2025RM811北海道1200/レポート1:スタート前日まで

 ジャパングランドネ2025北海道1200納沙布岬を走り終えて1週間が経過した。疲労もほぼ抜けて唯一の怪我的ダメージだった両手の掌底部の打撲的痛みのほぼ消えて今日から自転車通勤を再開。普通に自転車に乗ることができて一安心、これで平常時の日常に完全に戻すことができた。公式ホームページにはリザルトが掲載され無事に認定されていることを確認した。通常ならぼちぼち記憶の改竄が始まって辛い思いが薄れ始める頃だがこのブルベに限って言えば完走直後から既に楽しい印象が支配的で、今まで走って来た1200km超のブルベの中で最もジェントルなブルベだったと思う。その辺の話は追々書いていくとして、まずはこのブルベの走行レポートを書き始めよう。

 

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[目次]

序章

 北海道1200km納沙布岬は2014年に私的に国内の1200kmブルベとして初めて参加したイベントだったが、この時は北海道に台風が上陸し途中中止となるというまさかの結末で終わった。このブルベにR10000のアワードの獲得がかかっていたこともあり激しく落胆して待つこと2年、2016年に再び開催された北海道1200km納沙布岬に満を持して出走し完走、雪辱を果たすことができた。

 あれから9年経った2025年にオダックスジャパンの設立20周年という節目に制定された「ジャパングランドネ」制度に則って北海道1200km納沙布岬が第1回大会として開催されることとなった。

  私的には去年のイタリア1001Migliaを完走しヨーロッパ4大ブルベ完走という大目標をクリアしたのでもう当分RMはいいかなあと思っていたのだが、Challenge Lepertelという新しいアワードがあることを知り、私的に2022年に北海道1300、2023年にPBP、2024年に1001Migliaをクリアしているから今年RMを完走すれば獲得できることに気付いて、後にも先にもこのアワードを手にできるチャンスは今年しかないということでジャパングランドネのエントリーを決めた。

 定員200名でそのうち国内枠が150名であることからエントリー開始で即満員を予測して2025年1月20日の21時エントリー開始と同時に速攻で申し込み完了、6時スタートでのエントリーに成功した。取り敢えず出走枠を確保して安心してホテルやフライトの予約を何となく先送りしていて3月に入ってそろそろと思ったら前後泊の札幌のホテルはいつも使っている安いホテルは全滅で全て1泊1万円超えばかり、このまま先延ばしにしていたら更に値段が上がってしまうと諦めて駅前のルートインを予約。フライトもANA/JALの早割運賃はほぼ全滅で止む無く成田発着のJetStarにせざるを得なかった。年々遠征費が上がっている様で辛い。なお、遠征日程の8/10~16はちょうど会社の夏季休暇に重なったので今年は休暇の根回しの必要はなし。

 そのうち公式ページにキューシートがアップされたのでナビのデータを作成しつつ走行プランを検討する。

 全体図はこんな感じ。札幌から納沙布岬まで行って再び札幌まで戻ってくる1205km。

 往路の納沙布岬までは2016年のコースと全く同じだが、復路は足寄からゴールまでがかなり変わっている。2016年はむかわ町まで下ったが今回は中富良野・歌志内を経由して札幌に戻るルートになっている。これに伴って獲得標高差も2016年に比べて1000m程度増えている。あと、2016年の激坂ゴールは今回はなかった。あれは今振り返ってもなかなかに意地悪な設定だったと苦笑する。

 今回は6時スタートということで昼間走って夜寝るという通常の生活サイクルを崩さずに走ることとし、且つ、仮眠は全てホテルを使わずにPCの仮眠所を使うことを想定したら走行プランはすんなりと決まった。まあコース設計者の意図通りということか。

<1日目>

 1日目は札幌から北見までの344km。

 今回の1200kmの最高標高地点となる北見峠をいきなり初日にこなすことになる。獲得標高差も2600km程度とそこそこ上ることになるが脚がフレッシュなうちにこなしてしまえるのでむしろ気楽。

<2日目>

 2日目は北見から納沙布岬まで行って折り返し別海までの294km。

 序盤で美幌峠を越えた後は大した上りはなく獲得標高差も2300m弱と控えめ。距離は300kmに満たないので体力温存で3日目に備えたいところ。

<3日目>

 3日目は別海から北見に戻ってそこから陸別を経由して清水町までの332km。

 序盤に美幌峠を上り返した後もそこそこアップダウンがあって獲得標高差は2700mと結構上ることになる。3日目ということで疲労もそこそこ溜まっている中でこの設定をこなさなければならないのでこの日が最大の勝負所になりそうだ。

<4日目>

 最終日は清水町からゴールの札幌までの235km。

 序盤に狩勝峠を越えた後アップダウンをこなしていく前半100kmまでが勝負所。獲得標高差は1750m。最終日に距離235kmはそこそこ残ってはいるがゴールクローズが0時なので早朝にリスタートできれば何とかなる。とにかく前日に何時に清水町のPCに辿り着けるかがポイントになる。

 次にバイクと携行品の選定。バイクは路面の悪い北海道ということでステムとシートポストにショック吸収機構が付いているチタンバイクにする。ホイールは決戦用のGokisoハブに換装。天気予報が出発前日まで全行程で雨予報全くなしとなり最低気温も20℃を切る程度という見通しとなった。仮に一時的に降られたとしても私的に半袖ジャージとレーパンのままで対処可能な温度域なので今回は思い切って雨装備・防寒具を一切持たないことにした。また、ドロップバッグは自分で仮眠PCまで送って戻す必要があるので面倒臭いという理由で利用しないこととした。携行品を最低限まで切り詰めてフロントバッグとサドルバッグに振り分けて収納することとした。

 最終的に走行中の携行品は下記の通りとなった。

フロントバッグ:モンベル/フロントバッグ
・AC-USB充電変換機
・USB充電ケーブル4本
・eTrex20x(予備機)
・エネループ単三8本
・Tシャツ
・パンツ
・短パン
・カロリーメイト1袋
・カルパス1本
・塩タブレット

サドルバッグ:リベレイトデザイン/Shrew
・スペアタイヤ1本
・スペアチューブ6本
・集合工具
・タイヤレバー3本
・タイヤブート
・応急処置用チューブパッチ
・シフトワイヤー1本
・ブレーキシュー1組
・チェーン4コマ
・ミッシングリンク2組

 今までの1200km以上のブルべの中で今回が最も軽装備となった。これなら通常の短距離ブルべとほとんど変わりない。荷物が少ないというのは気持ち的にもとても軽くなる。

 出発前日の8/9(土)より会社の夏季休暇9連休に突入。この日のうちにバイクパッキングと携行品のパッキングを終えて準備万端、あとは出発を待つのみとなった。

スタート前日/北海道に移動

 8/10(日)、8時半に自宅を出発。いざ、という時に小雨がぱらつくが傘を差すのが面倒なのでそのまま輪行袋を担いで徒歩で最寄り駅まで向かう。

 9時前に最寄りの西所沢駅に到着。コロナ禍で長らく運休していたリムジンバス所沢-成田線が最近運航再開したのだがちょうどよい時間の便がなかったので鉄道を乗り継いでいく。今日のフライトは13時だが11時には成田空港に到着する予定。

 池袋で人混みをかき分けつつ山手線に乗り換えて日暮里へ。電車内はそれ程混んでいなかったので輪行袋の持ち込みは問題なし。

 日暮里で京成線に乗り換えて成田空港に向かう。

 10:25のスカイライナーに乗車。雨模様の景色を眺めながら成田に向かう。

 もう少しで成田空港というところでJetstarからフライト欠航のメールが来て目が点になった。こんな直前でどういうことなのかと全く状況が呑み込めず焦ったが、メールを見ると代替便の予約のリンクがあったので飛んでみると元々予約していた便と同時刻の便が予約できたのでどういうこと?となってしまった。とにかくJetstarのカウンターに行ってみるしかない。

 11時過ぎに成田空港第2ビルに到着。

 国内LCC系は第3ターミナル。結構歩かなければならない。

 汗だくで第3ターミナルに到着。

 Jetstarカウンターに到着。それ程混んでいなかったのですぐに順番が回って来た。早速欠航について聞いてみたら新千歳空港が悪天候のため小さな機体に変更されたとのこと。再度予約した便もちゃんと取れていて結果的に予定通りの時間に出発することができるとのことで安堵した。

 無事にチェックインを終えて隣の大型手荷物検査場に輪行袋を持っていってバイクの預け入れ完了。

 取り敢えず搭乗手続きが全て終わって身軽になった。他に特にやることもないのでそのまま搭乗口に向かう。

 11:50に搭乗口に到着。窓の外を見ると見慣れない航空会社の機体が見える。海外のLCCなのか?

 何となくお腹が空いたので売店を覗いてみるが何でもやたらに高いので安く済ませようと思ったらこんな選択になってしまった。せっかくの旅行なのだから豪勢に…とはならないのが小市民、もさもさとパンを食べてお茶を濁す。

 これから乗る機体。ボーディングブリッジはない。こういう設備の簡素化がLCCの低料金の基ということか。

 12:50に登場開始。

 通路には屋根はあるが地面には水溜りがあってよけながら飛行機に乗り込む。

 13:00、定刻通り出発。雨だと何となく気分が盛り上がらない。ついさっきの欠航騒ぎで疲れてしまった感じ。

 雲の上に出て青空と雲海を眺めていると何となく旅行気分になって盛り上がって来た。

 1時間半程のフライトで北海道上空に到達。北の大地が見えてきた。

 14:45、定刻通り新千歳空港に着陸。

 新千歳空港上空は曇ってはいるが雨は降っていない。北海道に降り立つのは2023年7月のSR600支笏洞爺以来2年振りになるのか。

 輪行袋の受け取り。荷物返却のベルトコンベア開口部のすぐ横の通用口から出てくるものと見て真ん前で待機。

 10分程で読み通りこの通用口から出てきた。ぱっと見明確なダメージはなさそう。

 輪行袋を担いでJR線の乗り場に向かう。

 15:20発の快速エアポートに乗車。ブリーフィングには全く間に合わない。ごめんなさい。

 車内は全く混んでいないので輪行袋の持ち込みは問題なし。

 16時過ぎに札幌駅に到着。札幌駅はいつもの様に賑わっている。

 今回の宿は駅の北側。北側はそれ程人混みはない。

 夕刻の日差しがきつい。酷暑の関東程ではないが札幌はかなり蒸し暑い。こんなに湿度が高いとは思わなかった。

 駅前のホテルにあっという間に到着。これは便利だ。こんなに便利だと値段が少々高くても今後も使ってしまいそうだ。

 16:10、ホテルにチェックインして部屋に入る。一休みする間もなく荷物を置いてすぐに受付に出発する。受付場所は札幌テレビ塔傍のカナモトホール、距離は1.2km。

 札幌駅の南側に出た。こちら側はいつもの様に賑わっている。

 てくてく歩いて16時半過ぎに札幌テレビ塔傍のカナモトホールにやって来たが入口が閉まっていて中に入れない。どこから入るのだろうと建物の周りをうろうろしてみたが入口が見つからない。たまたま近くにいた参加者と思われる人に聞いたら関係者通用口から入るとのこと。

 2階に上がると、そこに受付会場があった。前日受付は17時までなので何とか間に合ってよかった。

 ちょうど同じタイミングでLELからの直行組の人達に遭遇、岡田さんもその一人。それにしてもLELからそのまま北海道1200を走る人が何人もいるというのにはひたすら驚くばかり。体力、精神力、回復力、財力、休暇力等全てにおいて別次元。凄過ぎる。

 AJ北海道スタッフの武藤さんに久し振りにお会いする。今回はお世話になります。

 受付会場でスタッフや参加者の人達に囲まれて一気に気分が盛り上がって来た。

 無事に受付を済ませてブルベカードをゲット。スタート時間は5:40となった。これで明日は出走可能となって一安心。近くにいた参加者の人達とひとしきり会話してからホテルに戻り始める。

 ホテルに戻ってきて次はバイクの組み立て。15分程で組み上げて各所をチェック。見た目に破損個所はなかったのだが右STIレバーの動きがかなり渋くなって変速がし辛い。それとショック吸収機能付きのステムにがたつきが出ている。上から押さえつける分には問題なさそうだが気になる。STIレバーもステムも出発前には問題なかったのでどうやら飛行機輪行の時に何らかダメージを食ったのかも知れない。いずれにしても今更どうしようもないので覚悟を決めてこれで走るしかない。今回は天気予報を信じて雨具・防寒具を一切切り捨てたので見た目にかなり軽装。ドロップバック無しで過去最も荷物の少ないRMになる。

 バイクを組み立て終えてから今夜の夕食と明日の朝食をホテルの隣のコンビニに買い出しに行く。

 買い出しから戻ってそのまま風呂。このホテルには地下に大浴場があるのだが脚の毛を剃るので部屋のユニットバスで我慢する。

 風呂から上がってさっぱりしてようやく人心地着いたのが19時前。何だかんだで結構時間がかかってしまったが取り敢えず今日やるべきことはすべてやり終えてほっとする。出走前なのでいつもの様にノンアルコールのコンビニご飯で済ませる。全ては完走を果たしてからだ。

 明日は5:40スタート、ホテルからスタート地点の丘珠までの移動時間を考慮して明日の起床時刻を4:20としてアラームをセットする。

 持ってきたPCでインターネットを眺めていたら眠気が来たのでそのまま寝に入る。消灯時刻は21時過ぎ。

 夕食を終えてまったりしつつ