最近の夜の映画・ドラマ鑑賞中の手遊びギターはこれ。
IbanezのAM200というモデル。
セミアコだがスタンダードなGibsonのES335やIbanezのAS300等のボディサイズと比べて一回り小さい。ソリッドギターより一回り大きい位のサイズ感が身体の小さな私にはちょうど抱えやすくて物凄く気に入っている。
このギターは社会人1年目で買って以来、我が家の唯一のセミアコギターとして不動の座を維持している。その当時小さいサイズのセミアコはこれしか見当たらなくて、見つけた時は飛びついて買ったのだが、もしその当時にGibsonのES339やヤマハのSAS-1500といった同様のスモールサイズのセミアコがあったらこのギターを買っていなかったかもしれない。IbanezのAM200は発売されてからほどなく廃番となって再発されたがボディーの外形もヘッドの形状も大きく変わってしまい違うギターになってしまった。その意味でもこのギターを手に入れることができたのは今から振り返れば非常な幸運だった。
いつもの手遊びの友は大抵ソリッドのヤマハSGなのだがたまに弾きたくなって手に取ってみると随分と汚れていることに気が付いた。弦も錆びていて全然鳴らない。これはとても駄目駄目な状態。
指版には長年放置していた手垢がこびりついていた。楽器も自転車も掃除が苦手というより面倒臭くて嫌いなのでいつも弾きっ放し乗りっ放しで掃除をする時には相当な気合を要する。でもこの汚れに気が付いてしまった以上、逆に何とかしないと気分が悪いままなので意を決して本気で掃除をすることにする。
まずは掃除に必要なクリーナー類を買うところから始める。何を選んでよいやらさっぱりわからないのでネットで適当に調べて適当に選んでいつものサウンドハウスさんに注文。
翌日会社から帰ってきたらもう届いていた。サウンドハウスさんはいつも夜に発注して翌日には届くという24時間以内超速配送なのでいつも重宝している。
まずは指板から掃除開始。指板オイルを布につけてゴシゴシこするがこびりついた汚れがなかなか取れない。22フレット分を綺麗にするのに2晩かかってしまった。
ピカピカ!長年の汚れが綺麗に落ちて大満足。指板に比べてボディやヘッドはクリーナーをちょっと付けて拭けばすぐに綺麗になるので楽々。
掃除が終わって弦を張り替える。ストックしていた.011からの太めのセットを試してみる。いつもこのギターには.010からのセットを張るのだが更に太くすることでよりジャズっぽい音になってくれるかな?
綺麗になったので記念撮影。指板はちょっと滑々になったかなという気がしなくもないが良くわからない。取り敢えず弦が新品になってちゃんと鳴るようになった。ゲージが太くなった差は思っていた程ではなかったがそれでもちょっと音が太くなった気はする。
このギターの売りの一つはこのヘッドの小ささ。サイズだけでなく重量バランスも良い。ギターもベースもヘッドが小さいのが私的には好み。後発のAM200はラージヘッドなのでこのギターの良さがなくなってしまっている。
このボディーサイズのセミアコは本当に貴重。造形的にもとても良くまとまっていて、ずっと眺めていても飽きない。ソリッドギターはこれまで色んなギターを試してきたしこの先少なくともあと1本は試すことになるけれどセミアコは多分生涯この1本で決まりかな。
入社1年目で買ったということは今年で34年目になるのか。買った1990年当時では1950年代末のFenderのストラトやGibsonのレスポールがいわゆるヴィンテージギターとしてもてはやされていたが、それを考えれば経年的にはこのギターも立派にヴィンテージだ。よく考えてみればうちのギターはほぼ全部ヴィンテージギターばかりだ。といってもそんな市場的に値打ちのあるものを持っているわけではないのだが、でもその価値を決めるのは私自身。長い年月を共にしてきて私の身体の方がそのギターに適合させられてしまった以上、もう代えられないという事態になってしまった。自転車も同じ。歳を取ってくるとこの先新しいものを試して馴染んでいく時間を確保するのが難しくなってきて、今までと同じ状態を何も変えずにどうやって維持していくかということに腐心するようになる。自分自身の気力と体力と、それを映し出す楽器や自転車をこれからも大事に維持していかなければ、と改めて思った次第。