2022RM812北海道1300/レポート6:Day 5/静内->ゴール・当別(149.6km/1310.7km)

[目次]

静内->ゴール/セブンイレブン当別太美店(149.6km/1310.7km)

 8/12(金)、4時半に目が覚めた。案の定外は結構降っている。取り敢えずアラームのなる5時半まで二度寝しようかと思ったが全然眠れないので悶々とする。スマートフォンで雨雲予測を見ると4時間後には静内上空を抜けそうなので思い切ってスタート時間を10時位までずらすというアイディアも浮上したものの、あくまで予報なので確実に止む保証はないしそれまでの待ち時間が手持無沙汰なので予定通りの時間で出発することに決めた。パンを食べながらぼちぼち身支度をする。

 ホテルの人に見送られながら6時にチェックアウト。ちょっと古いが料金も安くてそこそこ居心地の良いホテルだった。

 最終日は静内から当別まで回り道なく行く149.6km。

 通過チェックもなく山岳もない。言わばゴール前のパレードランの様な感じか。6時スタートで14時ゴールを目論む。ゴールクローズは19時なのでトラブルがあっても対処できる時間は充分にあるので気分的にはかなりの余裕を持って走ることができる。

 ほぼ中間地点に休憩ポイントを1か所設定してあって立ち寄るのはここだけ。あとはひたすらゴールを目指すのみ。

 本降りの中を覚悟を決めてぼちぼち走り出す。

 0.2/1161.4km、国道235号に合流し苫小牧・門別本町方面に左折。静内の街を出ていく。

 3.1/1164.2km、新冠町に入った。海沿いの道を淡々と進む。あっという間に全身ずぶ濡れでシューズの中まで浸水。ここまで濡れてしまえばもうどうでもよい。

 ここまで4日間1160km以上走って来て、身体全体の疲労感はそれ程でもないものの尻の表層の痛みと両手の掌底部の痛みが出てきた。北海道の路面には一定間隔で割れ目が走っていて延々と衝撃を受け続けるのでそれが尻にじわじわとダメージを加えていく。これさえなければ北海道の道は最高なのだがこればかりはどうにもならない。そう言えばSHOCKSTOPのダンパー付きステムとシートポストを付けてくればよかったと今更ながら気が付いた。

 相変わらずアップダウンがちょくちょく出て来る。朝の内は脚はフレッシュなのでそれ程苦にせずこなしていく。

 17.8/1178.9km、門別厚賀の街を通過。

 海面が茶色く濁っている場所がちょくちょく見受けられるが、河口付近で山から運ばれてきた泥水が海に流れ込んでいる場所だ。豪雨の様子がこういう所で見て取れる。

 進むうちに牧場が競走馬のもの変化してくる。

 この道を走っていると川が何本も海に流れ込んでいるのを見るがみんなこんな感じで茶色い濁流になっている。北海道の大地が豪雨でどんどん削られているということか。河口付近に棲む海の生物にも悪影響があるだろう。

 アップダウンをこなしながら徐々に海沿いから離れていく。取り敢えず雨は止んだ模様。

 49.9/1211.0km、むかわの街中に入って来た。むかわ市街・厚真方面に右折して完全に海沿いから離れて内陸部に入っていく。ゴールまではあと100km。

 雨雲は完全に東に抜けて雲の切れ目から青空が見えてきた。もう雨の心配はしなくて済みそうだ。

 51.7/1212.8km、高速道路を横切る。この先は原野ではなく人の気配のする土地になっていく。むかわを過ぎるといよいよ旅の終わりが近付いてきた感じがする。

 53.9/1215.0km、上厚真方面に左折して道道1046号に乗る。

 55.0/1216.1km、厚真町に入った。

 道道1046号を北西方向に進む。追い風を期待したが残念ながら無風。まあ向かい風でないだけましか。最終日だが疲労感は薄く脚は普通に回るので順調に距離を消化していく。若干尻と掌が痛いがそれでも最終日まで大きな身体的トラブルを抱えることなく走って来ることができたのは我ながら上出来だ。

 道脇の牧場は競走馬のものと思われるが馬の姿は見えない。

 67.5/1228.6km、遠浅方面に左折して道道482号に乗る。

 70.5/1231.6km、安平町に入った。カントリーサインに馬の絵が書かれている通りこの辺りは競走馬の牧場が連なる。

 74.1/1235.2km、鉄塔群が見える。地元でよく見る八俣送信所より規模は大きくてなかなかの迫力。

 76.1/1237.2km、国道234号に出た。右折すれば目の前が休憩ポイントだ。

 76.1/1237.2km地点の休憩ポイント15に到着、チェックタイムは8/12の9:14。

 スタート時点は降られたものの小一時間で雨は止んでここまで3時間、巡航20km/hを超えるペースですこぶる順調。

 残念ながら最後の休憩ポイントはセイコーマートではないのでホットおにぎりはなし。その代わり大きなプリンとカツゲンで朝食。水浸しのシューズを抜いて靴下を絞りつつ20分程の休憩の後出発。

 さあ、あとはゴールを目指すのみ。ゴールまではあと73km、4時間でこの度も終わりだ。最後まで慎重に気を抜かずに走る。

 牧場でようやく馬の放牧に遭遇。

 至近距離を通過。2頭がこっちを怪訝そうにじっと見ている。

 79.7/1240.8km、幹線道路にぶつかって右折、更に北上していく。

 84.1/1245.2km、千歳市に入った。カントリーサインの空港を見ると札幌に帰ってきた気がする。

 91.5/1252.7km、国道337号の脇を左折して横切っていく。

 着陸態勢に入った飛行機が頭上を通り過ぎていく。空港の存在を至近距離に感じる。

 千歳の街中を通り過ぎていく。もう何度もブルベの終盤でこの道を走り、もう直ぐ終わるという安堵感と一抹の寂しさを感じてきたが今日も同じ様な気分。

 国道337号に乗った。車通りが徐々に増えてきた。

 95.1/1256.2km、恵庭・島松方面に右折して国道337号から離脱。

 真っすぐな県道600号を進む。再び空には雲が増えて来て降って来そうな感じ化してきた。もう少しでゴールだから何とか逃げ切りたいところ。

 道路標識に札幌の文字が出てきた。もう少しで終わってしまうのかあ。

 101.8/1262.9km、国道36号に合流して札幌・恵み野方面に右折。ゴールまで50kmを切った。

 道幅が広くなり車が一気に増えた。札幌に向かって進んで行く。

 恵庭の街中に入って来た。商業施設の規模が都会の雰囲気。

 106.3/1267.4km、江別・北広島方面に右折して国道36号から道道46号に乗り換え。

 110.7/1272.8km、北広島市に入った。進行方向が北向きになり追い風基調が明確になって順調に距離を消化していく。

 115.3/1276.4km、北広島の市街地を通過していく。

 進むうちに青空が広がって来て日差しが出て来た。気温も上がって暑くなって来た。

 131.3/1292.4km、江別の街中に入って右折。長かった道道46号区間はここで終わり。ゴールまで20kmを切った。現在時刻は11:46、あと1時間程だからゴールは13時頃か。

 132.9/1294.0km、道道1056号に突き当たって右折して直ぐに左折して目の前の端で石狩川を渡る。

 134.2/1295.3km、標識に当別の文字が出てきた。左折方向に進む。

 追い風基調は継続している。尻と両掌は痛いけれどそれ以外は問題なく脚もそこそこ回る。1300kmを走り終えようとしているのに心身のこの余裕はちょっと予想していなかった。この先まだ何100kmも走り続けたいとは思わないけれど、1300kmを完走できそうな達成感と安堵感を織り交ぜた今の幸せな気分もしばらく味わっていたい気分だ。そういう意味でもう直ぐこの旅が終わってしまうのが名残惜しい。

 137.3/1298.4km、国道275号に合流して右折、更に北上する。

 こういうひたすら真っすぐな道ももう直ぐ見納めか。何度も言うが信号のない道を一定ペースで淡々と進み続けられる北海道の道は最高だ。

 139.3/1300.4km、左折して国道275号の直ぐ脇を並走する枝道に入る。

 車通りが無くなった道を落ち着いて進む。雪落としの丸い屋根の農家の建物も見納めか。

 141.6/1302.7kmを道なり左折して、国道275号の並走から国道337号の並走に変わった。西向きに進む。ゴールまで残り10kmを切った。

 道端にヒマワリが咲いていた。最終日に北海道の夏をしっかり堪能できて良かった。

 144.0/1305.1km、枝道から国道337号に合流して左折。

 曲がって直ぐに当別川を渡る。いよいよゴールが近付いてきた。

 147.6/1308.7km、道の駅とうべつの角の交差点を右折して再び北上。

 ゴールまで2kmを切った。ゴールシーンを動画撮影しようと思ってアクションカムのスイッチを押したら何とバッテリー切れで録画できない。昨夜ちゃんと充電できていなかったということか。最後の最後で詰まらないケチが付いてちょっとがっかり。

 148.7/1309.8km、左折方向に進む。当別太美の街に入って来た。

 踏切を渡って直ぐを右折すればあとはゴールまで一直線。残り距離は1kmを切った。

 最後の直線を進む。1300kmを無事に完走できる安堵感がどんどん湧いてきた。本当に良かった。3年越しのコロナ禍の忍耐がこれで報われた気がする。

 ゴールが見えた。終わった。

 149.6/1310.7km地点のゴールに到着、ゴールタイムは8/12の12/37で完走時間は102時間37分だった。

 まずはガラナで完走を祝う。何だかんだで結構暑い。最終日にドピーカンで北海道らしくない暑さになるというのはまあ遠征ではありがちなパターンではある。

 PBPの様な華々しいゴールとたくさんの人達の出迎えもなくたった一人のゴールだし大きな疲労感もないので1300kmブルベのゴールという感じは全くない。でも間違いなく103時間という長い時間が経過していることは紛れもない事実なのでこの時間の経過で長い旅をしてきたという認識はできる。

 ゴール地点でリモートブルベカードでゴール手続きを完了。リモートブルベカードはいつもちゃんと入力できたか、ちゃんと認定されるか不安になるが取り敢えずやるべきことは全てやった。後はここからホテルに戻るという最後の仕事をしなければならない。ガラナを飲みつつ20分程休憩して出発する。

ゴール後

 さて、札幌に戻るか。再び自転車に跨ってぼちぼち走り始める。札幌市街のホテルまでは20kmちょっとの道程。

 それにしても良く晴れた。2日目に稚内からの道程で晴れた時には爽やかな感じだったが、今は暑い。日差しも強くて北海道らしくない。

 石狩川を渡って札幌市に戻って来た。この道はもう何度も北海道ブルベのゴール間際で走っているので達成感やら開放感という感覚とセットで記憶に刻まれてる。今日も凱旋ランな感じでのんびりと走る。もう頭の中は今晩の打ち上げの店をどこにするかで思案が駆け巡っている。

 モエレ沼公園の傍を通り過ぎる。過去ここがスタートのブルベを何本か走った時は札幌市街から結構遠いイメージがあったが今回当別まで行って逆に凄く近い気がしてきた。

 札幌市街に戻って来た。たかだか5日間離れていただけなのに妙に懐かしく感じる。

 14時過ぎにホテルに戻って来た。これで完全に自転車の出番は終了。

 チェックインしたら部屋がまだできていないとのことなので、取り敢えず預けた荷物を受け取ってバイクパッキングに取り掛かる。のんびり作業して30分弱でパッキング完了。パッキングを終えて程なくして部屋ができたと声がかかったので遅滞ない行動は実にスムーズ。

 部屋に入ってホッと一息。ウェアを脱いだ開放感はいつにも増して格別、実に清々しい。即風呂に入ってシャワーを浴びて湯船にゆっくり浸かって身体各所を揉み解す。

 風呂から上がって取り敢えずホテルの自販機で買ったジュースを飲みつつ、PCを開いて今日の打ち上げの場所を探索。取り敢えず頭の中ではジンギスカン食べ放題と決まっているので近場を探したら松尾ジンギスカンが最も近いのでそのに決定。(サッポロビール園に行きたいと思ったが歩くにはちょっと遠いし2次会3次会会場とは逆方向なので断念)

 まだ時間が早いので取り敢えず休憩ということでベッドに横になる。

 5時を過ぎたので行動開始。ホテルを出て300m程歩いたところのビルの地下の松尾ジンギスカンに行ったのだが店の入口の看板には”閉店まで予約満席”と書かれてあって瞬殺されてしまった。止む無くスマートフォンで辺りを検索しながら歩くがジンギスカンの食べ放題は何軒もあるもののビールが軒並みアサヒスーパードライで話にならない。何が悲しくて札幌まで来てスーパードライを飲まねばならぬのか。サッポロクラシック限定で探すがなかなか見つからず、ふとビアガーデンが目に入って調べてみたらあった!早速向かう。

 テレビ塔下のビアガーデンは完全に盲点だった。席も余裕で空いていたのであっけなく着席。

 へえ、テレビ塔の下はこんななのか。

 飲み放題食べ放題をチョイスして前金で払いしばし待つと、やってきましたサッポロクラシック生大ジョッキ。独り打ち上げ開始でまずはビール。筆舌し難い旨さで思わず唸り声が出る。この一口目のビールの旨さを味わうためにはるばる北海道まで来て何100kmも何日も風雨に打たれて自転車で走るのだ。その価値は十分にある旨さと充足感を味わうこの瞬間は正にプライスレス。

 大量の肉と野菜が運ばれてきてガンガン焼いて食らう。ビールにジャストミートの旨さで幾らでも食べられそう。やはり食べ放題にして正解だった。

 ビールがいい感じで四肢に回って微妙に痺れる感じが実に心地良い。空腹も十分に満たされて私の周囲は幸福感が充満している。夕暮れ時の風が涼しくてとても気持ちが良い。それにしてもこの穏やかな夕暮れは一体何だ?この5日間の風雨は今この瞬間の幸せのためにあったのだということを改めて痛感する。

 1時間10分程の1次会はメニューの額面上で十分食べ放題の元を取って終了。札幌の打ち上げの定番ルートではこの後2次会でいつものラーメン屋に行くのだが今日は肉をがっつり食べて満腹なのでちょっと早いが2次会をスキップして3次会に行くことにする。

 飲み屋ビルの一角のいつものジャズバー、開いていて良かった。

 ここは北海道ブルベで札幌宿泊の時には必ず行く店で2019年の札幌600の時以来の訪問となる。一昨年去年はコロナ過で北海道遠征ができず、飲食店の類が全国軒並み苦境に陥っている最中で店が続いているか心配だったが杞憂に終わって良かった。客は私一人だったので例によってマスターとかなり偏った音楽談議でジャズバーなのにフォービートジャズを全然かけずに”邪道”ばかりかけてもらって私的にはかなり盛り上がった。酔っ払って個人的に好き勝手な音楽の話だけをひたすら楽しむ時間なんてそうそうないからこの店でのひと時は本当に楽しい。2時間があっという間に過ぎて、新たなお客さんが入って来たので貸し切り終了、いつもの様にPat MethenyのFarmer's Trustを最後にかけてもらって走行中の北海道の原野の風景を思い出しながら店を後にした。

 店を出たらちょっと小腹が空いてきたのでこれならいつものラーメンが食べられそうだと店に向かったら何と臨時休業だった。ここでサッポロクラシックの瓶を1本飲んで辛味噌ラーメンを食べるのが札幌遠征のならわしの一つだったのに極めて残念。

 時刻は21時半、すすきの界隈は良い感じに賑わっていてコロナ禍の締め付けから解放された様に見える。もうちょっと飲みたい感じだが腹八分目で止めておくのが大人のたしなみだとこの歳になって少し分かって来た。

 でも腹は減っているのでラーメンを食べて帰ろうと歩きながら眼に入った店に入ってついうっかり味噌ラーメンの大盛りを頼んでしまった。まあ賽龍のラーメンの味を覚えている人間にとってはこの店のラーメンは残念だったと思う他はない。

 再び御腹一杯になっていい気分でホテルへの道のりをのんびりふわふわ歩いて帰る。何かこの何と言えない両肩の軽いじわじわっと来る幸福感は物凄く久し振りな気がする。こういう幸せな時間が持てるから遠征ブルベは絶対に止められない。

 帰る途中で甘いものが食べたくなってホテル近くのコンビニででかいプリンを買って部屋に戻って来た。我ながらまだ食べるのかという感じだが、血糖値がまだ上がり切らないのだろう。身体が欲しているならば逆らわずに食べよう。我が肉体は1300kmを走り切ったのだから少なくともゴール直後は好きなだけ食べる権利は有しているはずだ。

 プリンを食べつつPCでネットを徘徊していたら徐々に睡魔がやって来たので寝る態勢に入る。明日は10:20のフライトなので2時間前に空港に着くとすれば7時半にはホテルを出発しなければならないのでアラームを7時にセットしてベッドに入る。消灯時刻は午前0時前頃か。