東北遠征から帰還して8日が経過した。帰還当初は身体はボロボロ、全身に強い疲労感と右手首の腫れ、落車して強打した左肋骨は恐らくヒビ、腰は強い疲労系の痛み、両膝は炎症系の痛みに発展しちょっと動くにも難儀する状態だった。今日までかなり回復して疲れも痛みもかなり引いたものの、右手首と左肋骨は朝調子よくても夜にかけて再び痛みが増すという一進一退を繰り返しつつ疲労も抜けが遅くなりここに来て回復が停滞してきているのがちょっと気がかりな状況だ。
今日は午前中に献血に行くためにちょっとだけ自転車に乗ったらやはり右膝にはっきりとした痛みがあったのでまだ時期尚早だった。
悪い話ばかりではない。今日の献血では採血前の血液検査ではヘモグロビン量は充分で一発合格、更に400mlを抜き終わるのに3分で終わった。ここ数年はいつも10分位かかっていてなかなか終わらなかったので正直身体的な衰えを感じていた。若い頃はあっという間に終わっていたのでその頃に戻れた様でちょっと嬉しかった。
兎にも角にも身体をしっかり回復させて健康な状態に戻して、きつかった東北遠征の走行レポートを終わらせて辛い思い出を改竄モードにして次のブルべを走るためのモチベーションを回復させたいというのが当面の目標。健全な精神は健全な肉体に宿るというのは本当だ。
そんなわけでBRM429埼玉400アタック秋田の走行レポートは下記の通り。
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[目次]
- スタートまで
- スタート/新白河駅->PC1/セブンイレブン喜多方米室店(83.0km)
- PC1->PC2/セブンイレブン朝日町宮宿店(92.6km/175.6km)
- PC2->PC3/セブンイレブン真室川新橋店(84.2km/259.8km)
- PC3->PC4/セブンイレブン大曲西根店(85.9km/345.7km)
- PC4->ゴール/セブンイレブン秋田南通宮田店(56.6km/402.3km)
- ゴール後
スタートまで
4/29(火)、8時前に自宅を出発。
今回のヘルウィーク東北遠征は全ての荷物を持って走るので輪行袋もできるだけ軽いものにしたいということで、エンド金具を必要としない横型の軽量輪行袋を用意した。ぶっつけ本番なのでパッキングはいまいちだが今更どうしようもないのでこのままこいつを担いで最寄り駅までの1kmちょっとを歩いていく。
西武池袋線の秋津駅で降りて新秋津駅で武蔵野線に乗り換え。ちょうど大宮直通の電車に乗れたのはラッキー。乗り換えが1回少なくなるだけでかなり楽になった。
大宮駅で東北新幹線に乗り換え。ホームでヘルウィークに参加される岩井さんに遭遇。
9:41発のなすの255号に乗る。
新幹線は飛行機と違って待ち時間が少なくて済むから移動が楽な気がする。
車内で岩井さんと会話していたらあっという間に時間が経過して10:40に新白河駅に到着。駅に降り立った瞬間、肌寒さにちょっとびっくりした。半袖ジャージとレーパンで走るつもりだったがいきなりアームウォーマーとかを装着しなければならないのかとちょっと身構える。
西口に降りて輪行解除。輪行袋を開いてホイールを取り出したら前輪のクイックレバーのねじが無くなっていて青ざめた。まさかこんなことでいきなりヘルウィークを走りだすことなくDNSするのかとかなり焦ったが袋の中から転がり出てきたのを発見して心底ほっとした。
無事にバイクの組み立て完了。特段の破損もなく忘れ物もなく一安心。
今回のヘルウィークでは天気予報が最後まで読み切れなかったので雨も想定して、ウェアは半袖ジャージとレーパンを基本にアームウォーマーとレッグウォーマー、ウインドブレーカー、レインレア上下と薄手の指付きグローブを携帯することにした。気温は一桁になることも想定されるが取り敢えず持ってきたウェアを全て着ればしのげるだろうという算段だ。
ぼちぼち参加者が集まって来た。
11:40になったのでブリーフィングを開始。今回の参加者はスタッフを入れて6名。全員ヘルウィークを通しでのエントリー。
ヘルウィーク最初の400kmは新白河をスタートしひたすら北上、喜多方、長井、真室川、大仙を経由して秋田まで行く400km。
山越えは勢至堂峠、大峠、雄勝峠の3か所で獲得標高差は2600m程度、平坦コースではないがきつい山岳コースという感じでもない。400kmの難易度としてはそれ程高いわけではないが1500kmを通しで走るイベントとしてとにかく疲労を溜めずに走り切ることが求められる。走行中はしっかり休息を挟みながら、場合によっては仮眠を入れて制限時間を目一杯使って上手く走ることを考える。
ブリーフィングが終わって流れでスタート態勢に入る。と思ったらナビに入れたはずのルートデータが表示されない。いきなりのトラブルに対処していたら皆行ってしまった。ナビを取り外して中のSDカードを脱着して接触不良を解消して無事にルートデータが読み込まれた。改めて出走態勢に入る。
スタート/新白河駅->PC1/セブンイレブン喜多方米室店(83.0km)
12時過ぎにスタート、緩々と走り始める。これから6日間1500kmの旅がいよいよ始まる。変に気負うとプレッシャーがかかるのでまずは目先の400kmを確実に完走することだけを考える。最初の目的地は83km先のPC1。
0.1km、駅前を出てすぐの交差点を右折。
0.5km、国道4号に合流して郡山方面に右折。
0.8km、白河市に入った。ということは新白河駅は白河市ではないのか?
国道4号は車通りもそれほど多くなく走りやすい。それにしてもスタート時点で天気が良くてよかった。この後の天気予報があまり芳しくはないが走り出した以上はもう成り行きで何とかするしかない。
4.1km、薄葉交差点を会津若松方面に左折して国道4号を離脱、国道294号に乗る。
6.6km、ちょっとした丘越えで今日最初の上りをこなす。埼玉から白河まで移動してからすぐに走り出したせいか何となく疲労感があるもののまずまず脚は回るので体調は特段問題はなさそう。
何となく見覚えのある道を走っているなと思ったアタック磐梯山で走る道だった。そう言えばしばらくアタック磐梯山を走っていないので何となく懐かしい風景に感じる。
13.3km、県道58号を横切って更に国道294号を進む。
国道294号は車は少なくとても走りやすい。地方スタートだといきなりこういう道から走り始められるのが大きなメリットの一つ。。
15.3km、天栄村に入った。向かい風基調になってきてペースがいまいち上がらない。
20.3km、アタック磐梯山のPCだったコンビニの前を通過。
国道294号は徐々に上り基調になって来た。いつの間にか空は雲に覆われて青空が完全に消えた。
畑一面の紫の花は何の花だろう?
27.4km、須賀川市に入った。緩い上りが続く。
28.3km、会津若松方面に左折して更に国道294号を進んでいく。
曲がるとすぐにちょっと勾配が上がって勢至堂トンネルへ向かって行く。
29.2km、登坂車線が出て来てこの辺りから本格的な上りになる。山頂までは5.3km、平均勾配は4%程のヒルクライムルート。
30.0km、序盤でいきなり10%の急坂が出て来る。慌てず騒がず脚を無闇に削らない様にちんたら上っていく。
32.1km、急勾配の区間がすぐに終わって勾配が緩んだ。
5%前後のまっすぐな坂を落ち着いて上っていく。車は殆ど走っていなくてとても静か。
34.4km、勢至堂トンネルに到達。無難に一つ目の峠越えをクリア。
トンネルを抜けて郡山市に入った。そのまま下りに入る。
41.6km、下りを終えて突き当りを会津若松方面に左折、更に国道294号を進む。
進行方向の上空に黒い雲が広がっている。早くも降られてしまうのか?嫌な予感。
45.6km、突き当りを左折して更に国道294号を進む。
この区間は道が綺麗に舗装されて走り易くなった。
49.1km、ちょこっと上って黒森トンネルを通過。
電光掲示板の気温は7℃。体感はもう少し高いがそれでも半袖ジャージとレーパンで耐えられる限界温度を下回っていてかなり寒く感じる。どこかでアームウォーマーを着けようかと思うのだがこの先会津若松に下ってしまえば気温は上がるだろうと予測して脚を止めずに進み続ける。
63.6km、石山交差点を新潟・会津若松方面に左折して国道294号を離脱、国道49号に乗る。路面がしっかり濡れているということはついさっき降ったばかりということか。
曲がってすぐに長い下りが始まる。
下り始めた途端に雨が降り出した。向かい風で身体が一気に冷えてかなり寒くなった。車通りも多くてかなり危うい状況になって来た。荒れた路面と後ろからの車に神経を集中して下っていく。
69.1km、必死の思いで下っていたら右折ポイントを見逃してまっすぐ下ってしまった。すぐに気が付いて上り返して東長原入口交差点を北方方面に曲がって国道49号を離脱、県道337号に乗る。
県道337号に入って下りが終わり車が一気に少なくなって全身の緊張が解けた。寒さを幾分か和らいでほっとして進む。
72.2km、喜多方方面に左折して県道7号に乗る。
73.8km、喜多方市に入った。
県道7号を進む。雨はまだぱらぱらと降り続いている。この先も降り続けるのならばPCに着いたらレインウェアを着なければならないか。
78.0km、塩川の街中に入ってきて喜多方方面に右折。雲が切れて日が差してきた。雨は止むのか?
曲がってすぐに更に左折して街中を抜けていく。
82.6km、突き当りを右折すればPCはもうすぐ。日差しはあっという間になくなり再び空は雨雲に覆われてしまった。がっかり。
PCが見えた。ほっと一息
83.0km地点のPC1に到着、チェックタイムは4/29の16:13。
ここでスガタさんとタカトリさんに遭遇。二人はこの後ラーメンを食べていくと言いつつ出発。ここでアームウォーマーを着けてその上からレインウェア上下を着る。30分程の休憩の後出発する。
PC1->PC2/セブンイレブン朝日町宮宿店(92.6km/175.6km)
PCを出て喜多方の街中を進む。次の目的地は92.6km先のPC2だが区間距離が長いので54km先に休憩ポイントを設定してあるのでまずはそこを目指す。その前に今日2つめの山越えとなる大峠を越えていかなければならない。何とか明るいうちに越えてしまいたいところだが行けるだろうか?
県道333号を進みつつ喜多方の街を抜けて郊外に出た。徐々に上り基調になって来た。前方にラーメンを食べ終わったと思われるスガタさんとタカトリさんが見えているのだが差が縮まらない。まあ追い付く必要もないのでマイペースで進む。
94.1km、三ノ倉スキー場方面に左折して県道333号を離脱。
95.1km、突き当りを山形・米沢方面に左折して国道121号に乗る。ここから大峠までの上り開始。距離10km、平均勾配4.5%の長いヒルクライムルートだ。
直線的な坂をぼちぼち上っていく。現在気温は7℃だがレインウェアを着込んでいると寒さは全く感じないというか上りだとちょっと暑い。
98.8km、日中トンネルを通過。この区間は幾つもトンネルを抜けていく。トンネルの中はひんやりとして汗が急激に冷える。
標高が上がるにつれて気温も下がって来た。5℃というのはかなり寒い。
車通りが殆どない国道121号はとても静かだが逆にそれが悲壮感を何となく醸し出している。
山肌にはまだ雪が残っている。視覚的にも悲壮感が漂ってきた。ペースを守って無心に淡々と上っていく。
山頂近くなってきて遂に4℃。雨と向かい風基調でなかなか過酷な状況になって来た。
何とか山頂の大峠トンネルに到達。全長3940mの長いトンネルに突入していく。
トンネルの中も上り基調は続く。たまに来る車の騒音が後ろから迫ってくるのはなかなかに恐怖、前進に緊張が走る。約4kmのトンネルは本当に長い。
ようやく出口が見えてきた。ほっと一息。
トンネルを抜けて山形県に入った。トンネルを抜けたら雨が止んでいることをちょっと期待していたが叶わなかった。時刻は18:06、何とか明るいうちに山頂を越えてそのまま長い下りに入っていく。
111.5km、下りの途中で工事片側通行の信号に引っ掛かった。そこの気温表示は何と1℃。グローブは指付きに替えているが濡れて指先が冷えて痛い。早く下ってしまいたい。
123.5km、長い下りが終わって飯豊・川西方面に左折して、国道121号を離脱。曲がってすぐにちょっと上り返して更に下りが続く。
標高がかなり下がってきてちょっと暖かくなった気がする。雨はまだパラパラと降っているが進む方向の空は雲が切れて青空が見えている。今度こそ止んでくれるかな。
129.3km、交差点を飯豊・川西方面に右折して県道244号に乗る。薄暮が消えてナイトラン開始。
135.1km、下り基調が終わって何となく街中に入って来た。交差点を右折。
135.8km、ちょっとだけ国道287号に乗ってすぐに左折して離脱。ここを曲がると休憩ポイントはもうすぐ。
休憩ポイントが見えた。
137.1km地点の休憩ポイント1に到着、チェックタイムは4/29の19:23。
ここで参加者の一人と遭遇。もともとルート上に休憩できる場所はほとんどないのでコンビニで遭遇する確率は高い。お互いここまでの向かい風と雨と寒さでやられ気味の愚痴をこぼし合って談笑。20分程の休憩の後出発。
休憩ポイントを出て国道287号に乗り再び北上開始。改めてPC2を目指す。残り距離は38.5km。取り敢えず大峠を越えたので前半の山岳地帯は終了、この先しばらくは山越えはないので若干気楽。
139.6km、米沢方面に左折、国道287号バイパスに合流する。
電光掲示板の気温は8℃。レインウェアを着ているので寒さは全く感じない。雨はほぼ上がってやや向かい風基調だが国道287号は車は殆ど走っておらずようやく落ち着いて巡航ペースに乗った気がする。ペースはいまいちだが順調に距離を消化していく。
142.5km、長井市に入った。
146.8km、長井の街中に入って来た。
149.2km、ぼーっと走っていて右折ポイントを見逃し直進コースアウト。すぐに気が付いて慌てて戻って寒河江・白鷹方面に曲がって更に国道287号を進む。
曲がってすぐに最上川を渡る。
152.9km、白鷹町に入った。再び雨がぱらぱらと降り始めた。
159.0km、白鷹の街中に入って寒河江・朝日町方面に左折、更に国道287号を進む。
最上川沿いの国道287号を淡々と進んでいく。雨はぱらぱらと降り続けているが土砂降りになる気配はないし、向かい風も強くなる気配はない。取り敢えずこのままの状態でゴールまで行けるのなら御の字というところか。
167.9km、ちょこっと丘越えの途中で朝日町に入った。
174.9km、朝日町の街中に入って来た。朝日町役場前交差点を右折すればPCはもう目前。
PCが見えた。
175.6km地点のPC2に到着、チェックタイムは4/29の21:37。
ここまで山越えや向かい風でペースがいまいちだと思っていた割には大崩れしていないのは一安心。ただ微妙に疲労感があるので思いの外オーバーペースになっているのかも知れない。この先まだまだ長いので抑えて走ることを改めて心掛ける。20分程の休憩の後出発。
PC2->PC3/セブンイレブン真室川新橋店(84.2km/259.8km)
PCを出て再び国道287号に乗り北に向かって走り出す。次の目的地は84.2km先のPC3。区間距離が長いが休憩ポイントが設定できなかったので取り敢えず一気に行く予定。この区間で日付が変わるのでこのブルべの山場になるものと思われる。気を引き締めて慎重に走らなければならない。
静かな国道287号を淡々と進む。深夜走行のいつもの巡航ペースになって気分的にはかなり落ち着いて走れている。夜間走行をこの感じで乗り切ることができれば400kmブルべはかなり楽になるのだがこの先このまま行けるかな?
185.4km、最上川を渡って寒河江市に入った。
深夜になって国道287号は車はほとんどいなくなったがたまに走ってくる車が結構なスピードで抜いていくのでその度にちょっと緊張する。
195.0km、町内谷地方面に左折して国道287号を離脱、県道110号に乗る。
196.8km、河北町の街中に入って尾花沢・大石田方面に左折して国道347号に乗る。
取り敢えず今日の走行距離が200kmを超えた。あと半分、まだまだ先は長い。
201.1km、村山市に入った。
国道347号はちょっとしたアップダウンはあるものの道路灯はほとんどなく街を通過するわけでもないので周囲の風景はほとんどわからない。ただひたすら無心に脚を回すだけの時間が過ぎていく。弱い雨と弱い向かい風は相変わらず。
217.5km、左側道を進んで国道347号を離脱。
217.7km、側道を下って突き当りを左折、県道121号に乗る。
218.4km、ちょっとした街中に入ってきて尾花沢方面に右折。
曲がってすぐに再び最上川を渡る。どうやら最上川につかず離れずずっと走り続けている様だ。
219.7km、大石田の街中に入って大石田駅前を通過。日付が変わって街は寝静まっている。
大石田の街を出て県道305号に遷移しつつ北上を続ける。
雨がちょっと強くなってきて気温が下がって来た気がする。
225.4km、突き当りを新庄方面に左折して更に県道305号を進んでいく。
227.3km、突き当りを左折して国道13号に乗る。
車通りの全くない国道13号を進む。秋田までは163km、まだまだ遠い。
230.0km、道なり右に舟形方面に進んで国道13号をトレースしていく。
231.2km、ちょこっと上って舟形町に入りトンネルを抜けていく。
233.8km、分岐を沖の原方面に左折して国道13号を離脱、県道56号に乗る。
235.2km、新庄市に入った。
236.0km、急勾配の坂が出てきた。7%位だが平坦を走り続けていると物凄い激坂に思える。すぐに終わって下る。
243.2km、突き当りを大崎方面に右折して国道47号に乗る。
244.5km、大崎・鮭川方面に左折して国道47号を離脱、国道458号に乗る。
国道458号から県道35号に遷移して真室川に向かって更に北上していく。
雨はそこそこの強さで降り続けていて身体がちょっと冷えてきた。気温は5℃位になった感じ。
257.4km、真室川市に入った。PCはもうすぐ。
PCが見えた。何とか長尺区間を乗り切った。
259.8km地点のPC3に到着、チェックタイムは4/30の2:29。
バイクを降りたらあっという間に身体が冷えて寒くて震えが止まらなくなった。冷たくなって動きが鈍くなった指でグローブを外すのが一苦労。少しでも温まろうといつもは食べないカップラーメンとホットコーヒーを買って震えながら食べる。レインパンツの下にレッグウォーマーを着けようかと思ったが脱いで濡れるのを嫌って我慢する。カップラーメンとホットコーヒーを飲み終わったらちょっと身体が温まって震えが止まったので一安心。身体が完全に冷え切らないうちに身支度を整えて20分程の休憩の後出発する。
PC3->PC4/セブンイレブン大曲西根店(85.9km/345.7km)
PCを出て再び県道35号に乗り北に向かって走り出す。次の目的地は86km先のPC4だが区間距離が長いので37km先に休憩ポイントを目指す。今のところ眠気はないがもし眠くなったら休憩ポイントのすぐ手前の道の駅で仮眠を入れることも考えている。取り敢えずは展開次第で臨機応変に対応するつもりだ。まずは休憩ポイント前の雄勝峠を越えることに集中する。
260.1km、及位方面に左折して県道35号に乗る。
微妙な上り基調の県道35号を進む。脚を回して寒さはかなり解消された。
雨が降り続け真っ暗で周囲の風景がどうなっているのかほとんどわからない中、ひたすら無心に脚を回し続ける。何となく両膝が痛くなってきたのが気がかり。今のところ疲労系の痛みだが酷くなると炎症系に変わるのでそうならないうちにこの400kmを走り終えて急速に持ち込みたいところだ。
280.5km、橋を渡って突き当りを横手・湯沢方面に左折して国道13号に乗る。
281.3km、突き当りを横手・湯沢方面に左折して国道13号バイパスに合流。曲がってすぐにはっきりとした上り基調になって来た。雄勝峠への上りが本格的に始まったか。
勾配は3%前後の緩い上りだが膝に負担をかけない様にそろりそろりと上っていく。秋田まで120kmはこのブルべの残り距離とぴったり一致する。
283.3km、雄勝トンネルに到達。あっという間に終わって拍子抜け。雄勝峠は過去に何度か上った時はもっときついイメージがあったが錯覚かな。全長1375mの長いトンネルに入っていく。
トンネルの中で秋田県に入った。
トンネルを抜けると空が薄っすらと明けてきた。眠気はないが何とか夜を乗り切ってほっとする。そのまま下りに入っていく。雄勝峠をクリアしてもうゴールまで山越えはないと考えるとちょっと気楽。
長い下りを下っていくうちにどんどん夜が明けてきた。明るくなると下りでスピードが出せるのでありがたい。
仮眠ポイントとして見定めていた道の駅おがちまであと2km。眠気はないがトイレに行きたいので立ち寄ることにする。
トイレで出すものを出して身軽になってスッキリ。
この道の駅には早朝だが車やトラックが何台か停まっていて休憩している人がそこそこいる。仮眠の必要はないのでトイレだけで出発、すぐ近くの休憩ポイントを目指して再び走り始める。
すぐに休憩ポイントが見えてきた。
296.6km地点の休憩ポイント2に到着、チェックタイムは4/30の5:21。
ほぼ300kmを消化して巡航20km/h換算で2時間20分遅れだが許容範囲内に収まっている。そこそこ疲労感はあるが残り100kmを9時間半はトラブルさえなければ行けるだろう。とにかく疲労を溜めない様に抑えて走ることをこの後も心掛ける。空腹感は余りないがパンを1つ食べて20分程の休憩の後出発する。
休憩ポイントを出て再び国道13号に乗り北上開始。改めてPC4を目指す。残り距離は50km弱。
299.4km、泉沢T字路交差点を羽後方面に左折して国道13号を離脱。向かう先の空が明るくなっているので雨は止んでくれるかとちょっと期待。
防風フェンスが連なる道を進む。これを見ると東北の道を走っているという実感が湧く。空は再び雲に覆われてしまい雨は相変わらず降っているが向かい風がちょっと強くなってきた。
313.5km、羽後の街中に入ってきて国道398号に乗って雄物川方面に更に北上していく。
315.2km、横手方面に右折して更に国道398号を進む。
317.9km、突き当りを左折して更に国道398号を進む。
東北ではまだ桜があちこち残っているがこの天気だと色褪せて見えてしまうのが残念。
321kmを過ぎて雄物川沿いに出た。川沿いの道を淡々と距離を刻んでいく。
322.7km、横手市に入った。
北上・横手市街方面に右折して国道107号に乗る。
324.4km、大仙・大森方面に左折して国道107号を離脱、県道36号に乗る。
県道36号を進む。徐々に向かい風がきつくなってきた。ペースが落ちて我慢の走りが続く。
332.4km、峠町頭交差点を横手市街・大仙方面に右折して更に県道36号を進む。
333.1km、大仙方面に左折して更に県道36号を進む。
完全な平坦路になったと思ったら今度は雨と風か。なかなか楽はさせてくれない。無闇に向かい風に逆らわず淡々と脚を回す。
341.0km、高速の高架をくぐった直後を大曲市街方面に左折して更に県道36号を進む。
343.0km、余目交差点を北秋田・角館方面に右折して国道105号に乗る。
国道105号に乗って更に向かい風が強くなった。車通りが急に増えて緊張感が増す。PCはもうすぐ。
345.7km地点のPC4に到着、チェックタイムは4/30の7:59。
何とか最終PCまで辿り着いた。気温が上がっておらずバイクを降りるとあっという間に身体が冷えて寒い。ここでもホットコーヒーを飲む。スマートフォンでメールやツイッターをチェックするとDNF続出でどうやら走っているのはスガタさんと私だけの様だ。こんな展開になるとは予想だにしなかった。雨・風・寒さの過酷な状況は自分で感じている以上なのかも知れない。あと55kmを6時間半、とにかく頑張るしかない。20分程の休憩の後出発する。
PC4->ゴール/セブンイレブン秋田南通宮田店(56.6km/402.3km)
PCを出て再び国道105号に乗り北に向かって走り出す。後はひたすらゴールを目指すのみ。残り距離は56.6km、4時間あれば何とかなるか?
それにしても国道105号の車の多さが堪える。今日は平日だから通勤時間帯ということか。雨と向かい風が重なり神経が擦り減る。早くこの道から脱出したい。
348.7km、雄物川を渡ってすぐを左折して国道105号を離脱、細い枝道に入る。
国道105号を脱出できて全身の緊張が解けた。車通りが一気になくなった道を落ち着いて進む。
349.5km、突き当りを左折して幹線道路に乗る。再び車が増えた。
349.9km、花館柳町交差点を秋田・協和方面に左折して国道13号に乗る。
国道13号を北に向かって進む。車の量は増えたが2車線で路肩も広いのでさっきの国道105号程のストレスはない。雨は小降りになったが向かい風は相変わらず。秋田までは49km。
こういう道は東北らしくて良い感じなのだがこの状況だと全然楽しめない。取り敢えず向かい風がなければ随分違うのだがこればかりはどうしようもない。
359.9km、刈和野駅方面に左折して国道13号を離脱、羽後街道に乗る。
361.7km、雄物川沿いを進みつつ県道10号に遷移して秋田空港方面に北上する。
強首入口交差点を秋田空港・雄和方面に左折して更に県道10号を進む。曲がってすぐに雄物川を渡る。
県道10号を進む。雨は上がり、進路が南西向きになって何と追い風基調になって快調に進み始めた。追い風で進むのはこのブルべで初めてではないだろうか。でもいずれ北向きに進まなければならないのでこの後の向かい風は覚悟しておかなければならない。
369.2km、久し振りの上り坂、勾配は大したことはないがここまでずっと平地を走って来たのでかなりの急坂に思える。膝が痛いのでゆっくり上っていく。
県道149号を進む。ゴールが近くなってきて雨が上がって道すがらの春の風景に気付く余裕が出てきたかな。
371.1km、再び雄物川を渡る。
373.5km、由利本荘・雄和方面に左折して県道149号を離脱。
374.6km、協雄大橋で再び雄物川を渡る。さっき渡ったばかりなのに位置関係が分からなくなる。
橋を渡り終えて遂に秋田市に入った。ゴールまではあと27km。
376.1km、突き当りを秋田・秋田空港方面に右折して県道9号に乗る。
381.2km、再び進路が北向きになって強い向かい風になった県道9号を進む。ペースががっくり落ちてどんどんタイムを失っていく。何となく身体に力が入らない。ハンガーノックっぽい感じになって来たので最後のカロリーメイトを食べる。
383.0km、上り坂に差しかかる。勾配は5%位だが向かい風のせいで結構な激坂に思える。止まりそうな速度でえっちらおっちら上っていく。
386.6km、突き当りを秋田方面に左折して更に県道9号を進む。
389.6km、前方にまたしても上り坂が見えてきた。終盤でちょっとアップダウンが増えてきた。
まっすぐな5%位の坂がかなりきつい。膝が痛いので這う様に上っていく。
500m程上って何とかピークをクリア、そのまま下っていく。
再び田園の中の道を北に向かって進んでいく。バイクが全然前に進まない。ゴールまでの10kmが物凄く遠く感じる。さっきカロリーメイトを食べたがいまいち復活しない。これは本格的にハンガーノックになってしまったか。ゴールが近いがコンビニを見つけたら休憩しようと、コンビニを探しながら走る。
前方にファミリーマート発見。ゴールまであと5km位だが休憩を入れるために立ち寄る。
397.5km地点の休憩ポイント3。チェックタイムは4/30の11:08。
取り敢えず即効性を期待してコーラをがぶ飲み。かなり疲れているがゴールまではあと5km、時間内完走は確実なのでもう慌てる必要はないのでゆっくり休む。ドロドロになったバイクはチェーンのオイルがすっかり流れてしまい乾いてキュルキュルと音を立て始めている。ゴールしたらチェーンオイルを買いにサイクルショップに行こう。15分程の休憩の後出発する。
コンビニを出て直後の四ッ小屋入口交差点を能代・由利本荘方面に左折して国道13号に合流。ゴールまではあと5km。
秋田市街に入ってきて向かい風は弱まったものの車が一気に増えて緊張感が増す。ここまで辿り着いて絶対に事故に遭うわけにはいかない。とにかく集中力を切らさない様に慎重に走る。
400.3km、陸橋の手前を右折して国道13号を離脱、細い道に入る。
曲がってすぐに細い路地を抜けて左折、羽州街道に乗る。
羽州街道は道幅が狭くかなり混雑しているのでなかなか進まない。もうゴールまで2kmもないので車の流れに任せてちんたら進む。と思ったら雨が降り出した。せっかくウェアが乾いたのにまた濡れるのか。がっかり。
400.8km、秋田駅方面に右折して県道162号に合流、ゴールまでは一本道。
ゴールまではあと1kmちょっと、ようやく完走できそうな気がしてきた。安堵感というより脱力しつつゆっくりとゴールに向かって進んでいく。
ゴールが見えた。終わった。
無事ゴール。ゴールタイムは4/30の11:43、完走時間は23時間43分だった。
いや参った。疲れた。終わってみれば時間的余裕はそこそこ残った感じだが、かなりきつい400kmだった。雨と向かい風と寒さで身体的にかなり痛めつけられてそれに引き摺られて精神的にもかなりシビアだった。とにかくゴールできて本当に良かった。一刻も早くホテルに入りたいがチェックインまでまだ時間がある。チェーンオイルを調達しようとスマートフォンでバイクショップを探す。ホテルの近くに売っていそうな店を見つけたのでホテルの場所を確認してから向かうことにする。
ゴール後
再びバイクにまたがってよろよろと秋田市街を走り始める。ホテルまでは2kmちょっと。
ホテルの場所を確認してから、そこから300m位のショップに向かう。
ショップに辿り着いたらすんなりチェーンオイルが手に入った。店の人とたまたま店にいたお客さんがブルべを走ったことのある人で、こちらの格好を一目見てブルべ中と見抜かれた。それからひとしきりブルべ談義をしつつ、店の人にエアブローでバイクを綺麗にしてもらって感謝感激。サイクルショップタカハシさん、秋田でバイクトラブルが発生したらここに来れば間違いなし。
12:45に改めてホテルに到着。1時間500円アーリーチェックインができるとのことなので2時間早く部屋に入れてもらえた。バイクはロビーの隅に入れさせてもらえた。
部屋に入ってほっと一息。いやあ、ここに辿り着くまでが本当に長かった。
ウェアを脱いでしばし開放感に浸る。両膝やら腰やらが痛むが、右手首が痛くて腫れているのがわかってびっくりした。走行中何となく痛いなと感じていたがまさかここまで腫れているとは思わなかった。一体どこで痛めたのかさっぱり思いつかない。とにかく明日の朝までひたすら休養するしかない。
まずは電装系の充電をセットして風呂に入って汚れたジャージとレーパンと靴下を手洗いで洗濯してすっきりしてからホテルのすぐ近くのコンビニに買い出しに行く。
取り敢えずコンビニ弁当を食べてベッドに横になる。
1時間ちょっと気を失って目覚めたが、疲労感でぼーっとしてベッドから起き上がれない。何をどうすれば明日の朝走り出せるのか全く見当がつかない。スマートフォンを眺めると、リュウさん達は集まって親子丼を食べるということで誘いのメールが来ていたがとても駅前まで歩いていけないので断りのメールを送る。せっかく秋田に来たのだから駅前の末廣のラーメンを食べに行きたかったのだがこっちも見送り。残念至極。それにしてもきつい400kmだった。時間が経つにつれてそのハードさを実感して来た。もしかしたら今まで走った400kmの中で一番きつかったかも知れない。
再び小腹が減ってきて指が攣るのでこれは塩分補給をしておかなければ拙いと再びさっきのコンビニに食べ物を買いに行ってきた。食べるものを食べて、明日の起床時刻を4時にしてアラームをセットし後はひたすらベッドの上に横になって眠くなるのを待つが疲れ過ぎてなかなか眠りに落ちない。果たして明日は走り出せるのだろうか。就寝時刻は恐らく21時前後か。