さて明日は参議院選挙の投票日。ここまで幼稚で粗雑な国政選挙は見たことがないという程の惨状だが、それでも政治選択の意思表示をする。私的に連合傘下の末端組合員だが連合及び産別の政治方針には絶対に従わない。もはや連合は労働者代表ではない。今やるべきは連合に加盟していない大多数の中小零細非正規労働者の処遇改善に本気で取り組む共産・社民を支持すること。大企業・富裕層に大きく振れた今の日本社会を庶民に大きく振り戻すには共産党政権という社会実験を試す価値は十分にある。
それにしても参政党は酷い。神谷がおかしいのは勿論だが東京のさやなる候補者の酷さは常軌を逸している。核武装に徴兵制を平然と口にする軽さにはひたすら驚くばかり。こんな奴が東京選挙区で首位というのは東京の有権者には良識というものがないのか?
80年前に広島・長崎で核兵器を体験し日本全土が焦土となって敗戦の辛酸を舐めた日本人は核兵器廃絶と戦争・軍国主義の否定を遺伝子レベルに刻まなければならなかったのに、戦後80年経ってこの惨状はひとえに教育の敗北。過去の歴史と学びを引き継げない国は確実に滅びる。年齢的に戦争体験者がそろそろいなくなる状況で日本国民として戦争・軍国主義・核兵器の否定を次世代に引き継げなかったら今辛うじて残っている平和自立国家としての国是を完全に失うばかりか世界における日本の存在価値を失うことになる。
自民党が負けて石破が引責辞任すると高市内閣ができ、一気に勢力を拡大した参政党はあっという間に連立し極右政権が日本にも出現することになる。そうなれば9条の削除と軍隊の明記という憲法の改悪が行われ兵役の義務が発議されるのは時間の問題、緊急事態条項やスパイ防止法による”非国民”の摘発も現実のものとなる。そして過度の相互監視で更に社会全体のストレスが増し荒廃する。私的にはそういう未来しか今は見えない。
長らく続いた大企業・富裕層優遇の自民党政治の結果大多数の庶民が搾取され生活苦に喘ぎ、為政者が目くらましに敵認定した社会的弱者や外国人が不当に優遇されていると誤認識してひたすら排他主義に誘導され、結果として社会全体が低く刈り揃えられて更に搾取が強化されるという負のスパイラルに陥っている。多様性と共存は人類の生存戦略の最も有効な手段だ。今やるべきはほんの一握りの大企業や富裕層に無闇に積み上げられた単なる数字の羅列でしかないカネの詰まった金庫を庶民が一致団結してぶち壊すことだ。勿論暴力はいけない。政治の力で穏便にやる。カネは社会の血液、今は局部的にうっ血して毛細血管まで行き届かず壊死寸前の状態だ。まずは庶民の所得を増やし消費を増やし実体経済を回復させそして社会全体の幸福度を上げていく。そうすれば庶民のマインドはネガからポジに変わっていき大抵の問題が改善されていく正のスパイラルに戻すことができる。貧すれば鈍する、は進行すればするほど自己回復が難しくなる。今やらなければこの先は不可逆領域、この選挙が最後のチャンスかも知れないという危機感は持つべきだと思う。
愛国とか日本人という意識は他者、ましてや政権から強要されるものではなく、この国に暮らす人達の心の中に自然と醸成されるものでその集合体として”良い国”が形成される。日本とか日本人という言葉が無闇に飛び交っているが、そういう狭義なカテゴライズに腐心するのではなく自分が住みたい理想の国という”綺麗事”を改めて思い出してみることは大事なことだ。この国の人達がそれぞれに綺麗事の理想をほんの少しでも持ち続けることができるならばまだ修復の余地はある。
この情報過多の時代、情報リテラシーはとても大事。まずは自分は騙されるかも知れない、既に騙されているかも知れないというところから始めて、”疑う”、”調べる”、”比べる”、”考える”を何度も回して”信じる”に至って最終的に理想を固める。そして最後に”行動する”。
さあ、選挙に行こう。