1001Miglia2024/Report 12:Stage 8,Day 3/San Quirico d'Orcia->Bolsena(107.3km/784.1km)

 8/19(月)、0時過ぎに目が覚めた。耳栓を外すと体育館の外から何かのコンサートの様な音が遠巻きに聴こえてくる。何となく眠い気がするが二度寝できそうにないのでそのまま起き上がって出発準備開始。

 昨夜は横になってすぐに眠りに落ちたので睡眠時間は正味3時間半位か。絶対時間としては相変わらず短いが眠気を我慢して辛い思いをして起きるという感じではないので良しとする。荷物をまとめて体育館を出る。

 バイクに戻って荷物をパッキング。昨夜は雨はなかった様でバイクは濡れていない。昨日取っておいたジャムパイを食べて水を飲んで朝食とする。

 時間的にはまだクローズ前で仮眠している人を含めてまだそこそこの人数がここにいる様だ。少なくとも自分は最後尾ではないことが分かってちょっとほっとする。

 0:37リスタート。緩々と走り始める。予定よりも50分早いリスタートだが、今朝も睡眠時間を削って埋め合わせた格好。

 3日目はTP7/San Qirico d'OrciaからTP10/Matassino-Reggelloまでの319.1km。

 昨日よりも若干距離が長いが獲得標高差はほぼ同じ4000mちょっと。初日から3日連続の山岳ステージの最終日ということで今日を走り終えることができれば明日以降ぐっと楽になるはず。その意味で今日が正念場となる。前半150kmに今日のほとんどの山が集中しているので前半勝負で臨む。

 第8ステージは107.3kmだが途中中間地点辺りにCP1がある。

 山岳は序盤と終盤に高い山が一つずつ、中間部はアップダウンというレイアウトで獲得標高差は1500m。難易度3つ星のステージとなる。区間距離は長いが基本ノンストップで行く予定。

 リスタート直後は下りから入っていく。San Quirico d'Orciaの街を離脱。

 678.5km、この先左折なのにうっかりしてその手前を曲がってしまいコースアウト。すぐに気付いて慌てて戻る。

 678.7km、幹線道路に合流して更に下っていく。

 車通りの全くない暗い幹線道路を順調に進む。身体各所に痛いところはなく脚は普通に回る。短い睡眠でもそこそこ回復して体調はまずまずなので一安心。

 空には月が浮かび雲は少なく晴れている様子。気温は体感で20℃位あるので半袖ジャージにレーパンでも全然寒さは感じない。

 688kmを過ぎて下り基調は終了、徐々に上り始める。

 695.2km、Radicofani・Chiusi方面に左折して幹線道路を離脱、更に上っていく。

 上り始めから7%位の勾配が出てきた。朝一からなかなかきつい。

 699km辺りで一旦ちょっと下って再び上り、8%を超えるきつい上りが続く。

 なかなかピークが来ない。標高770mはやはり高い。一桁の速度で我慢の上りが続く。

 703.1km、Radicofaniの街に入ったところでようやくピークを通過。序盤の山越えが終了してほっと一息、そのまま下りに入っていく。

 704.6km、Roma方面に右方向の支線に逸れて更に下っていく。

 急勾配の下りを慎重に下っていく。長い下りの間に身体が急激に冷えてきた。

 715.1km、急勾配の下りが終わって緩くまっすぐな勾配を走っている間、いよいよ寒さに耐えられなくなって道端に止まって震える手で何とかアームカバーを装着した。ちょっと落ち着いて再び走り始める。

 717.7km、突き当りをCastell'Azzara方面に右折したところで下り基調は終了。

 718.4km、Castell'Azzara方面に左折して徐々に上り基調になっていく。

 微妙なアップダウンのある坂をぼちぼち上っていく。さっきの上りと違って勾配はそれ程きつくない。

 727.6km、Sordinoの街に入って上りは終了。Pitigliano方面に左折して下る。CP2まであと4km弱。

 730kmを過ぎた辺りで下りから上りに転じた。いきなりの8%の坂をえっちらおっちら上っていく。

 731.3km、ナビの指し示すチェックポイントはこの辺りだが何もないので取り敢えずもう少し進んでみる。

 1kmちょっと進んだところでCPの看板が見えた。

 奥のレストランの様な建物のところにバナーが掲げてあるが店は閉まっていて誰もいない。辺りをうろついてみるが人の気配は全くないしスタンプも置いていない。

 何度も周囲を行き来してチェックするが本当に何もない。これは困った。これは要するに通過証明の写真を撮って先に進むしかないということか。参加者が来る気配もないので10分位うろついた後に覚悟を決めて進もうとしたら参加者がひとりやって来た。

 ”ここには誰もいないよ”と教えたら”手前にCPはあったよ”と教えてくれたので、なんだそりゃと戸惑いつつもダッシュで元来た道を戻る。

 500m位戻ったところの民家の前で参加者が数人停まってチェックを受けていた。さっきここを通った時には人の気配は全くなかったのにどういうことだ?女性のスタッフらしき人に気付かずに通り過ぎて戻ってきたと伝えたら”ごめんごめん”とブルベカードにサインしてくれた。よく見たらバナーも貼ってあったが暗くて全然見えない。シークレットがこの有様だと夜なら気付かずに通り過ぎてしまった人がいるのではないか。兎にも角にもリカバリーできて一安心。732.1km地点のCP2をクリア、チェックタイムは8/19の5:00。

 気を取り直して今戻って来た道を再び進み始める。真っ暗な緩い下り基調を進んでいく。

 742.0km、ちょっと上ってSoranoの街に入った。

 街中を右折して九十九折の下りを降りていく。

 九十九折の下りから見上げるSoranoの夜景はなかなか幻想的。写真を撮ってみたが多分うまく写っていないだろう。(案の定写っていなかった)

 アップダウンを繰り返しながら徐々に標高を下げていく。時刻は6時直前、空がうっすらと明けてきた。

 749.6km、Pitigliano方面に左折。更に下っていく。

  753kmを過ぎて下りから上りに転じた。

 754.1km、突き当りを左折して街に向かって上っていく。すっかり夜が明けて山の上の街がはっきりと見渡せる。

 上りながらPitiglianoの街に入った。

 絶壁の上の街にヘアピンカーブを上っていく。

 なかなかダイナミックな街の眺望に強い非日常感を覚える。これぞイタリアという風景が強く印象に残る。

 754.8km、石造りの端の掛かる古い街並みの中をカーブしながら上っていく。

 Pitiglianoの街の建物は相当古い歴史のあるものに見受けられるがそこに今でもたくさんの人が住んでいるというのがなかなか凄い。

 756.0km、Pitiglianoの街を出て緩やかな郊外の道を東に向かって上っていく。これは距離的に終盤の山越えに差し掛かっているということか。

 3%前後のまっすぐな緩い上りをひたすら上っていく。時刻は6:48、道の向こうに朝日が見えた。清々しい朝の到来に気持ちが和む。

 道脇には農場がある様だが何を育てているのだろう。オリーブ?

 まっすぐな坂の向こうの丘を目指して走り、そこに到達したら更に先に丘が見える。一体どこまで上るのだろう?延々と上りが続く。

 車が殆ど走っていないのでほぼ貸し切り状態で落ち着いて走れるのはなかなかよい。ペースは遅いが確実距離を消化していく。

 スピード表示が出る電光掲示板の傍を通ったが上りであまりに遅いので反応してくれなかった。

 764.0km、Il Casoneの街を通過。上りはまだ続く。

 道脇の牧草地にはヤギと鳥(サギ?)の群れがいた。ヤギはともかく鳥が一緒に集まっているのはどういうことだろう?謎だ。

 距離的にそろそろ山が終わってもよい頃だと思うのだがまだピークが来ない。何となく山の無限ループにはまり込んでしまったような気がする。

 768.4km、緩やかな上りから緩やかな下りになっていく。ここがピークか。どうやら終盤の山越えをクリアした様だ。いやあ、なかなか長い上りだった。

 770.3km、Gradoli方面に左折して更に下っていく。

 771.3km、下りながらうっかり右折ポイントを見逃してしまい直進コースアウト。過ぎに気付いて慌てて戻りGradoli・Viterbo方面に曲がってコース復帰。

 773.0km、Gradoliの街に入った。

 街中の突き当りを左折する。

 街を出て更に下っていく。

 778.3km、突き当りをBolsena・Viterbo方面に右折。下りが終わって平坦になった。ここを曲がるとTPはもうすぐ。

 道脇にはひまわり畑が連なっている。花は終わって皆一様に重い頭を垂れている。そろそろ収穫期か。ひまわり畑の向こうにわずかに湖が見える。

 738.3km、左折すればすぐにTPのはず。

 1001Miglia のバナーが見えた。ゲートをくぐって中に入っていく。

 玄関の前でスタッフにすぐにナンバープレートチェックを受けて一安心。

 784.1km地点のTP8に到着、チェックタイムは8/19の8:12。ノンストップで予定より20分近く早く到着できた。

 建物の中のフードカウンターで食べ物を注文。

 水とサンドイッチは無料でコーラは有料。PBPと違ってコーラは確実に冷えたものが出てくるのでありがたい。コーラをがぶ飲みして人心地。のんびり30分程休憩して出発する。