ることなく一方的に承認しその保護を目的として一方的に軍事侵攻するという極めて狡猾な手法で領土拡張をしようとしている。単刀直入に言うが、領土拡張を目論んで武力という選択肢を行使したという意味においてプーチンは完全にクズだ。プーチンは戦端を開いた直後に「ソ連崩壊で多くのものを失ったが、現代のロシアは世界で最も強力な核保有国の一つ。我が国を攻撃すれば、壊滅し、悲惨な結果になることに疑いない」とのたまっている。これは明らかに武力による世界への威嚇だ。こんな指導者は如何なる理由があろうとも絶対に認めない。日本はロシアと北方領土問題を含む様々な外交課題を抱えている立場だが、国益に囚われることなく平和自立国家として平和的世界秩序を維持するために毅然とした対応を取らねばならない。これは即ちアメリカNATOに完全同調することを意味しないが、少なくともロシアの軍事侵攻に関して言えば絶対に看過してはならないということだ。これは同時に中国にも言えることだ。中国はウイグルやチベット、南シナ海で領土拡張を目論んでいるし台湾を強制併合しようとしている。ロシアと中国の覇権主義を絶対に看過してはならない。

 一方で、この軍事侵攻が始まった途端、ツイッター上ではあちこちから”憲法9条は無力”、”日本も軍備増強を”という言葉が溢れ出てきた。やれやれ、”コロナはただの風邪”の次はこれか。簡単な話、国が衰退・滅亡するのはこういう馬鹿が増えるからだ。戦争の悲惨さも知らず自分が戦地に駆り出されて味わう恐怖も知らず国のために死ぬ覚悟もない平和ボケの連中が適当なことを喚くんじゃない。武力の持つ抑止力とは敵方の恐怖心と理性に頼るという極めて不安定で危うい対処療法だ。軍拡がエスカレートすれば敵味方双方の恐怖心が増し理性が削られていく。そしてどちらか一方が理性を失えばその瞬間に戦争が始まる。憲法9条とは日本国民の平和への理想と決意の具現なのだ。この条文を自国憲法に刻み丸腰で世界平和を希求するのが、過去に大きな過ちを犯しそこから多くを学び成長したはずの日本国民の理性と勇気なのだ。本当に怖いのは国民がこの理性と勇気を失うことだ。今、日本はその危機にあることは間違いない。自民党の軍備拡張、日米安保の集団的自衛権の拡大、憲法改正を絶対に阻止しなければならない。再び戦前回帰への道を選択することは絶対に許されないのだ。

 取り敢えずウクライナ情勢はこれから日々注視していくと同時に、私的にはSNS等でも場末のほんのかすかな声ではあるが世界世論の一部になるべく声を上げ続けるつもりだ。

 

 さて、今日の本題。ギターの修理の話。

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 我が家の3本目のYAMAHA SG、SG-1000N。このギターは2019年の10月に我が家にやって来た。2015年にSG-1300を手に入れてから取り敢えずSGはもう最後まで行き着いたと思っていた。が、私的にはSGには単なるギターということでは収まらない特別な思い入れがあって、ついついネット上でブログやら中古市場やらを見て回ってしまう癖は抜けなかった。2019年のその時、ネットオークションでボロボロのこのギターを見つけてしまった。SG-1000をボディをちょっとだけ薄くしたという特殊仕様で発売期間も非常に短いちょっと珍しいギターだったが、それ以上にかなりぞんざいに扱われていた様で全体的に傷や打痕が多数ついていて見た目に悲しくなる有様が強く心に引っ掛かってしまった。ついうっかり捨て猫に出会ってしまい放っておけなくなってしまった状態に陥り、金額も随分低かったのでつい出来心でまあこれ位の金額ならばと駄目元で入札してみたら、その金額に達することなく落札してしまったというのが入手のいきさつである。

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 確かに見た目は傷だらけで塗装もあちこち白濁しかなりみすぼらしい状態だが、幸いネックも真っすぐだし見た目さえ気にしなければまだ十分に機能する代物だった。使ってみると確かにノーマルのSG-1000よりボディもネックも薄くて弾き易い。弾き易さで言えばSG-1300がベストなのだが、コンディションの良い貴重なギターを触るのが勿体無く思えてついついこっちのボロい1000Nの方を無造作に弾くことの方が多くなってしまったという本末転倒な状態になっていた。

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 手に入れた当初からペグの動きが渋かったり緩かったりでチューニングが合わせ辛いのが難点だったが、この連休でペグをバラしてグリスアップする作業にようやく着手した。

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 早速作業を開始した早々、ひとつのペグの取っ手部分を外そうとネジを回したらあっけなく折れてしまった。

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 折れて中に残ってしまった残りのネジは間違いなく錆びて固着しているから抜き取るのは不可能に近い。もうこれは諦めて交換するしかなくなった。中古のオリジナルのペグを探すということも考えたが、あくまで弾くだけのギターならば新品の互換パーツできちんと機能するものを選ぶのが正解という結論になって早速発注。

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 GOTOH製のSG301-20L-L3R3-GGをいつものsoundhouseさんに発注。1日であっという間に届いた。

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 見た目にもオリジナルにほぼそっくり。というよりオリジナルは恐らくGOTOHのOEMパーツなのではないかと睨んでいる。

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 こういうパーツは単品でも造形が美しくいつまででも眺めていられるが、修理を進める。

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 ペグを取り外して取付穴部分をちょっとだけ掃除。塗装の白濁やインレイの表層の剥がれはどうにもならないので放置。

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 今更気付いたがシリアルの末尾が111なのか。この数字には私的に小学校受験の時の受験番号で、合格発表の時にこの数字を見つけた時の衝撃が今でも心に焼き付いていて特別な印象を持っている。この数字が刻まれているというだけでこのギターは所有しなければいけないという定めの様なものを感じてしまう。

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 外形寸法は完全コンパチ品なので取り付けネジ穴もそのままで簡単に取り付けられる。15分程の作業であっけなく終了。

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 見た目にボロいギターで新品のペグだけ浮いて見えるが、見た目は正直どうでもよい。早速弦を撒き直してみたがチューニングがスムーズになって気持ち良い。これでまたこのギターを触るのが楽しくなった。

 数日前にギター工房から発注中のオーダーギターの作図をそろそろ開始する旨の連絡が来ていた。いよいよ本命のギター製作が始まるわけだが、それが我が家に来た時にこのギターがどうなるのかと考えると複雑な心境ではある。まあ、その時になって考えれば良いことかな。今はnetflixの映画を観ながらこのギターで無心に手遊びするだけさ。