SR600Mt. Aso/Report 4:Day 3/別府->ゴール・肥後大津(117.3km/604.1km)

[目次]

宿泊2/ホテル好楽->PC13/ビーコンプラザ(2.3km/489.1km)

 5/2(木)、5時に目が覚めた。何となく眠い気がしなくもないが目が冴えてしまったのでそのままベッドから起き上がる。睡眠時間は4時間半位で平常時よりは短めだがブルべ走行中は大体いつもこの程度なので問題なし。窓を開けて外を見ると青空が見えている。天気予報をチェックすると今日は終日快晴、ようやく最終日に好天の下で走ることができそうだ。ちょっと肌寒い気がするが取り敢えず半袖ジャージでレーパンのままでいくことにする。昨日買ったパンを食べながら出発準備をする。

 5時半過ぎにホテルをチェックアウト、昨夜チェックインの時のフロントの人の見送りを受けつつ会話。別府は久し振りの晴天ということで彼はこの後仕事が終わったらバイクで走りに行くとのこと。

 コースのすぐ傍でなかなか居心地の良いホテルだったので良い選択だったと思う。

 最終日は別府から湯布院を経由してやまなみハイウェイと阿蘇スカイラインを走って肥後大津にゴールする117.3km。

 距離は短いが獲得標高は2300mあるので難易度は高い。勝負所はスタート直後から標高780mまでの一気の上りとPC15牧ノ戸峠までの標高差1000mの上りとなる。とにかくPC15までの61kmが正念場だ。ゴールクローズは18時なのでこの時間にスタートできればマージンは十分だろう。天気が良くて気温が低めというのが私的には好条件、最終日は九重・阿蘇の広大な自然の中の道をしっかりと楽しみたいところだ。

 ホテルを出発してぼちぼち走り始める。海のすぐ傍のホテルに泊まったのでせっかくだから海を見ていくことにする。

 海辺に出るとちょうど朝日が昇ったところだった。昨日一昨日とどんより雨の朝だったので今日のこの清々しさは格別。

 ちょっとの間、朝日を堪能して海辺を離れホテル街の道からコースに戻っていく。5:49にリスタート。最初の目的地は2.3km先のPC13。

 北方交差点を右折して国道10号に乗りコース復帰。

 早朝の別府市街は車は殆ど走っていなくて静か。正面に別府タワーが見える。

 別府に来るのは2012年のBRM915福岡1000の初日に通過して以来になるかな。風景はかなり記憶が風化してしまったのでいまひとつピンとこないが、大分にいるという空気感が懐かしさを醸し出している。

 0.8km、冨士見通り交差点を左折して国道10号を離脱し県道645号に乗る。

 曲がってすぐに上り開始。

 5%の坂をぼちぼち上っていく。走り始めは疲労感もほとんどなく身体各所に痛いところもないので今日もこのまま問題なく走り続けられそうだ。PCはもうすぐ。

 あっという間にPCに着いた。

 2.3km/547.2km地点のPC13に到着、チェックタイムは5/2の6:05。

 通過証明用の写真を撮ってすぐに出発する。

PC13->PC14/牧ノ戸峠(58.1km/60.4km/547.2km)

 PCを出て県道216号を上り始める。次の目的地は58km先のPC14だがその前に22km先に休憩ポイントを設定してあるのでまずはそこを目指す。

 さて、最終日最初の試練である朝一で15km700mの上りに取り掛かる。辛いことを前倒しで消化しておけば残りがどんどん楽になっていくから脚がフレッシュなうちに高原まで上がってしまうこのレイアウトはなかなか良い。

 木島高原までは11km。正面には別府の象徴の一つの杉乃井ホテルが見える。

 道端の側溝の格子の蓋から湯けむりが上がっている。さすが温泉の街別府。

 4.2km、日田・湯布院方面に直進して県道216号から県道52号に遷移していく。

 6.0km、堀田三差路交差点を日田・湯布院方面に左折して県道11号に乗る。ぼちぼち別府市街を離脱。

 300m程上って別府湾を見下ろす。朝日は雲に隠されて日差しは弱いが上り区間はこの方が都合がよい。

 勾配がきつくなって10%近くになった。時折カーブで急勾配が出てくる。

 山岳部に入ってきて5~7%位の上りが続く。早朝だが車通りはそこそこある。ゴールデンウィークで天気が良いので行楽客は多そうだ。

 向かう山の上には雲はない。雨の心配を全くしなくてよいというのは精神衛生上非常によろしい。

 阿蘇くじゅう国立公園に入ってきた。

 適度に折れ曲がった上りで勾配に緩急があるので走り易い。車通りはそこそこあるが道幅が広いのでそれ程ストレスなく上っていける。

 11.2km、標高600mまで上がってきた。山頂まではあと6km。

 ちょっと勾配が緩んだ感じだが道がちょっと狭くなった。

 城島高原まではあと1km。

 13.5km、城島高原の入口を通過。大学の頃、夏に城島ジャズインで何度か訪れた場所なので思い出深い。

 城島高原を過ぎて勾配がかなり緩んだ。

 森を抜けて草原が広がるやまなみハイウェイらしい雰囲気がちょっと出てきた。

 15kmを過ぎて再び勾配がきつくなった5%前後の坂をぼちぼち上っていく。標高も700mを超えたのでそろそろピークが近づいてきた。

 17.5km、由布岳登山口に到達。この辺りがピークの様だ。取り敢えず今日の最初の仕事を無事に終えた。

 ちょっと止まって周囲を見渡す。山の上には雲がかかってちょっと不穏な転機になっている。気温が結構低くて上って来たばかりだがあっという間に汗が冷えてかなり寒く感じる。この先下りなのでアームウォーマーを装着して走り始める。

 ピークで由布市湯布院町に入った。そのまま長い下りに入っていく。

 広々とした道をほぼ全開で下っていく。開放感がとても気持ち良い。こういう上りなら下りである程度時間を取り戻せるのでありがたい。

 23.1km、あっという間に湯布院の街中まで下ってきた。

 湯布院温泉は大学生の頃によく友達やサークルの先輩達と車で遊びに来ていた。温泉街の中にある下の湯という道端の半分露天の様な公衆浴場に良く入りに来ていたのを思い出す。残念ながら温泉街の方にはコースが通っていないので今回立ち寄ることができないのは残念。

 休憩ポイントはもう目前。

 休憩ポイントが見えた。

 24.3km地点の休憩ポイント6に到着、チェックタイムは5/2の8:12。

 この辺りは人出は多くこの店も結構賑わっている。日差しが出てきたが結構寒い。気温は一桁という感じ。ここは標高460m位だがこの先牧ノ戸峠まで更に900m近く上るので念のためにレッグウォーマーもここで着けておく。しっかりと補給をして20分程の休憩の後出発。

 再び県道216号に乗って西に向かって走り出し改めてPC14を目指す。残り距離は36km。この36kmがこのSR600阿蘇の完走を決めるといっても過言ではない。気を引き締めてこの3日間の集大成となる最後の山場を存分に楽しみたいところ。

 湯布院の街を抜けるとすぐに上りになった。

 26.8km、湯布院入口交差点を日田・玖珠方面に直進して更に県道216号を進む。

 27.3km、国道210号に合流。現在気温は11℃。

 5%前後の坂をぼちぼち進んでいく。気温はさらに下がって9℃。上る分には寒さは感じずむしろレッグウォーマーがちょっと暑く感じる。

 30.2km、勾配がちょっときつくなったと思ったらトンネルを通過。

 30.8km、水分峠交差点を阿蘇方面に直進して国道210号から県道11号に遷移する。

 5%前後の直線的な坂をぼちぼち上っていく。この感じでPC14まで行ければかなり楽なのだが恐らく最終アプローチはきつくなるはずなので甘い予測は止めておこう。

 39.2km、九重町に入った。標高850m位まで上ってきた。山頂まであと20kmちょっとで500m位上らなければならない。

 時折7%超の勾配が出てくる。勾配には緩急があって直線的でもそこそこ走り易い。

 41.4km、標高930mの大分方面への分岐を過ぎたら下りになった。せっかく上って来たのにもったいない。

 下りで標高50m位失ってまた上り直し。今日の獲得標高差2300mは伊達じゃない。

 44.8km、また標高920mまで上ってきたと思ったら下りになった。

 ラクダのこぶの様な丘越えアップダウンが続く。

 また標高50m下がって上り直し。取り敢えず距離は着実に消化しているのでストレスはない。

 森を抜けて視界が広がってきた。

 48.1km、標高920mの朝日台を通過してまたしても下り。標高920m以上になかなか行けない。こうやって残り距離が短くなって標高が残ってしまうということが最後の上りの勾配がどんどんきつくなるということで嫌な予感しかない。

 朝日台のすぐ傍の駐車場の牛の像が本物に見えて一瞬びっくりしてしまった。

 50.2km、また標高870mまで下ってきて県道621号を横切り再び上りに転じた。山頂までの残り距離は10km。

 まっすぐな緩い坂を上っていく。やまなみハイウェイらしい風景になった。

 53kmを過ぎてまたちょっと下る。牧ノ戸峠への最終アプローチはまだ始まらない。

 54.6km、向かう先の山には雲がかかっているが雲はそれ程厚くなさそうなので雨の心配はしなくてもよさそう。緩い坂をぼちぼち上っていく。

 55.2km、長者原を通過。標高が1000mを超えてきた。ここを過ぎてから再び勾配がきつくなってきた。山頂までの残り距離は5kmで300m上らなければならない。

 進むうちに勾配が7%を超えてきた。やはり最終アプローチはきつくなったか。このSR600阿蘇の山越えは大体平均勾配7~8%というのが刷り込まれてしまった。ここまで散々練習してきたのでペースは直ぐに掴めて淡々と上っていく。

 カーブが出てくるようになって山道らしくなってきた。やはりカーブがあった方がメリハリがあって上り易い。

 山頂までの距離がどんどん短くなっていく。標高も確実に上がってきて上るのが楽しい。最終日に良い天気で良い体調で臨むことができて本当に良かった。

 60.3km、牧ノ戸峠の駐車場の案内板が出てきた。PCはもう目前。

 前方に小径車で軽々と上っていくサイクリストが見えてちょっとびっくり。

 PCに着いた。無事に上り切って安堵感が湧いてきた。

 60.4km地点のPC14に到着、チェックタイムは5/2の11:44。

 通過証明用の写真を撮っていたら前を小径車で走っていたサイクリストに話しかけられたご夫婦共に小径車でここまで上ってこられたというのは凄いの一言。ご主人はかなりロードバイクに乗り込んでおられる様でブルべの話を含めてちょっと盛り上がってしまった。会話をしつつ小休止の後出発。

PC14->PC15/西湯浦園地展望台(32.0km/92.4km/579.2km)

 PCを出発して再びやまなみハイウェイに乗り西に向かって下り始める。次の目的地は32km先のPC15だがその前に7.6km先に休憩ポイントを設定してあるのでまずはそこを目指す。

 長い下りを快調に下っていく。今日の山場というよりこのSR600の最後の山場をクリアして位置エネルギーをたっぷり貯えてゴールまであと57kmまで6時間で辿り着ければよいのだと考えると相当な気楽さでもう何となく終わった感じがするが、まだゴールしたわけではなく最後に気を抜いて事故を起こしたりすると元も子もないので気を引き締め直す。

 1000m超から見下ろす下界は靄がかかって広大。ここでしか味わえない開放感。

 あっという間に300m位下ってきて前方に建物が見えてきた。あれが休憩ポイントか。

 休憩ポイント。

 68.0km地点の休憩ポイント7に到着、チェックタイムは5/2の12:13。

 ここ瀬の本レストハウスは大学のサークルで瀬の本高原で毎年夏に合宿をやっていた時に必ず立ち寄っていた懐かしい場所。確か2012年の福岡1000でもここが通過チェックだったと思う。あの時は最終日の早朝でまだ暗かったのを覚えている。人があまりいないなあと思いつつトイレに行こうと建物の反対側に行ったらたくさんの人で賑わっていた。どうやらこちら側裏らしい。携帯してきた補給食を食べつつ15分程の休憩の後出発。

 休憩ポイントを出て西に更に下っていく。改めて24km先のPC15を目指す。

 緩い下りを快調に進んで順調に距離を消化していく。

 72.4km、阿蘇市に入ったところで下りが終わって上りになった。

 熊本・阿蘇に向かって微妙な上りを進んでいく。熊本までは63km。

 フラットな草原の風景がなかなかの開放感。草千里らしい眺望が展開する。

 76kmを過ぎて再び緩く標高を上げ始めた。しっかりとした日差しが出て来て暑くなってきた。

 78.1km、菊池・大観峰方面に右折して県道45号に乗る。

 緩く上りながら県道45号を進む。大観峰までは8km。

 緑の大地の中を抜ける道がひたすら続く。ここまで九州の険しい山道を抜けて来て最後にこの雄大な風景の中をウイニングランの様に走るというコースレイアウトはなかなかに秀逸だ。

 草千里は福岡1000の時も走っているがあの時は夜で風景は全く分からなかった。九州人サイクリストとして好天の下で草千里の風景を堪能しながら走るという長年の願望がようやく叶った。これは私的に地味に画期的な出来事だ。

 ツーリングのバイク群や車が行き交う賑やかなやまなみハイウェイだが、皆スピードは控えめでストレスは全くない。ドライバーやライダー達はこの広大は風景をのんびりと楽しみながら走っているのだろう。

 暑くなってきたので止まってアームウォーマーとレッグウォーマーを外して再び走り始める。

 緩やかなカーブの続く道を進む。剝き出しになった四肢に冷たい空気が当たってとても気持ちが良い。やはり自転車は半袖ジャージにレーパンで乗るのがベストだね。この爽快感はプライスレス。

 85.1km、7%の激坂が出てきた。草千里の道は緩急があって面白い。

 85.4km、坂を上り切ったところが大観峰への入口だった。

 大観峰へ行ってみようかと一瞬思ったが、車とバイクの出入りが激しく結構混んでいる様なので素通りする。

 86.9km、分岐を通過して県道12号に遷移しつつ山鹿・菊池方面に進んでいく。

 時折出てくる7~8%の坂がきつい。でもこのきつさがSR600を走っているという実感があって楽しい。

 阿蘇外輪山のダイナミックな地形が眼前に展開する。見応え十分。

 アップダウンを繰り返しながら少しずつ標高を上げていく。外輪山からの下り直前に940mまで上るはず。

 眼下を見下ろすといくつか町が見える。どこだろう?何となく地平線が丸く見えるのは気のせいか?

 最終PCが見えた。

 92.4km地点のPC15に到着、チェックタイムは5/2の13:46。

 通過証明用の写真を撮ってすぐに出発する。

PC15->ゴール/ローソン肥後大津駅南店(24.9km/117.3km/604.1km)

 PCを出て目の前の交差点を熊本・大津方面に左折し県道339号に乗る。さあ、あとはゴールを目指すのみ。残り距離は25kmだが大半が下りで時間的にもかなり余裕があるのでもう終わったような気がするが、ここで気を抜いて最後の最後で落車などするとここまでの苦労が全て台無しになってしまうので今一度気を引き締める。

 下り始める前にもう少し上っていく。

 草千里の風景ももう少しで見納めかと思うと何となく名残惜しい。最終日が晴れて本当に良かった。

 天気が良くて日差しはそこそこ暑く感じるが空気がひんやり冷たいので大汗を掻く程ではない。サイクリングコンディションとしては最高だろう。これが夏になると暑くて多分死にそうになるからこの季節を選んだのは大正解だ。何度も言うが最終日は晴れてくれて本当に良かった。もし最終日も雨の中で草千里を走っていたらと思うとちょっと寒気がする。というより多分本当に寒かっただろうと思う。

 どんどんゴールが近付いてくる。名残惜しさが増してきた。

 95kmを超えた辺りから道脇に木々が出てきて風景が変わって来た。そろそろ草千里は終わりかな。

 98.1km、そろそろ下りの始まりになるかと思いきやまだ上る。この坂がこのSR600最後の上りになるかも知れないと思うと何となく上り切ってしまうのがもったいない様な気がしてくる。

 99.0km、ピークを通過して下りになった。いよいよ長い下りの始まりか?

 と思いきやほぼ平坦の様な緩いアップダウンが続く。

 101.3km、電波塔の横を通過。ゴールまではあと16km。

 電波塔を過ぎて直ぐの速度制限の標識が出てきたところから下りが始まった。どうやらここからが外輪山から下界に下りていく長い下りの様だ。

 勾配が急になって向かう先の視界が開けてきた。今度こそ間違いなく下界への下りが始まった。

 適度にワインディングする道を快調に下って行く。勾配はそこそこ急だが視界良好で路面も乾いているので安心して下ることができる。初日の阿蘇からの下りとは大違いだ。

 下りながら草千里を見上げる。また来ることはあるのだろうか。

 105.8km、大津町に入った。下りはまだまだ続く。

 あっという間に風景がすっかり変わってしまった。

 112.5km、調子に乗って下っていたら左折ポイント見逃しうっかり直進。直ぐに気付いて慌てて戻って熊本方向に左折、更に県道339号を下って行く。

 113.6km、大津IC入口交差点を熊本・西原方面に左折して更に下る。ゴールまで5kmを切った。

 114.5km、ミルクロード入口交差点を熊本方面に右折して国道57号に乗る。2日前の朝に雨の降る中ここを通過して行ったのを思い出す。ゴールまではあと3km、もう完走は間違いないだろう。安堵感と達成感がどっと湧いてきた。

 交通量の多い国道にちょっと面食らう。下りはまだ続いている。

 ゴール前1kmになってようやくほぼ平坦になった。

 ゴールが見えた。ああ、終わってしまったよ。

 無事ゴール。ゴールタイムは5/2の14:50。完走時間は56時間50分だった。

 2日前にここを出発した時は雨で一体どうなることかと思ったが、この快晴の下でゴールしてそんな悲壮感なイメージはどこかに飛んで消えてしまった。

 今回もトラブルなく走り切った我が愛車。ひたすら頼もしい限り。ゴール地点の空気を充分に吸って完走の実感が湧いてきたのを確認してから出発する。

ゴール後

 ゴールを出てホテルに向かって走り出す。

 肥後大津駅前を通過。2日振りだけれど懐かしさを感じる。

 14:56にホテル着。ゴール地点から近いのは本当に楽。計ったようにチェックインの時間ぴったり。

 後泊の部屋も目の前に自転車を置ける場所でありがたい。

 部屋に入ってほっと一息。預けておいた荷物は部屋に入れてくれていたのがありがたい。

 例によって大浴場は17:15からしか入れないので待たずに部屋のユニットバスに湯を溜めてのんびりと浸かる。小さな風呂でも完走後の開放感は格別。

 風呂から上がってさっぱりしてしばし休憩。ネットで今日の打ち上げの場所を探す。熊本市街まで出かけようかと思った。電車に乗って片道1時間位かかるので断念して地元にする。取り敢えずよさげな店を見定めて開店時間を待つ。

 17時になって開店時間になったのでホテルを出てすぐ近くの店に向かう。

 明るいうちは呑むべからずの我が家の家訓を破って独り打ち上げ開始。

 ビールが程よく疲れた四肢に沁み渡る感じが堪らない。これがあるから遠征ブルベはやめられない。

 熊本と言えばこれ、辛子れんこん。揚げたてがとても美味しい。

 刺し盛もボリューム満点。

 アスパラの天ぷら。ほくほくしてとても美味しい。

 このお店、客には聞こえない程に小さな音量でジャズが流れているのが好感度高し。無事完走の達成感とプレッシャーからの開放感に浸りながらのんびりとビールと肴を楽しむ時間は遠征ブルべの醍醐味。

 馬刺しではなく馬のモツ煮を食べてみた。普通に美味しい。

 1時間20分程で1次会は終了。料理は全て美味しくてとても居心地の良いお店だった。

 時刻は6時半前でまだ西日が差している。ラーメンを食べに徒歩で移動。ノーマルな熊本ラーメンの店は余りなくて駅の反対側の国道57号沿いの店まで行かなければならないが、時間はたっぷりあるのでほろ酔い気分でのんびり歩く。夕刻の涼しいそよ風が気持ち良い。

 ラーメン大盛。油ギトギトの豚骨スープは懐かしい味。今は日常で食べるラーメンの嗜好はすっかり変わってしまったけれど、たまにこれを食べるとこれが一番性に合っていると思ってしまう。自分が九州人だということを認識する瞬間。

 満足して店を出る。この時間でも8割位席が埋まって入れ替わり客が入ってくる人気店の様だ。この店も当たりだった。

 満腹感に気持ちも満たされて戻り始める。二次会が終わってもまだ明るい。爽やかな夕暮れがまだ続いている。

 夕刻の駅前の雰囲気がとても良い。

 肥後大津は住んだことはないけれどまるで地元の様な懐かしさがある。九州の空気感がちゃんとあって自分もそれが嗅ぎ分けられているような気がする。関東に出て来て30数年、人生の中で九州に住んでいた時間を完全に超えてしまっているけれど、それでもやはりこっちの空気に馴染んで安心感を抱くのは私が完全な九州人であるという証左なのだろう。人生の終わりには多分九州に戻ってくるのではないかな。

 もうちょっと飲みたいが満腹なので一旦ホテルに戻る。部屋でうだうだしていたら睡魔が忍び寄ってきたので逆らわずにそのまま夢の中へ退場、就寝時刻は20時前後と思われる。