8/16(金)、6時過ぎに目が覚めた。昨夜は間欠的な5時間位の睡眠を含む8時間位ベッドに横になっていた。時差ぼけだし元々ショートスリーパーだしまずまずよく眠れたと思う。ホテル出立まで6時間を切った。朝食を食べてもう少し寝たいところ。
7時になったので朝食を食べに行く。
今朝はテラス席に座ってみた。
今日も食欲はあるのでおかわりしつつしっかり食べる。サラダはあるがドレッシング類はないなと思っていたら、オリーブオイルとビネガーをかけて食べるという作法を理解した。これは美味しい。確かにドレッシングはいらないな。日本に帰ったら真似しよう。
朝食を終えて部屋に戻って再びベッドに横になる。ここに来てようやく尿の色が薄くなってきた。昨日までははっきりとした色がついていたので疲労が回復してきているのが窺える。体感的にはまだ疲労感はしっかりあるのだがもう今更手の打ち様がないのでひたすら休養するのみ。ホテル出発まであと5時間、ドロップバックの中身を最終確認しつつベッドの上でうだうだと過ごす。
11時半になった。さてそろそろホテルを出立しなければならない。覚悟を決めてスタート地点に向かうことにする。受付は14:50からだからまだ時間はあるが、何が起こるか分からない。悲観論者が独りで何もすることがなく長時間過ごしているとプレッシャーが増してきて潰れそうになるのでスタート地点に行って雰囲気に吞まれなければ。
12時前にホテルをチェックアウト。輪行ケースを無事に預けることができて一安心。ここに戻って来るのは6日後か。自走でミラノ・ポルタ・ガリバルディ駅に向かう。ドロップバッグの中身を2袋抱えているので注意して走らなければならない。
今日のミラノは日差しがあって暑いが東京程の辛さは感じない。この感じなら苦しむことなく対処できそうだ。
無事にミラノ・ポルタ・ガリバルディ駅に到着。まずは切符を買う。
パラビアーゴ行きの列車はTRENORDだった。昨日はTRENITALIAの券売機で買おうとして買えなかったので運休しているのではと勘違いしてしまった。それにしても紛らわしい。
パラビアーゴは主要行先には表示されないのでキーボードを使って駅名を入力しなければならない。それ以降の手順は空港で切符を買った時と同じ。
パラビアーゴまでの片道は€3.5。
クレジットカードをタッチして決済を待つ。
切符が買えた。
乗るべき列車を電光掲示板で確認。12:34発のVARESE行きで2番ホーム。
刻印を押すのを忘れずに端末にタッチする。
2晩ホームで列車の到着を待つ。
待っている間に他の列車を観察。自転車持ち込み可の車両には自転車のマークがついているのでわかりやすい。ちなみにTRENOIDは自転車持ち込みの追加料金はなし。
この車両はTGVか。一度は乗ってみたい。
定刻になったのに列車は来ない。
???乗ろうとしていた12:34発のVARESE行きが来ないと思ったら電光掲示板から消えていた。次は13:04になってしまったが嫌な予感しかない。今度こそ本当にモンパルナスの悪夢の再来か?
何かがおかしい。落ち着いてもう一度電光掲示板を眺めていて”ん?2の横にあるSOTという表示は何だ?”ということに気が付いた。もしかしたら別の2番ホームがあるということなのか?
駅の案内表示をもう一度見直したら2SOTは別の場所にあることが判明した。またしても勘違いが判明。
慌ててバイクを抱えて案内表示を追って進んでいく。
階下に降りて更に進む。
更に下に行けという指示。地下鉄なのか?
エレベーターで更に階下に降りる。
やっとホームに辿り着いた。今度こそ間違いなしか?
電光掲示板にはVARESE行きと表示された。どうやら間違いなさそう。2と2SOTが違うホームだということに気付くまでに1時間、電車2本逃した。大馬鹿。
定刻通り列車が来た。
自転車マークのある最後尾の車両に乗る。
13:34発のVARESE行きに乗車。果たしてパラビアーゴに辿り着けるのか?
PBPの時は他にたくさんの参加者が乗っていて自転車に囲まれていたが今回は誰もいないのでちょっと不安。
30分程でパラビアーゴ駅に到着。行き先を間違えていなくてよかった。
地下通路を自転車を抱えて進む。
無事にパラビアーゴ駅に到着。ここから自走でスタート地点に向かう。
スタート地点までは駅から1.4kmの距離。
駅を出てぼちぼち走り始める。
去年のPBP以来の久し振りのラウンドアバウト。これを回るとヨーロッパに戻って来た気がする。
このラウンドアバウトを左折すればスタート会場は目前のはず。
1001Migliaのバナーが掲げてある入口を通って競技場の中に入っていく。
万国旗がはためき参加者や自転車が往来する中を進んでいく。
グラウンドの横にバイクを止めて会場内の探索を開始。
14:15に遂にスタート地点に到着!ここまでの道のりは遠かったが無事に辿り着くことができてひたすら安堵。
まず正面の建物に入ってみるが受付ではなく食堂だった。
日本人参加者の集団を見つけて挨拶がてら受付の場所を教えてもらう。ひであさんや去年のPBPでヴェルサイユの悪夢を一緒に過ごしたオカダさんの姿もあった。
鉄人ナミキさんに遭遇。お元気そうで何より。国内外のハードイベントを次々と制覇していくナミキさんの背中を追いかけているが全然追い付けない。
私の申告受付時間は14:50だが時間は適当なので大丈夫と教えてもらったので行ってみる。食堂を見て右側のドームの中が受付になっていて入口でまずパスポートチェックを受けて参加者名簿と照合されてから中に入る。
受付では誓約書にサインしてブルベカードやバイクに付けるナンバープレート、ドロップバッグ等を受け取り手首にリストバンドを着けられた。ブルベカードとナンバープレートの2次元バーコードがとにかく大事だと念を押された。
受付終了して次は事前注文してあったジャージ類の受け取り。ジャージは2枚注文していたのだが手違いでSサイズは1枚しか手配していなかったとのこと。ちょっとがっかり。決済は現金。
スタート前の食事が購入可能だったのでゲット。€5。
ミールチケットを持って食堂に行く。そこそこ混んでいる。
これで5€はここまで食べたものはなんだったのかというくらい安い。イタリアに来て初めてのパスタだが、正直いまいちな味。それでもスタート前にしっかりと補給ができて良かった。
リストバンドを改めて確認。このイベントに6日間拘束されるという証か。
食事を終えて自転車に戻って先程受付でもらったものを確認する。ドロップバックが白が1stで赤が2nd。内容物が違うので間違えてはいけない。
これがブルベカード的なもの。この2次元バーコードを読み取ることで通過チェックとするらしい。
裏はこんな感じ。各TPの欄が全て用意されているが実際に記入されるかどうかは不明。
ドロップバッグの受付に行って預け入れ完了。
大きな世界地図が貼ってあって参加者が思い思いに名前などを記入している。せっかくなので私も一筆入れておいた。
購入したジャージ類などは荷物預かりがなければドロップバッグに入れてしまおうと思っていたのだが、主催者が大会期間中に荷物を置いておけるスペースを用意していると教えてもらったのでその場所に向かう。メイングラウンドの片隅の黄色い壁の建物がそれ。
部室の様な建物の左から2番目のドアがその場所。
一角の壁に荷物を掛ける。持ち主の責任で管理せよとのことだが、まあ日本のレジ袋を間違えて持っていく人はいないだろう。取り敢えず不要物を置いていくことができて良かった。
バイクにナンバープレートを取り付けた。これで事前の出走準備は完了。後は出走を待つのみ。私のスタート時間は最終21:00だからまだ4時間半以上もある。
16:20に主催者による参加者全員の記念撮影に参加。ここに集まっている人数はぱっと見300人に満たない感じだがこれだけしかいないのか?エントリーはもっとたくさんいた様な気がするがまだ来ていない人がそこそこいる様だ。
スタート前の高揚した雰囲気に呑まれてきてこちらも戦闘モードに入ってきた。心身共にようやく準備ができたという感じ。
全体写真に続いて日本人参加者の集合写真を撮影。
そこに割って入ってくるブラジル人参加者達。PBPの時と同じ様に常に陽気。
レッドブルのキャラバンカーが来ていたので試供品をもらいに行く。
これから徹夜走行なので役に立ってくれそうだ。
スタンドに上がって横になりながらスタートを待つ。
17時前になって何となくスタート前のセレモニーが始まった。スタートは10分刻みなのでパックの人数は少ない。主催者・関係者の挨拶はイタリア語なので何を言っているのかさっぱりわからない。
いよいよ2024年の1001Migliaが始まった。最初の組は17:00スタート、10数人が走り出していく。PBPに比べれば参加者も観衆も少ないが相応に盛り上がりはある。
その後10分間隔でスタートしていく人達を何となく眺めつつスタンドの席に横になって休息しながら自分のスタート時間を待つ。これから徹夜走行になるので少しくらい眠りたいところだが目が冴えてしまって眠気は全くない。
日本人参加者のスタートを写真に収める。
現在時刻は18:22、スタートまではあと2時間半ある。時間はなかなか経たない。
家族が見守る中スタートしていく日本人参加者もいる。
スタンドでぼーっと待っていたらひとりのスタッフがやって来て”何時のスタートか?”と聞いてきたので”21時”と答えると”そこまで待つ必要はないから今すぐ行け”と言う。定員割れだから繰り上げてスタートさせてしまいたいらしい。急な展開で思考が追い付かないがこのままあと1時間半以上も待つのもちょっと辛くなってきた。行くか?
周囲にいた残りの日本人参加者達も自分のスタート時間を待たずに動き出したので、こうなったら行ってしまうかと瞬発的に覚悟を決めて自転車に跨る。
一旦敷地の外に出てから改めてグラウンドに入り直してグラウンドを回るのがスタートの経路。
グラウンドの入口で最初のスタートチェックが行われる。スタッフに自分の名前を申告しスタートリストに通過したチェックを入れてからグラウンドに入っていく。急な展開になったが1時間半繰り上げてスタートラインに乗った。急激に気持ちが高揚してきた。いよいよ私の1001Migliaスタートのカウントダウンが始まった。