8/19(月)、8:55にTP8を出発。
矢印に従って左折、再び幹線道路に合流する。
第9ステージはTP9までの130.6kmだが、途中でCP3に立ち寄る。
この区間は区間距離がこの1001Migliaのステージの中で最も長く最難関四つ星ステージの3つのうちの最後の一つ。獲得標高は1760mと数値的には第4ステージには及ばないものの3日目になって身体的ダメージも積み重なってきているはずだし相応にきついステージになることは間違いない。山は前半の2つ、リスタートから45km地点の標高800mの山頂をクリアするまでが勝負。とにかく最後の四つ星区間をクリアすれば身体的にも精神的にもかなり楽になるはずなのでこのステージが1001Miglia完走の踏ん張りどころだ。
ちょっと走ったらBolsenaの街が見えてきた。
785.5km、街中で左折。曲がってすぐに石畳を上り始める。
この街辺りが1001Migliaのコースの南端なのでこれからゴールに向かって北上していくことになる。
街中の5%弱の九十九折をぼちぼち上っていく。早くも区間最初の山越えに入ったか。
イタリアに来てこの三輪自動車をよく見かける。昔日本にあったオート三輪みたいなものだろうか。
790.2km、Orvieto方面に左折して更に上っていく。
ここに来て両足裏が痛くなってきた。今日までの走行距離が800km近くなりそろそろ身体各所にダメージが顕在化してくるころだと思っていたが今回はまず足裏から来たか。シューズを履いたまま長時間踏んでいると足裏の血行が悪くなって適度に休ませないと痛みが増して走れなくなる。これは要注意だな。
792.1km、一旦ピークを通過して下る。
793.0km、幹線道路に突き当たってTorre San Severo方面に左折、更に下る。
ちょっと下ったら上りになって5%弱の勾配を上っていく。
794.8km、勾配が緩んでピークを通過。早くも一つ目の山をクリア。そのまま下りに入っていく。
804.5km、九十九折の急勾配の長い下りを一気に下ってきてGabellettaの街に入った。ここから先2つの目の上りに入っていくのでこの辺りで足裏を休めるために休憩を入れようと思ったが道脇にはバーやカフェはなさそう。
止む無く道端に止まって休憩。草むらに座ってシューズを脱いで足裏を解放してマッサージする。これをやればそこそこ回復してしばらくは持つ。ここから先はこれを繰り返しながら走ることになるだろう。そう言えば800kmを超えたということはこの辺りが1001Migliaの中間地点か。取り敢えず半分終わった。
休憩していたらナミキさんが抜いていった。10分弱休憩して出発する。
804.7km、Orvieto Scalo方面に右折して更に下って行く。
809.0km、川を渡った直後に下りから上りに転じた。いよいよこの区間のメインの山越えが始まったか。標高差700mを20kmかけて上る本格ヒルクライム開始。
7%位の坂を上って行く。時刻は10時半を過ぎて暑さが本格化して来た。日差しも強く体感温度は30℃を確実に超えている感じ。
上り進んでいくと時々7~8%の坂が出て来るが大体5%前後が続く感じ。イメージ的には定峰峠を倍にしたような感じか。
また足裏が痛くなってきたので休憩場所を探しながら走る。いつもならヒルクライムの最中は意地になって足着きなしで上って行くのだが、1001Migliaは明日以降もまだまだ続くので極力ダメージを負わない様にあくまで完走優先で積極的に休むことにする。
818.1km、Colonetta di Prodoの街に入った。
街には休憩できる場所はなかったのでそのまま通過。痛みが強くなってきたので止む無く日影がある道端に止まって草むらに腰を下ろす。シューズを脱いで休んでいたら、近くに車が止まって男性が出て来て近付いてきた。何事かと思ったらその髭の40歳くらいの男性が”大丈夫か?”と声をかけてくれた。”大丈夫”と答えたら”これあげる”とペットボトルのジュースをくれた。感謝感激、何度もお礼を言いつつジュースを受け取る。
優しい男性の後姿を見送る。そう言えばMGM走行中も日中暑さにやられて日陰の道端で止まって休んでいたら声をかけてくれた人がいたことを思い出した。ヨーロッパの人達の優しさが身に沁みる。
もらったジュースを有難く飲む。10分程休憩してリフレッシュして再び上り始める。
一瞬下りになる場所が数か所もあったが5~7%の上りが続いている。20kmの上りは流石に長い。
826.9km、道の両側に路駐の車が多数、多くの車や人が行き交っている。雰囲気的にキャンプや登山といった感じ。
828.2km、視界が開けて来てテレビ塔やら電波塔が見えてきた。山頂はもう目前。
828.9km、勾配が完全に緩んだ。どうやらこの辺りがピークの様だ。2時間20分かけて標高800mまで上って来た。この区間のメインイベントをクリアしてホッと一息。
829.1km、ちょっと下ったら展望台の様な場所があったので休憩がてら止まって風景を眺めてみる。
天気も良く開放感のある眺望が広がる。標高800mの山頂は少しは涼しいかと思ったが全然そんなことはなかった。
この山はMonte Pegliaという名前らしい。
10分程の休憩の後出発する。
長い下りを順調に進む。この先しばらく踏まないで済むかと思うと相当気楽だ。
調子に乗って下っていたら左折ポイント見逃して直進オーバーランしてしまった。500m位下ってから気付いて慌てて引き返して上り直す。この無駄な上りで脚を使ってしまったことが非常に悔やまれる。
836.4km、分岐に戻って来て改めてPornello・Montegiove方面に左折して更に下って行く。
曲がってからの道は狭く路面があまり良くなくあまりスピードは出せない。
843.0km、進むうちに道が広くなって綺麗になったのでペースアップ。
周囲には開放的な風景が広がっている。まだまだ標高は高く位置エネルギーを蓄えているので気持ちに余裕がある。
更に下って行くうちに道が狭くなり路面も荒れて来て下り勾配もきつくなりブレーキをかけっ放しで下らなければならずペースダウン。
847.8km、アップダウンが出てきた。いきなり5%を超える上りが出てきてきつい。
849.2km、突き当りをMarsciao方面に右折して下りになった。
路面の悪いアップダウンが続く。路面からの振動が掌や尻や足裏にダメージを加えていく。これは想定していなかった悪条件。イタリアの田舎道は舗装が悪い。
広い牧草地が広がる田園風景の中を進む。時刻は14時を過ぎて昼下がりの暑さが堪える。スタートして3日目にして本格的な暑さとの戦いが始まった感じだ。
855.2km、Vallicelleの街を下りながら通過。
857.4km、Perugia方面に左折。Perugiaって中田英寿が在籍していたサッカーチームのあのPerugiaか?
ひまわり畑の傍を通過。ここも花は終わってもうすぐ収穫か。
ひまわり畑の横の真っすぐな上りをえっちらおっちら上って行く。
858.6km、上りのラウンドアバウトをPerugia方向に進む。
アップダウンをぼーっとしながら上って行く。ボトルの水も少なくなり暑さでかなりバテてきているのでそろそろ休憩を入れないと拙い。
前半の2つの山をクリアしてあとはTPまで平坦基調だと思っていたが全然楽にならない。
863.2km、Castiglione della Valleの街に入ったところでバーがあって参加者の自転車が何台か止まっているのが見えたので吸い寄せられるように立ち寄る。
いやあ助かった。コーラと水を買って店の外の椅子にへたり込む。冷たいコーラがもうどうしようもなく美味しくて生き返った。
何となく便意があったので行ける時に行っておこうとトイレに入ったがどれだけ気張っても出てこない。そう言えばスタートしてから一度も出すべきものを出していない。便秘というよりは正に糞詰まりな状態。まあ食べるものを食べていればそのうち出て来るだろう。
20分程の休憩の後出発。
正にオアシスの様なバーを後にして先に進む。
相変わらず道のあまり良くない田舎のアップダウンを進む。さっきの休憩で両足裏の痛みはかなり解消したので多少ペースは回復した。
進むうちに道が広くなり路面はかなり良くなったがアップダウンが続く。
873.5km、下りの先に湖が見えた。
今日の走行距離が200kmに到達。経過時間は15時間14分で通常のBRMなら完全にタイムアウトだがここまでの山越えと悪路と暑さを考慮すればこういうものだと割り切るしかない。とにかく今日を無難に終えることが最大のミッション。
左に湖を見ながら平坦基調を進む。
875.3km、左折ポイントを見逃して直進コースアウト。直ぐに気が付いて慌てて戻ってPassignano・Monte del Lago方面に右折してコース復帰。
876.7km、突き当りをSan Feliciano・Monte del Lago方面に左折。
878.8km、San Felicianoの街中を通過。
湖沿いの平坦基調を進む。ようやく田舎道を脱して落ち着いた感じがする。時刻は16時を過ぎて暑さのピークは越えた様で幾分か楽になった。
時たまアップダウンが出て来る。距離は短いがそこそこ脚に来る。
882.1km、Monte del Lagoの街中でピークを通過して下る。
突き当りをCastel Rigone・Passignano方面に左折して高速道路と並行して走る。
微妙なアップダウンを繰り返しながら進む。CPまではもう少し。
Passignano sul Trasimenoの街中に入ってナビの指し示す場所に着いたがそれらしい場所は見えない。止む無くもう少し先に進んでみたら300m先に1001Migliaのバナーが見えたので止まって周囲を確認する。
ちょっと奥まったところのバーに更にバナーが貼ってあって参加者の自転車が数台止まっていたので中に入る。
891.2km地点のCP3に到着、チェックタイムは8/19の16:51。予定より1:50の遅れ。決して小さくはないが、山越えと路面の悪い田舎道と暑さを考慮すれば致し方なし。
中で休憩していた参加者の一人に”スタッフはどこ?”と聞いたら”チェックは店のオーナーがやってくれる”と教えてくれた。飲み物を買って会計の時にブルベカードにチェックをお願いしたらオーナーらしき人がサインしてくれたので一安心。3つ目のCPも無事にクリアした。ジロの映像を見ていて昔からよく目にしていた”ESTA THE”というロゴの飲み物があったのでてっきりオレンジジュースだろうと思って買ったら果実系の味のついた甘いお茶だった。
店の前は直ぐに湖で人も車も往来が多く如何にも観光地といった風情。賑やかでうっかり車の渋滞に流されるとこの場所に気付かず通り過ぎてしまうリスクはある。その意味でやはりこのシークレットポイントはあまりよろしくない設置場所だと思う。20分程休憩して出発する。
CPを出て再び湖畔を西に向かって進み始める。改めてTP9を目指す。残り距離は24.2km、もうひと頑張り。
街を出て車が少なくなり走り易くなった。足裏もそこそこ回復してちょっと踏めるようになったので多少ペースアップして順調に進む。
湖畔からは微妙に離れていて湖を見渡す眺望はない。
901.0km、Cortona・Arezzo方面に道なり右に進んで湖畔から離れていく。
山に向かって微妙なアップダウンを進んでいく。
905.9km、突き当りをCortona・Arezzo方面に右折。TPまで10kmを切った。
車通りが急に増えた。道も狭くて走り辛くちょっと緊張しながら走る。
この辺りにもひまわり畑が広がっている。ひまわりは主要作物なのだろうか?
911.3km、Camuciaの街中を通過。
Camuciaの街を抜けたら車が減って走り易くなった。TPまではあと3kmを切った。
914.5km、1001Migliaの矢印の通りに右折する。
矢印のゲートの向こうに1001Migliaのバナーが見えた。ここがTPで間違いない。
到着してすぐにスタッフのナンバープレートチェックを受けて通過チェックをクリア。
914.7km地点のTP9に到着、チェックタイムは8/19の18:16。予定より1:15遅れ、若干取り返したか。
ここでは参加者の姿は少ない。建物の中に入ってフードカウンターに行くと今までのTPの中で一番食べ物の種類が多い。しかしこっちの食欲がいまいちないのでトマトとスイカと水をもらう。冷たいトマトが滅茶苦茶美味しくて卒倒しそうになった。生まれてから今まで食べたトマトの中で一番かも知れない。シューズを脱いで足裏を休めながら20分程休憩する。