1001Miglia2024/Report 22:Stage 18,Day 6/Fombio->Parabiago(123.5km/1609.2km)

 8/21(水)、22時過ぎに目が覚めた。アラームが鳴るまでに3時間近くあるがバッチリ目が冴えてしまった。睡眠時間は正味1時間で絶対時間として全く足りていないが割と頭はすっきりしているし身体もそこそこ動く。このままスタート時間を繰り上げて一気にゴールまで行ってしまってゴールしてから改めて寝直すかと勢いで判断してベッドから起き上がって身支度を始める。荷物をまとめてベッドを後にする。

 荷物を持って中庭に出てみると参加者の数はかなり少なくなっている。もうほとんどがゴールに向かったか。

 この入口の奥が仮眠部屋。それにしても文化財的な古城をこういう使い方をしてしまうのが何ともおおらか。

 バッグに荷物を詰め直して出発準備完了。

 睡眠不足は確実なので満を持してここでカフェインを投入。濃いコーヒーをもらって飲む。

 6日目はそのまま第18ステージ、ゴールのParabiagoまで行く123.5km。

 区間距離は123.5kmと長いが中間地点辺りでチェックポイントに立ち寄ることを考慮すれば60kmのステージ2本という感じか。スタートとゴールの標高差が100mあるが距離を考えれば平坦コースだ。もう何の策もない。ここまで来たら絶対に落とせない。ひたすら安全にひたすら慎重に走ってゴールするのみ。

 22:25にリスタート。結果的にほぼ予定通りの時間になった。さあ、いよいよ最終ステージ、心して走り始める。

 古城の敷地を出てコースに復帰、静かなFombioの街中を進む。

 1486.0km、街を出てMilano左折する。いよいよ道路標識にMilanoの文字が出てきた。Milanoまでは49km。

 さらば、Fombio。これが最初で最後の訪問になるはず。

 今のところ路面はまとも。さすがに2時間位ベッドに横になった位では大した回復はないがそれでも足裏や掌や尻や腰の痛みは軽くなっているし脚は回るのでもうひと勝負できる。あと8時間持ってくれればそれでよい。

 1487.8km、Soaglia・Piacenza方面に左折、西に向かって進み始める。

 幹線道路が続いて信号が出て来る様になってきた。何となく都会が近付いている感じがする。

 1496.8km、突き当りを左折。

 1497.6km、Orio Litta・Pavia方面に左折。

 時々路面の悪い所が出て来る。暗くて身構える隙なく突っ込んでしまうと足裏や尻へのダメージが大きい。

 1513.0km、Corteolonaの街の入口の工場の傍を通過。ライトアップされて美しい。

 ゴールまで100kmを切った。あと6時間。

 1518.1km、Belgioiosoの街に入った。

 街中の宮殿の様な建物の前を通過。

 向かう先に明かりがたくさん見えるようになってきた。夜道の雰囲気も昨日までとは徐々に変わってきた。足裏の痛みが強くなってきたので休憩場所を探しながら走る。

 1524.9km、Motta San Damianoの街に入ったところでバス停のような場所を見つけて止まる。落書きが都会の雰囲気を出している。10分程手足を休めて出発。

 1530.3km、Paviaの街に入って左折。ラウンドアバウトの中心にボーズを決めるマッチョな人型が光っている。

 1531.1km、街中の川沿いの道を走る。Paviaの街はかなり大きい。

 1531.8km、左折して橋を渡る。

 石畳の橋を自転車に二人乗りのカップルが前を走っている。ちょっと絵になる風景。

 Pavia街を抜けて再び郊外の道を西に向かってひた走る。時刻は1時を回ったところ、何となく眠気が来た気がしなくもないがまだ意識ははっきりしているのでこのまま走り続ける。

 1545.0km、CP4のあるZerboroの街に入った。

 街中に入ってきた。もうそろそろナビの指し示す場所だが周りを見回しながら走る。

 1545.4km、ナビの指示する場所の手前に1001Migliaのバナーがあったので停車、周囲を見回す。

 向かい側の道路標識の柱にチェックポイントの表示があった。どうやらここらしい。

 1545.5km地点のCP4に到着、チェックタイムは8/22の1:42。予定より約10分の遅れ。

 取り敢えずここでCPは間違いなさそうなのだがスタッフはおろか参加者の姿はない。

 察するにすぐ傍のバーが日中は人がいてチェックしていたのだろうが夜になって店を閉めてしまったということらしい。といいつつCP2では別の場所でスタッフがチェックをしていたという例があるので油断はできない。周囲を何度もチェックするがやはり何もない。10分位辺りをうろうろしていたら参加者がひとりやって来た。その人と話をしてお互いの姿をチェックポイントの表示と一緒に写し込んだ写真を撮り合って出発することにした。もうイタリアの主催者のルーズなシークレットの設定具合には慣れたのでゴールしたらこのフォトチェックをねじ込んでやる。

 15分程の滞在の後出発。改めてゴールに向けて走り出す。ゴールまではあと64km、4時間程の道のり。

 街を出て再び郊外の真っ暗な道を進む。

 1548.8km、突き当りをParasacco方面に右折。

 1551.8km、ボートの浮橋を通過。またしてもおっかなびっくり渡っていく。ここを渡って南に向かったのが7日前、随分と前の出来事のように思える。

 1553.6km、真っ直ぐな坂を上っていく。これだけはっきりとした坂を上るのは本当に久し振り。たかだか3%位の短い上りだが妙に懐かしさがある。

 1555.2km、Bereguardoの街に入って左折。

 1558.1km、ミラノ県に戻って来た。Milanoの文字を見るとゴールが近付いてきたことを実感する。

 1560.7km、Motta Viscontiの街に入って突き当りをMagenta・Besate方面に左折。

 空には月が輝いている。最終日も雨の心配はなく安心して走ることができる。道中何度か雨に降られたけれどレインウェアが必要となることはなかった。持って走らずに正解だった。

 1563.2km、Besateの街に入ってCasorate・Abbiategrasso方面に右折。

 1563.6km、不自然な住宅街の迂回ルートは恐らくルート作成者の引き間違いだと思われるがデータ通りに通ってみる。案の定何もなかった。

 1564.2km、Casorate・Rosate方面に右折してBesateの街を出ていく。

 1565.7km、小さな橋の手前を左折してサイクリングロードの様な細い道に入っていく。

 川沿いの暗い道を北に向かってひたすら進む。路面は比較的綺麗。

 1572.4km、信号に突き当たって右折してサイクリングロードは終了。

 1572.6km、左折してCaselleの街に入っていく。

 曲がってすぐのところ街灯が明るいベンチを見つけたので休憩を入れることにする。シューズを脱いで足裏を解放してマッサージ。ゴールまではあと50km、あと3時間持ち堪えてくれ。10分程の休憩の後出発。

 再び郊外の道をひた走る。休憩効果で足裏の痛みはかなり和らぎ若干ペースアップ、順調に距離を消化していく。

 1576.2km、Castelletto Mendosioの街に入って右折。

 1576.7km、橋を渡って直後を左折、川沿いを走り始める。

 川沿いのまっすぐな道を北に向かって走る。

 川面と道路の高低差はほとんどなく川の水はかなり多くて流れも速い。ガードレールがない所が結構あるのでうっかり川に落ちるとあっという間に流されそうでちょっと怖い。

 1580.5km、ライトアップされた橋の傍を通過。

 橋の周りは石畳。

 観光地の様な橋の周りを通過して更に川沿いを進む。

 1582.5km、川の対岸に宮殿の様な建物が見える。この川沿いはライトアップされた場所が幾つもあって観光の名所の様に見える。夜に走るのはちょっと残念だが、夜は夜で趣はある。

 

 再び石畳が出てきた。真ん中のフラットな部分を走る。

 1585.4km、Ponte Vecchioの街中で突き当りをBoffalora方面に左折。

 直後を右折して更に川沿いを進んでいく。

 1586.0km、再び足裏の痛みが増してきたので止まって道端に座り込んで休憩。休んでいる間に誰かに抜かれるかと思っていたが誰も来ない。もうすぐゴールだというのにいくら何でも参加者相互の間隔が開き過ぎではないのか。もしかしてミスコース?それとも最後尾?ちょっと心配になる。10分程の休憩の後出発。

 1588.3km、Boffaloraの街中の石畳の橋の傍の広場のような場所に出た。綺麗に整備されてライトアップされた綺麗な観光地の様だ。

 広場を抜けた後、細い道で更に川沿いを進む。ちょっと走って右折して川沿いから離れる。

 1588.6km、突き当りを左折して長かった川沿いの道が終わった。

 1588.9km、住宅街の中を右折。

 曲がった直後に短い急坂が出て来て突き当りを左折する。

 1589.2km、住宅街の中の道を右折してBoffaloraの街から出ていく。ゴールまであと20km。

 1590.2km、高速道路沿いの細い道を進む。都会の雰囲気がどんどん出て来る。

 自転車のマークの道路標識がある。この細い道はサイクリングロードらしい。微妙なアップダウンのある高速道路沿いの道を順調に進む。

 1597.5km、前方に高速道路のジャンクションを見ながら更にサイクリングロードを進んでいく。

 1598.2km、高速道を横切るトンネルを通過。この落書きを見て都会に戻ってきてしまったことを痛切に重い知る。間違いなくこの旅はもうすぐ終わってしまう。

 トンネルを抜けて右折してまっすぐに緩く上っていく。

 1599.6km、左折して高速道路沿いから離れていく。

 1599.8km、一般道に合流して右折して長かったサイクリングロードが終わった。直後のラウンドアバウトを左折。ゴールまで残り10kmを切った。もう1時間かからずにこの旅が終わる。本当に終わるのか?俄かには信じられない。

 1600.2km、突き当りを右折してAlilunaの街に入る。

 1601.4km、大きなラウンドアバウトをぐるっと回って左折。

 1601.7km、道路標識にParabiagoの文字が出てきた。あと7km。

 1604.8、ラウンドアバウトを鋭角に左折。Parabiagoまであと3km。

 まっすぐな道を進む。いつの間にか足裏も尻も両掌も痛みが気にならなくなっていた。最後の最後でのペダリングは淡々と、でもしっかりとその一踏みを楽しんでいる自分がいる。あと10分足らずで長かった旅が終わる。早く終わって欲しいとも思わないし名残惜しいとも思わない。ゴールまでの残されたわずかな時間を無心に楽しんで心に刻みたい。ただそれだけ。

 1607.9km、ラウンドアバウトを左折してすぐ、遂にParabiagoの街に帰って来た。ゴールまであと1kmちょっと。

 朝日の中をゴールするというイメージを持っていたがその時間よりは早いゴールになりそうだ。空は曇りがちで朝の薄暮は薄っすら始まったばかり。

 1608.7km、この壁の向こう側がゴール。

 1609.0km、1001Migliaのバナーが見えた。最後のラウンドアバウトを右折する。

 1609.1km、ここを右折すればもうゴールは目前。

 スポーツ施設前の駐車場の中を抜けていく。

 ゲートをくぐって敷地の中に入っていく。

 7日前に旅立った食堂の前に戻って来た。終わった。

 スタッフが一人出て来てナンバープレートをスマートフォンで読み取る。その場でブルベカードのCPのチェックの欄を見せつつCP4でスタッフがおらずサインがないことを伝えて通過証明用の写真を見せてOKをもらった。これでゴールチェックは終了。ゴールタイムは8/22の5:50というところか。予定より50分の遅れ。というかもうどうでもよい。

 1600kmの過酷な道のりをノートラブルで走り抜いた我がバイク。ひたすら頼もしい限り。バイクを外に止めて建物の中に入る。

 中の受付テーブルのところで完走証を受け取りメダルを首からかけてもらってささっと終了。

 ゴール地点はスタッフや参加者の歓喜の賑わいもなく実にあっさりと一瞬で終わってしまった。ゴール地点の盛り上がりの雰囲気の中で達成感と開放感を一気に爆発させて感動しようと思っていたのに完全に拍子抜け。”俺は本当にゴールしたのか?完走できたのか?”いまいちピンとこない。しかしもうここで終わりなのは間違いない。何となく静かに呆然自失、とにかく私の1001Migliaは終わった。