1001Miglia2024/Report 8:Stage 4,Day 1/Deiva Marina->Gorfigliano(116.9km/375.0km)

 8/17(土)、8:40にTP3を出発、今下って来た道を上り始める。

 次の目的地は116.5km先のTP4。

 前半に3つの山越えと後半は800m近くまで上る山頂ゴールで獲得標高差は2700mと1001Miglia全体を通しての最難関ステージとなる。このステージをこなせば最初の仮眠なのでとにかくここを無難に全てを出し切ることなく走り終えられる様に心掛ける。

 坂を上りながらDeiva Marinaの街を離脱。

 右側からはみ出ている草木に腕が当たった瞬間激痛が走り、見ると引っ掻き傷が何本もできて血が滲んでいる。何事かと思って右を良く見ながら走ってみると何と道脇の草木は棘のあるバラの様な植物が散発的に植わっている。これは気を付けなければ。

 261.7km、先程左から来た分岐点を通過して今度は右方向に更に上っていく。

 8%位の坂を踏み過ぎずに上っていく。1001Migliaは5泊6日の長丁場だから今日だけではなく翌日に疲労を持ち越さないことを常に考えて走らなければならない。

 263.6km、突き当りをLevanto方面に一旦ピークを通過して下る。

 264.5km、ちょっと下って再び上りに転じた。

 久し振りに自分の前後に参加者が走っている。集団で走りたいとは思わないが大イベントの中にいるという雰囲気が感じられるのは良い。

 時々森の隙間から海が見える。標高300m位でもかなり高く見える。

 269.8km、ちょっと下ってきて分岐を左方向に進みつつ再び上っていく。

 271.8km、ピークに到達して突き当りをBonassola・Levantoを右折、長い下りに入っていく。前半の一つ目の山をクリア。

 勾配10%近い急峻で九十九折の下りはブレーキかけっ放しなので上りの遅れは取り戻せない。

 278.2km、何とか下りを終えてLevantoの街に入った。La Spezia・Monterosso方面に左折。

 街中はかなりの数の車と人で賑わっている。有名な観光地なのだろうか。

 街を抜けても路駐の列がずっと続いている。何かのイベントでもあるのだろうか。進むうちにパラパラと雨が落ちてきた。山の方には黒い雲がかかっている。これから降られるのか?

 279.3km、教会の前をMonterosso・La Spezia方面に右折して本格的に上り始める。2つ目のヒルクライムが始まったか。距離は10km位で標高550m位まで上る。

 7%位の坂が続く。やはりこのステージの山岳はきつい。進むうちに雨が強くなってきてあっという間にゲリラ豪雨的な土砂降りになった。全身ずぶ濡れでシューズの中まで浸水してしまったので不快に思う暇もなくそのまま上り続ける。

 途中で妙なところに左折ポイントがあって細い道に誘導しているのでこれはナビデータが間違っていると判断してそのままこの道を進む。500m程走ったらコース復帰したのでこれはコース作成者も気付いていないルートの引き間違いだろう。事前のルートデータのチェックで見落としていた。

 雨は15分程で止んだので一安心。通り雨だった。

 284.8km、La Spezia方面に左折。

 時折10%を超える急斜面が出て来る坂を更に上って行く。雨が止んで気温が上がって来てかなり汗を掻いてきた。脚攣りを起こさない様に塩タブレットを欠かさず食べる。

 288.1km、ピークに到達して分岐をVernazza・Corniglia方面に右折して下りに入る。2つ目の山のピークを超えた様だ。

 視界の開けた場所で下界を見下ろす。海を見渡してなかなかの開放感。

 下りの斜度はそれ程きつくないので快調に下って行く。汗が冷やされて気持ち良い。

 290.7km、カフェがあって参加者の自転車が何台も見えたので、この辺で休憩を入れても良いかなと立ち寄る。

 1001Migliaをスタートしてから始めての冷たいコーラが激しく旨い。

 20分程休憩して11:54にリスタート、再び下り始める。

 山の斜面には日本とは違う段々畑が見える。ブドウなのかオリーブなのか。

 山の上の集落が何となく要塞都市っぽい。ジブリの映画に出てきそうな絵だ。

 301.3km、九十九折の坂をどんどん下って行く。

 303.3km、トンネルを通過したところで下りは終了し再び上りに転じた。

 山の斜面を横切る様に上って行く道が見える。区間前半の3つ目の上りが始まったか。

 さっきまでの坂に比べれば緩い勾配をぼちぼち上って行く。

 水を飲もうとボトルに手を伸ばしたら、ない。さっきのカフェに置き忘れたことを今更気が付いて呆然。せっかく水を買って満水にしたのにそれを置き忘れるとは、あまりの注意散漫さに激しく落胆する。ここから引き返して今下って来たばかりの急勾配を上り直す気には全くならないので諦めて前に進む。

 高台から見下ろす絶景はなかなか見応えがあるがボトルを失ったショックが大きくて全然楽しめない。

 307.3km、トンネルに到達。3つ目のピークかと思いきや抜けた後もまだ上る。

 絶景はちょくちょく見られる。海が青くこの海岸線にはリゾート地があちこちありそう。

 309.1km、長いトンネルに入った。今度こそピークかと思ったら抜けると下りになったので当たりだった。

 緩めの勾配を快調に下って行く。車は殆ど走っていないので安心して下ることができる。

 315.8km、下りがほぼ終わってLa Speziaの街に入って来た。イタリア海軍の艦船と思われる軍艦が多数停泊しているのが見える。

 La Speziaは軍港もあってかなり大きな街の様だ。

 317.4km、下りを終えて街中に入って来た。港に沿って進んでいく。

 317.8km、街中に入って右折。色々な店が立ち並ぶ商店街の様な場所なのでもしかしたらさっき失ったボトルを買えるかも知れないと一旦止まってスマートフォンのgoogle mapで付近に自転車屋がないか検索したところ、1件だけそれらしい店があったのでコースを外れて行ってみたら閉まっていた。落胆しつつコース復帰して先に進む。

 318.9km、海沿いの大通りを進む。2車線の道路はミラノ以来初めて見た気がする。交通量も多く信号にもちょくちょく引っ掛かって完全に都会の様相。

 南国風情の木々や花の向こうにはヨットハーバーが見える。日本で言えば横須賀といった感じか。規模的には横須賀よりも大きい感じ。

 大通りの途中で自転車屋を見つけた。ここなら間違いなく買えると思ったが閉店だった。どうやら昼休みの様だ。他の店も閉まっているところが多かったのでもしかしたらシエスタの様な習慣があるのだろうか。止む無く先に進む。

 321.8km、港沿いの道が終わって都市中心部を抜けた感じ。そろそろ街も終わりという感じか。

 323.2km、街を出て上りになった。道なり右方向に進んでいく。

 324.2km、1km程上ったらピークを通過して下りになった。車が少なくなって走り易くなった。

 327.0km、突き当りを左折する。

 327.6km、Ceparana方面に右折。

 331.8km、まだ残ったボトルにはそこそこ水は入っているがこの先の山を考えると心許ないので水を買おうと道沿いにバーや商店を探しているが全然見つからない。

 332.5km、橋を渡って左折、川沿いの平坦基調を進む。

 336.3km、ぼちぼち走っていたら前方に一人の参加者が止まっていて手招きしている。何事かと近付いたらその人は”ウォーター”と湧き水を指さした。おお!これは天の恵みと、ボトルの水を全部飲み干した後にこの湧き水を汲んで飲み、満水にして出発。

 進むうちにさっきの湧き水の壁に書かれていた”NON”の文字が気になって、もしかしたら飲んではいけないのではないかと不安になって来た。(後日調べたらacqua non potabile=非飲料水)

 338.9km、Aullaの街に入ってReggio E.・Fivizzano方面に右折。

 平坦基調をぼちぼち進む。空は雲がそこそこあって時々日が陰るのがありがたい。14時半過ぎの気温は30℃前後というところでそこそこ暑いが酷暑という程ではない。

 微妙なアップダウンがありながら徐々に上り基調になって来た。残り距離的にそろそろ最後の上りが始まる頃か。

 346.9km、Romettaの街に入ったところで遂に水の自動販売機を見つけた。心配なので湧き水で汲んだ中身を全部捨ててここで買った水に詰め替える。更にもう一本ペットボトルごとボトルケージに差す。まあボトルが一本なくなってもこのやり方で多少不便だが凌げるとちょっと気楽になった。一息入れて出発する。

 351.1km、ループ橋を上って真っすぐな坂を進んでいく。前方の山には低く黒い雲がかかって不穏な雰囲気。

 と思っていたらぽつぽつと雨が降り出して通り雨の様な激しい降りになってあっという間にずぶ濡れになった。

 10分程で雨は小降りになった。雨雲を抜ければすぐに止むだろう。ゴールするまでにはウェアを乾かしたいところ。5%前後の坂をぼちぼち上って行く。

 工事用片側通行信号に引っ掛かった。待ち時間がかなり長い。日本のカウントダウン表示の有難味が良く分かる。3分位待って青になり再び上り始める。

 359.9km、Casola In Lunigianaの街を抜けて行く。

 361.7km、陸橋の下をくぐってPieve San Lorenzoの街に入っていく。

 362.2km、Pieve San Lorenzoの街を抜けた辺りから勾配がきつくなってきた。

 10%近い勾配がちょくちょく出て来る様になった。ピークまではまだ距離があるからこの調子の上りが続くのはかなりきつい。

 坂の向こうの更に上に街が見える。もしかしてあそこまで上るのか?かなりげんなりする。

 少しずつだが確実に街は近づいている。もうひと頑張り。

 振り返ると今上って来た道が下の方に連なっている。改めてみてみるとかなり険しい。

 367.8km、Minuccianoの街に入った。街中も結構な勾配で上っている。

 369.1km、街を抜けて1km程上ったらトンネルが出てきた。やっと山頂に到達したか?短いトンネルを抜けると直ぐに下りに転じたので山頂通過は間違いない。最後の山越えをクリアしてほっと一息。

 371.6km、急勾配を一気に下って来てGramolazzoの街に入って右折ポイントを見逃してコースアウトして更に下ってしまった。直ぐに気が付いて慌てて引き返して上り直し曲がる。

 曲がってすぐにレンガの橋を渡って突き当りを左折する。ちょっと下ったら再び上りになった。

 372.3km、遂にGorfiglianoに入った。今日のゴールまで残り3kmを切った。

 3%前後の坂を上って行く。TP4を出てこれからTP5に向かう何人もの参加者とすれ違う。唯々凄いと思う他なく見送りつつ、もうすぐ仮眠できる安堵感が湧いてきた。

 374.9km、ここを右折すればもうTPは目前。

 TPのゲートをくぐったところでスタッフにナンバープレートチェックを受けて一安心。

 375.0km地点のTP4に到着、チェックタイムは8/17の17:11。予定より1時間10分遅い到着となってしまった。ハードな山岳の連続と街中のボトル探しでTP3までの貯金を使い果たしてタイムロスしてしまったが大崩れせずにここまで来れたのはまずまずというべきか。それにしても最後の上りはきつかった。

 寝る前にまずは腹ごしらえ。手前のカウンターの食べ物は無料で奥のブースではサンドイッチその他が売られている。

 寝る前なので無料提供のフードで充分な量。飲み物だけレッドブルを買おうと思ったらブースのおじさんが”これは売り物ではないからあげる”とタダでくれた。感謝!でもよく考えたらこれを今飲むとカフェインで眠れなくなるので明日の朝飲むことにする。リゾットの様なものは暖かくなくて味が薄くていまいちだったがスイカは滅茶旨。まずは1日目を無難に消化し最難関のステージ4をクリアできたのでほっとした。前半山岳ステージの3日のうち1日が終わって残り2日、このままの調子を維持してすんなりとクリアしたいところだ。

 ここにいる参加者の数は少なく閑散としている。かなり分散して来た様だ。

 15分程で食事を終えてからスタッフに仮眠場所を尋ねると、グラウンドの向こうの体育館だと教えてくれた。

 自転車と一緒にTPからちょっと離れた体育館に向かう。

 体育館の中に入ってみるとPBPの様にベッドブッキングはなく、勝手に自己責任で寝ろというスタイル。各自勝手に使えという感じで床に敷くマットが積んであった。今ここで寝ているのは10数人という感じで少ない。多くは先に進んでいるということか。

 体育館の隅にバイクを持ち込んでマットを持って来て寝床を作った。上に掛けるものはない。ドロップバックはここにはなく着替えも携帯していないのでここに辿り着くまでにジャージが乾いて良かった。気温はまだ20℃以上あって半袖ジャージにレーパンでも問題なさそうだが夜は寒いかも知れないので念のためアームカバーとレッグカバーとエマージェンシーブランケットを出しておく。仮眠後のリスタート時間は予定なら23:30だが睡眠時間確保を最優先に考えて1:00として0:30にiphoneとスマートウォッチのアラームをセットし電装品をモバイルバッテリーに繋いで充電を始めて直ぐに耳栓をして就寝態勢に入る。就寝時刻は18:15。