フレームクラックその2

 ブルベはもとより通勤以外のオールラウンドな用途でメインバイクとして10年以上使い続けてきたチタンフレームに2度目のクラックが入り、この程修理が終わってバイクの再建が完了したのでその顛末をまとめておく。

 

---

 

 今年の1月に今年最初のブルベとなるBRM115千葉2001を走っている最中にフレームのクラックを見つけてしまい驚いた。いつ入ったのか全くわからない。

 その後恐る恐る走って何とか完走できたが、このままでは当然使い続けることは不可能なのでその後の対処をどうするか考えなければならなくなってしまった。

 数日後、バイクを洗車して分解してフレーム単体にして改めてクラックを確認してみる。

 前回2015年にクラックが入った場所とほぼ同じだ。(その時の状況は過去ブログフレームクラック及びフレームクラック修理完了に書いてある)

 同じ場所ということはここが強度的に弱いということなのだろうか。前回はクラックを溶接修理したのだが今回もそれと同じでは不安がかなり残ることになる。

 それからどうしようか色々と思案が始まった。まずはフレームを新調するという案。以前から何となく人生最後のバイクはオーダークロモリフレームにしようかなんて漠然と考えてはいたけれど、いざ具体的に考えてみようとすると全然モチベーションが沸かなくてどういうフレームを作るのか全然アイディアがまとまらず直ぐに諦めてしまった。修理が可能ならば現状で十分満足しているので修理して使い続けたいという思いが強いので、今回も修理するという結論になった。

 修理するとして、前回修理依頼をした時に溶接だけでなくダウンチューブを交換することもできるとメーカーから聞いていたので、今回はそれも選択肢に入れてみる。ただ同じパイプに交換するのならばやはり強度が低いままなので、このメーカーでオプションとして用意されている現状より太いパイプに交換可能かどうかまずはメーカーに打診して可能ということであれば後は金額次第で溶接か交換かを最終判断することにする。大阪のメーカーにフレームを送ってまずは現状確認してもらい修理可能な選択肢を全て見積もりにしてもらうように依頼した。

 2月に入ってメーカーから連絡がありチューブのサイズアップ交換は可能ということで見積もりが来た。覚悟していた金額よりかなり安かったので即決で交換修理に決定、早速チューブ交換を依頼することとなった。

 3月頭にダウンチューブ交換修理を行ったチタンフレームが戻って来た。

 ダウンチューブがクロスオーバルになった。ヘッド側はほぼ真円だがBBに向かうに従って横潰しになりBB溶接付近は横長の楕円になっている。この形状で剛性アップになるとメーカーのホームページに書いてある。更にシートチューブのアルミシムとBB内のネジ山のアルミシムも交換されていてまるで新品みたいになっていた。つい先日固着したカーボンシートポストを破壊して抜いた時にアルミシムがかなりダメージを食っていたのが結果的に交換されたことになる。

 それからぼちぼち再組み立てを進めて3月半ばにはほぼ組み上がったのだが、ブルベのスケジュールや天候不順の影響もあってなかなか試走できずに時間が過ぎて行った。

 4月も半ばを過ぎてようやく試走の機会がやって来た。この日も忙しくて家の周りを10km位走ることしかできなかったが取り敢えず特段の異常なく走ることができて、チタンバイクの再建は果たされた。ダウンチューブのアップグレードの効果は正直全く分からなかったが、もう少し乗り込んで行けば何か感じるものがあるかも知れない。明日の600kmブルベに早速投入することにする。

 10年で10万km位乗り込んできたフレームが新品の様になってこの先もまだまだ使えそうなのは物凄く嬉しい。素人設計のオーダーフレームだからおかしなところも色々とあるだろうが良し悪しひっくるめてもう完全に慣れ切ってしまっているから今のところこれを棄てて新しいものを模索するという気は更々ない。チタンフレームは時々クラックが入るものだということは十分認識したが溶接やチューブ交換で修理して使い続けられるということも改めて認識した。チタンフレームはやはり一生物かも知れない。